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26話 脇コキを侮ってはいけません #

なんだか知らないうちに、俺はルクレイアの脇コキを耐えなければいけない流れになってしまっていた。
まったくもって不可解だ。俺はただエルルシーと楽しくゲームをしていただけのはずなのに……。

ともあれ今さら流れには逆らえない。大人しくベッドに座らされる俺なのだ。

「では準備を始めます」

藍色髪のメイドは、そう言うと何故かハサミを手に持った。
……いや何でハサミ? 脇コキとハサミの関係性がまるで分からない。まさか俺のアレをちょん切って脇に挟もうってんじゃないだろうな?

普段から行動の読めないルクレイアだけに不安が募ってしまう。

「何を心配されてるのか分かりませんが、これはこうするために使用するのです」

すると彼女は――じょっきん。自ら纏っているメイド服の脇部分を切り取り始めたではないか。

「えっとルクレイアさん……? 何してんの?」

「見て分かりませんか? 脇コキの準備です」

「そりゃそうなんだろうけど……脱げばいいだけだろ」

「なるほど。誠はわたしの裸がご所望でしたか」

「いやそうじゃなくてな? だいたい、勝手に切っちゃっていいのか?」

「構いません。このメイド服は私物ではなく主様から支給されているものですので」

余計ダメだと思うんですけど……。
しかし一般常識の通じない彼女だ。言うだけ無駄だなと悟り、俺は黙ってルクレイアの凶行を見守ることにする。

「な、なぁ? あのメイド、大丈夫なんだぜ?」

エルルシーはタッグを解散したがっていた。
常識性の不一致というやつだ。
恐らく一致するパートナーは存在しないので、ルクレイアには今後ソロ活動で頑張って欲しいと思う。

「エルルシー様が分からないのも仕方ありませんね。良い機会ですので、不肖このメイドが僭越ながらご教授致しましょう」

「お、おぅ?」

「人間の男性を興奮させるには、裸になれば良いというものではないのです。時にはこうして一部分だけ見せることで、より興奮を掻きたてられるものなのですよ? まぁ論より証拠。今ご覧にいれましょう」

脇の部分だけ丸く切り取り風通しの良くなったルクレイアは、俺の前までやって来るとやにわに片手を上に伸ばした。
切り取られた脇の部分だけ素肌が露になり、自ずと視線が引き寄せられてしまう。

「いかがですか誠」

確かに綺麗だった。
もともと毛が生えない性質なのか、ルクレイアの脇は毛の剃り跡すら見当たらない綺麗な肌をしているのだ。
それに、見えるのは柔らかそうな脇のお肉だけではない。その下に紫色のブラジャーが覗き見えているし、これに包まれるおっぱいの膨らみ始めの部分も露になっているのだ。

なるほど。
きちんとメイド服を着ているのに、普段は見えないハズの部分が見えているというのは、確かにフェチ心をくすぐる演出だった。

「でもまぁ所詮脇だな」

それが正直な感想である。
魅力を感じないでもないが、おっぱいやお尻、女性器などに比べれば圧倒的にエロさを感じない。

と、余裕綽々な俺を見たルクレイアは、悔しがるどころか瞳に不敵な炎を灯らせていた。

「そうですか。いつまでそう言っていられるか楽しみですね。とりあえず誠。挿入準備をしなければならないので、舐めて頂けますか?」

「え……? そこを?」

「他に舐めたい場所が?」

く……っ。いちいち挑発してきやがってっ。
いいさ。俺が脇なんかに興奮しないってことを証明し、お前に床を舐めさせてやる!

片腕を真っ直ぐ上げ、俺を待っているルクレイア。そんな彼女に縋りつくような体勢で抱きついた俺は、綺麗な脇に舌を伸ばすことにした。
このあと肉棒をここに挟まれるのだから、予め舐めて濡らしておかなければならないのは俺も理解しているのだ。何故協力しなければならないのかは、釈然としないものがあるけど。

