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3話 メイドさんの逆レイプ #

俺を窮地から救ってくれた女性は黒を基調としたメイド服に身を包み、白いエプロン姿で静かに俺を見下ろしていた。

肩にかかる程度に伸ばしたセミロングは夜空を思わせる深い藍色で、月灯りに煌いている。物静かな女性なのか、それとも纏った衣服の通り滅私奉公が身体に染み付いているのか、静かに佇むその姿は姿勢の良さも相まって芸術的なまでに美しい。

だから俺は、間抜けな面で呆然としていた。
お礼を言わなきゃいけないのに、頭がまともに働いてくれないのだ。

きっと俺は、一瞬で魅入られてしまったのだろう。
運命を感じさせるこの出会いに。
この世のものとは思えないほど美しいこのメイドに……。

「ではザーメンを一搾り」

台無しだった。

「いやちょっと待ってくれ!」

「はい? お客様を助ける対価にザーメンを一搾り頂くということで話がついていたと思うのですが、わたしの勘違いでしたでしょうか?」

首をコテッとほぼ九十度に倒し、無表情のままメイドさんが聞いてきた。ってか詰問してきた。なんか有無を言わせない迫力を感じるのだ。

「た、確かにそう言われた気はするけど、そもそもザーメン一搾りって……」

「言葉の通り、射精してくださいという意味ですが?」

なに言ってんだこの人……。
おかしいのは俺の耳か? それとも彼女の頭がおかしいのか?

「しかし困りましたね。約束をお守り頂けないとなると無駄働きさせられてしまったわけで、いかにメイドといえど給金もなく奉仕させられるのは納得できないわけで、怒りのあまりザーメン全搾りしないと収まらないかもしれません。あぁ、ですがそれはそれで非常によろしい判断かと。わたし的にも一搾りで終ってしまうところを心行くまで堪能できるようになるわけですから、実に魅力的な契約破棄かもしれません。そうしましょう。えぇえぇ、是非そう致しましょう」

おかしいのは雲行きだった。
無表情なのに、メイドさんの目力がやけに強い。

「い、いや違う! 違うぞ!」

「はて?」

「約束を破るなんて言ってないじゃないか!」

「……左様で。では一搾っても良いということございますね?」

いかん。
ヤることが何も変わらない。
どうしてこうなった。

「そ、その前に! その前に色々説明して欲しいんだけど!」

「それは一搾りした後でもよろしいのでは? お任せ下さい。一流のメイドとしてピロートークも完璧でございます」

「ピロートークて……。薄々気付いてたけど、やっぱ一搾りってそういう意味なの……?」

「他に意味がありましたでしょうか? 申し訳御座いません不勉強で。では誤解を生まぬよう言い方を変えさせて頂きましょう。お客様のチンポをわたしのまんこに突っ込み、あまりの快楽にアヘ顔晒しながら無様な膣内射精をして下さいませ」

「言い方ぁ!」

もうなんなんだよこのメイド!

「だいたい俺と……えっと……」

「ルクレイアでございます」

「そう! ルクレイアさん! 俺とルクレイアさんは初対面だろ!? その、そういうことはもっと互いを知ってからっていうか……な? 分かるだろ?」

「おかしなことを仰いますねお客様。お客様は食卓に並んだパンを食べるのに、初対面のパンだからと遠慮なさるのですか?」

「初対面のパンってなんだよ! パンはだいたい初対面だし一期一会だろ!」

「はい、その通りでございます。ですが一期一会では少し寂しいかと思い、泣く泣く一搾りで我慢しようと申し上げているのです。辛さを堪えるこのメイド魂、お分かり頂けますか?」

欠片も分からなかった。
けれど業を煮やしたルクレイアは、有無を言わせず覆い被さってきてしまう。

「ということで、そろそろよろしいですね? お客様はお気づきではないかもしれませんが、これでもわたし、かなり己を抑えており、正直もう限界でございます」

草の上に足を投げ出し、ちんぽを晒しながら座っていた俺。その腰にふわりと跨ったルクレイアは、右手をスカートの中に突っ込んでいた。
そして――ブツっ。スカートの中で、何かを引き千切る。

