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第七話:棘を抜かれた黒薔薇と333号室(見せ槍オナニー/乳首責め/形覚え込ませ対面座位)

「ぜ~~~ったいあいつ、シャイでも何でもなかったです~! 生徒会長、あれどうなってるんですか!」
「……ああ、そんなに大きな声を出さなくても聞こえているよ。八色くん」

───ある日の朝、生徒会室。
八色さんが、席に着いている和久先輩に向かって、声を張り上げている。

「ぐっちゃぐちゃのわけわかんなくなるまで犯されて、気が付いたら保健室のベッドの上ですよ~! お陰でその日のレッスン、遅刻しちゃったんですから~!」
「それは災難だったね。しかし……、彼は間違いなく生徒会でもその動向や性格は把握している。そして私も、間違いなく彼と確認した上で、ウェアラブル端末に予約の情報を入れている」
「じ、じゃあなんで……!」
「……何者かが乗り移った……、とかね?」
「っ……!?」
「ははは、今噂になっているね、荒ぶる鬼神。……だがあんな物は迷信だろうし、あり得ない話さ」
「う、うっ……! そう、そうでしょう、けど~……!」
「それに君も、たっぷりとストレス解消が出来たのではないか? いつになく、肌が健康的でつやつやとして見えるよ」
「え、えっ? そう? そうですか~? にはは。実は確かに、気持ち良すぎてすっきりはしましたけど~」
「……一応こちらでも、君の相手をした彼に確認をしておこう。瞬間風速的に気分が高揚して普段では考えられない行動をした、というのはあり得る話だ。とりわけ、三巨頭であり君のような人気絶頂のアイドルが相手ともなればね」
「……! そ、そう~! そうかもですね~! このひなが相手なら、しょうがないっていうか~!」
「ではそのように取り計らおう。結果は後ほど……、んっ♡」
「ん? 会長、どうかしたんですか~?」
「いや……なに、先日重い資料を持ったら腰を痛めてしまってね。体勢を変えようとしたら、少し痛かったんだ」
「あら~、そうなんですか。お大事に~」
「ああ、そうするよ……んっ♡ ふ……♡」
「じゃあひなはもう行きますね~。失礼しました~」
「ああ、それでは……♡」

八色さんが部屋を出て、扉がパタンと閉められる。
その途端、和久先輩は甘い声を漏らす。

「ああ……っ♡ あふっ♡ ……も、もう、歌垣くん……♡ そんな風にしては、だめ……っ♡ だよ……♡ 八色くんと話している、時に……♡ んんっ♡」
「すいません和久先輩……。ぢゅるるっ」

僕は和久先輩の机の下に潜り込み、パンツを下ろして彼女の膣をクンニしていた。
八色さんと話している間も、ずっと。
濃い陰毛をかき分けて舌を伸ばし、ぐずぐずにとろけた小陰唇を割り開いて、舌で膣肉と奥から溢れる蜜を味わい啜る。
鼻先にクリトリスを当ててくすぐりながら、彼女の反応を楽しんでいた。

「なんだか不思議な感覚だよ……♡ 私をあれほどおちんぽの虜にさせようとしている男の子が、私のおまんこを、傅くかのようにクンニ……あ、あ゛っ♡ それいい♡ 舌、それ、好き……♡」
「言ったでしょう? 堕とすって。ぢゅるるる……、れるっ。僕が本気だってこと、こうやって教えてあげたかったんです」
「本当……本当に、君は本当に、どこまで……♡ ふふ、ふはは……♡」
「……和久先輩、僕、副会長になるというお話、受けようと思います」
「本当かい? 嬉しいよ……、君ならば私の右腕として、いい働きをしてくれる……あ゛あぁっ♡」
「和久先輩……。ぢゅろろろろろろろろっっ、ちゅううううぅぅっ」
「あ゛あああああぁぁぁっっっ♡♡♡」

ぷしゃっ♥ ぷしゃあっ♥ ぴゅっ♥

和久先輩の太く肉感の良い太ももを手で押さえ付け、クリトリスを唇で甘噛みし、舌先で転がしながら強く吸う。
その途端に、和久先輩は腰をガクガクと震わせて潮吹きしてしまった。
濃いメスのにおいを撒き散らしながら、僕の顔が潮で塗れる。僕はその液体を、”僕のメス”が吹き上げた快感の印を、思いきり吸い上げる。

「あ゛ぁ……♡ す、すまない歌垣くん、気持ち良すぎて……♡」
「大丈夫です……、僕のつたないクンニでイってくれて、嬉しいです。ちゅっ。ちゅ」
「歌垣くん……♡」

和久先輩の手が、愛おしそうに僕の頭を撫でる。
優しく柔らかい手の感覚に、僕は胸の奥が熱くなったが、しかしまたどこか、ぽっかりと空いた穴に風が吹くような気分がした。

「ふふ……、どうしようか、困ったな……♡ もう私は、君が愛おしくて愛おしくて仕方がないのだが……♡」
「もうですか? もう少し、僕の愛情表現を楽しんで下さい」
「それまで私の心がどうにかなってしまわなければいいが……♡ ……さて、それはそれとして、見せたい物がある。ほら、これだよ」

