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プロローグ

───時はまさに、大少子化時代!

ある日、政府は”超次元の少子化対策”と銘打ち、相談役として異次元世界からギャルサキュバスを召喚することに成功。
召喚されたサキュバスは、定期的な精気摂取と、仲間のサキュバスの召喚と引き替えに、政府に協力することを了承する。
政府は約束通りギャルサキュバスを次々に召喚し、彼女らを少子化担当の重職に就けると、共に数々の少子化対策を打ち出していった。

政府が特に力を入れたかったのは子作りの促進、多子化の達成である。
子育て支援としての補助金は投入したものの、あまり成果は上がっていなかった。
政府高官はサキュバスに現状を説明しつつ、いかにすれば国民は多くの子供を産んでくれるのかと問いかけた。
そこでギャルサキュバス達、曰く。

「金だけの問題じゃねーわな。つかニンゲンさあ、ガチめに繁殖に対する必死さ足りんくね? まあこっちの世界ってわりかし平和だから、しょうがないか」
「異世界って勇者とか冒険者とか危険も多いから、絶滅を避けるために私達繁殖にはマジなんよ。種族的にも、異種族と子作り出来たり、何人も産めちゃうくらいの好相性のオスを見つけやすくしたりって感じで進化したんだよね」
「やっぱ相性っしょ。身体の相性って子作りには超絶激ヤバ大事だし、その後の夫婦生活にもめっちゃ影響するじゃん」
「あたしら繁殖する時は、伝統的な”求愛行動”しながら”マホー”を使って身体の相性を見るんよ。ニンゲンってそういうの出来ないでしょ? 不便だよねー」
「身体の相性最高の相手見つけたら、もうヤリまくり産みまくりだよ~? つかマジ、気持ち良すぎて止まらんくなるから」
「そうそう。頭とろっとろになって、離婚とか変なこと考えてる暇があったら、子作りしてた方が有意義だぜーってなんの。子供とかもうぽこぽこ産まれるし」
「ニンゲンは魔法使えないから難しいだろうけど、とりまウチらの相性診断の技術、伝授したげるわ」

という彼女らの言葉から、政府は男女間の身体の相性に重きを置いて、それを少子化対策の柱に据えた。
そして淫魔と名高いサキュバス族に伝わる、身体の相性がいい相手を見つけるマホー、即ち魔法の原理を伝授され、現代科学に落とし込んで小型のデバイスを完成。
さらにサキュバスの言う伝統的な求愛行動を細かにまとめ上げ、相性診断のシチュエーションからデバイスを使うタイミングまでを体系化。
身体の相性が最高の相手の発見から夫婦の成立、そして子作りへと繋がる仕組みを作り上げた。
この一連の流れを、政府は”サキュバス作法”と呼称し、直ちに国民に広めるよう動き出した。
首相曰く、「サキュバスの言うことなら間違いない。これで多くの夫婦が誕生し、多くの子を産んでくれることだろう」とのこと。

政府はサキュバス作法専用のマッチングアプリも開発。サキュバス作法の本格的な導入を前に、まずは国民に任意で先行登録を促した。
また学生にもアカウント登録を推奨すると同時に、特命の指導官を各学校に派遣し、説明会を開き利用を促進、学生妊娠を後押しする計画も進められていた。

これはそんな時代を生きる、とある男子学生の物語である───

*

プロローグ:冴崎綾乃という女

*

───冴崎綾乃
さえざきあやの
は、目が怖い。

「よう春沢
はるさわ
、ちょっといいか?」

冴崎は、俺の右隣の席の女子だ。男っぽい言動でヤンキー入ったギャルだ。
冴崎は、まあ美人だ。しかし口が悪いのでプラマイゼロだ。
冴崎は、背が俺より高くて俺を見下ろすように話しかけてくる。180はあって、俺より15センチくらい高い。なのでいつも、バスケ部やバレー部の勧誘を受けている。
冴崎は、髪は銀色のふわりとしたロングだ。綺麗だとは思う。
冴崎は、牙がある。犬歯がはっきり見えて、ちょっとギザ歯に見える。
冴崎は、耳に青いピアスを着けている。トルマリンかターコイズか、たぶんその辺りの石だと思う。
冴崎は、胸が大きい。制服のブラウスにみっちりと詰まって、重たそうに揺れている。窮屈そうな胸元は常にボタンが外されて谷間がチラ見えし、いつも目のやりどころに困る。
冴崎は、胸だけじゃなくあちこちでかい。尻も太もももでかい。漫画でよくある、ムチっムチっと音がしそうな感じだった。