そんな感じで不承不承伸ばした舌が、ルクレイアの綺麗な脇を舐めあげる。

――ペロ……

「ふふ。くすぐったいですよ誠」

余裕を見せる彼女と違い、俺は驚きに目を見開いていた。だって舌先に触れた感触が想像の何倍も柔らかかったのだ。

脇ってこんなに柔らかいんだ……。
それに腕を上げた女性の脇を舐めるという行為が性奉仕をしているようで、なんだか変な興奮を覚えてしまう。

――ペロペロ……ペロペロ……。

「どうですか? わたしの脇のお味は」

味覚という意味では無味に近い。汗で蒸れやすい部位だから少し塩っ気がある程度か。
けどそれ以上に、本能が求め始めてきていた。

美味しい……。
もっと舐めたい……と。

「お気に召したようでなによりです。ではついでに、わたしの匂いも覚えてください」

するとルクレイアは脇を舐めさせながら反対の手で服を摘まみ、パタパタと仰ぎ始めていた。暑い日に蒸した身体を冷ますため、服の中に空気を送り込むような感じだ。
だがルクレイアの意図するところは逆で、服の内部に空気を送るのではなく、服の中の空気を外に排出するための行為だった。
ぱふっ、ぱふっと彼女がメイド服を仰ぐたび、切り開かれた脇の部分から蒸した空気が溢れ出てくる。それは服の中で濃縮されていたルクレイア自身の匂いそのものだ。

アルムブルムさんのように甘ったるい感じではない。
どこか清涼感を感じさせる爽やかな香り。
けれどそこには、男を誘い狂わせる女の匂いが混じっているのだ。

「ふぁ……っ」

柔らかな脇を舐めさせられながらルクレイアの匂いに包まれると、一気に身体の芯が熱を持ち始めた。
頭の中がピンク色の霧に覆われていく感覚は、間違いなく発情の合図だ。

「さて。そろそろ良いでしょうか。十分濡らして頂いたようですし、誠の準備も整っているみたいですし」

そして見抜かれる。
あまり感情を表さないルクレイアの瞳は、ズボンの中で硬くなってしまった俺の股間を映していた。

正直悔しい。
こんなことで勃起させられるなんて……。

なんて、俺が人知れず息子の節操のなさを嘆いていると

「そのうち、わたしの身体のどの部分でも興奮するようにして差し上げますから」

ぼそりと、そんな言葉が聞こえた気がした。
それはルクレイアも無意識に言ってしまった言葉らしく、彼女は自分が呟いたことにすら気付いていない様子である。ルクレイアの密かな野望が覗き見えてしまった気分だ。いつか本当にそうなりそうで怖い……。

「つ、次はどうするんだぜ!?」

すると今まで見守っていたエルルシーが、期待に瞳を輝かせながらルクレイアに聞いていた。

「次は誠のおちんぽ様を、わたしの脇に擦り付けて頂きます」

「挟むんじゃなくて?」

「ものごとには順序というものがございますから。まずはこの柔らかい部分に、おちんぽ様の先端を当ててみてください」

誘われるがまま肉棒を露出した俺は、ルクレイアの指示に従って脇に先端を当ててみた。
ちなみに体勢はさっきと逆で、膝立ちになったルクレイアの横に俺が立っている状態だ。

上に伸ばした彼女の腕を抱きかかえるように掴み、そっと腰を押し出せば――ぷにゅっ。亀頭の先端が脇の一番柔らかい部分に触れ、ゾクリとした気持ち良さが背中を走り抜けた。

なんだこれ……っ!?
これが脇の感触……っ!?

張りというものがないので、単純な柔らかさで言えばおっぱいよりも柔らかい。
強く押しつければ窪んだ肉に先端が埋まり、それでいて穴が開いているわけじゃないから返ってくる感触が強い。
つまるところ、気持ち良いのだ。

「どうされました? 腰が止まっておりますが。もっと先端を擦り付けるように腰を動かしてください」

「あ、あぁ……」

かといってここで動きを止めたら、敗北を認めることと同義だ。エルルシーに「嘘付き」と認識されたら、今後の授業に差し支えてしまう。それを避けたい一心で、俺は腰を振らなければならないのだ。

