電車で尿意を我慢する巨乳女子大生を助けたら惚れられて!? 爆乳未亡人まで加わってたっぷりイチャイチャ母娘丼をたらふくどうぞ!1話
「まことさん♡ ちゅる♡ んちゅ♡ まことさん♡ まことさん♡♡」
名を呼んで、彼女が必死に俺を求めてくる。
唇を重ねれば重ねるほどに。名を呼ばれれば呼ばれるほどに。膝の上の彼女への愛しさが増していく。増していくほどに深くなる愛の沼に落ちていく。
「まことさぁん♡♡」
「……愛しております」
「んんんぅぅぅ♡♡ 私もっ♡ まことさんのことを愛しております♡♡」
誰もが羨む美貌をもつ美女との甘いラブラブ生活を、平凡なサラリーマンでしかなかった俺が送るようになるとはまったく思ってもいなかった。それもこれも。
あの日、彼女と出会った日。すべては、三年前にさかのぼる。
※※※
――お急ぎのお客様には御迷惑をおかけいたしますこと……
「ええ、ええ……そうです。そういったわけで、ええ、申し訳ありません」
ブツブツとスマフォの向こうで小言を言い続ける上司に頭を下げる。人身事故で電車が動かないのは俺のせいではないが、そんな子供でもわかることを理解してくれる上司ではなかった。
周囲では、多くの人が俺と同じように電話先の相手に遅刻することを伝えていた。分かり易く苛立ちを表に出している人もいるが、そんなことをしたところで動かくなった電車から降りられるわけじゃない。もっとも彼らと違って俺は席に座れているから心に余裕があるのかもしれない。立ち続けるというのは、かなり体力を消耗するからな。
あまり利用客の多い線路ではないが、それでも朝の時間帯は座れない人がそれなりに居るくらいには混雑している。あとは少しでも早く運転が再開することを祈るしかない。もっとも俺はおかげで堂々と睡眠時間を確保できるわけだからそこまで切羽つぱったわけじゃないけどな。
目を閉じる。本格的に寝るわけではないが、これだけでも体力は回復してくれる。昨日も深夜残業で酷使してしまった肉体にはありがたいご褒美タイムだ。
同じ内容のアナウンスが幾度となく繰り返されていく。若い男の文句が大きくなっていくほどには、電車の再開はまだまだ先のようだ。
「……ふぅ……ん……」
これはもう本当に寝てしまおうか。そう思っていた俺の耳に届いたのは、どこか苦し気な息遣い。もしかして体調を崩した人がいるのだろうか。席を譲るべきかと考えながら顔をあげた俺が目にしたのは驚くほど可憐な女性だった。
美少女というには大人びて、美女というには幼い。大人の階段をのぼりはじめたばかりの瑞々しい美しさをそなえた女性だった。眼鼻の通った顔立ちは、どこか西洋の血を感じさせる。だが、透き通るほど美しい漆黒の髪色はまさしく大和撫子の象徴ともいえた。
息を飲むのは忘れてしまうという経験を俺は生まれて初めて経験した。それも、十歳は年下であろう女性を見てだというのだからこれを友人に話でもしたら一生ロリコンのレッテルを貼られてしまうかもしれない。
「……ぅ……」
と、そんなことを考えている場合じゃない。明らかに声の主は目の前の女性だ。顔色も、あまりよろしいようには見えなかった。
「失礼、お嬢さん。席を代わりましょうか?」
「え? あ、い、いえっ! 大丈夫です……! お心遣いありがとうございます……」
浮きかけた尻がまたシートに沈む。電車の中で席を譲る行為はそれなりに難しい。普段であれば次で降りるのでと適当なことをいって無理やり代わるのだが電車が止まってしまっている状態ではその手も使えない。
じゃあ代わりに俺に座らせろと女性の隣に立っていたデブのおっさんが目で語ってきたのでそれは無視させてもらった。俺はおっさんには優しくはありません。
大丈夫だと言われてしまってはなすすべがない。だけど、一度気になってしまったものを見ない振りというのも無理といえる。
一分、二分と経過して、ますます女性の顔色が悪くなっていくとなればなおさらだ。明らかに冷や汗までかきはじめている。
「お嬢ちゃん、無理はせずに席を代わってもらないなさいな」
「そうだな、座ったほうがいいぞ」
俺の隣に座っていたおばさんも、席を代わって欲しがっていたデブのおっさんまで女性に声を掛け始めた。
「そういう、ことじゃ……ないん、です……っ」
これはもう絶対におかしい。席を譲ってもらうのはプライドが邪魔をして、というのもあるかもしれないがそれでは説明できないほどには顔色が悪すぎる。だけど、体調が悪いというよりはむしろ何かを我慢しているようで……。
おい、まさか……。
