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湯けむりJKふたり旅(1)

「あ、あの……黒宮様。わたくし、今日は、お願いがあって参りました」

そう言って、テレビ局の部屋を訪ねてきたのは、家元女子高生として有名な美少女、神無月京子だった。
16歳の少女は、艶やかな振袖姿。今日はテレビの収録があったのだろう。
本数を減らしたが、今でも定期的に呼ばれる程度には、人気があるのだ。
むしろ、露出が減った分、かえって需要は増したのかもしれない。
ここ最近は、可憐なだけでなく、どことなく神秘的な美しさすら醸し出しているのだから。

「お願い、ねえ。まあ、別によっぽどのことじゃなきゃ、大丈夫だぞ。固くならなくていいから、言ってみろよ」

収録となれば、場を支配する格式の美を振りまくというのに。
今の京子は、おどおどしてぎこちなく、まるで飼い主の反応を伺う子犬のようだ。

「こ、こ、これを、お読みください! あとで、必ず、おひとりのときに……!」

そう言って渡されたのは、時代がかった封書であり。
踵を返して立ち去る少女を見送って、ぽつりと呟く。

「果たし状じゃないだろうな……?」

横にいた水樹が、何とも言えない苦笑いを浮かべていた。

「どれどれ」

マンションに戻った黒宮は、さっそく封書を開いてみた。「拝啓 黒宮様」から始まる手紙は、なんと毛筆で書かれており、およそ女子高生の書くものではない。
おまけに時候の挨拶が何行も続く。

「やっと本題か……」

ためらいがちな文面を読み解けば、何の事はない。
亡くなった両親の遺産である別荘へ、旅行に行かないか、というお誘いだった。
なんと露天風呂もあるのだという。
普段は管理人がいるそうだが、あまり利用しないのも勿体無い、でもひとりでは心細い、等々、長々と言い訳めいたことが書いてあったが。

つまりは、旅行の誘いである。
男女ふたりっきり、邪魔の入ることのない。

別に、ひとりが嫌なら恋を誘えばいいことだ。恋と京子は驚くほど仲がいいし、二つ返事で了承するに違いない。
なのに黒宮を呼ぶということは、それはもう。

黒宮はいやらしい想像で頭を一杯にし、予定の日を待つことにした。

「……すみません、お手伝いして頂いて……」
「いや、別にいいけど。しかし随分荷物があるんだな」

当日の朝。
時間通りに京子の家を訪ねた黒宮は、ボストンバッグ三つもある荷物を、後部座席に詰め込んでいた。
女の旅行は荷物が大変だというが、それにしても多い。

「その……何かあると大変なので、お洋服とか、たくさん……」
「いいって。どうせ車だからな」

気にしてないと手を振って、助手席に少女を乗せる。

(何かあると大変、ねえ)

もちろん、黒宮はナニを致す気満々なのだが。

今日の京子はチェックのシャツワンピで、カジュアルな着こなしだ。
初めて会ったときの様子からは、想像も出来ない。京子は確かに綺麗になったが、一方では、普通の女の子になったのだ。
常に着物か制服を着る、家元と女子高生の顔「しか」持たない少女ではなく。
こうして休日に、普通の女の子が着るようなワンピースを着て、ちょっとした旅行に出るような、ただの16歳の少女に。

きっとこれは、良い変化だろう。
そんなことを思いつつ、車を走らせていた黒宮であったが。

「黒宮さま……あの、今日のお洋服は、如何でしょう?」
「おお、可愛いと思うぞ。なんだろうな、お嬢様っぽくないのが、却って新鮮だ」

素直に感想を言うと、頬を染めて、はにかむように笑う。
京子はどこまでもお淑やかな少女だった。

「あの……これから行く、別荘なのですが。
山の上にあって、周囲は人気もないのです。だから、その、ふたりっきりで……」

もじもじと、膝の上で手を組み合わせながら、しかし、確実に言葉を続けていく。

「黒宮さまには、色々なわたくしを見てほしくて。それでつい、着物もお洋服も、いろいろと持ってきてしまいました。
だから、向こうについたら……」

お淑やかな少女に浮かぶ、小さな、しかし確実に芽生えた色欲の表情。
ご存分に愛でてくださいませ、と囁かれて、黒宮は情欲を抑えるのに苦労した。

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