4-2
新太は白状した。
優喜に丁寧に精液の片づけをしてもらってから、じゃあ話してくれる? と優しく促され。
優喜と裸でベッドに並んで座っているというシチュエーションでありながら、申し訳ない気持ちでペニスをすくませて、自分が覗きをしてオナニーをしていたことを、正直にすべて話した。
流石にこれはまずいのではと思っていた新太だったが――すべてを聞いた優喜は、恥ずかしそうに口元をもにょもにょさせながら言う。
「うわー、そっかぁー、お風呂覗かれてたのかぁ……だ、大丈夫?
あたしお風呂で歌ったりしてるときあるんだけど……変なとこ見てがっかりしてない?」
「え……そ、そこ? 一番最初に心配するところ?」
驚く新たに、優喜は恥ずかしそうにはにかむ。
「だってさ……あたしだって、好きな人にがっかりされたくないって気持ちはあるわけで……心配するでしょ、そりゃ」
「優喜さんにがっかりするなんて、ありえないですって!」
「あはは、キミはそういうと思った……♪」
嬉しそうに、楽しそうに笑いながら言う優喜。
その様子に、ひとまず自分の罪は許されたようで、新太はほっと溜息を吐く。
「怒って……ないん、ですね?」
「まぁね。キミがあたしに夢中になってくれてるのは知ってるし……そういうキミになら、見られててもよかった……って思えるし」
それに、と。
優喜が不意に、新太と距離を詰めて、するりと腕に抱き着いてくる。
Iカップの深い谷間に呑まれる二の腕。罪が許された安堵感もあって、股間で元気を失っていた肉棒は一気にいきり立つ。
優喜は興味深そうに勃起したペニスに熱い視線を向けながら、二重の意味で体を『硬く』する新太の耳元でささやく。
「あたしさ……見られるの、興奮するんだよね……多分」
「えっ……そうなんですか」
「引いちゃった? こんな女だったのかー、みたいな。がっかりしてない?」
「まさか。俺は優喜さんがお尻の穴責められるの好きだったとしても大好きですよ!
家では一生ぐうたらしてたいとかいう願望があったとしても、嫌いになったりしません!」
「うーん、そこまで熱中されると逆に心配だけど……ありがとう?」
苦笑気味に言って、仕切り直すように優喜はこほんと一つ咳払い。
「とにかく、あたし、見られるとエッチな気分になっちゃうんだよね。
仕事の時にそういう気持ちになるのは……新太くんみたいなファンと触れ合える、イベントの時とかかな? キミのこと覚えてたのは、特にあたしに向けられる視線が……気持ちよくって。おぼえてたんだよね……♪」
「そ、そうだったんですか……!? うあああ……すごい……光栄過ぎて……! 死にそう」
「死なない死なない♪ あ、ちなみに、グラビアの撮影の時とかは別だよ。
むしろああいう時は早く終わんないかなって思ってるし」
「そうなんですか? なにか違う……?」
「うーん、業界の人たちって、別に『あたし』が見たいわけじゃないんだよね。
その先にあるお金だったり、もっと大きな仕事とか、成功だったり。
人によってはあたしとセックスして自分が気持ちよくなりたいだけとか……そういう感情が見え隠れするわけでさ。
あたしはキミみたいに、純粋に、あたしだけを想って、あたしだけを見てくれる視線が好きで、興奮するの」
赤裸々な優喜の告白に、新太は、じんと胸がしびれる様な想いを覚えた。
そんな風に感じていた優喜に、自分の視線が、そこに籠っていた想いが伝わっていたのだと思うと、なんだか運命のようなものすら感じてしまう。
ストーカーの末に掴んだ運命だと思うと、誇れるものではないが。
「俺、ストーカーして隣に越してきて、よかったです。
人には言えないけど、自分のあの時の行動力は一生誇れます」
「あたしも、キミが偶然あたしの後をつけてきてくれてよかったなって、思ってるよ。
ありがとね、隣のアパートに来てくれて。……これはお礼♪ っちゅ」
軽くほっぺたに、戯れる様なキスをする。
さっきもっと濃厚なキスをしたばかりなのに、そんな軽いキスでも胸が高鳴って、新太はもっと優喜と触れ合いたくてしょうがなくなる。
自然と優喜の腰に手を回すと、優喜は嬉しそうに声を漏らした。
「あ……♪ スイッチ、押しちゃった……♪」
「はい……! せ、セックスはまだしないですけど……それ以外なら、いいですよね?
