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EX3-1 サキュバスタウンの視察

今日はオープン間近となったサキュバスタウンの視察日だ。一般客こそ入れないものの各店舗には本番さながらの人員を配置しているので、プレオープンと言っても良いかもしれない。
とはいえ男は俺一人。つまりちんぽは一本しかないわけで、各店舗のサービスを全て受けていたら身が持たない。なので性的なサービスは無しの方向で、タウン内の景観や案内役の接客態度などを重点的にチェックすることになっていた。

ふぅ、と一つ息を吐き、俺は目の前の扉を見つめる。
扉を抜ければそこはもうサキュバスタウン。大口を叩き、サキュバス界全てを巻き込んで始まったサキュバスタウン計画が本当に上手くいくのか? 当のサキュバスたちはどことなく文化祭前日みたいな雰囲気を楽しんでいるみたいだけど、言い出しっぺの俺はやはり責任を感じるわけで、ギュっと胸が締め付けられる思いだ。

こんな時ルクレイアとアルムブルムさんが隣にいてくれたら良いのだけれど……。
彼女たちには彼女たちのすべきことがあり、残念ながらここには来ていない。

――だからこそ、ちゃんとした成果を持って帰らなければなっ。

気合を入れ直した俺は、豪華な赤い扉をゆっくり押し開く。
すると……。

「サキュバスタウンへようこそっ!」

一斉に、女の子たちがお出迎えしてくれた。
人間側から輸入したナース服、チャイナ服、ボンデージ、ブレザーの制服などなど。各々が思い思いのコスプレでのお出迎えだ。
これを眺めながら前に進むと、今日の案内役を務めてくれるリッシュさんが恭しくお辞儀していた。

「誠様。本日はよろしくお願い致します」

赤み掛かった髪をシニヨンに纏め、キラッと光る銀縁眼鏡を掛けたリッシュさんは、案内役の女の子たちの教育係である。元々王城でメイド長を勤めていただけあり、その立ち姿勢は堂に入ったもの。全寮制の女子高で教鞭を取っていそうな雰囲気だ。

「いえ、こちらこそよろしくお願いします。それで、今日はどのような予定ですか?」

視察コースはリッシュさんに任せてある。それを確認するため問いかけると、彼女は胸の谷間から手帳を取り出していた。キチッとしたスーツ姿なのに胸元だけだらしないのはその為らしい。

「本日は東周りに店舗を視察し、そのままタウン内のファーストフード店で昼食。夜後は……失礼。午後、というのでしたね。午後は西側へ足を伸ばし、クラブで報告会となっております」

リッシュさんが言い直したのは、地球基準の言葉に合わせてもらっているからだ。まだ慣れていないようだけど、その辺も視察対象である。

「分かりました。では本番さながらの案内をお願いします」

「お任せ下さい」

再び手帳をグイグイッと胸の谷間に押し込んだリッシュさんは、そのまま俺に腕を絡めて来た。
サキュバスタウンは広大であるため、お客には必ず案内役が同伴するシステムなのだ。もちろんお客は自由に案内役を選ぶことが出来るし、もしその案内役と情事に及びたくなったら、ラブホテルや青姦ゾーンも準備してある。

いつでもどこでも誰とでも。

以前お城で俺が言われた内容を元にして、サキュバスタウンは性の一大テーマパークを目指しているのだ。

とまぁ、そんな感じで始まった視察。
まずはのんびり景観を楽しませてもらうことにした。

石畳みで舗装された道。街中を緩やかに流れる小川。煉瓦や木で作られた建物群はほとんど新築で、中世ヨーロッパの趣を残しつつ近代的な機能も取り入れている。
プレイ中に隙間風や環境音が聞こえるのは良くないからな。特に注意して作ってもらっただけあり、どの建物も以前と比べてしっかりした造りだ。

「東側の区画は主に性感ヘルスやお風呂など、初心者向きの施設となっております」

ずらりと並んだ建物を指し、リッシュがそう説明を加えた。
ちなみにそこが何の店なのかは、看板で示されている。建物の入り口部分に木製の看板が掲げられており、手コキの絵や足コキの絵が描かれているのだ。

ただその中に、良く分からない看板もある。
例えば目の前のお店。一見するとお尻の絵なのだけど、尻コキ店はお尻と肉棒が一緒に描かれているので違うだろう。となると、お尻だけ描かれたここは何のお店なのだろうか?

