巨乳キャラあつめました

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第1話:指導官とサキュバス作法(見せ槍フェラ&オナニー)

「お、春沢じゃん」
「ぐえ……、冴崎」
「あ? なんだよ、ぐえってのは」
「いや、なんでも」

───ある日の放課後、廊下。
会いたくないところで、冴崎に出くわしてしまった。
さっき友人から一緒に帰ろうぜと誘われたのだが、断ってしまったのが悔やまれる。冴崎と会うくらいなら、そいつと帰ってれば良かった。
どうせ冴崎のことだ、妙なことに俺を巻き込んでくるに違いない。
「それより春沢、今帰りか? 近くのスーパーで全国の駅弁フェアやってんだってよ、暇なら全国制覇しに行こうぜ。お前の奢りな」
「なんでだよ!? ……てか俺、バイトがあるからすぐ帰らなきゃだし」
「バイト? そんなのやってんのか?」
「ほら、俺の家がコーヒー専門店だって言ったろ? その手伝い」
「あーあー……、そんなの言ってたな。そっか手伝いか、偉いじゃん」
「うるっさい」

なんだか馬鹿にされているようで、ついそんな言葉を口にしてしまう。
ただでさえこの女は俺よりも背が高いから、こうやって立ち話をしていると、それだけで物理的に見下ろされるような形になる。
その上で偉いなどと子供を褒めるように言われたら、思わずそんな言葉が口から飛び出ても、仕方のないことだろう。
本当に、うるさい奴だ。

何より身体がうるさい。あちこちでかくて、自己主張が激しい。
たっぷりした大きな胸と、ぱつんぱつんに張ったブラウスの胸元。ボタンとボタンの間から、中の黒いブラがやや透けて見える。
尻も、そこから伸びる太ももも、本当に本当に太い。下半身の肉付きが良く、しっかりしているんだ。
俺はそれを改めて認識してしまったことで、不意にオナネタにしたことを思い出し、うっかり勃起しかかってしまう。
そんなことを悟られてなるものかと、俺は必死で歯を食いしばった。気付かれたら、あたしで勃起してんのかよと一生馬鹿にされてしまう。

「どうしたよ春沢、変な顔して」
「んあっ!? いや、な……なんでも、ない」
「具合悪いのか? 保健室行くか?」
「いや、いい。そういうのじゃ、ない」
「はあ……? 変な奴だな。まあいいけどさ」
「とっ、とにかく俺はもう帰るから。駅弁の制覇は一人か、ギャル仲間と一緒にやってくれ」
「へいへい。……あ、そうだ春沢、漫画の新刊出たんだろ? 貸してくれよ」
「今言うか!? 俺は忙しいんだって! それじゃあな!」

付き合ってやるのも馬鹿馬鹿しくなって、俺は冴崎を押し退ける勢いで玄関へと向かって歩き出す。
すると何故か、冴崎はスタスタと俺の後ろをついてきた。
不思議に思って足を止めると、何故か冴崎も止まった。

「……なんでついてくるんだよ、冴崎」
「別に? あたしも帰ろっかなーと思っただけだよ」
「じゃあなんで俺と一緒に足を止めたんだよ」
「べっつに~」
「くっ……!」

どういうつもりかわからないが、構っていてもしょうがない。いちいち相手にするのもやめだ。
それにもたもたしていたら、本当にバイトの時間に遅れてしまう。
俺は急いで玄関に向かい、家路を急いだ。
だが───

「ひゃー、今日も結構暑いよな。夏も近いって感じだわ」
「ああ……、まあ、そうだな」
「こんな時は冷房の効いたカフェとかでさ、アイスコーヒーでも飲みたいよな」
「ああ……、まあ、そうだな。ところで冴崎」
「あん?」
「お前、家……こっちの方向だったのか?」
「そうそう、こっちこっち」

学校の外に出ても、冴崎がずっとついてくる。
ニヤニヤと妙な笑みを浮かべながら、俺の後ろをぴったり、ずっと。
いや、だめだ。構っていてはだめだ。
俺は帰ってバイトをしなければいけないんだ。
しかし───

「この時間、意外と電車って空いてんだな」
「ああ……そうだな」
「はー、電車涼しいな。天国みたいだ」
「ああ……そうだな。それで冴崎、お前……電車通学だっけ?」
「あ? そうそう、電車通学電車通学」

通学に使っている電車の中にまで、冴崎がついてくる。
こいつが電車通学してるなんて聞いたこともないし、そもそも電車の中で会ったことなど一度も無い。
いや、構うな。構ってはだめだ。
バイトだ、バイトのことだけ考えろ。
でも───