俺、もっと、優喜さんと……っ」
「あたしもだよ。でも……今日はおあずけ。ていうか、ちょっとしたいことがあるんだよね」
お預けと言いながらも、なぜか優喜は新太のペニスに手を伸ばしてきた。
根元から、その太さを、形を確かめるように指を絡ませ、やがてぴったりと陰茎を手のひらで包み込むと、乳房を新太の体に擦り付けながら問いかける。
「あたし……今日、お風呂で……オナニーするから」
「えっ……!? ええっ!?」
「覗いて、新太くんも、オナニーしてほしいな……♪
あたしのエッチな姿見ながら、あたしとセックスするときのこと、思い浮かべながら……」
くに、くに、と、陰茎に絡みついた指がいやらしくくねる。
新太の敏感な部分を探るように、恐る恐る。
「あたし、このおちんちんのこと、ちゃんと覚えて、思い出しながらスるから……♪
窓の外に、なるべくよく見えるように……あ、声は聞こえた方がいいだろうし、スマホで声だけ聞かせてあげるね?」
「優喜さんの、オナニー……! あ、あの、今目の前でするとかは……!?」
「う~……は、恥ずかしいし、それはまだダメ! エッチなことにもうちょっとなれたら、直に見せてあげてもいいけど……」
どうやら優喜の中にはなにか線引きがあるらしい。
少し残念ではあったが、いつか見せてくれると言うだけでも、新太は嬉しい。
それに、覗きながらオナニーというのも、きっと興奮する。
「わかりました……俺、今日も、優喜さんを覗いてオナニーします!
いつもより多分、めっちゃ出せます!」
「気合入ってるね♪ おちんちんも震えてて……っはぁ……すごい、熱くなっちゃってる……♪」
握ったペニスへ熱い視線を向けて、優喜はごくりと唾を飲む。
それから、なぜかゆっくりと、新太のペニスへと顔を近づけて来た。
「ねぇ……キミのおちんちんの味も……覚えちゃって、いい?
オナニーの時に、思い出したいから……いいでしょ? いいよね?」
「え、味? な、舐めてくれる……!?」
「うん……♪ 舐めたい。キミの……あたしの処女を奪ってくれる、おちんちん。舐めちゃうね? いいよね?」
どんどんペニスに近づいてくる、優喜の唇。
それに、新太はこくこくと必死に頷き返すと、優喜は嬉しそうに、亀頭の先にキスをした。
「んむ……っちゅ……ちゅぱ……っちゅ……っ♪」
「っは、っひぃぅ……っ!? 優喜さん……っ」
ぷるぷるの唇が亀頭の先に触れた瞬間、甘いしびれが一気に背筋を駆け抜ける。
じわりと、尿道の奥からのぼってくる先走り。
先の射精の余韻が残っているとはいえ、あまりに敏感過ぎるペニスに、新太は戸惑っていた。
「ん……はぁ……あ……♪ なんだかもう、べたべたしたの出てきて……精液じゃないよね? なんだっけ、カウパー……?」
「そうです、先走りってやつで……あの、優喜さん、よかったら……舐めて味……覚えてくれませんか。俺の……!」
「うん……♪ もちろん。舐めちゃうね、新太くんの……っちゅ、れろぉ……っ♪ れろ、れる……れろ……っ」
ちろちろと、鈴口からあふれる先走りを、ミルクを飲む子猫のように舐めとる優喜。
そのかわいらしい仕草と、おっぱいが太ももでむにむにと潰れる感触に、新太は情けない喘ぎを漏らしていた。
「あああ~……優喜さんの舌、やばい、俺、こんなのまたすぐ出ちゃいそう……っ」
「んふふ……♪ れるぅ……っ♪ あたし、ただ舐めてるだけなのに。
そんなに我慢できないんだ? あたしにされると」
「はい……っ! 優喜さんにされること全部、すごい、気持ちよくて……!」
「でも、あたしはもっと気持ちよくしてあげたいな……どうすればいい?
