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EX2-1 ローレンシアは忙しい

今日はお城に出向き、ローレンシア様との会議である。
当然だけど、サキュバスタウン計画は俺一人では進められないからな。サキュバスたちに説明し、サキュバスたちを纏めあげるには、彼女の協力が必要不可欠なのだ。

王宮最奥、女王の私室。
豪奢なソファに腰を下ろし、優雅に足を揃えるローレンシア様は、頬に手を当て「ふぅ……」と息を吐き出していた。

「本当にわたし、一人では何もできませんね……」

テーブルの上には、サキュバスタウン構想に関する書類が高層ビル群を形成している。
サキュバスタウン参加希望者名簿や、区画の大規模工事に関するもの。新たな法整備にその他もろもろ。王宮政務官たちが、寝る間も惜しんで書類をまとめてくれているのだ。こうして女王の承認待ちとなったものだけでもこの有様なので、現場は戦場のような様相となっていることだろう。

おかげで国の内政が半麻痺状態に陥ってしまっているらしいが、それだけこの事業に賭けているのだと思うと、言い出しっぺの俺もズシンと背中が重くなる思いだ。

「国を挙げての大事業なのですから、大変なのは仕方ないかと……」

「それは存じていますが、やはり思わずにはいられないのですよ。もっとわたしに求心力があれば、と……」

ここまで王宮に負担が集中しているのには理由があった。
それは戦後処理である。
結局開戦直前でコルネリアーナは兵を引いたわけだが、だからといって王家への反乱罪がなくなるわけではない。バファフェット家は取り潰しとなりその領地が国の直轄に戻されたため、多数の人員を配置せねばならなくなったのだ。

加えて参戦拒否した四大淫魔貴族だが、こちらは両家とも当主が交代することになったようだ。従軍要請を蹴った責任を取る形だろうか。
引継ぎはスムーズに行われたらしいが、当分国政に関わる余裕はなさそうである。

ちなみにこれは、ヘリセウス家にも言えることだ。
リュドミナさんから託されたのは俺だがあくまでも臨時の処置であり、やはりサキュバスの誰かが後を継ぐのが良いわけで、今ヘリセウス家は新しい当主を誰にするかで揉めているのだ。
まぁ揉めるといっても「骨肉の争い!」みたいな感じではなく、誰が何を担当するかメイドたちが話し合っているだけだから心配はしていない。ルクレイアとアルムブルムさんも今は屋敷で話し合いに加わっているため、俺のことを忘れてしまうんじゃないかって方が遥かに心配だ。

二人に会いたいな……。
彼女たちと離れ、すでに十日ほど経っている。
寂しさと不安が渦巻く今日この頃なのである。

「まぁ悩んでも目の前の仕事が減るわけじゃありません。軌道に乗せるまでは大変だと思いますが、頑張りましょう!」

気を取り直し、俺は目の前の書類に手を伸ばした。
どうやらサキュバスタウンに参加しない人をどうするかの素案らしい。

これは俺も意外だったのだが、全員が全員サキュバスタウンに参加したいわけではないらしいのだ。
生の男に興味はあるがちょっと怖い。オスの下手に出て接客なんかしたくない。搾り殺しちゃダメというルールを守れそうにない。などなど……。その理由も多岐にわたる。
まぁそれでもサキュバスタウンで働きたい人の方が圧倒的多数であり、まったくもってキャパシティが足りてないのだけど。

「王都在住でサキュバスタウンに不参加の方は居を移して頂くのが一番でしょうね」

「最終的にはそれしかないのですけど、中には抵抗する民もおりますし……」

土地か金か待遇か。その辺りで折れてもらうしかないのだが、調整が難航しているご様子だった。
そんなサキュバスタウン不参加名簿の中に見知った名前を見つけ、俺は思わず顔を上げる。

「ローレンシア様も不参加なんですか?」

彼女はサキュバスの女王らしく、精液に対して貪欲だった気がするのだ。
そのローレンシア様が不参加というのはどういうわけなのだろう?
気になって訊ねると、美しいブロンドをかきあげてローレンシア様は口を尖らせた。

「わたしは女王ですから。搾精のためとはいえ、身体を売るようなはしたない真似は出来ません」

ふむ。
ローレンシア様がそう考えているのは意外な気がした。
というのも他のサキュバスたちは、サキュバスタウンを「身体を売る場所」ではなく「勝手に食事が運ばれてくる場所」と考えているからだ。サキュバス式回転寿司とでも言おうか。食べても食べても餌からやって来る状況は、彼女たちにとって理想的なはずなのだけど。
するとローレンシア様は「それに」と言葉を続けた。

「不特定多数の方から搾精するより、一人の男性から愛を込めて注がれた方が良いのでしょう? ここにはそう書いてあります」

そう言って彼女が指し示したのは、俺が日本から持ち込んだ少女漫画である。日本の文化や価値観を知ってもらうために漫画や同人誌などのサブカルチャーグッズを多数輸入しているのだ。サキュバス界では今、密かに漫画ブームだったりする。

「サキュバスも同じだとは限りませんよ?」

「同じだと思います。だってルクレイアさんやアルムブルムさん、とても幸せそうですから」

ほぅ、と息を吐くローレンシア様の顔は、恋に恋い焦がれる乙女といった感じだろうか。サキュバスたちの中には、他にも愛に気づき始めている者がいるかもしれない。一概に良いことばかりではないので、注意して見ておいたほうが良さそうである。

そんなことを思案していると、女王様はやや真剣な顔を向けて来ていた。

「この世界に結婚という制度はありませんが、誠さんはお二人と結婚なさりたいですか?」

おっと。
思わぬ質問だ。
結婚か。どうだろう?