「こいつ、マジで俺の家までついてきやがった……!」
「はは、お前が働いてるとこ見てみたかったんだよ。あと、漫画貸してくれよな」
「お前って奴は……!」

自宅のコーヒー専門店。
制服から着替えてエプロンを身に着け、カウンターに立つ俺の目の前には、そのカウンターに座る冴崎の姿が。
結局こいつは俺の家にまでついてきた挙げ句、堂々と店の入口から入って、どっかとここに腰掛けやがった。
まさかこのカウンター席に、冴崎が座る日が来ようとは。

「ていうか冴崎、靴を脱ぐな。椅子に足乗っけんな足を開くなおいちょっとお前待て」
「パンツ見えそうだからか? おいおい、覗くなよ変態オタク~」
「お行儀悪いのでおやめ下さいお客様」
「お行儀ったって、今この店、あたししか客いねーじゃん」
「これから来るお客様にご迷惑がかかるかもしれないのできちんと座って下さりやがれこのやろう」
「はいはい、わかったわかった。お行儀良くしてやんよ」

くそ。
いまチラ見えした黒いパンツ、絶対あとでオカズにしてやる。
妄想の中で剥ぎ取って、あんあんヒィヒィ言わせてやるからな。

「春沢、とりまなんかくれよ」
「なんかってなんだよ……。アイスコーヒーとフルーツサンドがオススメです」
「お、フルーツサンドとかあんのかよ! じゃあそれ。それくれ」
「ご注文承りました。……食ったらとっとと帰れよ」
「漫画借りてからな」
「ぐぬぬ……!」

俺は唸りながら、とりあえず手を洗って準備に取りかかる。
てきぱきとコーヒー豆、ドリッパー、ペーパー、サーバーを用意して、お湯を沸かす。
その間にパンを切って、フルーツとクリームを冷蔵庫から取り出し、軽く水分を拭き取った後、サっと重ねて中央から切る。
うん、我ながら美味しそうな断面だ。

「お……、お前が作るのかよ!?」
「いや、誰が作ると思ってたんだよ。俺しかいないだろうが」
「もう作ってある物を、ぱぱって出すのかと思ってた」
「うちの店は注文受けてから作る方針なんだよ。今日は両親が二人とも用事があって出かけたからな、そういう時のために俺もちゃんと仕込まれてんの」
「へー……。すげーな」
「なんだよ、そんなに意外か?」
「意外も意外だろ? フルーツサンド作れる男子学生とかそうそういねーって。エプロン春沢の写真撮っとこ。パシャっと」
「おいやめろ」
「ははは。今度ダチと一緒に来るわ。売上に貢献してやんよ。もち、春沢がいる時な」
「ご来店をお待ちしております」

ここで来るなと言えないのが、客商売のつらいところだ。
憂鬱なことが一個増えたじゃないか。ああ面倒くさい。

俺は諦めて、お湯をポットに注いで、コーヒー豆をミルで粉にすると、ペーパーにセットして抽出を始めた。
粉はちょっと多めにして、ゆっくりゆっくりお湯を注ぐ。
するとサーバーに濃いコーヒー液が抽出される。俺は別に用意したグラスに氷をいくつか放り込むと、抽出したコーヒーをそこに注いだ。
ストローをグラスに刺すと、少しだけカラカラとかき混ぜて冷やしてやれば、アイスコーヒーの完成だ。
俺はフルーツサンドを綺麗に皿に盛りつけ、コーヒーと一緒に冴崎の前に出す。

「はいお待ちどおさま。うち特製のブレンドアイスコーヒーと、フルーツサンドだ」
「うっわ、マジでガチの奴きた。なんだよすげーじゃん、これほんとに春沢が作ったのかよ」
「目の前で見てただろ。いいから食べてみろ」
「おっけおっけ。そんじゃ、いただきまーす」

冴崎はフルーツサンドを、口をあんぐり開けて、牙のはっきり見えるその歯でパンをサフっと噛みきり、食べる。
そして、もぐもぐと咀嚼しながらアイスコーヒーを飲み、喉の奥へごくんと落とす。

「う……っっっま! なんだこれ!? フルーツサンドもコーヒーもめちゃ美味いぞ!?」
「お褒めいただきありがとうございます。最高のコーヒー豆と、新鮮なフルーツのサンドだからな。美味いに決まってる」
「はー……、最高のコーヒー豆か……」