「え? な、何をしたの?」

「ショーツを下す時間が惜しかったので引き千切ったまでです」

なにそれワイルド。
なんて感心している間に、ルクレイアの腰がゆっくり落ちてきた。

そして――とすん。彼女は俺の上に座ってしまう。
想像してたよりずっと軽いルクレイアの身体。そしてチンポを押し潰したメイドのお尻は、想像してた以上にずっと柔らかくて心地良かった。

「んぉ……っ」

だって生だ。彼女自身の手によってショーツが引き千切られてしまったから、チンポが直接彼女のお尻に押し潰されているのだ。
しかも――くちゅり。触れただけで分かるほど、ルクレイアのそこは熱く濡れそぼっている。限界というのは満更嘘でもなかったらしい。

反射的に、俺は彼女を突き飛ばそうと手を伸ばしていた。
けれどその手は容易く掴まれ、あろうことかルクレイアの胸に誘われる。

ふにょん、と。手の平から伝わる埋もれるほどの柔らかさ。
それが彼女のおっぱいだと認識した途端、ルクレイアのお尻の下でむくむくとチンポが固くなり始めてしまった。

「やっとヤる気を出してくださいましたか」

「そ、そういうわけじゃ……」

「胸に触れる程度でヤる気を出してくださるなら、いくら揉んで頂いても構いませんが?」

無表情のままそう告げると、ルクレイアは反対の手も掴んで胸に押し付け、そのまま俺の手ごと自分の柔乳を揉みしだき始めた。

むにゅん、むにゅぅ……。

あくまでも、揉んでいるのは彼女自身だ。
けれど強制的に揉まされるおっぱいの感触が俺の情欲を確実に高めていく。

彼女の胸を包むメイド服は、さらさらと肌触りの良いサテン生地らしい。ぐにゅっと強めに手を押し付けられると、その生地の下で柔らかく形を変える大きな胸の感触がはっきりと感じ取れた。

正直たまらない。
これで興奮しないなんて有り得ない。

彼女のお尻の下では俺の昂ぶりを表すかのように、もう八割ほど勃起したチンポ。メイドはそれをさらに固くしようと太ももで俺の身体を挟みながら、前後に腰を揺すり始めていた。

「んくぅ……っ」

肉棒に感じるのはぬるりと滑るルクレイアの蜜と、早く迎え入れたいとヒクつく小陰唇の柔らかさだ。
小陰『唇』とは良く言ったもので、メイドの秘裂がしゃぶりつくように俺の竿を甘噛みしてくる。

ぬちゅり、ぬちゅり……。

メイドが腰をグラインドさせるたび、スカートの中から卑猥な水音が聞こえていた。
決して早くない速度だが、大きく前後する彼女の腰つきは、肉棒の根元から裏筋までを舐め尽そうとしているかのようだ。

「い……いぃ……っ」

「気持ち良さそうなところ恐縮ですが、まだでございます。外に出すような無作法、決してなさらないようお気をつけ下さい」

そう言いつつも、ルクレイアはグラインドを止めてくれない。それどころかより体重を掛けて肉棒と小陰唇を密着させ、ずちゅんずちゅんと秘肉でシゴきあげてくるのだ。

止めようにも、俺の手は彼女のおっぱいに捕らわれたまま。
無表情のまま呼吸を荒げて見下ろしてくるルクレイアは、必死に耐えてる俺の姿を楽しんでいるようだった。

「なんのかんのと言っておられましたが、もう挿入

れたくて挿入

れたくて堪らないのでは?」

なんて意地の悪いメイドなんだろうか。
ひょっとしたら、セックスを拒もうとした意趣返しなのかもしれない。
表情は変わらないのにルクレイアから嗜虐的な雰囲気が立ち込め、背筋がゾクリと震えてしまう。

「どうなのですか? 仰って頂かないと判りかねるのですが」

ぐちゅ……っ。

深く押し付けられた秘裂が、今にも肉棒を飲み込んでしまいそうなほど密着してきた。
彼女はどうしても俺に言わせたいらしい。ギリギリのところで焦らし、どんどん俺を追い詰めてくるのだ。

