巨乳キャラあつめました

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3-1

「ねぇ、手、つないでみようよ」

それは、突然の誘いだった。
優喜に恋人候補であることを打ち明け、二週間ほどが経ち、徐々に夏の気配を感じ始めたある日のことだ。
優喜に誘われ、近くのゲームセンターまで遊びに出て、ゲームセンターが初めてだという優喜と一緒に楽しい時間を過ごしたあと。
ゲーセンの入り口にあった安いアイス自販機で買ったアイスをかじっていた時に、優喜が急にそんなことを言い出したのだ。
動揺しすぎて危うくもう残り少ないアイスを取り落としそうになってしまったが、どうにか耐えて、新太は理由を尋ねる。

「それは、なんで、急に?」

「だって、新太くん、全然恋人っぽいことしようとしないし」

「うっ、それは」

痛いとこを突かれて、新太も言葉に詰まる。

「あたしも一応恋人ってどんな感じなのか知りたいって気持ちはあるから、なにもしないならこっちからしようかなって」

「な、なるほど……ごもっともです。
というか、すいません、俺も恋人いた経験ないのでどうしたらいいかわからなくって」

友達として一緒に遊ぶ時間は増えた。
ただ、それだけで新太は幸せすぎたせいで、恋人になろうという気概が欠けていたのも確かにある。

「優喜さんと一緒に居る状況がすでに夢みたいで、もう、一緒に居るとなにも考えられなくなっちゃうんですよね」

「それは……ありがとう。なんだかそんな言われると照れちゃうけど。
あたしも、きみと一緒に遊ぶのは楽しいよ」

素直な新太の言葉に、優喜も照れながら今の関係を肯定する。
だが、すぐにはっとした様子で残ったアイスを一気に食べると、気合を入れなおしていう。

「って、ダメダメ、この状況で終わっちゃ!
とにかくこのままじゃ恋人なんてまた夢の夢だからね!
新太くんはあたしと恋人になってやるって気概をみせてくれないと!」

「は、はいっ。そうですよね、そのために俺、優兎さんに招かれたんですから」

「そう、だから手をつなぐくらいは――あー……いったぁ……頭きーんって……!」

話の途中だったが、優喜は一気にアイスを食べたせいでアイスクリーム頭痛に襲われてしまったらしい。
壁にもたれ賭けてこめかみのあたりを擦る優喜を見て、新太は反射的に、その頭に手を伸ばしていた。

「大丈夫ですかっ? 温かい飲み物でも買います?」

「えう……ぁ……新太くん……」

サラサラの髪を乱さないように丁寧に、一方向に、何度か撫でる。
優兎に愛撫を仕込まれているせいか、髪を撫でる時の力加減もすっかり身についていた。
優喜は突然の新太の行動に驚いたように身を固くして、そして、徐々に頬を赤く染めていった。
それを見て、新太は今更ながらいきなり優喜の頭を撫でるという恥ずかし失礼なことをしていると気づき、慌てて手を離す。

「す、すいません! 急に頭撫でるとか、ホント、すいません!」

「い、いいよ……別に。おかげで、頭痛いのも、治ったし。
それにその……撫でるの上手いね、新太くん」

「そうですか? 上手いかはわからないですけど、頭痛いのが収まったならよかった」

怒ったりはしていないことにほっと胸をなでおろしていると、優喜は照れている様子で、その長い髪の毛先を弄ぶ。綺麗なストレートヘアは、指先に巻き付けてもすぐに戻っていた。
そんな髪の動きに合わせるように、優喜はすぐにいつもの調子を取り戻し、赤くなった頬を軽く撫でると、企み顔を向けてくる。

「こんな風に自然と女の子の頭撫でられるなら、手をつなぐくらい余裕なんじゃない?」

「いやいや、それとこれとは別って言うか」

「じゃあ、握らない? 手。あたしは新太くんと手つないでみたいけど」

「やらせていただきます」

大好きな人にそこまで言われて断るのは、流石に情けない。
新太はアイスをさっさと食べ終えると、近くのごみ箱に優喜の分も一緒にごみをすてる。
そして自分の手を見つめて、ズボンで軽くふいてから、手を差し出した。