ずずっともう一度アイスコーヒーを口にする冴崎。
はあ……とため息のように出てきた吐息は、きっと美味しくて思わず出てしまった、感嘆のそれなのだろう。

「今まで色んなコーヒー飲んできたけど、このコーヒーマジでうめーな。全然くどくないし香りもいいし飲みやすい。てか、砂糖使ってねーのになんでこんな甘いんだよ」
「そうだろうそうだろう。豆の通販もやってます。よろしく」
「はー、美味かった。ごちそうさま」
「いやいやいや食うの早すぎだろ。もっと味わって食えよ」
「あ? 美味いもんは、がっついて食うくらいでちょうどいいんだよ」
「どういう理論だ……。美味い物ほど味わって食べるもんだろ、普通……」
「……ふう、お腹膨れたら眠くなってきた。ふわぁ……」
「待て待て待てここで寝るな。おい」

俺の言うことも聞かず、冴崎はへにゃっと瞼を落として目を閉じてしまった。しかも胸をカウンターテーブルに、だぷんっと弾ませながら乗せやがった。
きっと重いからそうしているのだろうが、テーブルの上に広がった乳肉があまりに大きくて、ついついまた目がそちらに向いてしまう。
しかも上から俺が見下ろす形のせいか、右胸、谷間のほくろまではっきり見えた。
こいつ、こんな場所で、こんなたっぷんたぷんの胸を見せつけるようにしやがって。わざとか? わざとやってんのか?
しかし俺は、ここは自宅で仕事場だと思い直し、首をふるふると振った。

「お、お客様、ここで寝られては困ります。はよ起きろ」
「えー、いいじゃんよケチくせーな。……美味いもん食って、飲んで、幸せな気分に浸ってんだから」
「ご自宅に帰って浸ってやがり下さい」
「ンなことばっか言ってると、部屋に上がり込んでベッドの下探るぞ」
「馬鹿じゃないの!? 食べ終わったらお会計をとっととどうぞ」
「漫画貸してくれたら帰るわ」
「突然傍若無人な要求をしてくるな」
「拒否したら、親御さん帰ってくるまでここに居座った挙げ句、親御さんに彼女ですわ~って言ってやる」
「はあ!? ちっくしょ、こいつっ……!」

信じられない脅しに、俺はもはや為す術もない。
そんなことをされるくらいなら、漫画を貸した方がまだマシだ。
俺は、しかし項垂れたまま部屋に向かい、渋々と漫画の最新巻を持ってきてやった。

「ちくしょう、俺でさえまだ一回しか読んでないんだぞ。ちくしょう。早く返せよ? いいな? ちくしょう」
「はは、ちくしょう何回言ってんだよ。まあそのうちな」
「お前のそのうちはあてにならないんだよ」
「そんな細かいことばっか言ってるからモテねーんだよ。彼女もいないんだろ?」
「そういうこと聞かないでくれますかお客様ァ!? いいからお帰りやがれ! れ!」
「悲観するなって。……もしかしたら、めちゃくちゃいい女がお前のこと見てるかもしれねーぞ?」
「はあ? いい女?」
「そう、例えば……」

不意に冴崎が席から立ち上がり、俺の腕を掴んで思いきり引く。
もの凄い力だった。明らかに俺より力が強い。
そんな冴崎と、カウンター越しに顔が近づく。唇が触れるかという距離だ、お互いの吐息が掛かり合うような距離。
強い。力だけじゃない、顔が強い。間近で見ると、本当にこいつが美人だとわかる。
甘い女の子のいいにおいも漂い、ふわふわと鼻腔をくすぐる。
ごくんと思わず唾を飲むと、冴崎はニヤっと笑った。

「このあたしとか、な?」
「じっ……、自分でいい女とか言うなよ……!」
「はは、ばーか。こんな美人、他にいるかよ」

とんでもない自信家だ。いや、確かに顔はいいが。顔はいいがな。
すると冴崎は、ぱっと俺の腕を離す。掴まれた部分はやや赤くなり、ヒリヒリしていた。なんて馬鹿力だ。

「じゃ、漫画はありがたく借りていくわ」
「……お菓子食いながら読むなよ。特に油もの」
「……」
「なんで黙るんだよ!」

冴崎は軽い調子で、それじゃなーなんて言うと、ようやくお金を払って帰っていった。
なんだかどっと疲れてしまった。俺は大きくて、それはそれは長い長いため息を、ふはああああぁぁと吐き出した。
掴まれていた腕は、いつの間にかぽかぽかと温かくなっていた。
そして、力強い割には女の子らしいしなやかさと柔らかさを持った、冴崎の手と指の感触が、今になって感覚として感じられた。