「いらっしゃいませぇ」

興味をそそられ店内に入った途端、俺はその異様さに思わず尻込みしそうになった。
だってお尻だ。壁からお尻だけ突き出した状態で、ズラッと並んでいるのだ。

なんなんだこれは?
どうしたら良いのだ?
ちょっとパニックである。

「こちらは壁尻店ですね」

「壁尻店って……」

「接客は苦手だけど精は欲しいという女の子たちが考えたお店だそうです。並んだお尻は叩いて良し、舐めて良し、入れて良し。自由度の高いお尻となっております」

いつの間にか手帳を取り出していたリッシュさんが、眼鏡をクイッと直しながら説明してくれた。
確かにこの状態なら、接客する必要はないけど……。

試しに、並んだお尻の一つをペシッと軽く叩いてみる。
ぷるっと波打つ真っ白い尻肉は、もっと欲しいと身じろぎしていた。
なるほど。これはちょっとクセになりそう。

打楽器のようにペシペシ叩いて回りながら、俺はリッシュに振り返った。

「お客様が夢中になり過ぎて吸精され過ぎるってことはないか?」

「それはありえますね。念のため監視員を一人常駐させるように致しましょう」

「その方が良いな。興奮してエスカレートしたお客様が女の子に変な物を突っ込んだり、やりすぎる可能性もあるんだし」

俺の言葉を手早く手帳に書き込み、リッシュさんは大げさに頷いていた。

「人間側だけではなくサキュバスのことも考えてくださっているのですね」

「そりゃ当然だろ」

「それを当然と思って下さることが嬉しいのです」

手帳を胸元に仕舞い込む彼女はフッと相好を崩し、そんなことを言っていたが、俺としては当然なわけで意味が分からない。
まぁ大して気にすることじゃないだろう。壁尻屋とかいうとんでもない店を後にした俺たちは引き続き東地区を見て回ることにした。

その後数件の店を見て回り、石畳みをしばらく歩くと軒を連ねていた建物が途切れた。道はそのまま自然公園に繋がっているようだ。
敷地は樹木で囲まれており、人が隠れられそうな茂みを敢えて作っているらしい。つまりはここが青姦ゾーンなのだろう。公園としての体裁を整えるためか、ブランコやジャングルジムなんかの遊具も置いてあった。

「あれはあれで実用的なのですよ」

リッシュの思わぬ補足に俺は首を傾げる。

「ジャングルジムが?」

「はい。全裸にした者を縛り付けるのに丁度良いのです。ブランコなどは対面座位のまま漕ぐというスタンダードな遊び方からSM的な使い方まで幅広く使える万能遊具と言えるでしょうね」

マジか……。
サキュバスの手に掛かれば、子供の遊具もあっという間に大人の遊具に早変わりだ。身近だった物が全て卑猥な物に見えてきてしまいそうで困惑である。

もう無邪気な子供の姿を思い描けなくなってしまった公園の景観を横目に歩き続けると、西地区との境である住居エリアに辿り着いた。
ここは目抜き通りに飲食店や小物ショップが軒を連ね、店舗の裏に一般住宅が併設された場所である。もちろん一般住宅と言ってもサキュバスタウン内なわけで、普通の生活を営んでいる奥さんを犯したり、夜這いをしたいというお客様のご要望にお応えするためエリアなのだ。エリアのあちこちでは洗濯物が干されていて、色とりどりの下着が風にそよいでいた。ひょっとしたら下着フェチの方向けのサービスなのかもしれない。

「昼食はこちらのお店でよろしいですか?」

リッシュが手で指示した先はファストフード店のようだ。
中世ヨーロッパを意識した木製スウィングドアをくぐると「いらっしゃいませー!」と元気の良い店員さんがお出迎えしてくれる。