冴崎は、本当に目が怖い。
三白眼で鋭くて、じっと見つめられると、つい目を逸らしてしまう。
ふと気付くと見つめられていることがあり、何か気に障ることをしてしまったんじゃないかって、ビクビクしてしまう。
今だって、せっかくの休み時間なのに、その鋭い瞳で見つめられ───

「おい春沢って」
「おっ!? お、おう。なんだよ」
「なにビビってんだ。……まあいいや、今度のテストのヤマ教えてくれよ」
「え……、またかよ。お前、中間テストの時も俺を頼っただろ」
「なんだよその言い方。あたしに教えんのが嫌なのかよ」
「そういうわけじゃないけど……」
「じゃあいいだろ。ほら早く教えろよ」
「あ、ああ、わかった……」
「はは、そうこなくっちゃな。頼りにしてっから」

バシバシと背中を叩かれる。
結構痛かったが、声には出さなかった。

冴崎とは二年になった今年、初めてクラスが一緒になった。
陰キャを地で行く俺とは正反対の性格をしているくせに、初日からやけに話しかけてくるかと思えば、常に絡んでくるし付きまとってくる。
しかも俺の成績がそこそこなのを知られると、それはいっそう加速した。冴崎はどうやら赤点常連組のようで、そこから脱したいというのもあるのだろう。
その上漫画を貸せだのジュース奢れだのと、あれこれ要求までしてくる。ガキ大将か。
席も隣なので逃げることも出来ないし、俺は今年一年、憂鬱な気持ちで過ごさなければならないようだ。

「とりあえず数学なんだけどさ……」

俺の席に椅子を寄せたかと思うと、冴崎はその重たい胸を、ずし……っと俺の机に乗せてノートを覗き込んでくる。
冴崎の豊かな胸が柔らかそうにたわんでいる。とんでもない質量だ。
しかもそのせいでブラウスに隙間が出来て、そこから赤いブラがチラチラと見え隠れしていた。
初めて見る同級生の下着に、思わず視線が外せず唾を飲む。
そこから熱気というか、冴崎の甘いにおいまで漂ってくるかのようだった。
というか、こうやって見れば本当にあちこちでかい。椅子からはみ出したでかい尻、そこから伸びる太もも、もちろんくっきり谷間を作る胸も───

「ここが出るとか言ってたけどさ、どうもよくわかんなくて……。……っておい春沢、お前どこ見てんだよ」
「えっ? あっ、いや……」
「……っくく。ここが気になんのか? あ?」

そう言って冴崎は指を使って、ブラウスの胸元を広げて見せる。
下着ははっきりとレースの部分まで見えて、柔らかくたわんだ胸の谷間にある、ほくろまで見えてしまった。

「さ、冴崎おまっ……!」
「眼福だろ? 勉強教えてくれるお礼だよ、お礼。つーか春沢も女に興味あんのな」
「そ、そりゃお前……、俺も男だし」
「ああ、そーだよな。この前、おっぱいでっかいお姉ちゃん達がいっぱい出てくるソシャゲやってたよな。そういえばさ」
「ど、どうしてそれを……!?」
「最近のスマホ視野角広いんだから、隣のあたしの席からでも丸見えだっつの。あんなのばっかやってると、現実と区別出来なくなんぞ、オタク」
「オ、オタクって……」
「違げーの? いっつも友達とゲームの話しかしてねーだろ。今噂のサキュバス作法の話だって、してるとこ見たことねーし」
「そんなことはねー……! ……くも、ないような、気がする」
「サキュバス作法、興味ねーのか? なんかわかんねーけど、相性診断で最高の恋人見つけられて最高の結婚出来るようになんだろ? 今みんなその話でもちきりだ。いつから開始なのかはわかんねーけど、マッチングアプリも先行登録が始まったし」
「俺は……、アプリのダウンロードはしたけど、登録はしてない」
「なんで?」
「なんでって……、登録は任意だし」