そう言って和久先輩は、机の上でノートPCを操作し始めた。
僕は身を起こして彼女の横に立ち、その画面を覗き込む。

「見たまえ。昨日の天櫛くんの部屋の映像だ」

画面には、天櫛さんにあてがわれた三巨頭専用の部屋、そのベッドに全裸で横たわりオナニーをしている天櫛さんがいた。
気持ち良さそうというよりは、どこか必死さが垣間見える。

「この少し前、天櫛くんの部屋には例の桶井くんが来て、セックスをしていたようだ。……だが、どうやら彼でイけなかったらしい」
「っ……!」
「彼が帰ってから一時間くらいオナニーをしたようだが、イったような気配はない。というか、イったのならオナニーを止めているだろう。歌垣くん……、どうやら君の立派なおちんぽが忘れられないのだろうね……♡」

天櫛さんの映像を見て、激しくいきり立つ僕のペニスを、和久先輩の細い指が撫でる。
ゆっくりと、下から上へ、玉袋から精液を湧き上がらせるように。
僕は、おそらくは間違いなく僕のことを想いオナニーする彼女の姿を見て、笑みを浮かべさらにペニスを勃起させた。

「今日は例の水葉くんの予約を取った。君は何回か参加したことがある新入生ということになっている。天櫛くんや八色くんの件が彼女の耳に入り、妙な警戒をされる前に、君を忘れられなくしてやるんだ。……用意はいいかね?」
「もちろんです。僕を無視した水葉先輩も、僕の物にしてみせます」
「結構。……彼女は同級生ではあるが、見た目以上に食えない性格をしている。一筋縄ではいかないかもしれないが、まずは……」
「大丈夫です、焦ったりはしません。まずは僕のペニスの形を覚え込ませ、専用の形に変えてやります。……ありがとうございます、和久先輩。僕のために、そんなことまで心配してくれて……」
「ふふ。いい女房役だろう? 会長ならば、副会長をサポートしてやるのも当然のことさ。……それに私のメスおまんこも、君専用の形に変わってしまいそうなんだ♡ 本当の女房になりたいくらいなんだ……♡」
「それはもう少しお預けです。目上の視点から、もっと僕の求愛を楽しんで下さい」
「もう……、本当にしょうがない子だ……♡ 私だってもっと君に求愛をしたいのに、随分な話じゃないか……♡」
「和久先輩……、好きです」
「んっ……♡ 歌垣くぅん……♡ ちゅ♡ ちゅ……♡」

僕は会長と、セックスはせず、キスだけで睦み合った。
セックスまでしてしまうと、とてもホームルームには間に合いそうになかったから。

───放課後。
僕はいつものように学園風俗に向かい、ガウンに着替えマスクを着用する。
水葉先輩、前回相手をしてもらった時もそうだったが、和久先輩が言うように一筋縄ではいかない相手だろう。
天櫛さんや八色さんと違い、快感を堪えて喘ぐことすらしないかもしれない。
一番の懸念は、水葉先輩が僕を見ないことだ。スマホを見続けられたり、横を向いて知らぬフリをされては意味が無い。
あの人の目に、脳裏に、身体に、僕という存在を焼き付けなければいけないからだ。
なので、和久先輩に少し頼み事をしておいた。
特に難しいことじゃない、水葉先輩に”あること”をお願いしてもらうという、たったそれだけのことだ。
面倒もなくポイントが入ることを望む人なら、簡単に受け入れるだろう。

僕はホールに出て水葉先輩の姿を探す。しかし、彼女の姿は見えない。
テレビでも見かけるかなりの有名人だ、八色さんの時のように他の生徒達が騒いでいる様子もないとなると、このホールにはいないのだろうか。
予約を取った以上、そんなことはないと思うのだけど。
すると、どうしようかと悩んでいる僕のところに、一人の生徒会役員が寄ってきた。見知らぬ女の子だった。

「あのー……、もしかして水葉祈莉さんの相手の方ですか?」
「ああ、そうです。……えっと、先輩は?」
「はあ……それが、ホールで待っていると男子に囲まれるのが鬱陶しいって、もうお部屋に入ってます。どうぞ、案内しますね」
「わかりました」

なんというか、そういうところが水葉先輩らしい。
とことん、厄介事とか、面倒事を省きたい人なのかもしれない。
生徒会の人に案内され部屋の中に入ると、ベッドの上に寝転んで、スマホを弄っている水葉先輩の姿が見えた。
先輩は、黒いシンプルな下着と、ニーハイストッキングを身に着けていた。
いつもの赤黒いリップ、おへそのピアス、脇腹の黒薔薇のタトゥー、何もかもが綺麗でかっこよかったが、ベッドにだらしなく広がる尻肉は異様にいやらしかった。
太ももの肉もストッキングの上にぽてっと乗って、柔らかさを教えてくれる。

「ん……? ああ、来たのか」

部屋に入った僕に気付と、水葉先輩はゆっくりと身を起こした。
僕は軽くお辞儀をしながら、よろしくお願いしますと挨拶する。

「ん。ほら」

そう言って、ウェアラブル端末を差し出す水葉先輩。
僕が端末を近づけると、すぐに本人確認が出来たようだった。

「よし……、それじゃあ始めるか。3年D組、水葉祈莉がお前の相手をする」
「はい、お願いします」
「で? 和久……生徒会長から聞いているが、本当にあんなんでいいのか? プレイの内容が、”自分のオナニーを見て欲しい”と、”乳首を弄らせて欲しい”なんて」
「はい、そうです」
「ヤりたい盛りの男子が、それだけで満足出来るとも思えんが……」
「すいません。……俺、変な性癖持ってて、オナニーをするのも見るのも大好きなんですよ。それが一番興奮するんです」
「……まあ、私は構わないがな」