「ど、どうぞ」

「いやあたしが握るんかーい!」

「あ、そ、そっか、俺から行かなきゃですよね」

「いいんだけどさ。
もう、そんなに緊張してたら恋人になんかなったら気を失っちゃうんじゃない?」

ツッコミ、けらけらと笑いながら、優喜はそっと新太の手に自分の手を近づけてくる。
それから、軽く、指先を擦りあうようにゆっくりと、少しずつ、手の触れる面積を増やしていった。

「握っちゃうぞー? 大丈夫―?」

「う、うす。大丈夫です……!」

「顔真っ赤。はい、握った!」

焦らしていたかと思うと、優喜は一気に手を握ってきた。
優喜の手はとても、とても柔らかくて、温かかった。ただ、ほんの少し強張っているようにも感じられて、そのことにはっとして、新太は自分の方からも握る手に力を込める。
すると、優喜は新太の方を驚いた顔で見て、それから嬉しそうに笑みを浮かべた。

「男らしいじゃん。最初からそうすればいいのに」

「たまには頑張らないといけないかな、と」

「それで、どう? 手をつないでみた感想は」

「びっくりしすぎて心臓が止まりそうなのでしばらくまってくれると」

「そんなにっ?」

大丈夫? と優喜が肩を寄せてくる。支えになってくれるのだろう。
しかし新太の方はふわりと漂ってくる優喜のいいニオイにそれどころではなく、本当に驚き過ぎて心臓が止まるかと思っていた。

「ち、近い、優喜さん近いですって……!」

「いや、手つないでるんだから近くなるでしょ。……このまま歩いていけそう?」

「ゆっくりなら……」

「じゃあ、ちょっと駅前の方まで歩こ。十分くらい、お散歩。どう?」

「頑張ります……」

何を、と面白そうに笑う優喜に手を引かれて、新太はゆっくりと駅の方に向かって歩き始めた。
今いるのは駅から五分ほどのショッピングセンターなので、かなりゆっくり歩いても十分もあれば駅前までつく。
まずはショッピングセンターを出るべく、歩いていくが、しかし新太の歩みはめちゃくちゃだった。足の関節が言うことを聞かず、右手右足、左手と左足が同時に出ているし、たまにバランスを崩して優喜にぶつかる。

もちろん、優喜と手をつないでいる緊張のせいだ。
優兎相手で、もっとすごいことをたくさんしているはずなのに、優喜と手をつないでいると心臓の鼓動がうるさく、体が芯から火照るような感覚が止まらない。
手汗がひどい。自分でも、じっとりと濡れているのがわかる。
それでも、優喜は手を離さない。
むしろ、もっと新太と強く繋がろうと、手のつなぎ方を指を絡める恋人つなぎへとシフトさせてくる。

「優喜、さん、手……汗が……すごいので。あんまり強くつなぐと……」

「いいって」

「でも」

「あたしがしたいからするの。いいでしょ?」

「は、はい」

大好きなグラビアアイドルからそんな命令をされて、受け入れないわけにはいかない。
指と指の間に、優喜の指が差し込まれていく。優喜の指先が、新太の手から染み出した汗で汚れてしまう。
でも、気持ちいい。優喜の指と、自分の指がしっかりと絡み合うのを感じると、新太は思わず勃起してしまうのを感じていた。
苦しいほど、ズボンの中で腫れあがるペニス。
幸いにも上向きのいい角度でズボンに収まっていたので、ぱっと見はあまりわからなそうだが、ますます歩きづらくなってしまう。
しかし新太も、優喜ともっと手をつなぎたい衝動に駆られていた。
離すなんて考えはない。たとえ勃起が収まらなくても。大好きな人と手をつないでいられる幸せを手放すつもりになんて、なれるわけもなかった。

