湯けむりJKふたり旅(5)
「それじゃあ、恋とは上手くやってるのか」
「はい。とても仲良くさせて頂いて……ほら、こんなにいっぱいお写真を」
昼下がりの山道を、ふたりで歩きながら他愛もない話をする。
京子は藤色の浴衣を着て、三歩後ろを歩いていた。
「横に来いって。後ろを歩かれると、話しづらい」
「わ、分かりました」
変なところで古風で、淑やかな少女なのだった。
なのに、手にしたポーチからスマホを取り出すところが、変に現代的で、可笑しみを感じる。
「うわっ」
「まあ、そんな反応をされなくても……」
妙に手慣れた手つきで見せられた、写真、写真、これまた写真。
半分は自撮りだろうか。
恋と京子が仲良さそうに写っている。
格好も場所もバラバラで、中にはゲームセンターで撮ったようなものもあった。
「まさか、お前ら、付き合ってるのか……? いや、そうなら、俺は祝福してもいいんだが……」
「へ、変な勘違いをなさらないで下さい……っ! れ、恋さんは、その……なんだか、お姉さんが出来たみたいで……つい、甘えてしまうんです」
しかし。
互いに頬ずりをしているような写真もあれば、恋が京子の頬にキスしているような写真もあった。
女友達と言うのは、親しいとこんなこともするのだろうか。
黒宮は首をひねりつつ、スクロールする写真を追っていく。
「……おや、水樹に香織も。お前ら、接点あったっけ?」
「それをわたくしに言わせるなんて、黒宮さまは意地悪です……み、皆さん、その、ひとりの殿方と……」
そうだった。
穴兄弟ならぬ、竿姉妹。
彼女たちの関係を身も蓋も無く言ってしまえば、そうなってしまう。
それにしても、仲良し穴兄弟というのは聞いたことが無いが、彼女たちの関係は悪くない……どころか、そのうち皆でパーティでもやりかねない雰囲気がある。
香織の豊満なバストに抱きしめられ、京子が目を白黒させる写真などもあった。
「これ、誰が撮ったの?」
「水樹さんです。とても楽しそうに写真を撮られて、その場で送って下さいました」
不思議なくらいの仲の良さに、黒宮はますます首を傾げてしまうが、ひとつ、思い当たることもあった。
水樹も、香織も、人格的にかなりしっかりした、大人の女だ。
黒宮のような、ろくでなしでも京子の境遇には気をかけているのだから、彼女たちは余計にそうなのかも知れない。
「ま、仲がいいのはいいことだよ。京子ちゃんくらいの年なら、まだ甘える大人が必要だしな。香織と水樹なら、頼りになると思うぞ。
……恋は、まあ、その。なんだ。あいつの自由さは、十分の一くらいなら、見習ってもいい」
「ふふっ」
花がほころぶように、京子が笑う。
「黒宮さまは、仰っていましたね。わたくしは、お家という箱の中に心が入り込んで、外に出れなくなっている、と。
どうでしょうか。わたくし、ちゃんとお家の外に出れましたよ」
まるで、子供が親に自慢するような、褒めてもらいたがっているような、そんな笑みだった。
「あ、ああ……これ見ると、そうみたいだな」
それが高じて、こうして男とセックス旅行に来たのだから、盛大に道を踏み外しているような気もするが。
「だから、今回は、お礼がしたかったんです。黒宮さまは、きっとこんなお礼が嬉しいだろうな、と思いましたから」
男の前に立ち、進路を塞ぐようにして。
上目遣いに、謎めいた笑みを浮かべ。
歩いているうちに着崩れたのか、ゆるんだ着物の合わせ目から、まろやかな乳房が覗き見えた。さくらんぼのような、小さな乳首と、柔肉の谷間までも。
「そうだな……それじゃあ、たっぷりお礼してもらおうかな」
手を伸ばし、ゆるんだ合わせ目を開けて、乳房を直に触れる。
実りつつある胸は、瑞々しい弾力で指を押し返してきた。
ぷにぷにと乳を揉むと、少女は穏やかな笑みを浮かべたまま、それを受け入れて。
それどころか、揉みしだく手に手を添えて、もっと、もっとと誘うよう。
「おっぱい、揉まれると気持ちいいの?」
「ん……ずっとこうされていると、お腹のほうが疼いてきます……お胸も、芯から切なくなるみたいで……」
「じゃあ、もっと揉んで、おっぱい大きくしてあげるよ」
人気のない山道で、向き合った浴衣姿の少女の胸を揉む。
いくら人が来ないような場所とは言え、白昼の外でみだらな行為をしているのだ。
京子がそれをすんなり受け入れるようになった、というのが驚きだった。
「こんな山道で、こんなことして、いいの?」
「あっ、はっ……んん、この辺りは滅多に人が来ることもありません……
