巨乳キャラあつめました

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現代の魔女

「……飲み過ぎたな」

行きずりの美女と、路地裏でレイプじみた行為に及んだ、翌朝。
黒宮は二日酔いに痛む頭を抱え、のっそりと起き上がった。
ここ最近は体調も良く、少しくらい無理をしても(それこそ女子学生たちと夜通しで乱交をしても)、次の日には気分良く目覚めていたのだが。

「まあ、あれだけ激しけりゃな」

独りごちて、珈琲を淹れる。
脳髄に染み渡るカフェインが、意識をクリアにしてくれた。
思い出すのは昨夜のこと。薄暗い路地裏の、荒々しい行為のこと。

腰から下が蕩けそうになるほど、気持ちのいいセックスだった。

黒宮はあの美女の、名前すら聞いていない。
自分から股を開き、尻を振って男を惑わす、ふしだらな女。
まるで、あえて自分を都合のいい道具として使わせて、乱暴にされるのを望んでいたようだ。
実際、髪を引っ張られ、尻を叩かれ、排泄のように中出しされて、それで彼女は悦んでいたのだった。

一夜明けて、落ち着いた頭に浮かぶのは、悪魔に魅入られでもしたような、あの笑顔。
真正のマゾだとか、そういう単純な趣味の問題ではなく。
奈落の縁で火遊びをするのが楽しいと、そう訴えるような、自己破滅的な笑みだった。

黒宮が知らない、見たことのない女の顔だ。
恋は何を考えているか分からないが、あれなりに「楽しい」ことを探している。
静香は不倫のスリルを味わいつつも、子供が欲しいという望みがあった。

あの女には、そういうものが全く見えない。
ただただ、ひどく空っぽなのだ。

「ったく」

所詮他人事だ。
黒宮は頭を振って、彼の日常に戻っていった。

「……ふふっ」

繁華街の外れ、裏通りにある小さな占い屋。
昨晩、黒宮からたっぷりと精を注がれた美女は、妖しい笑みを浮かべ、気だるげに頬杖を突いていた。
今日は全身を覆い隠すローブを纏い、ピアスも隠れて、別人のような印象だ。

そんな彼女を頼ってくるのは、占い客だけではなく。

「あの……あたし、先月から、生理が来なくって……ここ来れば、いいお薬があるって、聞いたんだけど」

援交でうっかり子供を孕んでしまった、女子高生であったり。

「なあ姐さん。子分がちと、クスリを打ち過ぎちまってな」

薬物中毒を緩めようと、縋りに来たやくざ者であったり。

「今度のコンパで、目当ての娘が来るんだよ。それでさ、その……女がその気になる薬があるって本当?」

効果抜群の媚薬があると聞いた、大学生であったり。

彼女の「顧客」は、人生の裏通りに足を踏み入れた者ばかりだ。
求めに応じて、彼女は大鍋で煮込んだ薬をくれてやる。
堕胎薬に毒消し、媚薬など、時代を選ばぬ魔女の妙薬を。

それは現代まで辛うじて生き永らえた、魔女術の残照。
新月の夜に悪魔を招いて、肉欲のサバトを開いていた時代の、最後の残滓だった。

「ふふっ、なんだか調子がいいわぁ。あの男、まさかとは思うけど……本物の魔術師だったりして」

にやりと口角を吊り上げ、形作るのは悪しき笑み。
夜な夜なクラブを渡り歩き、行きずりの男と交わるのは、何も色情狂
ニンフォマニア
というだけでなく。
旺盛な生命力の男と繋がり、淫らな肉の結合から、堕落の力を引き出すためだ。

彼女は黒宮から、何か普通ではない、この世ならざるモノの匂いを感じ取っていた。
試しに誘ってみれば、その肉から伝わってくるのは、今まで味わったこともない豊かな力。
ひとりの魔女としては、昨夜の情事は「大当たり」だと言えるだろう。

もっとも、そんな風に男を漁っていれば、当然性質が悪いのに当たることもあり。
気付けば周囲を危険な男達に囲まれて、何日も何日も、輪姦され続けたことがある。
その時のことは、まだ尾を引いていて……

「おう、麗花ちゃん。オレの情婦になる気になったかい?」

客でもないのに、ぞろぞろと手下を連れてやって来た、中年の男。
小太りで、その醜く歪んだ顔には、爬虫類めいた笑みが張り付いている。
彼女は、はぁ、と溜め息を吐いた。

「ねえ浩次さん、アタシみたいな色狂い、追っかけるのはよした方が良いって言ったじゃない」
「へっ、そこがいいんじゃねえか。麗花ちゃんのおまんこは、そうそう忘れられる味じゃなかったぜ」

男が悪意たっぷりに笑うと、周囲の手下たちがゲラゲラと笑う。
この連中に誘拐も同然に連れて行かれて、昼も夜も分からなくなるほど、輪姦されたのだ。
最後には、目の前で笑うリーダー格の男に媚を売って、どうにか解放されたのだが。
それが失敗だったと、今になって思う。

「なあ。このお店だって、もっと続けたいだろ?んん?」
「……はぁ」

やたらと彼女を縛り付け、ペットにしたがるこの男。
愛想笑いをしながら相手をするのも、もう、面倒になっていた。
そんな倦怠に、ある考えが忍び寄ってくる。

ーー今までは、ダメだった。
ーーけれど今ならば、この充溢した力なら。

「本物の」妖術を使えるのではないか。
ちゃちな媚薬や、堕胎薬などではなく。
本物の。地が魔法と呪文に満ちていた時代の、「月を呼び降ろす」黒魔術を。
呪われた者に死を齎す、あの魔女術を使えるのでは。

彼女は、今まで呪いで人を殺したことはない。
どんな呪文を唱えればよいか、どんな儀式を執り行なえばいいか知っているが、行ったことはないし、自分の力で「そこ」に届くとも思っていなかった。

だが、今の自分なら、「それ」が出来る。
そんな確信を抱き、彼女は嗤った。口角を吊り上げて、毒々しく、奈落の底を見つめるように。

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