「お客様が挿入

れたいと仰るのであれば、メイドの身体を自由にしても良いのですよ? 胸も、お尻も、おまんこも。望みのまま蹂躙出来るのです。それともお客様は、このままメイドに犯される方がお好みでしょうか?」

酷く魅力的な提案に、しかし俺は答えられなかった。
肉棒は更なる快感を求めてビクビク痙攣してるし、頭は目の前のメイドさんのことしか考えられなくなっているけど、残った理性が警鐘を鳴らしているのだ。

忘れてはいけない。
ここは異世界。
そして目の前のメイドは、ゾンビッチを容易く退けられる存在だということを。

つまり……。

恐らく彼女は……。

「魔物……」

思わず口をついた言葉に、初めてルクレイアは表情を変えた。
けれど「あ、バレた」という驚きでも、まして怒りでもない。
口端を僅かに吊り上げ

「そうです。わたしはメイドである前にサキュバス」

不敵に嗤い、ルクレイアが腰を持ち上げた。
完全に勃起していたペニスが、尻を追いかけるように反り返ってしまう。
そこに彼女は狙いを定め

「そしてお客様は、お客様である前に…………エサ、でございます」

そう言って、腰を下ろしたのだった。

ずっ……ちゅん……っ

何の抵抗もなく、一気に根元まで飲み込まれてしまう俺の肉棒。
突然のことに、挿入の快感は少し遅れてやってきた。

亀頭に吸い付き、肉棒の表面を舐めるように飲み込んでいく膣口の柔らかさ。
ペニスを迎え入れ、ぐにゅぐにゅうねる複雑な膣道。
咥え込んだ竿を歓迎し、ぎゅぅっと抱き締めてくる生温かい膣壁。

その全てが鮮明。
その全てが極上の快楽。
そしてその全てが神経を焼き切るほど気持ち良くて……。

「あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あああぁぁぁぁ…………ッッ!!」

我慢なんて出来るはずなかった。打ち揚げられた魚のように、俺の身体は大きく跳ね上がってしまったのだ。
そんな俺の身体の上で、ルクレイアはロデオを楽しむようにバランスを取っていた。

「い゛ぎぃ゛ぃ゛ぃぃいい゛い゛…………ッッ!!」

深く繋がったままの状態で、かつてないほど熱い精液がペニスから噴出していく。俺は精液が尿道を走り抜ける強烈な快感に獣のような声をあげながら、射精の嵐が収まるのを待つことしか出来なかった。

なのに射精はなかなか終ってくれない。
無我夢中で手を握ると手の中でルクレイアの胸がぐにゅりと柔らかい感触を返し、それがまた新たな興奮を呼んで射精を長引かせてしまうのだ。

なんだこの射精……っ!?
気持ち良いとかいう次元を超えてる……っ!!

全ての体力を持っていかれる虚脱感。
脳みそが蕩けて耳から零れそうな多幸感。
そして全身を駆け巡り、波紋のように何度も何度もぶつかっては弾ける巨大な快感。

言われなくても理解する。
これがサキュバスと交わるってこと。
だって全てが常識外だった。
今すぐ頭が破裂してもおかしくないような快楽の暴力だったのだ。

そんなとてつもない射精は、俺が白目を剥きそうになったところでようやく終わりを迎えてくれた。すると跨っていたルクレイアは然もなんでもない風に立ち上がる。

「非常に美味しゅう御座いましたが、挿入した瞬間イッてしまわれたのは不満でございます」

身も蓋もない所感だった。
そんな彼女は身嗜みを整えると、驚くべきことに俺の身体を軽々肩に担いでしまう。

「な……なにして……るんだよ……」

「息も絶え絶えのご様子ですので、お屋敷まで運ばせていただこうかと。このようなところでおちんぽ様を丸出しで寝ていては風邪をひいてしまいかねませんから」

小さく「さすが出来るメイドは違いますね」と自画自賛する声が聞こえたが、誰のせいだよと言ってやりたい俺なのだった。

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