58話 ロイヤルセックス #
なんとなく俺は、股間に熱い視線を感じていた。もちろん、ローレンシア様の視線だ。
しかし女王様は何か要求するわけでもなく、素知らぬフリで話を続ける。
「なるほど。実際にセックスする場面を見せて、色気のなんたるかを教えようとしたのですね。……ですが見たところ、エルルシーはまだ色気を体得していないように見受けられます」
「そうですね。本人の資質もあるのでしょうけど、俺が至らない部分も多々あるかと……。申し訳ありません」
「あ、いえ、責めているわけではないのですよ? そう簡単にエルルシーに色気が身につくとは思っておりませんから。根気よく、何度も見せてあげなければならないでしょうね」
「かもしれません」
「……」
「……?」
えっと……?
なんですかその沈黙。
「……母として、エルルシーには一刻も早く色気を体得して欲しいと願っております」
「あ、はい。お気持ちは分かります」
なんせ夢渡りが出来なかったり、ホロウ化してしまったりってことが問題になってる世界だものな。万が一にも娘がそうならないよう心を砕くのは当然のことと言える。
「……」
「……あの?」
いやだから、この沈黙はなんなんだよ。
凄い美人だから見続けていられるけれど、沈黙が苦じゃないわけじゃないんだぞ?
「……エルルシーには、一刻も早く色気を体得して欲しいのですっ」
「え、えぇ。分かってます」
するとローレンシア様は揃えていた脚をわざとらしく組み直し、そっぽを向いてさらに呟いた。
「根気よく、何度も見せて、色気を体得して欲しいのです……っ」
それはもう分かったって。
壊れたレコーダーかなんかに憑依でもされたのか?
そんな感じで俺が困惑していると、ポンッと手を叩いたのはエルルシーである。
「あっ、そっか! ようするに、ママは今ここでセンセーとえっちしたいって――」
「だ、黙りなさいエルルシーっ! 女王たる者がそのようなこと思うハズないでしょうっ!」
ローレンシア様は耳まで赤くして反論しているが、その態度が逆にエルルシーの言葉を肯定しているようにしか聞こえなかった。
つまり彼女は、俺とセックスしたがっているってこと?
ま、まぁ、そりゃサキュバスだもんな。目の前に生の男がいるんだから、生の精液を味わいたいと思うのは当然なのかもしれないけど……でも女王様だぞ? 世界一の権力者と出会ったその日にセックスとか、だいぶこちらの常識に馴染んできたと自称する俺でも困惑だ。
「えっと……俺なんかで良いんですか?」
「な、何がですっ!? わたしは何も言っておりませんけど!?」
しかも彼女は、あくまで興味がないフリを貫くつもりらしい。
どうしよう……。
ここで何も気づかないフリをすると、ローレンシア様の機嫌を損ねかねないんじゃないだろうか?
もしそうなったら、これからこのお城で生活する俺の立場が危うい。
などと色々言い訳を考えているが、結局のところ本当に彼女がセックスを望んでいるのであれば、俺は全力で乗っかりたくなっているのだ。
だって女王だぞ?
とてつもなく美しく、清楚で、世界の最高権力者。そんな女性が抱かれることを望んでいるだなんて知ったら、それだけでご飯三杯はいけちゃう。
うむ。
ここは女王様に忖度するべきではないだろうか?
俺は世渡り上手な男なのだ。
「ローレンシア様」
「な、なんです?」
「大変失礼とは存じますが、ご息女様の教育のため、実際に搾精してはいただけませんか?」
俺が頭を下げるとローレンシア様は一瞬だけ歓喜に顔を綻ばせ、しかしすぐに咳払いして平静を取り戻していた。
「し、仕方ありませんね。これも娘のためです。貴方がそこまで熱心なのであれば、母として協力しないわけにはまいりません」
そこまで熱心だったかなぁ?
苦笑しそうになるのを堪え、俺が「ははぁっ」と傅いてみせると、立ち上がったローレンシア様は俺の手を引き立ち上がらせてきた。
「ではこちらへ。エルルシーも。近くで良く見ているのですよ?」
そして彼女は俺を連れて壁際まで行くと、こちらに背を向け身体を倒したのだ。立ちバックの体勢である。
「許します。存分に奉仕なさい」
壁に手を付いたローレンシア様から、肩越しにお許しが出た。
こんなの我慢出来るわけがない。俺は「失礼致します」と一声掛けてから、純白のスカートをゆっくり捲りあげていく。
するとレース付きの白いガーターストッキングが現れ、これに包まれるのは引き締まった脹脛
ふくらはぎ
だ。さらに捲り上げていくと白いガーターベルトが見え、むっちりした太ももの裏側が露わになっていく。
スカートが捲れていくたび色香が濃くなり、煽情的な光景は思わず生唾を飲み込んでしまうほどだった。
当然その後は、きゅっと持ち上がった形の良いお尻。ふんだんにレースをあしらった純白のショーツが、清楚さと同時に男の獣欲を掻き立ててくるようである。
堪らない。
だってツンっとこちらに突き出されたこのお尻は、ただのお尻ではないのだ。
ロイヤルだ。ロイヤルヒップだ。
本来なら見ることすら憚られるロイヤルヒップが「どうぞ」と言わんばかりに張り出しているのだ。
あまりの神々しさに俺はその場で跪くと、お尻に手を添え、その中心に顔面を突っ込んでいた。
「ふぅ……っ!? い、いきなり……ですか……っ!?」
予期していなかったのか、慌てたローレンシア様の声が耳に届く。しかし止めるつもりはないようで、彼女はお尻に顔を突っ込まれたままの体勢を維持していた。
つまり、このまま続けても良いってことっすよね?