「なんだこれ……」

間近にまで迫られて、吐息まで掛けられて、冴崎に女の子というものを感じてしまったのだろうか。
いかん、いかんぞ春沢雪和、それは気の迷いだ。
妄想の中ならともかく、現実ではやめておけ。

しかし、自宅を知られてしまったのは痛かった。漫画が読みたくなる度に押し掛けられては、たまったもんじゃない。
友達まで連れてくるというし、溜まり場にされては困る。
俺の憂鬱は、日に日に積み重なっていくようだ。

───そんな毎日が続いた、とある日の朝。
期末テストもいよいよ目前というタイミングで、俺は友達からある話を聞かされることになる。

「春沢聞いたか? 指導官の話」
「指導官? ……もしかして、少子化対策のか?」
「そうそう、政府の少子化対策指導官が今日来るんだってよ。例のサキュバス作法? その説明だろうって」
「今日? おいおいおい、テスト直前だろ。やるなとは言わないけど、もうちょっと日を改めるとかして欲しいよな……」
「何を言ってんだか、早けりゃ早いほどいいだろ。それだけ運命の相手と出会える日が近くなるんだぞ?」
「ははは……、だといいがな」
「春沢はまだアプリ登録もしてないんだろ?」
「するつもりないよ。誰とマッチングするかもわからない、しかも上手くいったら義務化だぞ、おっかないだろ」
「男子なんてほとんど登録してるぞ。かくいう俺も登録したし」
「嘘だろ、みんなお盛んだな。まあそれでも俺はしないよ。……にしても、サキュバス作法って言うけど、いったい何をどうするんだろうな? 何か知ってるか?」
「いいや。全く。制度自体が始まったばっかりで情報少ないし、出てくるにしてもここからなんだろうな。学校への指導官派遣も、県内じゃうちが一番らしいぜ」
「へえ……」

うちの学校が県内で一番か。
まあ、学生への説明をする指導官とやらも何人もいるわけではないだろうし、どこかの学校が一番になるわけだろうから、それがたまたまうちだってだけだろう。
運がいいのか悪いのか、心の準備が出来ない分、ある意味実験台だな。
それなのにみんなアプリにこぞって登録とか、好奇心旺盛すぎるだろ。

「いやー……それにしても、学生の内から少子化対策で妊娠促進とか、マジでいい世の中になったよなあ」
「……そうでもないと思うぞ」
「だって春沢お前、サキュバスの作法っていうんだから、実際に身体を重ね合わせて相性を確かめましょうとか、エロい奴だったりするかもだろ? それで可愛い子といい感じにくっついちゃってさ、子作りで気持ちいい学園生活……! 最高じゃん!」
「漫画じゃあるまいし、そんなわけあるかよ。夢見過ぎだって」
「なんだよ春沢、マジで乗れてないな。……そんなに二次元が好きなのか? 気持ちはわかるが……」
「違ぇーよ! そうだけどそうじゃない!」
「二次元はいいよな……いい。あ、でも春沢、この前ガチャで爆死してなかったっけ?」
「うるさいな! 俺の推しはちょっと機嫌が悪かっただけなんだよ!」

するとその時、ホームルームギリギリというところで、冴崎がガラっと扉を開けて教室に入ってきた。
俺の友達はそれを見て、逃げるように去ってしまった。
ほらみろ。マッチングアプリを登録して、そんな風に逃げるような奴と相性が良かったら、どうするつもりなんだか。

「おっはー、春沢。今日も元気か?」
「おは。……まあな」
「そりゃ良かった。ほら、ご褒美にアメやるよ」
「なんでだよ。いらないんだが」

そんなやり取りをしていると予鈴が鳴り、ほぼ同時に再び教室の扉が開いた。
もう担任がやって来たのかと、冴崎もそそくさと自分の席に着くが、入って来たのは担任ではなかった。

