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水樹とのランチデート&サボタージュ(1)

昼前のテレビ局で、黒宮は書類に目を通していた。
名ばかり『特別アドバイザー』とはいえ、確認仕事くらいはある。例えば、枕した相手のその後をチェックするとかだ。

何だかんだ言いつつも、律儀なところのある彼は、抱いた相手の面倒は見る。ちゃんと雑誌の表紙に乗っているか、CMに起用されたかなど、結果を見ているのだ。
水樹のまとめた資料はわかりやすく、雑誌やCMの画像が貼り付けてあって、ざっと目を通すだけで概要がわかる。

枕でおいしく頂いた娘が雑誌の表紙になっているのを見るのは、密かな楽しみでもあった。
しかもこの手合いは、二度目、三度目の機会に事欠かない。
テレビ局にいれば、顔を合わせる機会はいくらでも回ってくるし、『青い光』の力があれば、対面さえすればセックスが成立する。

「ふふふ……」

実に満足げな、それでいて非常にいやらしい笑みを浮かべたところ。
ちょうど昼を告げる音楽が流れ、黒宮は書類から目を離した。

「おっと、もう昼か」
「ええ。今日の昼食はどうなさいますか?」
「そうだな……いい天気だ、今日は外に行こう。水樹も来るか?」
「はい。ご一緒しますよ」

「こちらのお店は、最近評判がいいんですよ。美味しいパスタを出すそうです」
「そ、そうなのか」

昼下がりの街。
飲食店の並ぶ通りを歩いていると、水樹がそっと手を引いて、イタリア料理店を指差した。
あまりにも自然に腕組みをされて、黒宮は少し驚いてしまう。
最初はそれこそ、ビジネスとセックスだけの間柄だったのだが、今の彼女は恋人同士のように振る舞うことがあった。

自分でも気付いていないのだろう。
ひどく自然な仕草で男の腕を取り、抱きしめて、豊かなバストを押し当ててくる。

「……? どうかしましたか?」
「いや、別に。食い物より美味しそうなものが、すぐ近くにあるからな」

黒宮は周囲にバレないよう、彼女のくびれた腰に手を回し——そのままこっそり、きゅっと張り出たヒップを撫でた。
タイトスカートを持ち上げる尻肉は、むっちりとして揉み心地がいい。

「あっ……! もう、それは食事の後になさって下さい」
「へー。それじゃ、ランチの後なら好きにしていいのか?」
「……入りましょう」

ぷいっと顔を逸らして、しかし腕組みはしたまま、男を引っ張るようにして店に入る。
黒宮はニヤニヤと笑いながら後に続いた。

評判のいい店だけあって、店内は混み合っていた。
それでも運良く、隅のテーブル席が空いていたので案内される。
パスタは期待を裏切らない味わいで、黒宮はすっかり機嫌良く、ワインまで注文する有様だった。
「黒宮様。お酒は午後の仕事に差し支えます」
「いいだろ、俺の仕事は自由裁量だからな。水樹も一杯、どうだ?」
「もう……仕方ありませんね」

一応、仕事『も』あるとはいえ、名ばかりアドバイザーなのもまた事実。黒宮には業務時間などあってなきが如しで、昼休みが一時間である理由もない。
お気楽な黒宮にワインを奨められ、水樹は苦笑いしながらワインを飲んだ。

鮮やかなルージュの引かれた、艶やかな唇がグラスに触れて、ルビー色の液体を飲み込んでいく。

昼下がりのパスタ店で見るには、ひどく色っぽい光景だ。

今日の彼女は、比較的フォーマルな格好をしている。黒のジャケットに白のアスコットタイ、短めのタイトスカートというコーデ。
珍しくタイツを履かず、すらりと長い脚のラインを見せつけている。

誰もが息を飲むような美女だ。
これをランチの後で楽しめるとなれば、興奮するのも仕方がない。

それでつい、黒宮の悪戯心が刺激された。
テーブルの下で、右足の靴を脱ぐと、そのまま上に持ち上げていって——

「きゃっ!」
「おっと、大丈夫か? 何か落としたみたいだな」

白々しく嘘を吐く黒宮だが、その足先は、座る美女の大事なところを弄っている。
ショーツに守られた、柔らかな女の入り口。
盛り上がった女神の丘と、しっとり濡れた豊かな谷、そして艶やかな茂み息づくところ。
デリケートで敏感なヴァギナを、黒宮の足指がぐりぐりと刺激する。
水樹は端正な美貌を崩さないよう、必死に取り繕いながら、白昼の愛撫に耐えていた。
非難するような視線を向けながらも、押し寄せる快楽に翻弄され、いやらしく腰がくねるのを止められない。

「気分が優れないんじゃないか、ん? ワインが効きすぎたのかもな、顔、真っ赤だぞ」
「はや、く……お店、出ましょう……んっ!」
「そうだな。急いだ方が良さそうだ」

白々しいことを言いながら、女の溝を足でなぞる。
そこから伝わる、隠しようもない熱に、黒宮は満足げに笑った。

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