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安産型リポーターと少子化対策(3)

「ふふっ……」

天蓋付きのベッドに横たわると、香織は誘うように微笑んだ。
仰向けになっても崩れることのない、完璧な球形をしたバストが、ぷるぷる揺れて男の手に掴まれるのを待っている。
魅惑的に膨らんだブラウスに、黒宮は鼻息も荒く手を伸ばした。
立体的なラインを描く生地に沿って、ぷちん、ぷちんとボタンを外していく。
プレゼントの包装紙を一枚一枚剥がしていくように、この素晴らしい自然の贈りものを剥き出しにしていく、この瞬間を、黒宮は愛してやまない。

自分のために美しく着飾って、魅力をアピールする女性の、服を一枚一枚剥ぎ取って、その下に隠された宝物のような肢体を取り出し、なめらかな肌をじっくりと愉しむ悦楽。

「へへっ、本当に可愛い服だよ」

ブラウスのボタンを外してゆき、スカートのウエスト部分まで到達してしまうと、今度はホックを外してファスナーを下ろしていく。

「あ……」

男の手が、とうとう下半身に達した時、香織の顔に浮かんだのは羞恥の赤と、それ以上に大きな期待の色。
口元を手で覆いながら、潤んだ瞳が、ずり降ろされていくスカートを見つめていた。

「んん、何度見ても堪んないね……もう、最高にそそるよ、香織ちゃんのカラダ」

脱がしたスカートを脇にどけ、慣れた手つきでブラウスを開けると、その下はもう。
いやらしい下着でオスを誘惑に来た、美しくもいやらしい、愛の女神の柔肌が晒されている。

ちゅ、ちゅっと遅れ馳せの口づけを交わし合いながら、黒宮は残るブラウスを脱がせにかかった。香織は恥ずかしそうに笑い、ただ男の手に身を任せるだけ。
そうして服を脱がされ、下着を取られていけば、自然の生み出した愛のヴィーナスの裸体が露となる。

多産と豊穣を約束する、砂時計型のボディライン。
ぷるぷると揺れる、量感いっぱいの乳房に、悩ましい腰のくびれ。むっちり張り出したヒップに、長くスタイルの良いおみ足。

何度見てもたまらない、劣情を催す肉体だった。
焦がれた指がおっぱいに沈んで、素晴らしい弾力をもみもみと味わう。勃起したペニスが太ももに当たり、むっちりした肉に擦り付けられ、先走りを塗り込めながら女を抱きたいと恋い焦がれる。

もう前戯すらもどかしい。
黒宮は一度上体を起こし、香織のからだにぴったりと覆い被さると、耳元で囁いた。

「いいだろ、もう。挿れるぞ」
「あんっ、そんな、もう……」

言葉とは裏腹に、熱く湿った吐息が耳元に吹きかけられる。
尺取り虫のように腰をくねらせ、本能だけで入り口を探り当てると、黒宮は抱き付いたまま挿入した。

「あっ……んぁ、くぅっ……はぁあっ……」

まだ解れきっていない女の穴へ、反り返った肉銛が入り込んでいく。
亀頭が蜜穴を抉り、雁首が膣ひだを擦り上げていく中、湿った熱い吐息を耳元に感じる。
体重のまま、一番奥まで性器を嵌め込むと、繋がりあった二人は同時に深い深い溜め息を吐いた。

「んふっ、黒宮さん……入っちゃいましたね……もう、暴れん坊なんですから……」
「香織ちゃん……」

上体を起こした黒宮は、香織としばらく見つめ合う。
少し幼い可愛らしさを残した、美しい顔だ。亜麻色の髪は解けて、ベッドの上に広がっている。
上気して、官能を孕んだ表情は、どこか余裕を持っていて。
宝石のような瞳は、吸い込まれそうに大きく、きらきらと輝いていた。

(……っ、こんな、凄い美人だっけ……)

元から美人だとは思っていた。
セックスを繰り返すたび、更に美しくなっていくとも。
だが今夜はそれだけではない、官能的な美しさを彼女は放っていた。

背中を擦っていた手が、黒宮の後頭部を掻き抱く。
美しい唇が、耳元に当てられ、神秘的な響きで囁いた。

「黒宮さんの、わたしの中で、びくびくってしてます……そんなに、えっちなこと、したいですか?」
「当たり前、だろっ……!」

蜜のように甘い囁きが入り込み、熱い吐息が吹きかけられるたび。
黒宮のペニスは痛いほど膨れ上がり、膣粘膜を擦って快楽を求めるのだ。

性急にヴァギナに突っ込んだ男をあやすように、頭を撫でると、香織は唇を深く重ねて来た。
くちゅ、くちゅとディープキスを交わし合い、唇を離したときの、表情。

吊り上がった口角。
男をあやす母性のようで、確実に異なる何かを宿し、笑う。
ぞくぞくっと背筋が震え、視線が釘付けになる。

まるで知らない誰かのような。
今まで見たこともない、彼女の新たな表情。

「あはっ、いっぱい、いっぱい、気持ちよくしてあげますね」

嫋やかな腕が男の背中に回され、縋り付くように力が込められる。
同時に、長い脚が男の腰に絡み付けられ、挟み込むようにして密に繋がり。
そのまま柳腰が蠢いて、悩ましく揺れて男根を締め付けた。

「おお、くうっ……」
「んっ、は、あんっ……」

伸し掛かり、覆い被さって、女体を貪るのは男のほう。
けれども、捕らえられ、挟み込まれたのも男のほうで。

「むちゅ、ちゅっ、んっ、はぁ……」
「はぁっ、ふぅ、むむっ」

互いの唇を吸い合いながら、ふたりは肌を密に重ね合い、肉体を揺すらせ、波打たせながら、一つになろう、一つになろうと求め合う。
天蓋と周囲を覆うヴェールによって仕切られた、秘密の花園で、ふたりは汗を流し、生々しくもロマンティックな一体感に酔い痴れた。

男が単調に、欲望のままに腰を前後させれば。
女の腰使いがそれを受け入れ、絶妙なくねらせ方で、快楽を倍増させる。
終いには互いの舌を絡ませ合い、突き動かされるように求め合って、身震いするような興奮の中に絶頂した。
どく、どくどくっと、熱く脈打つペニスから、白濁の精液が迸り、妖艶な美女の胎内に流れ込んでいく。
吹き飛ばされそうな快楽に陶酔しながら、黒宮は最後の一滴まで遺伝子を注ぎ込もうと、ねじ込むように腰を動かす。

「ああ……」

それを優しく、ともすれば慈母のような微笑みで受け入れ、香織は優しく男の背を撫でた。
そうしてベッドの上で、しばらくずっと、繋がりあったまま。
性の痙攣の余韻を味わうように、ふたりは静かな時間を過ごした。

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