「これ、ちょっと読める?」
スマフォを取り出して文字を打つ。フォントを大きく変更してから、女性にだけ見えるように俺はスマフォを突き出した。
もはや真っ青になった彼女は、震えるようにスマフォを覗き込み、そして、小さく、本当に小さく頷いた。うごぉぉ……まじかよ……。
――トイレを我慢しているのですか。
俺が打った文字だ。
いつ動き出すか分からない電車のなかで、彼女はトイレを我慢している。このままでは、彼女はこの場で漏らしてしまう。
「なんだい、なにかあったのかい?」
「こういうことです、男性には見せないでください」
「うん? ……あっちゃぁ……」
隣のおばさん、そしてその更に隣のOL風の女性が俺のスマフォを覗き込んでばつが悪いと顔をしかめた。デブのおっさんが気にしていたが、これはちょっと見せられない。
窓を開けるか? いや、この小さな窓から、それもかなりの高さになる電車からトイレを我慢している若い女性が飛び降りれるわけがない。そんなことをしたら着地と同時にダムが崩壊する未来しかみえない。
車掌を呼びに行って扉を開けてもらう? いや、ここはちょうど電車のまんなかだ。そんなことをしている時間があるようにも思えない。
「仕方ないか」
俺は鞄の中から保温性ばっちりのタンブラー型水筒を取り出し、中身のお茶を一気にすべて飲み干した。
「きっつ……」
「ちょっと、あんた何してんだい」
「お……ねえさん、これを、んで、すこし耳を貸してください」
「いま、おばさんって言おうとしたね。うん? ふんふん……ああ……仕方ないねぇ」
俺がまだ赤ん坊だった頃の話だ。
母親にだっこされて電車に乗っていると、乳がほしいと俺が泣きじゃくったことがあるらしい。どうやっても泣き止まなかった俺のため、まわりの女性が取った行動が。
「悪いね! 男はちょっと端っこに寄っておくれ! ほら、女は全員立って、この娘を囲んで!」
その場に居合わせた女性が母を囲んで、壁になってくれた隙に俺に母乳を与えたんだそうだ。死ぬほど恥ずかしかったと大人になってから何度か母親に愚痴られた経験をまさかこんなところで使うとは思いもしなかった。
男である俺が先導すれば角が立つが、となりのおばさん、もといお姉さんが肝っ玉が据わっている系で助かった。ぶつぶつと文句を言う人もいたが、女性陣が束になって早くしろと目で語られても抵抗するほどの人は誰もいなかった。
「あんた! なんでもいいから歌を歌いな!」
「う、歌? 歌ぁ!?」
「はやくしな!!」
壁の一番前にはとなりのお姉さんが陣取っている。あの壁を越えて女性を覗き見ようなんて馬鹿はいない。だけど。歌って……。ああ、そうか音が気になるもんな。さすがは女性は目の付け所が違う。
恥ずかしくないといえば嘘になる。だけど、これは俺が始めたことだ。責任は、俺にある。意を決して、下手くそな俺の唄が電車のなかに響いた。……ちょっと笑われた。
※※※
「ありがとうございます! ありがとうございます!!」
三十分後、ようやく動き出した電車が到着した駅で俺は女性にしこたま頭を下げられていた。よりにもよってあの隣のおねえさんは別の駅だとかで電車に乗ってどこかへ行ってしまった。おかげで彼女のお礼攻撃が俺に集中砲火になっている。
「この御恩は決して忘れません! あの……! お礼がしたいので、連絡先を教えてくださいませんか?」
「いえいえいえ! そんなことされるもんじゃありませんので、御気持ちだけって充分ですよ。困った時はお互い様じゃないですか」
「ですが、水筒も弁償しないといけませんし!」
ぎゅっと握りしめられた元俺の水筒には、たっぷりとお茶ではない液体が入っているのだろう。いくら綺麗な女性のそれだとしても、どれだけ洗おうともまた使おうと思えない。
「それ、安物なんですよ。ていうか、近くの珈琲屋が無料配布していたやつなんで。ああ、すいません、ちょっと上司から電話が!」
これはどちらも嘘じゃない。使い勝手は良かったからもったいないが、あれは本当に無料でもらったものだし、上司から鬼の様に電話もかかってきている。絶対、ずっとパソコンでいつ運休再開したかを見ていたんだぞ、この暇人は。
「じゃ、そういうことなんで!」
「あっ! お、お待ちください!!」
――どこでサボってやがんだ!!
「すいません、すいません!」
手を伸ばす女性を振り切って、俺は会社へとダッシュした。
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