そう、それこそが、僕がしたお願いだった。
まず何よりも、この人にしっかり僕という存在を認識してもらうために、何としてでも目を逸らさずにいてもらわないといけない。
そのために水葉先輩には和久先輩から、条件を呑んだら妊娠煽り膣内射精をした時と同じだけのポイントを付与する、と伝えてもらった。
僕の妙な性癖を矯正する、という建前でだ。
だからこそ、水葉先輩はこうして僕の相手をしてくれる。
オナニーを見るだけ、乳首を弄らせるだけで大量のポイントゲットなんて、願ってもないことだろうから。

職権濫用とも思えるが、多少の裁量権は持っているから安心したまえと、和久先輩は言ってくれた。
それならば、遠慮することもない。
そもそもの話、学園風俗を作り変えるためなら、あの人は何でもやるだろう。
しかしだからこそ、そんな和久先輩にはご褒美、などというと何だか僕が偉そうに思えるが、後でたっぷりと愛して喜ばせてあげよう。

「生徒会長さんからは、本物の女の子と相対して、少しずつセックスに慣れていけばいいんじゃないかと言われまして……」
「ふん……」

面倒だなという表情をしながらも、水葉先輩はベッドの縁に腰掛ける。
実際この程度、彼女にとっては何てことのないことなのだろう。
だからこそこんな簡単に、罠に引っ掛かる。

「……で? 私はどうすればいいんだ? 下着でも脱げばいいのか?」
「いえ、そのままで十分です」

僕はそう言ってガウンを脱ぎ捨て、彼女の眼前にペニスを差し出した。
朝の和久先輩との絡みからずっとずっと精液が煮え立ち、そしてクールで触れ得難い、まさに黒薔薇のようなメスを前にして、激しく反り返るペニスをだ。
むわぁ……っと立ち上るオスのにおいを振りまきながら、まさに先走ったカウパーすら溢れさせ、赤黒く腫れ上がったペニスを眼前に突きつけた。

「なっ……、あ……!?」
「……先輩は、見ていてくれるだけでいいです」

明らかに驚き、目を見開いた彼女の目の前で、僕はペニスを擦る。
竿の根本から亀頭のカリ首までを、ゆっくりゆっくり、むしろ見ている水葉先輩を焦らすように扱く。
先輩は目を離さない。離せない。
それが条件だから。

「っ……! なんて、においだ……っ」
「どんなにおい、ですか? 先輩」
「お、オス臭い……におい。むわぁ……っとして、鼻から、頭まで響いてきそうな、ノイズみたいなにおい……!」
「ああ……、凄いです。俺のにおいを、あの水葉先輩が嗅いでるなんて……!」
「く……っ!」

こすこすこすこすこす……♥

「俺のちんぽ、どんな形してますか?」
「ふ、太くて、長くて、反り返って……! か、カリ首、ぶ厚い……! なんだそれ……、何がどうなったらそんなエグい形になるんだ……!」
「俺のちんぽを先輩が見てる……! ああ……!」
「っ……! ま、また亀頭が膨れ上がった……! 変態かよっ……!」

水葉先輩の目の前で、僕はひたすらペニスを扱く。
勃起したペニスを見せつけることでさらに興奮する僕は、いっそう亀頭を充血させた。

そんな水葉先輩も、次第に様子が変わってくる。
最初は、なんだこいつは、なんでこんなことをするんだと、どこか不可解そうな、何より困惑が表に出ていたようだった。
しかしだんだんと、そのオスのにおいにあてられ、反り返ったペニスを見せつけられ続け、彼女のメスが疼き始めているようだった。
その証拠に、水葉先輩はその太い太ももを、僅かに擦り合わせている。
疼きからの自然な行動か、それとも下着が濡れ始めているのか。いずれにせよ、僕はそれをもっと加速させたかった。

「……水葉先輩、いつもどんなことを考えてオナニーするんですか?」
「ああ?」
「怒らないで下さい。水葉先輩に見てもらえてるだけでも抜けるんですけど、先輩がどんな風にしてるのかも知りたくて……」
「お前、調子に……!」
「お願いします先輩。教えて下さい」
「……」
「お願いします」
「……くそ。なんてことはない、普通だ。普通にする」
「普通って? 何を想って、どんな風に?」
「だから……それは」

こすこすこすこすこすこす……♥

「くそ、なんでそんなにちんぽ扱きまくってるんだ……! ……普通に、普通に男に抱かれるところを想像して、指でまんこを弄るだけだ……!」
「どんな風に抱かれるんですか? 頭の中で、どんな風に」
「それはプ……いや、男が私を優しく抱きしめて、ベッドの中で情熱的に絡み合うんだ」

プ。そう言いかけた。
プロデューサー、だろうか。例の休憩室で八色さんと話題にしていた、同じ事務所のシンガーとの関係が雑誌で話題になっていた人。
先日、僕もネットでその記事を探してみたが、優しげな雰囲気の男性だった。
ここでその名前が出て来たということは、つまり水葉先輩がオナニーのネタにしているのは、その人との絡みというわけだ。