正直お前とマッチングしたくないからだよ……などとは、本人の目の前ではとても言えなかった。

───サキュバス作法。
政府が何を血迷ったか少子化対策として召喚の儀式を行い、この世界にギャルサキュバスを呼び寄せ、そんな彼女らから伝授してもらった、最高の繁殖相手を見つけるための方法だという。
詳細は俺もまだよくわからないが、それがあれば幸せな結婚が出来て、妊娠出産の増加間違い無しだとか。ほんとかよ。
専用のマッチングアプリも開発され、先行登録開始はうちの学校でもトレンドとなっている。そのうち政府の少子化対策指導官もやって来て、説明会を開くらしい。
学生の内から結婚と妊娠を促進したいらしいが、ご苦労なことだ。
クラスの陽キャやチャラ男などは、合法のマッチングアプリだなどと言って、キャッキャと楽しそうにはしゃいでいる。
俺自身は冴崎に語った通り、ダウンロードしたまま登録はしていない。正確に言うと、登録の途中で離脱した。
もちろんそれには、理由がある。
登録画面でまず個人の識別番号を聞かれ、続いて住所氏名年齢などを入力すると、政府のデータベースからそれらの情報が照合される。
すると、次にこのような文章が出てくるのだ。
マッチングを開始したらサキュバス作法の継続が義務化されます。マッチング相手との相性が良ければ結婚も義務化されます。承諾する、承諾しない。こんな風に。
登録自体は任意なのだとしても、その先に将来を決める大事な事項が義務化などと言われたら、そりゃ尻込みもする。
しかも俺は何よりまず、冴崎の顔が頭に浮かんでしまったのだ。
何かの間違いで冴崎とマッチングしてしまったら、そのまま結婚なんてなってしまったら、目も当てられない。
苦手な相手とマッチングされても、幸せになれるとも思えなかった。
実際、サキュバス作法の内容はもちろん、どうやってマッチングをするのか、ランダムなのか手動なのか、どうやってそれが恋人から結婚、妊娠にまで発展するのか、何もわからないままだ。
他の連中はよくこれではしゃげるものだと、感心する。

だいたい、夫婦やカップルにちょっと金でも出せば、勝手に子作りなんてするだろうに。政府もサキュバスを召喚とか意味のわからないことをして、何を考えてるんだか。
まあ、彼女どころか女友達もいない俺が言うことじゃないか。
とりあえず、冴崎は女友達にはカウントしていない。したくない。

「てか冴崎、そう言うお前はどうなんだよ、お前は」
「あ? あたしはまー……、適当?」
「なんだそれ……」
「ほらオタク、いいからここの問題教えろって」
「オタク言うな、俺は春沢雪和
はるさわゆきかず
って名前が……! ……ちっくしょ、もういい」

渋々、俺は冴崎にあれこれと教え始める。
二年生になってしばらく経ったが、既にこんなのは日常茶飯事だ。
冴崎の怖い瞳にビクビクして、毎日いいようにこき使われている毎日なのだ。

「ねえ綾乃、ちょいちょい、新しいネイル見てみろし」

不意に、冴崎のギャル友達が冴崎を呼んだ。
金髪で痛そうなピアスを何個も着けている彼女は、冴崎に自分のネイルを見せようとしているが、当の冴崎は俺のノートから目を離さない。

「あー? 悪ぃ、今オタクに勉強教えてもらってるから、また後でな」
「オタクマジかー。春沢フツーっぽく見えてオタクなんかー」
「あたし今年は補習で夏休み潰したくないから、オタクに教えてもらってんの。後で見るからちょっと待ってな」
「あいよー。……ねえオタクくーん、あーしにも後で勉強教えてなー」