「提供する食材は、今まで誠様がお召し上がりになった食材から選んでおります」

メニューを見ている俺の横からリッシュが補足してくれた。
ひまわりの種がサキュバスにとって劇毒だったように、こちらの世界の食べ物が人間に思わぬ悪影響を与える可能性は否めない。俺は今までそんな危険すら考えずバクバク食べていたが今のところ平気なので、害のある物は極少数なのだろうけれど。

「ちなみに誠様が人間側の食材を輸入して下さっておりますので、そちらも少しずつ検証が進んでいるようです。少なくとも今現在、サキュバスにとって毒となる物は確認されておりませんよ」

それは朗報だ。
サキュバス界にもアルコールの類はあるけど、やはりお客様には飲み慣れたものを提供したいし、地球側の料理や食材に触れてサキュバスたちの食生活もさらに豊かなものになるかもしれないしな。
ヘリセウス邸で料理を担当していたメイドさんには、いち早く〆鯖を持って行ってあげたい。

そんなことを考えながら注文したサンドウィッチを受け取った俺は、リッシュと一緒に席に着き、昼食を楽しみながら午前中の視察結果について意見を交換し合うことにした。

「概ね問題はなさそうかな」

「それは重畳です。皆も喜ぶことでしょう」

サキュバスタウンは本当に良く出来ていると思う。俺には見慣れた景色となった景観も、地球から来るお客様にとっては牧歌的で開放的な雰囲気を楽しんでもらえると思うし、どこに行ってもエロいことが出来る性の楽園って感じだ。

「ただそれだけに注意しなければならないところもあるね」

「例えばどのようなところでしょうか?」

「青姦ゾーンだけど、性質的に隠れられる場所が多いだろ? 閉店時間を過ぎてもこちらの世界に留まろうとする男の人がいるだろうから、その辺は気を付けないと」

そのためにこの案内役システムがあるのだけど、それでも案内役を振り切って逃げる人はいるかもしれない。万が一サキュバスタウンの外にまで出られたら追跡が難しいし、何よりその人の命に関わる事態に陥りかねないのだ。
もちろんサキュバスタウン自体は塀で囲まれているし、出入りするための門にも人を配置してあるけど、イレギュラーというのは確実に存在する。
本当ならGPSでも持たせたいところだけど、なにせこちらは異世界だからな。GPSどころか携帯の電波も届かないので、どうしたって探索は人力となってしまう。

「案内役以外の園内キャストを増やした方がいいね。警備体制を強化しよう」

「畏まりました。至急手配しておきます」

ある意味で巨大テーマパークのようなサキュバスタウンだ。問題点は次々出て来るし、恐らくオープン後は俺が想像もしていないような問題も起こるのだろう。
それを考えると頭が痛くなってくるが、なんとしてもやり遂げなければならないし、そうするだけの責任が俺にはある。

昼食を終え気持ちを新たにした俺は、リッシュを伴い西地区へと足を向けることにした。
だが食事を摂ったことで少しリラックス出来たのか、歩き始めて数分。急に催してきてしまった。タイミング良く、視界の先に公衆トイレを発見だ。

「ごめんなリッシュ。ちょっとお手洗いに……」

言ってて気づいた。
そういえばトイレに行く時、案内役の子はどうするんだ?

「さすがに中まで着いて来られるのを嫌がる人はいるだろうし、目を離した隙に逃亡しようとする人もいるかもしれないよなぁ」

しかしリッシュは、俺の懸念に笑顔で応える。

「それは実際に利用してみれば分かるかと」

ん?
何かあるのか?

良く分からないが論より証拠ということなのだろう。リッシュが何も説明してくれないので、俺は半信半疑のまま公衆トイレに足を踏み入れた。

中は男性用の小便器がズラッと並び、背中側には個室トイレが用意されている。高速道路のサービスエリアにあるトイレの縮小版といった感じか。
それ以外に変わった場所は見当たらないけ…………あ。あった。てか居た。

「誠様~っ」

個室トイレの一室。
そこに見慣れたメイドの少女が居ることに気づき、俺は思わず目頭を押さえた。

「何してんだよニーア……」

「見て分かりませんか!? 肉便器ですっ! わたし、念願の肉便器になれましたっ!」

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