「先輩にオナネタにしてもらえる男なんて、羨ましすぎです……!」
「何を言っている。それはただの、その、私の妄想だ……! 現実にいるような、そういう男じゃ……ない」
「俺のこともオナネタにして欲しいです……!」
「あ?」
「お願いです先輩、一緒にオナニーしましょう。俺は先輩でオナって、先輩は俺のちんぽを見てオナって下さい……!」
「お前……、あんまり調子に乗ると……!」
「お願いします、先輩……!」
「く……っ」

一瞬だけ、思考を逡巡させる水葉先輩。
だが、これを断ればポイントがもらえなくなるとでも思ったのか、彼女はパンツを脱ぎ捨てると、ベッドの縁に腰掛けたまま両足をM字に開いた。

薄く陰毛が生え揃った綺麗な膣は、僅かに愛液でてらてらと光っている。
やはり、僕のオナニーを見て興奮し、濡らしていたようだった。
そしてそれは、水葉先輩が指でクリトリスに触れた瞬間に、確信となる。

「んっ……。あ、あ゛っ……!?♡♡ な、なんっ……これ、ぇっ……♡♡」

軽く腰を震わせて、甘い吐息を漏らす。膣からは大量の愛液が、とろぉー……っと溢れ出す。
初めて見る、耳まで赤くなった水葉先輩のメス顔。
どうやら素直にオナニーを始めようとしたものの、クリトリスに感じた快感が予想以上に大きくて、甘イキしてしまったようだ。
それを見て僕はマスクの中で微笑む。
あの水葉先輩も、僕のペニスを見て、オナニーを見て、身体の奥のメスが目覚めて、メスの本能が疼いているんだと。
そう思った瞬間、亀頭の先端から大量のカウパーが吹き出て、先輩の顔にかかった。

ぴゅっ♥ ぴゅぶぷっ♥

「んああっ♡ あ……、なんだ、これ……ぇ♡ お前、これ精液……。いや、違う、水っぽくて……、でも、少しオス臭い……♡♡」

ほんの少しの粘り気がある程度の、無色透明の液体。僕の、オスの潮吹き。
それは水葉先輩の額に当たって、鼻筋を通って綺麗な唇、そして顎からぽたぽたと下に落ちてゆく。
精液の顔射ではなかったにせよ、汚いと罵られるかと思ったが、どうやら先輩はその液体に興奮を覚えたようだった。
うっとりとした顔で、おそらくは無意識に、舌を伸ばしてそれを舐めている。

「んっ……、んむっ……♡ ……なんだ、お前♡ これ、潮吹きしたのか?♡ オスのくせに、メスに向かって潮吹きしやがって……♡」
「すいません先輩……。でも、先輩が綺麗で……気持ち良くて、つい」
「まあいい、許してやる♡ どうせ今は、オスとメスが睦み合う時間だろう?♡ 好きにすればいい……♡」

僕に向かって好きにしろ、生オナホだと思え、などと言い放った時とは違うニュアンス。
あの時は僕の相手をすることそのものが面倒でやってられないという感じだったが、今は僕のペニスに興味を示し、むしろやってみせろと挑発しているかのようだった。
どうやら僕は、こじ開けることができたらしい。
水葉先輩を堕とすための、蟻の一穴。
水葉先輩という一人のメスを、僕の物にするための端緒を開いた。

「玉袋、重たそうに垂れ下げやがって……♡ ぎゅるぎゅる中で精液が煮え滾ってるのか?♡ メスを孕ませたいって、妊娠させたいって精子が、うじゃうじゃ詰まってそうだな……♡」
「はい、もう溜まりまくってます」
「ならほら、私を好きにしろ……♡ どうせオナニーじゃ我慢出来ないだろ、私のことをその精液で孕ませてみろ……♡」

最初のお願いなど何処へやら、僕に向かって手を伸ばし誘惑する。
しかし、僕は水葉先輩を押し倒したりなどはせず、ベッドの上に乗ると、彼女を後ろから抱きしめた。
そしてブラの上から、乳首と思しき場所を指で擦る。

「お前、何をしてい……、るっ♡」
「何って……、言ったじゃないですか。オナニーを見て欲しいのと、先輩の乳首を弄らせて欲しいって」
「なに……!? お前ここまできて、マジでそんなこと言ってるのか……っ!?」
「いっぱい弄らせて下さい、先輩」

そしてこれが、第二段階。
ペニスをガン見させつつオナニーを見せつけ、性感が高まってこれから……という時に、乳首をひたすら弄る。
それだけ。ただそれだけを。
僕はまず指先、爪の先で、ブラの上から執拗にカリカリと引っ掻く。
一筋縄ではいかないというのなら、こちらも一筋縄ではいかない策で、畳み掛けるように攻撃する。
こうやって、焦らして、焦らして、焦らしまくる。

カリカリっ……♥ カリっ♥ カリカリカリカリ……♥

「んっ……♡ ん、ふぅっ……♡ んっ♡ んっふ……♡♡」
「水葉先輩、ブラの上からでも乳首が勃起してるのがわかります……。あっ、足は閉じないで下さい。先輩のおまんこから、愛液が垂れるとこ見たい……」
「くそっ……♡ このっ、変態、がっ……♡」