「新太くん、さっきからどんどん歩き方変になってない?」

「そ、そりゃ、緊張してますから。優喜さんと恋人つなぎ、なんて。夢みたいで」

「まだ恋人じゃないのにね。なんだろ、これも順序? 飛ばしちゃったっていうのかな」

「俺が優喜さんの手を汚してると思うとアウトな気がしてきた……」

「いやいや、別に汚れてないから! 確かに手汗すごいけど。
いいよ、緊張されないよりずっと。あたしのこと、大好きってことでしょ? これって」

言われて、新太は言葉を失って、ただこくりと頷いた。
優喜の笑顔はまぶしくて、とても見ていられない。だけど見ていたい気持ちもあって、新太はぎこちなく歩きながらちらちらと優喜の方を見るという不審者ムーブを止めれなかった。

ただ、緊張していても、幸せならば時間の流れは早いようで。
随分と長い間歩いていた気がしたが、気づけば駅前北側に到着し、さらには通り過ぎて、駅の南側の改札まで歩いてきてしまっていた。
ほとんど話は弾まなかったが、優喜も歩いているだけでなにか、楽しく感じてくれていたのか。
ふと足を止めると、名残惜しそうにつないだ手を見る。

「ずいぶん歩いてきちゃったね。帰る? そろそろ」

「は……い。いや、でも……」

まだ、という言葉をいいっていいのか迷って、飲み込む。
すると、優喜は嬉しそうにくすりと笑った。

「あたしも。もうちょっと手をつないでたいかなー、とか思ったりして」

いこ、と、優喜は静かに手を引く。引かれるがまま、隣を歩いていく。
優喜は駅前を離れ、あまり人通りのない道に続く方向へ歩きながら、隣の新たに尋ねてきた。

「手、つないでみて、どうだった?」

「近かった……かな」

「近かった、って、どういう感想? それ」

「優喜さんと、自然と距離が近くなってる気がして。
優喜さんのこと、近くでよく見ることが出来て。
やっぱり、綺麗で、笑っている顔も可愛くて、ホントもう最高か? って気分でいっぱいになったってことです」

「それは……ありがとう、かな? 褒めてもらって。
あたしも新太くんの真っ赤になってる顔堪能させてもらったし、おあいこかな」

褒められて、優喜は照れくさそうにはにかむ。
それから人通りの少ない道の、建物の前で足を止めると、新太のことを壁際に追い込んで、何か期待するような瞳を向ける。

「新太くんは……あたしのこと、もっと近くでみたいって、思った?」

「いっつも思ってますよ! そんなこと」

間髪入れずに答える。まっすぐに、優喜の目を見て。
すると優喜はなにか、感極まった様子で一度ぶるりと体を震わせ、新太の手を取って、少しだけ自分の方に引き寄せる。

「じゃあ、さ、……付き合っちゃおっか、今日から」

「へ……え? ……えええっ!?」

突然の提案に、新太は驚きの声を上げるしかできない。
簡素な告白。でも、酷薄には違いない。戸惑う新たに、優喜は珍しく少しだけ早口で、どこか焦った様子で言う。
わかりやすく、照れを隠して。

「だ、だって、あたしのこともっと近くで見たいんでしょ?
でも、さ、やっぱりあんまり近くにいるには、それなりの関係って必要でしょ?
アタシも――まぁ、その、新太くんのこと、もうちょっと近くで観察してたいっていうのはあるわけだし。なら、ね? もう恋人になるのが、早いかなって」

まくしたてた優喜は、ふと、不安げな表情を見せて、新太のことを上目遣いに見つめる。

「……どうなの?」

「よ――ろしく、おねがいしますっ! 嬉しいです!」

一瞬事態が飲み込めないでいた新太だったが、ここを逃したら二度はないかもしれないと、すぐに返事をした。
その場でジャンプしたくなるほどの大きな喜びが沸き上がってきて、ジャンプしない代わりに思わず優喜の手をぐっと握って顔を近づけた。
優喜も少しだけ驚いた様子だったが、すぐに頬を染め、口元をほころばせて、それから。