でも、この先をなさるのでしたら、そちらの木立で……」
道から外れ、木立に入ると、おあつらえ向きに開けた場所があった。
ちょうどよい塩梅に草むらがあり、林のなかの休憩所、という具合だ。
「んっ」
黒宮は少女を抱き寄せ、今度は裾を捲り上げて、ぷりんとした白桃の尻をさらけ出した。
両手を回して、もちもちとした尻肉をこね回す。
若いもち肌は、手のひらに吸い付くようだ。瑞々しく、絹のように滑らかで、むっちりと肉がついている。
いくら捏ねても飽きそうにないが、京子はそれだけでは物足りない、というように、カチャカチャと男のズボンを外して、手探りでペニスをまろび出していた。
「おまたが、すごく熱くなってますよ、黒宮さま……」
普段の彼女らしからぬ、悪戯っぽい笑み。
白魚のような指が、熱せられた肉棒に絡みついて、しこしこと刺激を与える。
黒宮も対抗して、尻肉を揉んでは、可愛らしい唇を奪って接吻を楽しんだ。
木立の中を、ぴちゃぴちゃと舌が絡まる音が響き、溢れた唾液が地面に落ちる。
楚々とした、清らかな浴衣姿も、今は胸も尻もさらけ出した、いやらしいものに。
頃合いと思った黒宮は、京子のからだを後ろに回し、一際立派な木の幹に預けさせた。
「どうぞ……おいで下さいませ」
浴衣は肩まではだけて、細い肩と白い背中が見えている。
大きく開いた裾からは、ぷりんと突き出されたお尻と、内股になった脚が丸見えに。
「おお……」
恥ずかしげに頬を染めながら、嫋やかな指が回されて、くちゅり、と乙女の秘所を開いて見せる。
家元少女の、らしからぬ誘惑に、黒宮は腰帯の辺りをがっしりと掴まえて、ずぶりと肉棒を突き入れた。
「あんっ」
か細い肢体がくねり、丸いお尻がふりふりと揺れて押し付けられる。
まるで男を迎え入れ、誘い込むような所作。
木漏れ日の中、オスとメスとが、互いの性器を擦り合わせ、喜びの時を迎えようと、繋ぎ合わせる。
ぐぷ、ぐぷっと柔肉をかき分け、腰を前後させれば、嫋やかな手が木の幹を抱いて、あん、あんと甘い声。
結合部からはぐちゅぐちゅと、男女の体液がかき混ざる音がして。
木立に響く、はぁはぁという荒い吐息。
気持ちよくなることだけを考えて、男は腰を前後に振り、娘は形のよい尻をくねらせる。
すっかり開けた浴衣から零れ落ちた乳房を、男の手がすくい取るように握って、むにゅり、ぐむぐむと捏ね回せば、玉の汗が浮き出した。
「はっ、はっ……あん……黒宮、さまぁ……」
「気持ちいいよ、京子ちゃん……」
腰を打ち付けるたび、美しい首をのけ反らせて、艶やかな黒髪が振り乱れる。
濡れた柔肉を奥まで貫いて、ずぽずぽと肉の砲身を出し入れし、男は少女を貪った。
卑猥な音と、色めいた声を周囲に撒き散らしながら、自然のままに番い合う。
「んはっ、わたくし、もう……嗚呼……」
「俺も、もういくっ!中に、中に出すよっ!」
びゅっ、びゅうっ、びゅるるっ
オスの種をたっぷり含んだ粘液が、肉筒から撃ち出されて、少女の小壷へとろとろと注ぎ込まれる。
京子は背筋を弓なりに反らせながら、感極まった声を上げ、男の種を受け入れた。
「……今回は、楽しかったです、黒宮さま」
「俺も楽しかった……というか、気持ちよかったよ、京子ちゃん」
旅行も終わり、帰り道の車の中。
結局、ちんぽの乾く間もない日々だった黒宮は、変に清々しい気持ちでハンドルを握っていた。
相変わらず下世話なことは言うが、車を停めてカーセックス、というほどには盛っていない。
「もう……でも、そうですね……また、こうして旅行がしたいです。
今度は、恋さんも誘って、ううん、香織さんも、水樹さんも一緒に」
「そういうことなら、今度南の島でも行くか?
どうせ金なら余ってるしな、今回ので旅行もいいな、って思ったよ」
「まあ、いいですね……とっても楽しそうです」
「この間知り合った、美亜ちゃんって子がいてね。恋に憧れてるみたいだから、ついでに彼女も誘って……」
「く、黒宮さま、また女の方に手を出されたんですか? 本当に仕方のない方です……なんて気の多い方なんでしょう」
助手席の京子は、そう拗ねたように言うが、すぐに気を取り直して。
困ったように、ぽつりとこう呟いた。
「それでも、お慕い申しております、黒宮さま」
「お、おう……ありがとな」
いきなりの告白に、黒宮はむせそうになったが、なんとか抑え。
インターで買った缶コーヒーに手を伸ばし、喉へと流し込む。
到着までは、まだまだ時間がかかりそうだった。