カリカリ……♥ カリカリっ♥ カリカリカリっ♥

執拗に乳首を引っ掻いていると、M字に足を開いたままの先輩の膣口から、こぽっ、とろぉー……っと愛液が糸を引き、床にまで長い長い糸を引いた。
その糸を伝って、とろとろと次々に愛液が流れ落ちていく。
先輩は乳首だけで大量の愛液を滴らせ、腰をもどかしそうにくねらせた。

「先輩、ブラ取りますね」

返事も聞かずに、僕は水葉先輩のブラを外す。すると、形のいいお椀型の胸が露わになった。
以前はあまりのことに、まともに見る余裕もなかったが、今はしっかりとわかる。
先輩の巨乳ではない美乳は、しかし天櫛さんほどに乳輪が大きく、そのアンバランスが酷くいやらしかった。
背も高くスラっとした先輩のいやらしい乳輪、大きすぎるお尻、愛液を垂れ流しメスのにおいを振りまく身体。
何もかもが、酷く性感を刺激する。
僕はそんな先輩のメスを感じ、勃起してカウパーを流しまくるペニスを、その背中にぐいっと強く押し付けた。

「う、あっ……♡ ぬるっとしたちんぽが、背中に当たってる……♡ お前、私の背中に我慢汁を塗りつけるなっ……♡」
「だって、こうしていないと先輩の乳首いじれませんし……、ああ……、先輩のおっぱい、手にすっぽり収まって柔らかい……」
「あ、あっ♡ お前、乳首っ……♡ 乳首摘んで、こねるなっ……♡ あっ♡ ん……っ♡ んふっ……♡」
「先輩、おまんこも凄いです。とろとろって、大洪水じゃないですか……」
「ば、っか……♡ 見る、なぁっ……♡」
「そんな甘えた風なメス声出して、説得力ないですよ」
「……メス、声……?」
「はい。甘い甘い、オスに媚びる甘いメス声……」
「っ……! あっ、”あの人”と同じことを言うなっ……!」
「え?」
「はっ……!? ち、違う……! 忘れろ……、あっ♡」

あの人? 例のプロデユーサーのことだろうか。
そういえばあの休憩室の会話でも、水葉先輩はそのプロデューサーのことを、あの人とか言っていた気がする。
なるほど、プロデューサーとはとっくにいい仲で、メス声などと言われるくらいだと。
だから何度も、彼の性器を想ってオナニーしたと。
だったらその男で気持ち良くなることが出来なくなるように、しっかり僕の身体の味を覚え込ませないといけないな。

「先輩……、乳首可愛い……」

ぴんっ♥ ぴんっぴんっ♥

「ひっ♡ やめ……っ♡ 指の腹で弾くな♡ あっ♡ あー……♡」
「水葉先輩、気持ちいいんですよね? そうですよね? 乳首でイってもいいですよ」
「そんっ、な……♡ 乳首で、イク、かっ……♡ あ、あっ♡」
「でも先輩、愛液とろとろ止まらないですし、腰も物欲しそうに動いてます」
「そんな、こんなっ……♡ あ、あっ♡ 嘘だ♡ なんでこんなにお腹が疼くんだ♡ お腹の奥、子宮がっ……♡ ぐっ……♡ あああぁっ……♡」
「イって下さい。俺、先輩がイクとこ見たいです。先輩が乳首でイクとこ見せて……」
「んんっ……♡ まんこに触ってもいないのに、こんな、なんで♡ イきそうになってるんだ……♡」
「ああ……凄いです、あの水葉祈莉先輩が、こんな風になってるなんて……。最高のオカズになります、ありがとうございます」
「お、お前っ……♡」
「これ、お礼です」

こりこりこりこりこりっ……♥

「んあ゛っっっ……♡♡♡」

ぷしゃあぁっ♥ ぷしっ♥ ぴゅっ♥

僕は先輩の両乳首を、親指と人差し指と中指の三本の指で、包み込むようにこりこりと摘み上げ擦った。
すると先輩は短く強く喘ぎ、びくんっと身体を仰け反らせ、盛大に潮吹きした。
乳首と、背中に押し付けたペニス以外、先輩には触れていないのに、膣には触れていないのに、先輩は気持ち良さそうに潮を吹いてイった。
そしてそれを見て、先輩が恥ずかしそうに目を背けた。

「なっ……、なんだこれっ……!? 私、お漏らし……!」
「違いますよ先輩。これきっと、潮吹きです」
「潮吹き……? これ、が……?」
「気持ち良すぎると、さっきの僕もそうでしたけど、こうやって吹いちゃうんですよ。……もしかして自分の潮吹き、見るの初めてですか?」
「っ……!」

どうやら初めてらしい。
潮吹きという言葉と現象は知っていても、自分がしたことはなかったのか。
つまりそうか、そのプロデューサーも、水葉先輩をイかせて潮吹きさせることは出来なかったのか。
天櫛さんも、八色さんも、和久先輩も、そしてこの水葉先輩も、僕が初めて潮吹きさせたんだ。
漏れる笑みを必死で堪えて、僕は三段階目に移行する。