そう結論づけた俺は両手で尻肉の淵を擦りながら、お尻の割れ目にぐいぐいと顔を押し付けていく。
フローラルだ。
ローレンシア様のお尻は、フローラルな香りだった。こんなところまで清楚とは恐れいる。
「あ、あまり匂いを嗅ぐものではないわ……っ」
俺がくんくんしていることに気づいたのか、羞恥の混じった声を漏らす女王様が可愛らしい。
とはいえあまりイジめるわけにもいかないだろう。本格的な奉仕に入るべく、俺はショーツに指を引っ掛けた。
スルスルと、素肌の上を滑る純白のショーツ。
お尻の頂点を乗り越えると尻肉がぷるんと揺れ、誘っているようにしか見えない。
しかしお尻が完全に露わになるところまで擦り下げたショーツは、クロッチ部分だけ彼女の肌に張り付いたままになっていた。
あ……。
濡れてるからか……。
そう。ローレンシア様の秘所は、すでに蜜を垂らし始めていたのだ。
それがショーツを引っ付かせていたらしく、さらにショーツを擦り下げると、ペリッと剥がれたクロッチ部分がたらりと糸を引くのが見えてしまう。
えっろ……っ。
思わず口に出そうになった俺だ。
こちらの女王様、サキュバスの女王らしく、ど淫乱なご様子である。
「さ、さぁ……。搾精して差し上げますから、早く挿入なさい」
娘の前だからか、それとも女王としてのプライドなのか。口では強がってしまう女王様だ。
悪戯心、芽生えざるを得ない。
――じゅるぅぅ……っ
「んひゃぁっ!? ど、どこを舐めてるのですかっ!? わたしは挿入なさいと――んはぁん……っ」
口では嫌がっていても、ローレンシア様は手で止めたりはしてこない。なにより舐めれば舐めるほど溢れ出てくる淫乱汁が、それを望んでいることを雄弁に語っている。
なので俺は、遠慮なく彼女の秘部に舌を這わせた。
手で尻肉を割り開き、露わになった陰唇を舐め上げれば、縦に走る肉の割れ目がひくひく蠢いて綺麗なピンク色が覗き見える。
「くふぅん……っ、んっ、だ、ダメですっ、これはっ、搾精の、実演なのですから……っ」
「けれどローレンシア様。しっかり濡らして準備しなければ挿入もままなりません」
もう十分以上に濡れてるんですけどね。
しかしこう言われてしまえば、プライドの高そうな彼女が「もう濡れ濡れですから」なんて言えるはずもない。震える声で「そ、それもそうですね」なんて思ってもないことを言いながら、おまんこ舐められ続けるしかないのだ。
「ふあぁあっ! し、舌が……っ! 舌で中をほじっちゃ、ダメですからっ!」
それはもっと舌でほじってくれってことかな?
なかなか強欲な女王様だ。
――ぢゅるぅっ、れろれろぉ……っ
「んひぃっ! あっ、そこぉっ、んはぁあっ!」
尖らせた舌を膣口に突っ込み、膣壁をれろれろと舐めしゃぶってやると、ローレンシア様は小鹿のように脚をガクガク震わせ始めていた。
けれど逃げることが出来ない。なぜなら、あえてショーツを半脱ぎの状態にしたままだからだ。太ももの半ばに引っかかっている白いショーツは彼女の動きを制限し、されるがままになるしかないのである。
「くあぁんっ! ダメぇっ! クリトリス吸っちゃダメぇっ!」
膣内の責めから一転して、ぷっくり勃起した陰核を口に含むと、一際甲高い声が室内に響いた。
どうやら彼女はここが弱いらしい。
「あっ、んはぁっ、す、吸わないでっ、吸いながら舐められたらっ、んいぃ……っ!」
壁に手を付いたまま彼女の上半身がずるずると落ち始め、今や前屈に近い体勢になってしまっていた。
ぷるぷる太ももを痙攣させながら、それでも尻だけ持ち上げる健気な姿がとてつもなくエロい。しかもそれが女王様なのだと思うと、エロさのストップ高である。
もっとイジめたくはあったが、俺の方が我慢の限界だった。
立ち上がりながらいそいそ肉棒を取り出した俺は、改めて形の良いお尻を掴み直す。
手に吸い付くようなむっちりした感触。純白のドレスが半脱ぎになったローレンシア様の姿はまるで凌辱される花嫁を連想させ、挿入する前から肉棒がグンッと一段階硬度を増した。
「はぁっ、はぁ……っ。や、やっと挿入
い
れる気にな――ふああぁぁぁぁあっ!?」
一気である。
彼女の呼吸が整う前に、俺の肉棒は一息でローレンシア様のおまんこを貫いていた。
たまらず、彼女の口から歓喜の声が押し出される。
待ちに待った挿入に、膣肉もぶるぶる震えて悦んでいらっしゃるようだ。