その女子が声をかけてくるけど、俺は苦笑いしか返せなかった。
教える子が増えるのも、オタクと無遠慮に呼ばれるのも、あまり嬉しくはない。単純に面倒事が増えただけだ。

───そして、また別の日には。

「おい春沢」
「え?」

学校の廊下で、急に冴崎の声が聞こえたかと思ったら、俺は突然壁に押しやられて顔の真横に手をつかれていた。
そう、いわゆる壁ドンだ。冴崎は俺に顔を近づけ、その怖い瞳で見下ろしている。
冴崎の身体からは甘い女の子のにおいがして、怖いやらいいにおいやらで頭がバグってる中、俺はかろうじて声を絞り出した。

「な……何だよ、冴崎……っ!」
「……なんかお前、いいにおいするな」
「は? え? こ……香水なんて付けてないが」
「それっくらい付けろよ、だからオタクなんだろうが」
「う、うるさい」
「……なんだこれ、香ばしいっていうか……美味しそうっていうか」
「あ……ああ、たぶんコーヒーの香りだな。俺ん家、コーヒー専門店なんだよ。焙煎なんかもたまに手伝うから、そのにおいが移ったんだろ」
「はあ? コーヒー? こんないいにおいしないだろ」
「お前さては、豆から挽いたコーヒーを飲んだことないな? 本物のコーヒーは、こういういいにおいがすんだよ」
「ふーん……、なるほどな」
「で、それが用事なのかよ」
「あ? 違ぇーよ。あの漫画貸してくれよ。ほら、”巨女の素敵な冒険”って奴、持ってんだろ?」
「は……、は? 嫌だよ。だってお前、この前貸した漫画も返してもらってないぞ」
「いいじゃん、すぐ返すって」
「せめて返してから貸せって言えよ、というか読みたかったら買えよ。俺をオタクとか言う割にお前、漫画ばっかり……」
「……んじゃ、これでどーよ?」

そう言って冴崎はスカートの側面を摘むと、ちょっとめくって、そのぶっとい太ももを惜しげもなく見せてくる。
むっちりした肉感的な太もも、冴崎の肌は性格のガサツぶりとは違って白く綺麗で、思わず見入って唾をごくりと飲んでしまった。
しかも一瞬、スカートがめくれ過ぎて冴崎の黒いパンツの紐が見えてしまった。間違いなく、黒いパンツの紐だった。
それを見逃す冴崎じゃない。冴崎はニヤっと笑って俺を見た。

「……ほい、見物料。明日全巻持って来いよ」
「はぁ!? い、今のはお前が無理矢理……!」
「あたしの太もも見やがった痴漢野郎、って騒がれたいか?」
「お、おま、お前えぇ……!」
「あはは、明日忘れんなよ? じゃあな~」
「くっそ……!」

笑いながら手を振って去って行く冴崎。
俺はその後ろ姿を見ながら、ぐぬぬと歯軋りをする。

いつかあいつを見返してやりたいと願うが、いくら牛乳を飲んでもこいつの背を追い抜ける気はしないし、仮に背を追い抜いても壁ドン出来る度胸が俺にあるとは思えない。
ちくしょう、今に見てろよ。
俺だって───

「うおおおおおおおお!」

放課後、俺は自宅に戻り、唐突にオナニーを始める。
ネタはもちろん、さっき見た冴崎の太ももとパンツの紐だ。

「俺のペニスをねじ込んでヒィヒィ言わせてやる! くそおおおおおお!」

とりあえず妄想の中で、冴崎を好きなように貪り喰う。
クソでかくてヤンキーで憎たらしいのに、めっちゃ美人で、めっちゃいい身体してるのがとても悔しい。
恋人になりたいとは思わないが、その身体を思い出してペニスを扱く。
ただしフィニッシュは別のネタを、えっちな漫画を開いて好みの美少女でする。
せめてもの抵抗だ、オナニーのネタにはしてやるが、抜くのはお前じゃない。

「くっ……! はー……、はー……。……虚無を感じる」

射精して襲いかかってくるのは、賢者タイムという名の悲しい時間。
俺は何をやっているんだ。
やるせない思いを抱えたまま、俺は後片付けをすると、いそいそと漫画の用意をする。
巨女の素敵な冒険、返してくれるのはいつのことやら───

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