「ふー……、満足しました。今のをオカズにオナニーすることにします。水葉先輩、ありがとうございました」

そう言いながら、僕は先輩から離れベッドから降りる。
ペニスをいきり立たせ、先端からカウパーとも潮とも思えない何かを漏らしながらも、僕はガウンを着た。

「でも先輩っていう女の子に相手をしてもらって、だんだん慣れていけそうです。縁があれば、またお願いします」
「え……? お、おい、お前……」
「はい、これで終わりで大丈夫です。先輩もイっちゃってお疲れでしょうし、俺はオナニーで発散させますから」
「か、帰るのか? 終わり?」
「はい」

僕は端的に答える。
先輩にしてみても、ここで終わりというのは楽なことのはずだ。
セックスをすることもなく、男が勝手に好きなようにしただけで、孕ませ膣内射精を煽った時と同等のポイントを手に入れられる。
だからここで終わってもいい。それが一番楽だ。
だが、そんな先輩の手が、僕の腕をガシっと掴んだ。

「……ま、まだ、だ」
「はい?」
「まだ、終わってない……♡」

先輩は甘く息を吐きながら立ち上がると、僕のガウンを手早く脱がせる。
そしていきり立つペニスに指を這わせ、ゆっくりと扱いた。

「熱い……♡ 何だこれ、お前……ガッチガチじゃないか……♡」
「水葉先輩……?」
「どうせついでだ……♡ 時間もまだある、練習ついでに私の身体を使え……♡」

───掛かった。
引っ掛かった。
三段階目も見事に、僕の思う通りに引っ掛かった。

でも先輩にはそれがわからない。
これが罠だとは気付かない。もし気付いていたら、僕をさっさと帰らせたはずだ。
気付くほど頭も回らないのだろう。
男のオナニーを見せつけられ、オスのにおいを嗅がされ、乳首だけでイかされ、子宮が疼きに疼きまくっているに違いない。

待っていた。この時を待っていたんだ。
僕に欠片ほどの興味も示さなかった先輩が、僕を見た。僕を振り向いたんだ。
こうやって先輩が、自分から僕を求めること、僕のペニスを自分から欲しがること、それこそが僕が望む物だった。

「……でも俺、変な性癖だから、上手く出来るかどうか不安で……」
「じゃあ私がしてやるよっ……♡」

そう言って先輩は僕の身体を掴んで、ベッドに投げる。
膝裏がベッドの縁に当たって、カクンとそのまま腰を下ろしてしまった。
先輩はそんな僕の膝の上に、対面座位の格好でのし掛かる。

「ふー……っ♡ ふー……っ♡ 私に任せろ……♡ 私が全部してやるから……♡」

にゅりっ♥ にゅぐっ♥ にちにちにち……♥

ねっとりとした愛液に塗れた小陰唇を、先輩は竿の裏側に擦り付ける。
その粘り気といい熱さといい、なによりぐずぐずにとろけた膣肉のせいで、水葉先輩が相当に発情していることが窺える。
僕のペニスはあっという間に、竿も亀頭も愛液を塗されてしまった。

「お前のちんぽ、たっぷり喰って……味わってやる……♡」

舌なめずりしながら腰を上げ、膣口に亀頭の先端を押し付ける。
水葉先輩は息も荒く、一気に腰を落とした。

に゛ゅぷんっっ♥

「あ゛っっ……♡♡♡」

ほぐれ、とろけた膣が、亀頭のカサをぬぷんっと飲み込む。
もっちりと肉付いたお尻が僕の股間にのし掛かり、程よく心地良い重さを与えてくれたと同時に、亀頭の先端はGスポットをごりごりと抉りながら進み、ぷりぷりした子宮口を突き上げた。
瞬間、先輩は身体を仰け反らせて、盛大に潮吹きして僕の股間を濡らす。

びしゃぁっ♥ ぴゅっ♥ ぷしゃっ♥

「あ゛っ……♡♡ んふっ……♡♡ ま、まんこ、イ……った♡ イった、ぁ……♡」
「ああ……、凄いです先輩。僕のちんぽ、食べられちゃった……」
「あ゛っ……♡ あふっ……♡」
「大丈夫ですか? このまま動かないで、しばらく待っていましょう」

そう言って僕は、ぎゅうぅっと水葉先輩の腰をしっかりと抱きしめて引き寄せ、奥の奥まで挿入したペニスの形をしっかり覚え込ませる。
先輩の膣内は、緩くS字カーブを描くような構造で、細かい襞が無数に存在していた。
その膣肉は、次第に僕のペニスに愛液と共にねっとりと纏わり付き、S字カーブを反り返ったペニスの形に、緩いU字型のカーブに変えてしまう。
水葉先輩というメスが僕というオスを受け入れ、僕の形に変わっていく。それがはっきりと感じられた。
彼女もその感覚がわかるのか、僕の首にしっかりと抱きつきながら、吐息のような喘ぎを漏らす。

「あ゛っ……♡ ん、んんっ……♡ なんっ……これ、すっ、ごぉ……♡」
「先輩の囁くような喘ぎ声……、耳がくすぐったくて気持ちいいです」
「んふっ……♡ お前……、こんっ……こんな、エグすぎちんぽっ……♡」
「なんか俺、先輩とセックスしたくなってきました。動きますね」

僕はもっちり重たい安産型の巨尻を持ち上げ、ペニスを亀頭のカリ首の辺りまで引き抜くと、手の力を抜いて股間に落とす。
そうやって柔らかく重たいお尻を揉みながら、何度も何度もピストンさせた。