「……んっ♪」

「ん、む……っ!?」

唇を重ねてきた。
衝撃に次ぐ衝撃に、新太の頭は一瞬ホワイトアウトする。
しかし唇に触れる、優喜の弾力が、抱き着いている優喜が擦り付けてくるおっぱいの感触が、意識を飛ばすことは許さない。
胸板でつぶれる、優兎よりも少しだけサイズの小さい、だけど強いハリを感じるIカップのおっぱい。
夢にまで見たそれに再び触れられながら、鼻先で感じるのは彼女の興奮と緊張の入り混じった吐息。
生々しい――だけど、心から『欲しい』と思わせる、優喜のニオイに、新太は思わず優喜の腰を抱き寄せると、唇をくっつけたまま、その下腹部に勃起したペニスを押し当てた。

それに気づいたのだろう。
ゆっくりと唇を離した優喜は、いつもと違う――優兎がエッチなことをする時に近い――緊張した表情で、下腹部に押し当てられたものに視線を注いだ。

「すごいね。なんか、すごいことになっちゃってるけど」

「すいません……キス、軽くした、だけなのに。
……いや、ホントは手つないでるときからこんなだったんですけど」

「手をつないでるときから? それで歩きづらそうにしてたんだ」

「緊張もありますけど、半分くらいは」

抱き合ったまま、ズボンの中で勃起したままのそれを、押し付けて離せない。
優喜もまた、押し付けられるそれを前に、目を離せないでいる様子だった。
目を離せないまま、ぽつりと、つぶやく。

「恋人になったんだし……そういうことしても、おかしくはないんだよね。
デートもしてるし。段階飛ばしてるわけじゃ、ないよね?」

「……それは……」

「……知ってる? ここ、もうちょっと行くと、ホテルあるんだよね。エッチなホテル」

ごくりと、新太は思わず息を飲んだ。
その、あまりにも魅力的な誘いに。

「行っちゃう?」

下腹に押し付けられるペニスから、ゆっくりと顔を上げて。
優喜が、ぷるりとした唇を震わせて、乳房をむぎゅりと胸板で潰して、言う。
今から優喜とエッチなことをする。セックスをする。
それは考えるだけで射精してしまいそうなほど幸せなことだった。
しかし――新太は、頷きそうになる頭を優喜の腰から離した手で抑えると、声を搾りだす。

「きょ……今日はまだ……しないです」

「それは、なんで?」

「だって、優喜さんのこと、本気で好きだから。
付き合ってすぐ、こんな、キスした勢いでエッチするのはこう……節操ないというか……良くないかな、って。思うんです」

チャンスを前に、勇気をもって、新太は決断する。
弱気かな、なんて思ったが、それを聞いた優喜は再び感極まった様子で、口元を嬉しそうに『もごもご』させた。

「もうっ……ホント、新太くん、そういうとこがいいんだよね! あたしのこと大好きなのに!」

「ええっ? お、怒ってます、もしかして?」

「逆っ。すっごい好き! だからあたしも今日は引き下がる!」

勢いよく言って、優喜は切り替えるように軽く自分の頬を叩いた。
けど、頬を叩いても、赤みはごまかし様がないくらいだ。
それだけ強く叩かないと、優喜も自分の本能を抑え込めなかったのかと思うと、なんだか嬉しくなってくる。

「今日はここで解散! あたし、先に帰ってるから」

「え、帰り道一緒――」

「帰り道一緒だと、お互い辛いでしょ? 一回クールダウンしよ、クールダウン」

まぁそれは確かに、と新太は自分の下半身を見た。
……これはしばらく落ち着きそうにない。

「じゃあ、またね! ……夜、メッセージ送ってよ?」

「は――はいっ! もちろんです!」

「よろしい。じゃあね」

少しのわがままを言い残して、優喜は照れくさそうに早足に去って行った。
それを見送って、改めて新太は股間の疼きをどうしようかと頭を悩ませる。

「やばいな……優喜さんの体の感触が……唇の感触が残ってて……」

興奮が収まらない。
頭の中で優喜とのキスの感触、抱き合った感触がリフレインして、止まらない。
しゃがみこんで深呼吸し落ち着こうとするが、ペニスはズボンの中で苦し気に震えるばかりだ。
このままじゃ帰るのも辛い――なんて思っていると。

「……新太くん? どうしたの?」

マッサージ師みたいな恰好で小さな鞄をを持った優兎が、なぜか、目の前に立っていた。

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