「い、挿入
い
れるなら、せめて一声掛けてか――んあぁっ! んっ! 待ってっ! いきなりっ! はげしっ!」
間髪いれず、俺は激しく腰を振り始めていた。
なんせこちらも辛抱出来ないほど興奮してしまっているのだから。
それが事の他彼女の意表を突いたらしく、ローレンシア様は光り輝く美しいブロンドを振り乱し、突然の快感を全身で感じてくれているようだ。
「くぁっ、んぅんっ、待ってっ、待ちなさいっ! わたしはっ、サキュバスのっ、女王なのですよっ!」
「はいっ! さすがサキュバスの女王様ですっ! 最高のおまんこですっ!」
「そうじゃなくてっ! くふぁっ! あぁぁっ、ダメっ、止まってぇっ!」
それは出来ない相談だった。
だって彼女のおまんこ、とてつもなく具合が良いもの。
入口周辺は少しざらりとした感触で肉棒を舐めあげ、奥まで来るとねっとり媚肉が絡みついてくるのだ。
男泣かせの名器。
サキュバスの女王の名にふさわしいロイヤルまんこである。
「んはぁっ、止まってって、言ってるのにぃっ、んあぁっ、いやぁっ、わたしっ、わたしぃっ!」
指が埋もれるほど尻肉を強く掴んで腰を振っていると、結合部から溢れる蜜の量が一気に増大した。俺の太ももまで垂れ落ちてくるほどだ。
「やぁっ、クるっ、キちゃうっ! わたしっ、女王なのにっ、先にイかされちゃうっ!」
もはや隠すつもりもなくなった嬌声を響かせ、絶頂の予感に女王が悶える。
波打つ尻肉に強く腰を叩きつければ、ぱちゅんぱちゅんっと粘着質な水音を鳴り、美しいブロンドが宙を舞った。
「イくっ! あっ、イくっ! イっちゃうっ! イッちゃうううぅぅぅぅッッッ!!」
ぶるぶるっと大きく体を震わせ、ローレンシア様が絶頂に達したようだ。
壁を引っ掻くように指先を丸め、彼女の全身はビクビクと細かく痙攣を繰り返していた。
ついでに潮まで噴いてしまったのか、一気に溢れだした雌汁が、びちゃびちゃと足元に水溜まりを作っている。清楚な彼女の乱れっぷりが俺の情欲を後押しし、さらに絶頂に震える膣肉がぎゅぅっと肉竿を締め付けてきたことで、俺も限界へ駆け上がらされた。
「出るっ!!」
腰をぴったり尻に押し付け、彼女の最奥まで突き刺さった肉棒が、びゅくっびゅくぅっと精液を吐き出していく。
柔らかく蕩けた媚肉に包まれたままの射精は、頭が馬鹿になるほど気持ち良い。彼女の中でビクンと竿が跳ねるたび放たれた子種が女王の奥を白く染め上げる感覚は、支配欲も合わさって最高の快感だ。
腰が甘く溶けてしまいそうな射精を十分堪能してから肉棒を引き抜けば、竿に絡みついた精液と愛液のブレンドが、どろりと糸を滴らせていた。
「あ……はぁっ、はぁ……っ。あ、貴方……女王たるわたしをこのように辱め――」
「どうだったエルルシー。ママが身体を張って搾精を見せてくれたぞ?」
ローレンシア様が恨み言を言いそうな気配を敏感に察知した俺は、すぐさまエルルシーに話を振り、今のは正当な行為だったと誤魔化すことにした。
保身大事。我が身が一番。命大事にの精神だ。
するとやや惚けてみていた金髪少女は、我を取り戻したようにはしゃぎ始める。
「す、凄かったぜママ! なんていうか、凄いエロさだったんだぜ! あれが男を虜にする技術なんだな!」
ナイスだエルルシー!
そのフォローには満点あげちゃう!
「と、当然でしょう? 少しは勉強になったかしら?」
「もちろんだぜ!」
うんうん。
生徒は学び、先生は気持ち良い。
最高の授業になったようだな。
そして出来る男の俺は、もちろん女王へのフォローも忘れない。
脱ぎ掛けのままのショーツをグイッと引き上げ、スカートを戻せばあら不思議。激しい情事の跡など、床に出来た水溜まりくらいしか残らないのだ。
もっともおまんこから零れそうな愛液と精液を無理やりショーツに押し留められた女王様は、太ももをモジモジ擦り合わせて落ち着かない様子だけれど。
「ありがとうございましたローレンシア様。おかげでご息女様にも良い見本を見せられたかと存じます」
にこっと笑顔で言ってやると、女王様は羞恥に視線を泳がせてから
「え、えぇ、そのようね。これからもよろしくお願いしますよ」
そう言うしかないのだった。
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