うちの制服を着た女子だった。
ロングの綺麗な、青混じりの黒髪。どこか眠たそうな、半分閉じた瞳。
口にタバコ……かと思ったら、どうやら煙草型のチョコっぽい。タバコにしろチョコにしろ、どうしてそんな物を咥えてるんだ。
チリチリと鳴る黒い奇妙な形のピアスを着けて、見た目は完全にギャルだ。
右目の目元に泣きぼくろ。
目に赤いシャドウ。瞳の色も赤、赤だ。血のように赤い。
冴崎と同じくらいの背丈に、冴崎と同じくあちこちがでかい。いや、胸は冴崎よりも大きいかもしれない。
みっちりと巨乳がブラウスの中に納まってはいるが、あまりの大きさにぱっつぱつに引き伸ばされ、今にもボタンが弾け飛びそうになっている。
そして何より驚いたのが、彼女の背中に生えた黒いコウモリのような羽、お尻から伸びる先っぽがハートの黒い尻尾。
こめかみ辺りに生えた、黒く短い、天に向かって伸びた角。
人のような姿をしているが、人間じゃない。

「え、誰」
「待って待って、あれ羽? 尻尾?」
「でっか……。……あ、いや、背な? 背丈の話」
「角もあるんだが……」
「……サキュバス……?」
「俺、本物初めて見た」
「ギャルサキュバスって奴? でもなんでここにいんの?」

ざわつく教室内。
あちこちから聞こえる、彼女が何者なのかと噂する声。
ふと冴崎の方をチラっと見ると、冴崎はなんだあいつというような顔をしながらも、ふわぁと大きく欠伸をした。
なるほど、いつもの冴崎だ。

するとその女子は、そんなクラスメイトの声など意にも介さないといった風に、すたすたと教卓の隣に立つ。
それと同時に、担任の女教師も教室に入って来た。

「はいはいみんなー、ホームルーム始めるわよー」

いつものように元気に挨拶をする担任は、眼鏡をすちゃっと指で掛け直し、みんなの顔をぐるっと見渡す。

「ふふふ、驚いているようね……! この”転校生”に……! さ、自己紹介をお願いしまーす!」

担任の言葉に、さらにざわつく教室内。
すると、その転校生とやらは、ふっと軽く息を吐いて口を開いた。

「……初めまして。政府少子化対策庁の特別指導官、名は”シェラナリア”という。こう見えても、お前らの二十倍は長く生きているサキュバスだ」

クラスの数人から、おおっと声が上がる。
しかし、彼女はやはりそんな声も意に介さず、髪をかき上げ言葉を続ける。

「……聞き及んでいるかもしれんが、サキュバス作法の開始にあたり、まずいくつかの学校を無作為に選別し指導官を派遣、そこから順次全国に広げていく運びとなった。おめでとう、この学校はその先駆者に選ばれた。しばらくの間、私がこの学校に転校という形で出向し、導入後の実際の流れや問題点を見ていく。まあ……、テスト前という大事な時期に恐縮だが、お前らの邪魔をするつもりはない。気楽に考えるといい。ついては私はこのクラスで世話になる、よろしく頼む。……ああそれから、サキュバスだからといって、お前らが思うようなエロい展開は期待するな。こっちは仕事で来ているし、悪いがこちらにも選ぶ権利がある。まあ、以後よろしく」

低い、ぶっきらぼうだが、澄んだ声。
その見た目からは想像出来ないくらいに、落ち着いた口調。
クールどころかコールド、ブリザードな印象すらある。
本物のサキュバスを目の前にしたことと、声と口調と見た目と羽と尻尾が入り乱れて、頭の中が何かしらのバグを起こしている。

反面、クラスメイトの陽キャ達は、新たなクラスの仲間とギャルサキュバスの登場に、異常な興奮と拍手を向けていた。
ふと一部の男子の、めっちゃ可愛い、めっちゃいい身体などと囁く声が聞こえた。
気持ちはわかるが、あまり関わらない方がいいと思う。
あちこちでかかったり異世界のギャルなサキュバスで浮かれる気持ちもわかるが、一応は政府の役人だ、何か問題があればえらいことになる。
実際、私に気安く近寄るなよとばかりに、選ぶ権利などと口にしていたし。
触らぬ神になんとやらだ。

そんな時、ふと俺は視線を感じて横を向く。
いつの間にか冴崎が俺の方を向き、じっと見つめていた。いや、睨んでいた。
三白眼の鋭い瞳が俺を射貫く。あまりの迫力に、思わずビクっと身体を震わせてしまった。

「なっ……、なんだよ、冴崎」
「あ? 別に」
「別にってんなら、なんで俺を見てんだ」
「……お前、あのサキュバス見て騒がねーの? みんな騒いでんじゃん、可愛いとかエロいとかかっこいいとか」
「いや、別に……。あんまり関わり合いたくないし……」
「なんでよ」
「なんでって……、一応政府の役人だし、ギャルったって異世界のサキュバスだし。面倒事はあんまりな」
「ふーん……。……ま、オタクはああいうギャル苦手だもんな。パリピみてーに、転校初日にオケいくべやーみたいなナンパもしねーか」
「オタク言うな」
「オタクじゃん」