「く……っ」

「誠? 動きがぎこちないです。ちゃんとして下さい?」

「わ、分かって、る……っ」

分かってはいるけど、想像以上の快感に上手く腰が動かせないのだ。
とてつもなく柔らかい脇で裏筋を擦られる気持ち良さは、まったく未知の快感だった。

「滑りが良くなってきてますね。もしかして我慢汁ですか?」

しかもルクレイアが言葉で詰ってくる。
俺の反応から分かってるくせに、このメイドは素知らぬ顔で煽ってくるのだ。

「脇などで興奮しないのではなかったのですか? やはりあれは嘘だったのですか?」

「う、うるさい……っ! 気持ち良くなんかなってないからっ!」

そして煽られたら反抗しなければならないのが俺の立場だ。
例えそれが、状況を悪化させるだけなのだとしても……。

「そうですか。いえ、わたしもそうだと思ってました。だってまだ前戯。本番はこれからなのですから」

どこか楽し気に言ったルクレイアが、ゆっくり腕を下ろし始めた。
その脇で、俺の肉棒を挟みこむために。

あぁ……っ。
やめてくれ……っ。

確かな敗北の予感に制止の言葉を叫びそうになるが、生徒の前でそんな無様は晒せない。
そんな俺の心の動きを把握しているかのようなルクレイアは、たっぷり絶望を与えるためにゆっくり腕を下ろし、そして――ぎゅぅぅっ。ついに肉棒をその脇に挟みこんでいた。

「ぐぅ……っ」

思わず唸るほどの圧迫感。
柔らかいだけだったハズの脇が二の腕と連携し、ぎゅぅぅと肉棒を挟み潰してきたのだ。
感じるのは、痛みよりも安心感が強い。しっかりと竿をホールドしている彼女の脇は、まさに脇まんこと例えるに相応しい感触だった。

くそ……っ。
体温計のヤロウ……っ。
人知れずこんな良い思いをしてやがったのか……っ。

無機物に嫉妬してしまうほどである。

「さぁどうぞ、誠。わたしの肩に腰をぶつけるように、ぱんぱん前後に突いてください」

言われるまでもなかった。
彼女の脇を膣と勘違いしたオスの本能が、俺の腰を動かし始めたのだ。

ずりゅ……っ、ずりゅ……っ、と脇に挟まれた肉棒をピストンさせる。
パイパン脇まんこでシゴかれるちんぽは、その気持ち良さにピクピクと痙攣し出していた。

しかし脇コキの奥深さは、まだこれだけではなかったのだ。

「こういうのはどうですか?」

ルクレイアは、脇に肉棒を挟んだまま少しだけ身体を横向きに体勢を変えていた。
すると脇を突き抜けたペニスの先端が、なんと彼女の横乳に擦り付けられるのだ。

「なかなか侮れないと思いませんか? わたしの脇も」

勝ち誇ったようなルクレイアの声。彼女は間違いなく、俺を追い詰めて楽しんでいた。
普段はポンコツなのに、こういう時だけはサキュバスの本性が顔を見せるのだ。

ずりゅっずりゅずりゅ……。

我慢汁も加わってぬめる彼女の脇まんこが、容赦なく俺を絶頂に押し上げてくる。
快感に耐えながら脇を突き抜けると、サラサラした肌触りのメイド服に亀頭を擦り上げられ、しかも横乳の柔らかさが責め嬲ってくるのだ。

「ほら。また腰が休んでます。頑張ってください誠」

言いながら脇にきゅっ、きゅっと力を入れ、ルクレイアは俺を追い立ててくる。
けれど本当に限界なのだ。
これ以上ピストンしたら、確実にイッてしまう。

「まったく情けないですね。……あ、良いことを考えてしまいました。さすが一流メイドです」

もう動くことも出来ない俺を尻目に、ルクレイアがまたもろくでもないことを思いついてしまったらしい。

「エルルシー様」

「お、おぅ! なんだぜ!?」

「わたしと代わってみませんか?」

なに……っ!?

「お、おいルクレイア! お前なにを――んぐぅ……っ!」

「誠は黙っていて下さい。これもエルルシー様に経験を積んでいただくためなのですから。で、いかがですか? わたしの代わりに男性を射精させてみませんか?」

「ア、アタシに出来るのか……だぜ?」

「簡単でございます。エルルシー様が何もせずとも、誠は勝手に射精してしまいますから」

ここまで馬鹿にされているのに、しかし反論が思い浮かばない。
だって事実だから。もはや俺の精液は、尿道までせり上がってきてしまっているのだ。

「わ、分かったぜ。やってみる!」

どうやら先生の意見を無視し、生徒が参加を決めてしまったらしい。
ルクレイアと場所を代わったエルルシーは、おっかなびっくりといった感じで俺の肉棒を脇に挟んでいた。

「か、硬い……。こんなに硬いのか。それに思ってたよりずっと熱いんだな……」

タンクトップ姿のエルルシーにちんぽを挟まれると、若く瑞々しい素肌の感触がたまらない。
それに少女は俺とルクレイアの行為を見て興奮していたのか、その脇をじっとりと汗ばませているようだった。

