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結局、私は迷い家でお世話になることになった。
最初は固辞して迷い家を後にし、目星がついたら自殺をしようと考えていたのだが、七穂様は決して戻さないと言う。
それに、『厳しくて冷たい社会から逃げたいのであれば、自殺する必要なんてないじゃろ。ここにいれば』という言葉もあって、確かにそれはそうだと納得してしまった。
何も死にたがりというわけではなく、あの社会でこれ以上生きていくことが嫌になっただけだったし……。
それに、迷い家という滅多に人の前に姿を現さない場所で生活をすることは、社会的に見たら私は行方不明になっているわけで、すなわち死んでいることと同じではないだろうか?
ふとそういう考えが頭に浮かび……また、七穂様から引くくらい引き留められたということもあって、私は迷い家でお世話になることにした。
さて、こうして迷い家での生活を送ることになったのだが、当然のことながら私も色々とお仕事をお手伝いしなければならない。
働かざる者食うべからず。しかも、家に住まわせてもらう立場なのだから、何でもしようという決意だった。
そもそも、迷い家の人間が街に出て買い物をするとは考えられないため、時折テレビでも取り上げられている山奥での自給自足生活をイメージしていた。
その分、色々と大変なこともあるだろうが、それを私が肩代わりさせていただこうと思っていたのだが……。

「何をしておる。そんなもの必要ないわ。妾がやる。じゃから、お前様はのんびりしておくのじゃ」
「えっ……」

これである。全部、七穂様はそうやって私を働かせようとはしない。
掃除をしようとすれば箒を取り上げられ。
洗濯ものを干そうとすれば取り上げられ。
取り入れようとすれば先に取り入れられ。
まったく得意ではないが料理でもしようとすれば、代わりに七穂様がやってしまう。
……七穂様の料理はビックリするくらい美味しかった。

「どうじゃ? 口にあったかの?」
「めちゃくちゃ美味しかったです」
「あれほどおかわりしたら、そりゃそうじゃな。愚問じゃった、許せ」

くふふっと笑う七穂様。
私は久しぶりに……本当に久しぶりに、お腹がいっぱいになるほど食事をとった。
それも、今まで食べたことがないほど美味しいものだったので、なんというか……極楽にいる気分である。
お腹が膨れてしまうほど食べたのは、本当に情けないやらみっともないやら……。
カチャカチャと音を立てながら、七穂様は食器の片づけをしようとしている。
い、いかん! 本当に私は何もしてない。ただのお荷物……いや、ヒモではないか!
申し訳なさで心臓が潰れそうになるので、早く立ち上がって皿洗いくらいはしようとするのだが……。

「こりゃ。あんなに食べた後に急に動くとお腹が痛くなってしまうじゃろうが。横になっておけ。牛や豚にはならん」

またもや七穂様に制止される。
くっ……この人、私に何もさせてくれない……!

「あ、あの、それくらいさせてください。まだ何もお手伝いできていませんし、それくらいなら私でもできます!」
「よいのじゃ」

私がよくないんですけど!?
七穂様は私の側までやってくると、ふわりとしゃがんで頬に手を当てた。
ひんやりとした肌触りのいい手が心地よい。
それに、甘くてとても良い匂いが彼女から漂ってくる。
全身を最高級のタオルで包みこまれているような、そんな心地よさと安心感があった。

「お前様は、今までよう頑張った。これからは、妾に甘えてよいのじゃ。妾を母と思え。母に甘えることを、今から取り戻せばよいのじゃ」

うっすらと笑みを浮かべる七穂様は、心臓が止まってしまうのではないかと思うほど美しかった。
そして、一気に骨抜きにされて、年甲斐もなく抱き着いて甘えたくなるような包容力。
マズイ……。本当に……本当に、私は自堕落な人間になってしまう。
七穂様に何でもしてもらい、ただ受け取るだけの怠惰な男に……。
私には、彼女に受け入れてもらったという大きな恩があるのである。
彼女がいて、迷い家に招き入れてくれたからこそ、自殺をしなくても済んだのだ。
だから、私は七穂様に何とか恩返しをしなければならない。
それが、私の責務なのだ。

「七穂様! 私は……」

その決意を持って、彼女に仕事を分け与えてくれるよう訴えようとして……。

「ほれ、こっち来い。耳掃除をしてやるでな」

七穂様はうっすらと笑いながら正座をして、ポンポンとその太ももを叩いていた。
手には、細い木の棒……耳かき棒だ。
くふふっと笑っている七穂様に、私はふらふらと光に集まる虫のように引きつけられていた。
ぐっ……逃れられない……!
実を言うと、私は七穂様の耳かきを何度か経験させていただいたことがある。
だからこそ、逃れられないのだ。
あの快楽を一度知ってしまえば、それに抗うことはできない。
薬物中毒者が身体に悪く刑務所に入れられることが分かっているにもかかわらず何度も再犯してしまう気持ちが分かってしまう。
人は、一度覚えた快楽を我慢することができないのだ。
何とか抗おうとしつつも近づいてくる私を見て、七穂様は本当に楽しそうに見上げてくる。
彼女には、何もかもお見通しなのだろう。
私が必死に抗おうとしていることも、そして……決して逃れられないことも。