せめてもの反撃に睨み返すが、冴崎は笑うばかりだ。
どういうつもりでそんな話をしてきたのかも不思議だったが、ひとまず俺は、付き合ってられるかとばかりにまた前を向く。

クラスメイトは未だにざわざわと騒いでいたが、それをサキュバス、シェラナリアが咳払いして静まらせる。
そして彼女は、担任と入れ替わって教卓についた。

「……さて、実は担任の先生から、一時間目をサキュバス作法の説明の時間としていただいた。お前らはこの学校の中でも真っ先に知ることが出来る、というわけだ。少子化対策という部分だけが先行して、お前らも実際のところはわけがわからないだろう。簡単に説明するから、リラックスして聞け」

そう言いながら、シェラナリアはスマホを取り出し操作する。
なんというか、スマホの扱いがやけに手慣れている。
本当に異世界から召喚されたのか? あれ、実はコスプレだったりしないだろうな?

「私達サキュバスが住んでいた異世界は、勇者や冒険者といった危険が多い。なので子孫を多く残すため、何人も子供を作れるような身体の相性がいい相手を探す必要があった。そのために生まれた求愛行動や魔法の手順を、ニンゲンに合わせてアレンジした物がサキュバス作法だ。この国の政府はそれを広く国民に導入することで、結婚と出産の増加、多子化を実現をしようとしているわけだ」

急に勇者だの冒険者だのと、異世界じみた言葉が飛び出して来た。
しかもサキュバスって、そういった奴等から狩られる側なのか。
サキュバスというと淫魔、オスの精気……精液を吸収して生命力や魔力に変換するらしいけど、そっち方面に長けているのは、そういう生存に関わる理由があったからなのかもしれないな。

するとシェラナリアは、スマホのアダプターの部分に、黒いUSBメモリのような物を差し込む。
その先端からアンテナのような物が二本、左右から伸びていた。
何だ、あれは。

「これは相性計測器といって、スマホの電力で動きアプリで操作する。……サキュバスは求愛行動を行う前、そして行っている最中に魔法を使い、その相手が自分と身体の相性が最高かどうかを確かめるんだが、これはそれを数値として計測出来るようにした物だ。……ほら、私の角を見てみろ。これが相性を調べる魔法だ」

言われて目を向けると、黒曜石のような角がピンク色に光り出した。
どこか不思議な光景だったが、その淡く輝く様子はとても綺麗だった。
相性を確かめるための魔法と言ったが、それこそあの角がアンテナのような役割を果たして、何かを感知して判断しているのだろうか。

「私は科学とやらはよくわからないが、メスの出すフェロモンがオスのフェロモンと混ざり合った粒子を、サキュバスは魔法……この角で調べているらしい。この計測器は、魔法無しでその粒子を調べることが出来る、というわけだ。……ちなみにサキュバス作法での基準値は60%以上で、それより下の数値は基本的に不成立と見なす。一応数値は100%まで調べられるようになっているが、99%が理論上の限界値だな」

わかったようなわからないような、俺は雰囲気でうんうんと頷く。
どうやってそんな魔法を科学に落とし込んだのか、非常に興味はあるところだが、俺の頭じゃついていけそうにない。

そんな俺をよそに、シェラナリアは話を続ける。
しかし次に出てきた言葉は、俺どころか、クラス全員の頭がついていけそうにない物だった───

「ではサキュバス作法とは何か……、というところだが、まずこの計測器をオスとメスの間に置いて、それぞれにアンテナが向くようにして計測する。それが第一段階。その結果が60%以上であった場合に限り、第二段階に進むことが出来る。ここからがサキュバスの求愛行動の実践だ。……最初は、実際に恋人に相応しいかどうかを見る、”見せ槍フェラの儀”だ」
「は?」

思わず声が出てしまった。
ん? なに?
見せ槍? フェラ?
俺の耳がどうかしたのだろうか、酷く卑猥なワードが出てきた気がするが。

「まず、オスがメスに対してちんぽを見せ槍……間近で見せつけ、メスはちんぽを手コキやフェラしながら自分に合うかどうか吟味する。メスはオスの精液が出るまで味わい、射精した精液を顔や舌で受ける。そして精液の量、粘度、濃さ、においを見つつ、計測器でその際の相性を計測するんだ」