にゅっぽ♥ にゅっぽ♥ にゅっぽ♥ にゅっぽ♥ にゅっぽ♥

「ひぅっ♡ あへっ……♡ あ゛ー……♡ あふっ……♡ ふっ♡ ふっ♡ んふっ♡ あうぅっっ……♡♡ あっ♡ あっ♡ んっ♡ んんんっっ……♡♡」
「凄い……、先輩のとろっとろおまんこ、めちゃくちゃ気持ちいいです。愛液垂れすぎて、俺の玉袋まで濡らしてますよ」
「おっ、お前っ……♡ お前、違うっ……♡ こんなっ、こんなのっ♡ オナニーが性癖とか、絶対嘘だ……っ♡ んっ♡ んふっ♡ ふっ♡ ふあっ♡ あっ♡ あふっ♡ ふっ♡ こんな、こんなメスを骨抜きにするような、セックス……っ♡ お前、まさか、噂の……♡♡」
「何のことかよくわかりませんけど、俺はセックス得意じゃないですよ。……先輩のおまんこが、よわよわのメスってだけなんじゃ?」
「な、なんっ……♡ なんだとっっ……♡♡」
「ほら、一突きする度に、濃い愛液こんなに垂らして。愛液が泡立って白く濁ってます。それにオスを誘うような、甘いメス声……」
「っっ……♡♡」
「先輩のメス声で、俺もうたまんないです」
「だま、黙れっ……♡ お前、お前が、メス声とか、言うなっっっ……♡♡」

ごちゅっ♥ ごちゅっ♥ ごちゅっ♥ ごちゅっ♥

「あ゛あぁぁっっ……♡♡ そこ、子宮っ……♡ しきゅ、こっ……♡♡」
「そうです、水葉先輩が一番メスなとこを突いてます。オスの俺が、孕め孕めって思いながら突いてます」
「は、孕……っ♡」
「孕んで下さい」

ごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅっ♥

「あ゛い゛っっ……♡♡ んふっ♡♡ ふっ♡ ふあっ♡ ふっ♡ ふうぅっ♡♡ 子宮口、亀頭がっ……ぷりゅぷりゅ突いてる♡ 子宮口、こじ開ける気かよっ……♡♡ んふっ♡ ふっ♡ んっ♡ んっんっ♡」

僕の身体に必死にしがみつきながら、快感に耐える水葉先輩。
しかし彼女の身体は濃厚なメスのフェロモンを放ち、僕が手助けしなくても腰をくねらせペニスを奥へと挿入しようとし、唇から知らず垂れたであろう唾液が僕の肩を濡らしていた。
股間はもう先輩の愛液でぐちゃぐちゃだ。壊れた水道かと思うほどに、愛液とも潮ともわからない液体でベッドまで濡れている。
そんな先輩の膣内が、きゅうぅっと僕のペニスを締め付けた。

「あ、あ゛っ……♡ イク……♡ なんだ、これ♡ セックスで、イク……♡ 嘘だ、こんなっ……!」
「まさか、中イキしたことないんですか?」
「っ……♡」
「……嬉しいです。俺、先輩の初めての中イキ、貰いますね」
「まっ、待て……♡ 待て、待って♡ 待ってえぇ……♡」
「もう無理です。……孕んで、孕め、妊娠しろっ……!」

ぶぴゅっ♥ ぶぴゅっ♥ ぶぴゅっ♥ びゅるるるるるるるるっ♥ びゅーーーーーっ♥ びゅるるるーーーーーっ♥ びゅくっ♥ びゅくくっ♥ びゅるるるるるるるるるるるるっ♥ ぶびゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるっ♥

「孕め孕め孕め孕め孕めっ……!」
「あ゛お゛っっっ……♡♡♡ まんこ熱っっっ……♡♡♡」

───子宮口をこじ開けた鈴口が、カウパー腺液を垂れ流しながら子宮口にねじ込まれた鈴口が、くぱぁ……っと口を開く。
そこから一気に溢れ噴き上がる、精子満載の糊のような精液。
どぷぷっ♥ たぽっ♥ だぽんっ♥ どぷんっ♥
でんぷん糊のように濃い精液はどんどん子宮の中に、まるで噴水のように噴き出して溜まっていく。
亀頭が栓をして、子宮から漏れることもない。
だぽぽっ♥ だぽっ♥ ごぽっ♥ ごぽっ♥ ごぽんっ♥
子宮に溜まっていく精液の池から、下から湧き出るようにさらに精液が注がれ、まるで熱水泉のように音を鳴らす。
このメスを孕ませたいと、精子は元気良く子宮を泳ぎ始めた───

「あ゛……っ♡ あ゛ひっ……♡ んっ……♡」

ガリっと僕の背中を爪で引っ掻きながら、激しく呼吸する先輩。
とっくに意識が飛んでいるのか、僕の呼びかけにも応えないし、身体からも次第に力が抜けて重たくのし掛かってくる。
しかもそんな状態であるのにもかかわらず、先輩の身体は快感に反応して激しく潮吹きする。

ぷしっ♥ ぷしゃあっ♥ ぴゅっ♥

「そんなに中イキ、気持ち良かったですか? 先輩」
「あ゛ー……♡」

まともな返事もしないまま、力が抜けた先輩は、ずるるっとベッドに倒れ込む。
既に目は閉じられていて、失神したまま眠ってしまったようだ。
同時に、僕のペニスも抜け落ちる。