「よしよし。よくここまで来られたな。偉いぞ」
「ぐふう……!」

私の頭は、いつの間にか七穂様の太ももの上に乗せられていた。
というか、言われた通り近づいただけで褒めてもらえるとかめちゃくちゃ甘くないですか?
身体は横たわり、しかし決して彼女の方に正面を向けないことで抵抗の意を示す。
七穂様はそんな私の強がりもまた可愛らしいと、優しく頭を撫でてくる。
あぁぁぁぁぁ……母性で頭がおかしくなるうううううう……。
また、この膝枕の感触が最高である。
着物越しなのだが、温かくて、柔らかくて……しかし、張りもあってしっかりと頭が固定される。
それに、甘い匂いが私の鼻孔を見たし、頭の中を満たす。
なんというか、嗅いでいるだけで眠くなるような、そんな睡眠導入剤のような効果があると勘違いしてしまうほど、安心しきって瞼が降りてきてしまう。
だ、ダメだ……。しっかりしないと……。

「母が綺麗にしてやるでな。少しくすぐったいかもしれないが、我慢するのじゃぞ」

そう言うと、七穂様は私の耳をクニクニと優しく揉み始めた。マッサージのようだ。
ひんやりとする細くて長い指が、優しく労わるように、私の耳とその周辺をマッサージしてくれる。
……これだけでも気持ちがいい。
確かにくすぐったさもあるが、耳を弄られるというのはこんなに気持ちがいいものなのか。
しばらく弄られていると、血行が良くなったのか、耳が少し熱く柔らかくなったような感じがする。
それを見た七穂様は、スッと竹でできた耳かき棒を手に取り、私の耳の中を覗き込む。

「ほうほう。やはり、結構溜まりやすいのかもしれんなぁ」
「す、すみません……」
「何を言うておる。妾は耳かきができてうれしいぞ。ほれ、妾に任せておけ」

七穂様は嬉しげに言うと、私の目を閉じさせるように手で覆った。
ひんやりとした冷たさと真っ暗な視界に、私は自然と目を瞑る。
そして、スッと耳の中に細い棒が入ってくるのであった。
カリカリと削ったり、少し奥にある耳垢を掬い上げたり……。
丁寧に、優しく耳の中を掃除されていき、私は……。

「はあああああ……」

何とも情けない声を漏らしていた。気が抜けきっている。
もう、あまりの気持ち良さにぐでんぐでんになりそうだった。
なんというか、タコみたいにぐにゃぐにゃに身体がなっていても不思議ではなかった。
信じられないくらい気持ちがいい……!
確かに、耳かきは気持ちがいいということは知っていたのだが、七穂様のそれは非常に卓越していた。
かいてほしいと思った時と場所に的確にカリカリと削ってくれる。
よだれが垂れそうになるのを、私は必死に耐えていた。
七穂様に膝枕されているというのに、そこに私の汚い唾液を垂らすなんて極刑ものである。
しばらくそれが続き……。

「ふー……♡」
「ぐおおお……」

耳元に降りかかる生温かな吐息。
ゾクゾクと背筋に電流が走り、気持ちの悪い声を漏らしてしまう。

「綺麗になったぞ。どうした? 眠いのか? くふふっ、ならこのまま寝るがいい。妾の膝を貸してやる」

ナデナデと頭を撫でてくる優しい手。
それは、まるで子供に母が優しく寝かしつかせるような手で、私はそれに抗うことができず、意識を沈めるのであった。

「あの……本当に何かさせてもらえませんか? 私、このままでは本当にダメになってしまうのですが……」

私の申し出に、目をぱちくりとさせる七穂様。

「……ダメになってもよいぞ? 妾が世話してやるからのう」
「いえ! 恩返しがしたいので……」

やっぱり、母性が凄い。
ちゃんと母の愛を受けられていた者なら抗うことができるのかもしれないが、一切それを知ることがなかった私には効果が大きすぎる。

「くふふっ、良い子じゃのう。ほれ、ナデナデしてやるぞ」

私の言葉に嬉しそうに破顔した七穂様は、また頭を撫でてくる。
あぁぁ……また眠くなるううう……。

「ふーむ……そうじゃなぁ。お前様ができて、お前様に任せられること……」

私の頭を撫でながら考える七穂様。
しばらく顎に手をやり唸っていると……。

「あ、そうじゃ」
「なんでしょうか!? 何でもやりますよ!」

ポンと両手を合わせて思いついたような仕草を見せる。
私はそれに食いつく。これでヒモダメ人間卒業である!
嬉々として彼女の言葉を待っていた私だが、次の瞬間耳を疑うような言葉が飛び込んできた。

「うむ、それじゃあ、任せるとするかのう。妾の性処理」
「…………え?」

せい、しょり……?

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