ひゅっと息を飲むクラスメイト。俺もひゅっとなった。
聞き間違いかと思ったが、どうやら聞き間違いではないらしい。友人がさっき言っていたような、本当にエロい奴が出てきてしまった。
クラスのみんなは、さすがの事態に急にざわつき始める。ただ唯一、冴崎だけは大きな欠伸をしていた。
シェラナリアは、しかし何事もなかったかのように、淡々と話を進める。

「第二段階も60%以上を記録したなら、第三段階に進む。第三段階は、肌と肌を触れ合う、”フェロモン吸いの儀”だ。オスとメスがぴったりと密着して抱き合い、お互いの体温を感じ、においを嗅ぎ続ける。最低でも六時間はその状態でいなければならない。射精や絶頂、潮吹きは構わないが、挿入は不可だ。この時点でセックスしてはならない。ここでも計測器を使う。要所要所で使うことで、相性度が正確かどうかを細部まで調べるんだ。……大切なポイントとしては、ここまでなら処女と童貞を守れるという点だ。逆に第二段階までは良くても、第三段階で悪いというのはあり得るからな。処女と童貞、ニンゲンには大事なものなのだろう? 計測器のお陰で、セックスはせずともかなり突っ込んだところまで調べられるわけだ」

どんどん話が凄まじい方向へ進んでいく。
フェラだの見せ槍だのフェロモンだの、えっちな漫画や同人誌の中で出てくるような言葉が、サキュバスの口からさも当然のように紡ぎ出され、それが学校の授業の一環で行われているという、なんとも異常な光景。
これはなんだ、なんだこれは。

「第三段階も60%以上、且つお互いがセックスに同意したならば、最終段階へ進む。正直なところ、ここまで来ればほぼ結婚は決まったようなものだ。最終段階、これはつがいに相応しいかどうかを見る、”膣内精液咀嚼の儀”だ。生ハメ膣内射精をして、吐き出された精液の量や熱、子宮に詰め込んでもらえたか等、精液の具合を確かめる。そうやって、お互い最高のセックスを楽しめたかを見るというわけだ。やはりここでも計測器を使用し、最終的な相性を診断する。学生でもサキュバス作法の最終段階を経れば、一般のそれと同じように出産・子育て補助を受けることが可能だ。安心して産め。……だいたいの説明は以上だ。誰か、質問はあるか?」

しんっ……と静まり返るクラス。ただ一人、うんうんと頷きながら拍手をしている、のんきな女教師。
座ったまま前屈みになってる男子もいれば、顔を真っ赤にして俯く女子もいる。
今の話を聞かされて、無邪気にはしゃげる奴の方がおかしい。いや、一部のチャラ男やビッチと噂されるギャルは、面白そうじゃんとばかりにニヤニヤ笑っていた。
俺は、勃起してしまいそうになるのをかろうじて抑え込もうと、必死の形相で歯を食いしばる。こういう時は完全数だ、完全数を思い浮かべろ。
しかしこれ、マジで創作物のような展開だぞ。

「既にアプリで先行登録を終えている者もいるだろうが、登録してもマッチングをしなければ強制も義務もない。今の説明を聞いて無理だと思ったなら、そのまま放置してても構わん。だがマッチングを開始し、相手と相性度60%を超えていたなら、サキュバス作法の継続が義務となり、最終段階の結果が良好なら結婚も義務となる。……まあ、ここまでしなければいけないほど、この国の少子化は深刻ということだ。逆に、サキュバス作法で繁殖相手を見つけられれば、最高に気持ちのいいセックスで多くの子を産めるだろう。是非、積極的且つ前向きに参加してもらいたい。以上だ」

最高の繁殖相手と最高に気持ちのいいセックスをすれば多くの子が産まれる、そう簡単にいくものだろうか。
相性の数値にもよるとはいえ、義務化まですることなのだろうか。
童貞の俺が言うことではないかもしれないが、セックスの相性が良くなっただけで、子供がいっぱい産まれるとは到底思えない。
最高に気持ちが良くても、せいぜいセックスの回数が増える程度じゃないのか?