おちんちん、どうやったらもっと気持ちよくできる? れろ、っちゅ、れる……っ」
丁寧に先走りを舐めとりながら、上目遣いに聞いてくる優喜。
自分のことを想ってくれるのが嬉しく、それだけで新太は射精しそうになっていたが、どうにか堪えて優喜の問いに答えた。
「じゃ、じゃあ……まずはペニスを握ってみて。
それで、よだれ垂らして。先っぽの方は敏感だから、しっかり濡らした方がいいんです」
「なるほど。濡らさないと痛くなっちゃうんだ。女の子のと同じか。
じゃあ……つば、かけちゃうね? んく……くちゅ……えぉ~……♪」
優喜の口から唾液が垂らされ、亀頭の先から濡らしていく。
空気でわずかに冷えた唾液の、ぬるりとした感触が心地いい。
だが、その快感に浸ってばかりもいられない。
「そうです……! それで、唾液と先走りをペニスに塗り広げて……こう、上下に扱いてください。先っぽはぺろぺろ舐めながら。お願いします」
「出っ張ってるとこ、とくに敏感そうだけど……そこも擦っちゃって平気?」
「濡れてれば大丈夫です。心配なら、出っ張り……カリって言うんですけど。そこの下だけ扱いて、先っぽの方は全部、舌で舐めても」
「なら、そうしよっかな? 痛くしちゃったらやだし」
優喜は丁寧に唾液と先走りを塗り広げ、ペニスをぬるぬるにすると、ゆっくりと陰茎を扱きあげながら、亀頭は舌で舐めまわし始めた。
「れろる……んちゅ、れちゅ……れろ、れる……っちゅろ、れろぉ……っ♪
ふふ、しょっぱい、キミの……んちゅ、れりゅぅ……っ」
ゆったりと、まさに味わうように亀頭を這う優喜の舌。
優兎と比べたら物足りない刺激ではある――などと考えていた新太だったが、その考えはものの一分ほどで覆ることになった。
「れちゅ、れろぉ……っ♪ ふぅん、まだまだ強くしてもよさそうだね、新太くん。
なら、こういうのどうかなぁ……? れろれろ……っ♪ ちゅろぉ……れるっ、っちゅ、れろぉっ」
「えっ、あ、ゆ、優喜さ……ぅぁああ……っ!?」
まだ大丈夫だと新太が気を抜いていたら、優喜は舌を小刻みに震わせるようにして、カリ首を細かくはじく様に刺激し始める。
同時に、この一分の間で陰茎を扱く感覚も完全に掴んでいたらしい。
裏筋をぐぐぐ、と強めに擦り上げながら、根元からカリ首のぎりぎりまでを、何度も強く扱きあげていく。
少し教えただけなのに、一気にレベルアップしていく優喜のテクニック。
それに、新太は、性に貪欲な優兎との血のつながりを感じずにはいられなかった。
「んりゅ、れりゅろ、れるぅ……っ♪ っは、ぁあ……♪
新太くんの味、なんか変わってきたよ……っ?
んりゅ、っちゅ、れろれろ……っちゅ、れちゅぅ……っ♪
なんか、生っぽい味ぃ……ちゅろ、れちゅぱ、れろれろ……っ」
「うう……っ!? 優喜さん、一気にうまくなりすぎで……っ!?
お、俺、もう、出ちゃうって……っ!?」
「んりゅ、ちゅろ、いいよ、らひちゃえ……っ♪ そうだ、吸ってあげる。
おちんちんの中から、精液……♪
はむ、んちゅ……れろれろ……っちゅ、ちゅぱ。ちゅずぅ~……っ♪」
「っく、うそ、吸うのはやば……ぁ、ああああ――っ!?」
教えてもいないのに、優喜は亀頭の先を唇で挟み込んで咥えこみ、尿道をストローのように、精液を奥から吸い出す。
突然の刺激に、新太は目の前がちかちかするほどの快感を覚え、シーツを掴みながら全身をがくがくと震わせ――
「んむ、りゅじゅ、っちゅずぅ~……っ♪ ほら、らひてぇ、あらたくぅん……っ!