「一緒にいられればそれで、って感じなので制度には拘らないですよ。子を成すことも出来ませんし」

「ですが区切りというかけじめというか、そういう意味合いもあるのでしょう?」

「まぁそうですね」

「お二人は喜ぶのではありませんか?」

そうかな?
うん……そうかもしれない。
本格的にサキュバスタウンがオープンすれば、もう俺が他のサキュバスに搾精される必要もないしな。これを機に「二人だけだ」と示すのに、結婚というけじめは必要なのかも。

それに二人が喜んでくれるなら俺も嬉しいし。

「重婚になっちゃいますけどね」

「そこは一夫多妻制ということでよろしいのでは? サキュバスタウンには大勢の男性が来てくださるでしょうけれど、居住権を持つ男性が誠さんだけであることに変わりはありませんから」

これは最初に取り決めたルールである。永住したいと思ってしまう男は多いだろうが、だからといって受け入れてしまうと日本では失踪扱いだもの。うちの店で神隠しが発生してるなんて噂が広まったら困ったことになってしまう。

しかし一夫多妻制か。
夢のある言葉だなぁ。

「ですが結婚を公表すると大変かもしれませんね。一夫多妻制となれば、他にも誠さんと結婚したいという方がいらっしゃるでしょうし」

「いやぁ……いないと思いますよ?」

生精液にプレミアがついていた今までならいざ知らず、これからはそんなこともないのだから俺の価値は駄々下がりだ。
そう考えると悲しくなるな。ルクレイアとアルムブルムさんに愛想を尽かされる前に、俺の方こそ結婚を申し込んでおくべきかもしれない。

なんて考えていると

「そんなことはありません。他にも誠さんと結婚したいという方はいらっしゃいますよ」

ローレンシア様は、再び同じ言葉を口にしていた。
これはアレか? 本音を直接言葉に出来ないから、相手が察するまで同じ言葉を繰り返すいつものやつ。

「えぇと……ローレンシア様は俺と結婚したいということですか?」

「そのようなことは申しておりません。もちろん、誠さんがそう望むのであれば吝
やぶさ
かではありませんが」

吝かじゃないのかぁ……。
こんなに美しい女性が俺と結婚しても良いと考えてくれてるんだとしたら、当然嬉しいに決まっている。
でも俺には、すでに二人も妻(予定)がいるからな。彼女たちと一緒にいられるだけで、俺にはあまりにも過ぎた幸せなのだ。これ以上の幸せは過積載だろう。破綻が目に見えている。

「えぇとですね……話を戻しますが、ローレンシア様はサキュバスタウンに不参加ということで……」

「はい、当然です。夫がいるのに不特定多数の方と肌を重ねるわけには参りませんから」

んん……っ!?

「夫がいたんですか?」

「目の前に」

思わずバッと後ろを振り返る俺だ。
う~ん……。誰もいませんよ?

「少し落ち着きましょうかローレンシア様。今、話がワープしましたよね?」

「しましたか?」

「しました」

だって「結婚したいのですか?」→「誠さんが望むなら結婚しても良いですよ?」→「お前が夫だろぉ!?」だもの。
おかしいじゃんね。
中間がゴソッと抜け落ちてる。
旅立ちの村を出たら魔王倒してましたくらいの超展開だぞ。

頭を抱える俺をよそに、ローレンシア様はシクシク目元を拭いだしていた。明らかな嘘泣きである。

「わたしのことは遊びだったのですね……っ」

「えぇ……っ!?」

「あんなに激しく犯して……っ。わたしのアソコに貴方の形を覚え込ませておいて……っ。酷いです……っ」

そう言いながら、彼女はチラチラと薄い本を見ている。『性欲処理オナホ未亡人~捨てないで!何でもしますからぁ~』とかいうタイトルだけど、それ参考資料にすんの間違ってるからな?

「俺にはほら……ルクレイアとアルムブルムさんの二人がいますから」

「二人も四人も変わりませんっ」

変わるだろ!
倍になってんじゃねぇか!

……って四人?

「エルルシーっ!」

「待ってたぜ!」

と、ローレンシア様の呼びかけに応じ、金髪の元気っ娘がソファの下から這い出て来た。

「こうなったら既成事実です! 既成事実は何よりも強いのですよ!」

「おう! なんか分かんねぇけどセンセーとエッチなことするってことだな? 大賛成だぜ!」

なに言ってんだこのポンコツファミリー!

相手してられるかと、立ち上がった俺の背中。ぽふっとローレンシア様に抱き着かれてしまった。

「ズルいじゃないですか……。皆の幸せを考えて頑張ってるというのに、わたしは寂しいままなのですよ……?」

「う……ローレンシア様……」

「誠さんは、わたしがサキュバスタウンで働き、不特定多数の方々に穢されても構わないのですか……?」

ぐ……っ。
そんな言い方ズルいだろ!
男たちに犯されるローレンシア様の姿を想像してしまったら胸が苦しく…………あれ? なんか想像の中のローレンシア様、めっちゃ喜んでね?

なんて考えていると

「確保だぜ!」

「あ――っ!」

俺の前に回り込んだエルルシーがいつの間にか俺のズボンを下ろし、チンポを握り締めていたのだった。

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