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思春期の聖娼たち(1)

街は変化を続けていた。

テレビ局で手持ち無沙汰になると、黒宮はよく散歩に出る。どうせマトモな仕事では無いのだ。ふらりと出て、そのまま居なくなっても問題はない。
そうして街を歩いていれば、嫌でも変化が目に入る。

女達は、より挑発的になっていた。

丈の短いスカート。露出の激しい衣裳。性的なモチーフを象るアクセサリー。華やかで、際どく、肌を露わにする装い。
道行く娘たちが、より『女』を発散するようになり、露骨にセックスを強調し始めた。まるで、交尾をアピールする動物のよう。

そして実際、動物的な営みが、そこかしこで行われている。
ビルの谷間の暗がりから、漏れ聞こえる男女の荒い吐息。目張りのされた車から響く、ギシギシとシートの軋む音。街のあちこちで、男女が動物の本能に立ち返り、互いを求めて行為に耽っていた。
路地裏に足を踏み入れれば、我を忘れたカップルが繋がり合う場面に出くわすか、その残骸、使用済みのコンドームが散らばるのを見ることになる。

こんな光景を、黒宮は見たことがない。
なのに、心のどこかで、それを『懐かしい』と感じる自分がいた。
(そう、かつて古き時代には――神殿へ続く道で、聖娼たちが客を見つけ、通りでまぐわい、妾へ供犠として捧げたものよ。懐かしや)

そんな思考が頭に浮かび、慌てて頭を振って追い払う。それは自分の記憶では無い。あの女神が、古き時代の残滓を見せているだけのこと。

けれども、変わりゆく街は、残滓ではない。乱れつつある街は、女神の思い出などではなく、黒宮にとっての現実だ。
どう付き合っていけばいいのやら、と思いながら歩いていると、女子高生の一団がたむろしているのに出くわした。

「わ、すげえな」

思わず声に出してしまう。
黒髪の少女もいれば、明るく染めた髪の娘もいる。制服を着崩したのもいれば、キャミソールにホットパンツという、際どい格好の子もいた。
共通しているのは、皆が皆、キラキラと輝くオーラを放っていること。そして、容姿のレベルが非常に高いことだ。

ふと、その中心に、見知った顔を見つける。あちらも黒宮に気付いたようで、にんまりと妖しい笑みを浮かべた。

「お兄さん、久しぶりだね。ね、ちょっと遊んでいかない?」

ポニーテールを揺らした、すらりと背の高い女子高生。
ブラウスにネクタイという制服姿だが、胸元のボタンは開けて、胸の谷間をチラ見せし。
左手で円を作り、右手の指をズポズポする、卑猥なジェスチャーをして男を誘う。

「おいおい……」

以前に援交セックスを楽しんだ不良少女、薫が悪戯っぽく笑っていた。
しかし、顔見知りは彼女だけではなく。

「あれっ。アンタ、薫とも知り合いなの? てゆーか……何人買ったのよ、このスケベ」
「随分だな、愛理。言っておくけど、面識があるのは薫と愛理だけだ。あとは、始めまして、だな」

明るく染めた髪。艶やかなリップに、鮮やかなマニキュアと、いかにもなJKギャル。彼女も、金と引き換えにセックスを楽しむ仲だ。
何の因果か、この場に居る顔見知りの女子高生は、どっちも援交相手である。黒宮は思わず、やれやれと頭を振った。

「それで薫、遊んでいくって言うのは、そういう意味でいいのか?」
「もちろん。あたしね、お兄さんと円してから、すっごい上がり調子なの!
それに、前にシたとき、凄い良かったから……えへへ、ロハでいいかも」
「ちょっと薫、こいつにそんなこと言ったら、一晩中ハメられるわよ」
「一晩中かあ……それもいいかも」

ぽっと頬を染めて、うっとり笑う。そして何を思ったか、黒宮の手を取って、豊かなバストへと押し当てた。

「こいつはいいな……出来れば、場所を変えて、じっくり楽しみたいが」
「んっ、そんなこと言って、指、いやらしいよ……ふぅっ、あんっ」
「声は抑えてくれよ。面倒ごとはゴメンだからな」

いかに街が変化したとはいえ、ここは街角で、公道である。未成年との淫行現場を押さえられるのは、よろしくない。
幸い、たむろしていた女子達が周囲を囲んで、現場を隠してくれていた。
ぐるりと見回してみれば、レベルの高い女子ばかり。見たところ、皆同年代だろう。
スカウトに困らなそうな容姿の娘ばかりで、よく観察すれば、十代の少女には不釣り合いな、高価な所持品を持っている。

「みんな、援交やってるのか?」

あからさまな質問にも、恥じることなく、こくりと頷く少女たち。
一夜の愛と引き換えに、男たちから捧げられた金品。それをブランド物のバッグやアクセサリーに形を変え、自らをより一層美しく飾り立てている。
今の街に相応しい、愛と若さの女神たちだ。

「アンタ、どうせ薫とするならさ、アタシも一緒に……」
「あ、それならわたしもする!」
「なら、私もかな」

愛理が援交を切り出すと、他の少女たちも我先に名乗りを上げてきた。
結局、集まっていた少女たち全員にお誘いをかけられて、黒宮は少し困る。

「願ったり叶ったりだが、場所をどうするかな。ラブホじゃ手狭だ」
「あ、なら、あたし、いいところ知ってるんだ……付いてきて、お兄さん」

そう言って薫が微笑み、男の手を引いて、猥雑な街の外れに歩き出す。
女神が機嫌良く笑うのを、黒宮ははっきり聞き取った。

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