んむりゅ、ちゅろ、れるれる、っちゅ、じゅぞlろぉ~……っ♪」
「は、い……っ!? 出るぅっ!?」
「んぶぅ……っ!? っふ、んむ、んぐ、じゅぞ、じゅる、ごく、んぐ、こく、んじゅる……んくぅ……っ♪ これが、あらた、くんのぉ……っ♪」
そのまま、優喜にペニスを咥えられたまま、大量の精液を発射した。
愛しい人にペニスを咥えられ、射精させられる快感。征服感。幸福感。
頭の中がぐちゃぐちゃになって、新太は優喜にされるがまま、精液を吸い出されていく。
「んむ、りゅじゅ、じゅるぅ……っ! んぅ……ごく、じゅる……っはぁ……ぜんぶくちにためるの、むりそ……りゅじゅ……ちょっと飲まなきゃ……ごく、こく……っ!」
「た、める……? なんで……?」
「味わうため……♪ そろそろいいかな……じゅるぅ~……っ♪」
射精の半分ほどはそのまま飲み下していった優喜だったが、勢いが弱まってくると精液を口内に溜め始めた。
そして、射精が終わると、ペニスから口を離して、ゆっくりと体を起こす。
「んむ~……ちゅぽ……っ♪ みてて、あらたくん……♪ んぁあ~……♪」
「う、わ……! 優喜さんの口に、俺のが……っ!」
優喜は口の中にため込んだ精液を、口を半開きにして見せてくれる。
その淫靡な光景に新太が見入っていると、その熱い視線に太ももを擦り合わせながら、優喜は口を閉じ――ゆっくりと、口内の精液を咀嚼し、味わい始めた。
「んく……くちゅ……ぐちゅ、んく、くちゅ、くちゅ……♪
んふぅ……これが、キミのぉ……んく、くちゅ、れちゅ……おいひぃ……♪」
新太の視線を受けて、新太の味を脳に刻み込んで、歓喜に体を震わせながら精を味わう優喜。
やがて、すっかりその味の虜になった様子で表情を蕩けさせると、大きく喉を鳴らして飲み下す。
「ごく……――ん♪ んぷはぁあ……見てぇ……♪ 全部、飲んじゃった♪」
「優喜さん……そんな、エロすぎて……! え、わ、わざとやってくれたの、今の」
「うん。あたしが精液飲むところ見たら、喜んでくれるだろうなって。
実際……ふふ♪ 効果抜群だね? キミの……出したばっかりなのに、すごいことになってる……♪」
優喜は嬉しそうに、新太の勃起して、震えるペニスをつんとつつく。
その表情は続きをしたくてたまらなそうではあったが、優喜は軽く頭を振ってその熱を追い払ったようだった。
「でも、今日は本当に、ここまでにしよっか。
これ以上は……お互いちょっと、我慢できなくなっちゃいそうだし」
「そう……ですね。正直俺も、これ以上はちょっと、止まれるかどうか……」
「あたしも……♪ だから今日はここまで。あたしは……お風呂の準備、しようかな……♪ だから新太くんも、急いで部屋、戻るよね?」
それは、直接触れ合わないものの、『続き』の誘いだ。
それに、新太は勢いよくベッドから立ち上がる。
「はい! すぐ帰ります!」
「そこだけ聞くとあたしと一緒に居るの嫌みたい♪」
「ええっ!? いやけしてそういう意味では……!」
「わかってる。それより……服着る前に、おちんちん綺麗にしてあげるよ。ほら、こっち来て」
優喜に手招きされて、新太は拭いてくれるのかな、と思いながらベッドに座ったままの優喜の前に移動する。
すると――優喜は新太のペニスを、ぱくりと口に咥えこんだ!
「あむ……っ♪ んりゅろぉ……れっちゅ、れろぉ……っ♪」
「ひゃ、あ、っひぅ……っ!? ゆ、ゆきさ……っ」
「ほらぁ、動いちゃらめぇ……♪
きれいにひてるんらからぁ……りゅちゅ、れちゅ、れろぉ……れるぅ……っ」
ねっとりとした舌遣いで、カリや鈴口、新太の敏感な部分を的確に舐め上げながら清めていく優喜。
最後は、なるべく深くペニスを咥えこむと……唇をきゅっとすぼめ、吸い付きながら、涎を全て回収していく。
「んぷ……おっき……♪ んぷ、じゅちゅ、じゅるぞぉ~……ぷはぁ♪
はい、綺麗になったでしょ、これで」
「綺麗になったどころか……こ、これじゃあズボン履けないですよ、俺……
ていうか、優喜さん、ちょっと教えただけなのに上手くなりすぎだって……」
「なんか、キミのこと気持ちよくしようって思ったら、こうしたらいいなってすぐわかっちゃって。……愛かな? なんてね♪」
ふざけて言う優喜だが、新太としては実際、愛情を感じたので嬉しいことこの上ない。
とはいえ、このバキバキの勃起状態ではズボンがはけないのも事実。
どうしたもんかと思いながらとりあえず上だけ服を着なおしていると、裸のままの優喜が煽るように、にやにやしながら言う。
「ほらほら~、急がないと、彼女のエッチな姿見逃しちゃうぞ~?」
「優喜さんがこんな状態にしたんじゃないですかぁ……くっそう、こうなったら勃起したままでいいから履いて、急いで帰ってやる……!」
「え、大丈夫? 通報されない?」
「優喜さんのオナニーをみるためなら多少の無理は通してやりますよ!」
無理やりズボンをはいて、新太は急いで急いで家を飛び出す。
そんな新太の背中を、優喜はとても嬉しそうに見送っていたのだった。