「では誠。先ほどと同じように腰を振ってあげて下さい。大丈夫です。相手はまだ幼い少女なのですから。これなら誠でも耐えられるのではないですか?」

挑発だと分かっている。
けれどそう言われたら、こちらも突っ立っているわけにはいかない。

――ず……りゅっ。ず……りゅっ。

肉棒に感じるエルルシーの素肌は確かな快感を俺に送り込んでくるが、あまり脇が濡らされていないため摩擦が凄くて動き辛かった。
これなら、なんとか耐えられるかもしれない。

と、俺が油断した時である。

――むちゅ……っ

「くぁ……っ!? ルクレイアっ!?」

脇の出口で、ルクレイアの口が待ち構えていたのだ。
彼女は脇から飛び出た亀頭を口内に招き入れ、れろれろと先端を舌先で穿ってきていた。

「メイドの、んちゅぅ、サービスで、はむぅっ、ございます」

エルルシーの脇を抜け、本来なら一息付けるはずの場所でもたらされる極上の舌奉仕。
あまりの快感に動きを止めてしまうと、フェラチオで責められ続けてしまうのだ。
堪らず腰を引いて逃げると、俺の腰を掴んだルクレイアに無理やり引き寄せられてしまう。

エルルシーの脇で肉棒をシゴかれ、休む間もなくルクレイアの口淫に晒され、快感に引けてしまった腰はすぐさま引き戻されて……。
半自動になってしまったピストン運動に逃げ場はなく、もはや俺はエルルシーの肩に手を乗せて絶頂の時を待つことしか出来なくなってしまっていた。

「亀頭がぷくっと膨れてきましたね。射精

るのですか? その際はどうぞ、メイドの口にザーメンをお注ぎ下さいませ」

ルクレイアの舌が精液を催促するように激しく動き始めた。
彼女の手で強要されるピストンは一瞬の休みすら与えてくれず、どんどん動きを早めさせられていく。

「あぁっ! ダメだっ! イくっ! もう出るっ!」

「えぇどうぞ。まだ幼い少女の脇に挟まれ、メイドの舌で弄ばれ、脇の快感に屈服した証を吐き出して下さい」

「イくぅぅぅっ!!」

パンッと俺の腰がエルルシーの肩に打ち付けられた瞬間、我慢すら許されなかった精液がびゅくぅっと鈴口から飛び出した。
それを待ってましたと言わんばかりに、ルクレイアが「ぢゅりゅぅぅぅっ」と亀頭に吸い付いてくる。

「あがぁぁっ! す、吸うなっ! 吸わないでっ!」

射精の勢いより強く尿道を吸われ、とてつもない快感に膝がガクガクと笑ってしまっていた。
それでもルクレイアは止めてくれない。一滴も尿道に残すまいとストローで吸うように、ぢゅりゅりゅぅぅっと吸い上げてくるのだ。

「ル……っ、ルグレイア゛……っ!!」

そんな快感の暴力に対し、俺はエルルシーの肩を掴んで必死に耐えることしか出来ない。
そうしてルクレイアによって引き伸ばされた長い絶頂は、俺が後ろに倒れこんだことでようやく終りを迎えてくれた。

「ふぅ。ご馳走様でした誠。しかし十六分二十秒、ですか。残念ながら、誠は嘘を付いていたと言わざるを得ない結果になってしまいましたね」

死体蹴りは止めて下さい……。

「エルルシー様はいかがでしたか? 初めて男性を射精させてみた感想は」

話を振られた金髪少女は、しかしボーっと顔を赤らめていた。
どうやら初めての授業で刺激が強すぎたらしい。

「ア、アタシ……」

「はい」

「勉強、頑張れそうだぜ!」

「それは良うございました。メイドも身体を張った甲斐があるというものです」

「あぁ! ありがとうな! これからも何かあったら教えて欲しいぜ!」

「もちろんでございます」

そう答えたルクレイアの顔に「計画通り」と書いてあった気がする俺なのだった。

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