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変化した街で、華やかなデートを(2)

お洒落に着飾った、芸能界の美女たちを連れて街を歩く。
それだけで、黒宮は気分がいい。
モデルに秘書にリポーターと、それぞれにタイプの違う美人。今は小洒落た私服姿で、喫茶店やレストランに目をやっているが。
それが一皮剥けば、綺麗な洋服を脱がしてやれば。涎を垂らしそうな悩ましい裸体の持ち主なのだと、黒宮だけが知っているのだ。
ベッドの上、男のモノに腹の奥を突かれながら、どんなはしたない表情をして、どんな声で啼くのかまで。

「あー、黒宮さん、またいやらしい顔してる」
「うおっ、人の考えを読むなよ、恋」
「あはっ、じゃあ図星なんだ。もう、デート始まってから、何分もしてないのに。本当、エッチなんだから」

そう言ってにこりと笑う恋は、ひどく魅力的で。
くるくると忙しなく動きながら、ふりふり揺れるヒップラインについ目が行くのは、仕方の無いこと。

「恋さんのお尻ばかり追っかけないで下さいね、黒宮様」
「デート中に他の女の子を……なんて、おかしな話ですけど。せめて、3人みんな、見て欲しいです」

左右から責めるような視線を向けてくるふたりも、それぞれに魅力的。
香織などは、歩くたびに立派なバストが重たげに揺れていて、見ているだけで一発抜けてしまいそうだ。
クールな表情を崩さない水樹も、今日は少し隙が見える。崩した胸元からチラチラと、鎖骨のラインが覗いて、洒脱な雰囲気の中にも”女”を感じさせるのだ。

「もちろん俺は、3人ともちゃんと見てるぞ」

そう答えたのは、まあ、本音だ。
性的対象として見なかったことはない。
黒宮の考えはどうあれ、3人は満足気に笑っていた。

「なんか、カップルが増えたな。それに……」
「その、なんていうか……大胆な方が、多いんですね」

繁華街の大通り。
平日の昼間でも、人通りの絶えない場所だ。
しかし、いっそ不自然なほど、カップルが多いのは不可解で。
場所を選ばずいちゃいちゃと、乳繰り合っているのを見せつけられれば、流石の黒宮も口をへの字に曲げる。

手を繋ぐだけでなく、腰まで手を回し、密着して歩く男女の群れ。
視線を向ければ、その先では誰かがキスを交わしている。
それどころか、男が女の胸を揉んでいるのにも、何度か出くわした。

「(わ、見てみて。あのふたり、ディープだよ、デイープ)」

恋が面白がって囁くのは、建物の壁に寄りかかって、深いキスを交わすカップル。
壁を背にした女が、男の背中に手を回して。
ぬらぬらと、唾液にまみれた舌がふたりの間を、別の生き物のように動く様が、はっきり見えてしまう。

「あら」

珍しく、驚いたような水樹の声。
件のカップルは、とうとう、その場で互いのからだを弄り始め。
どちらともなく手を引いて、路地の間の暗がりへと、そそくさと消えていく。

「ありゃ、これから青姦だな」

黒宮はひどく風情のないことを言う。
とはいえ、3人とも顔を赤くするだけで、誰も窘めなかった。
あの様子、傍目にも火の付いた男女が暗がりに隠れて、どうなるか。
まぐわい、結合、合体と。
色々言い方はあるけれども、たった一つの目的で入ったのは、子供でも分かりそうなことだ。

繁華街を奥まで進むと、雰囲気は変わっていく。
元々、夜は飲み屋が開く地域。時折いかがわしい店の看板が混じり出し、初心なカップルには、ばつの悪い一帯。
昼間は人気の無くなる場所に、どうしてか、男ばかりが群れを成して歩いている。
よくよく見れば、ポツポツと、新たに開店したと思しき店が並んでおり。
彼らは皆、そこへ吸い込まれていくのだ。

「この辺も、なんだか、様子が変わったな」
「ええ。飲み屋さんが多いところですが……あれは、喫茶店ですね。
軽食店も出来ていますよ」

ただし、喫茶店は可愛らしいメイドが客寄せをしているし。
軽食店も、随分と色っぽいウェイトレスが、外で客を呼んでいる。

「この時間から客引きか。随分繁盛してるみたいだけど……ん?」

そのとき、黒宮の耳は、聞き捨てならない言葉を拾った。

「はーい、新開店のメイド喫茶、ファニー・ヒルズはこちらですっ!
特別サービス盛りだくさん、オプションは表も裏もありますよ、どうぞお越し下さいっ」
「レストラン・フロッシーへようこそ! 当店は、個室接客も秘密のメニューも盛りだくさんっ! 可愛い子がいっぱいお待ちしてますっ!」

……風俗じゃん。

黒宮は思わず、その場に崩れ落ちそうになった。
その後も、どう見ても現役のJKが客引きをするJKリフレとか、見目麗しいレイヤーが接客する撮影会場だとか、怪しげな店が続く。
どれも一階は明るい店だが、二階以上は真っ暗で目張りがしてある。どういう仕組みかは推して知るべし。

「えっと……これって、大丈夫なんでしょうか」

流石に気が付いた香織が、苦笑いをして言った。どう見たって風営法違反なのだが、取り締まられている様子はない。

「大丈夫だよ。ここは”お膝元”だからね」

なんでもない様子で、恋が答える。
お膝元。
そう言えば、真っ先に浮かぶのは暴力団だが、この街では違う。
遙かな過去より、女神が帰ってきたこの街では。

「(あいつの仕業か)」
「(神殿に娼館が付いている。街へ出た巫女が春をひさいで、女神へと捧げる。
そういう宗教も、神様も、昔々には、沢山いたからね)」

そうして二人が、ひそひそ話す間にも。
またひとり、またひとりと、男たちが店へと吸い込まれ、消えてゆく。

ふと建物と建物の間、路地裏の薄暗がりに目をやれば。
派手な格好をした美女が、脱げたショーツを着け直しているところ。
ゴミ箱の上に乗せられたのは、何枚もの万札で。
ベルトを締めている男は、スッキリしたというだけでない、心の底から満たされた顔だ。
女の方も、そう満更でも無い顔で。男の首に腕を回し、サービスのキスをする。
続きをしようと決めたのだろう、ふたりは連れだって路地を出て、連れ添ったままどこへともなく歩き去った。

街には、桃色の霞がかかったよう。
昼間から甘い夢に浸かり、人々は女神の庭に生きていた。

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