ぶりゅっ♥ ぶりゅりゅっ♥ びゅるっ♥

「だめですよ先輩、そんな風に零しちゃ。……って、もう聞こえてないか」
「あふ……♡ ふ……っ♡」
「どうせピルのせいで受精はしないだろうけど、でも……先輩が僕のペニスにメス顔見せるの、最高に興奮しました。絶対に先輩も僕の物にします」
「ふー……♡ ふー……♡」
「そのお腹に種を植え付けて、僕の子供育ててもらいますから」

眠る水葉先輩の唇に、僕は塞がったマスクの口元を外し、キスをする。
舌を絡めてあげると気持ちがいいのか、先輩は身体を僅かに震わせながら、甘イキをしているようだった。

その時、ピッと水葉先輩の端末が鳴る。ポイントが付与されたらしい。
僕は先輩が目を覚まさない内に、そっとガウンを着てホールに戻った。先輩は誰かが気付いて介抱してくれるだろう。

───ホールに戻ると、何故かそこはちょっとした騒ぎになっていた。
どうやら天櫛さんがフリーでホールに出て来たようで、それに男子が群がっているらしい。

「あ、あー。ごめんね、ちょっとみんな落ち着いて。ね? ちょっと、ちょっと〜」

普段は男子が女子の品定めをするというのに、さすがに三巨頭、特に天櫛さんが出てくるとなると、男子の方が群がるというわけだ。
今の僕はこのマスクをしているし、うっかり彼女の前に出るわけにはいかない。
かといって、こんな場所で脱いでは、このマスクをしているのが僕だと知られてしまうかもしれない。
どうしようかと悩んでいると、部屋が立ち並ぶ廊下の奥の奥に、生徒会役員以外立入禁止と書かれた扉を見つけた。
ちょうどいい、少しそこでやり過ごさせてもらおう。
僕は人がいなくなった瞬間を見計らって、ドアノブに手を掛ける。ドアは幸いにも鍵がかかっておらず、僕は簡単に中に入ることが出来た。

「よし……、っと」

ドアの向こうは薄暗い階段が続いていた。
事務室の脇からこの学園風俗に下りてくる階段のような殺風景な場所だ。
僕はひとまずマスクを脱いだ。
水葉先輩とのセックスで結構な汗をかいていたようで、マスクはぐっしょりと濡れていた。後で洗っておかないと。
しばらくここで待って、天櫛さんが相手を決めてホールが落ち着いた頃に戻ろう。
ここから出るのを見られたとしても、どうせすぐに僕は副会長になる、咎められる謂われもないだろう。
仮にそうなっても、和久先輩が何とかしてくれるはずだ。

「しかし……ここ、何なんだろ」

階段は下に続いており、上には向かっていない。
下にはもちろん地下二階があるのだろうが、わざわざ別ルートがあるのは何故だ?

「……行ってみるか」

僕は興味を引かれ、下へ向かうことにした。
階段を下りるとすぐに踊り場に出た。そこには扉がついていて、大きな青いゴミバケツと、その中には生ゴミなどが捨ててあった。
なるほど、ここは地下二階の給湯室、その勝手口なのかもしれない。
地下二階と地下一階のゴミをまとめて集めて、上に持っていくための通路なのだろう。

「……じゃあなんで、階段が地下に続いてるんだ?」

階段はさらに下にまで続いていた。
そういえば仲村くんが、妙なことを言っていたのを思いだした。

『この地下施設、地下二階は女子の控え室みたいなのがあって、施設はさらに下の地下三階まであるらしい。その地下三階には謎の扉があって、その奥には荒ぶる鬼神がハーレムを築き、女を囲っているとか……』

まさか。そんなわけはない。
僕は、しかし戻ることはせずに、さらに階下へと向かった。

地下三階にまで下りると、階段はそこで終わっていた。そして少しだけ廊下が続いていた。
その向こうに、まさに仲村くんが言っていたような謎の扉、鉄扉があった。
鉄扉には直接、”333号室”と刻印がされていた。
最近の物ではない、どうやら大昔に作られたそのままの扉のようだ。
もしかしたら本当にこの奥に、例の荒ぶる鬼神がハーレムで女を囲っているのだろうか?
今まさに自分が荒ぶる鬼神などと呼ばれているのも忘れ、僕はその鉄扉の取っ手に手を掛ける。

「……あれ?」

もちろん鍵が掛かっていた。
そしてそれ以上に僕が驚いたのが、取っ手の辺りに小さく、プレートが貼り付けられていたからだ。
地下浄水場立入禁止、と。
僕は鉄扉に耳をくっつけると、確かにその向こうから低い機械の振動音と、僅かに水が流れる音が聞こえてきた。

なんだ、ただの浄水施設か。
きっと地下施設の下水がここに集められて、処理されているのだろう。
なんだか拍子抜けしてしまった。

「……上はそろそろ大丈夫かな、天櫛さんも誰かを選んだだろう。和久先輩にも、報告に行かないといけないし……」

僕はガウンの襟元を直して、階段を上る。
その扉に、何故か後ろ髪を引かれ、何度も後ろを振り返って、しかし早足で階段を上るのだった。

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