「ああ、一つ付け加えておこう。期末試験の後はテスト休みに入っていたな? 今回からサキュバス作法を希望する生徒は、その期間にサキュバス作法のマッチングを受けてもらう。ちなみにマッチング結果が良好でも、テストが赤点なら夏休みには補習と追試が入るから覚悟しておけよ」

なるほど、そこはしっかり学生か。
まずは勉強を頑張れ、ということなのだろう。

その時、一人の男子生徒がマッチングはどうやって行われるのかと質問した。
相性を計測器で調べるのはわかったが、確かにマッチング自体をどうやるのかは、俺も知っておきたい。

「いい質問だな。……学生は基本的に学校単位でマッチングが行われる。マッチングで何をするかと言えば、広い場所……この学校だと体育館に集め、第一段階の相性計測を多くの異性と代わる代わる行うんだ。出会い系のそれとはわけが違う、何より重要視すべきは身体の相性だからな。校外の異性とのマッチング、即ち一般のマッチングに混ざることも可能だが、その場合は別途申し出ろ」

校外の人間とも可能なのか。それはいい。
もし俺がマッチングをするとしたら、是非そちらで利用させてもらおう。

するとシェラナリアは、その計測器を付けたスマホを持って歩き出す。こちらへ、俺の方へ向かって。
何か、何だか、急に酷く嫌な予感がしてきた。

「さて、せっかくの機会だ、実際に計測器を使ってみよう。もしかしたら身近の意外な人物が将来の……いや、即座に結婚して子作りすべき相手かもしれんぞ」

シェラナリアは俺と、よりにもよって冴崎の間に立つと、俺達の間に計測器をかざした。
嫌な予感は最高レベルに達し、顔から脂汗が滲み出てきた瞬間、計測を終えたスマホがピロンっと音を奏でた。

「たとえばこうやって、間に入って作動させるだけで、ニンゲンが発するフェロモンが混ざり合った粒子の計測が……。……なんだこれは」

眉を顰めるシェラナリア。
何が起こったのかと、おそるおそる彼女を見ると、俺にスマホを見せてきた。
スマホの画面には、”相性度:96%”とあった。

「えっ? 96%?」

思わず口にすると、冴崎が目を見開いてスマホを覗き込む。
俺も、何度も目を擦って画面を見るが、どう見ても96%だ。
もしかしたら69%の見間違いかと思ったが明らかにそうではないし、仮に69%だったとしても、それはそれでかなりの高スコアだ。
その結果に、クラスメイトもざわつき始める。

「……驚いたな。政府職員や道行くカップルでもあれこれ試してみたが、ここまでの高スコアを見たのは初めてだ。良かったなお前ら、こんな近場に運命の相手がいたぞ」

シェラナリアの、どこかおめでとうとでも言いたげな瞳を見て、俺はぶるるるっと首を振る。
まさか、まさかの、この冴崎と俺の身体の相性がいいなんて。
よりにもよってどうして冴崎と、しかもそれがクラスメイトの目の前で発覚するなんて、どんな冗談だこれは。

「なっ、何かの間違……!」
「えー、よかったじゃーん綾乃」

俺の抗議の声を遮って、遠くの席の、冴崎のギャル友達が声を掛けてきた。

「綾乃さ、春沢が好きピって言ってたじゃん。これマジ運命じゃね?」
「ばっかお前、でけー声で言うなよ。照れんだろうが」

は───?

「そのために、マッチングアプリをダウンロードもしてなかったんだもんねー。つかどうすんの綾乃、春沢と結婚するん?」
「だから声でけーし、気が早ぇーって」

は、え───?

けらけら笑いながら言い合う冴崎とその友達。
俺はもはやそれどころではない。状況もさることながら、冴崎とその友達が話している内容に頭がついていかない。
なんだ、こいつ、何を言っているんだ?
好きピ? は?
誰? 俺? 俺のことが?

「……先生、申し訳ないが後を任せてもいいか? 詳細が書かれたプリントは用意してあるから、その内容の通りに生徒に説明して欲しい」
「はい、わかりました! ……シェラナリアさんは何を?」
「ああ……、この生徒二人を少し借りるぞ。せっかく見つけた逸材だ、指導官としてしっかりケアしてあげなくてはな」

シェラナリアの不敵な笑み。
隣の冴崎の、何かしてやったりといった風の笑み。
そしてクラスメイトの、友達の、ニヤニヤした笑み。
俺は一人、引きつった笑みのような、違う何かを顔に浮かべるだけだった。

───俺と冴崎の二人は、シェラナリアに連れられて生徒指導室へとやって来た。
この時間、ここなら絶対に邪魔をされないから、などとシェラナリアは言っていたが、そんな場所に連れてきて何をするつもりなのだろうか。
いや、させるつもり、なのだろうか。
嫌な予感しかしない。

「えと……、シェラナリア……さん?」
「呼び捨てでいい。どうせクラスメイトとしてしばらく過ごすんだ、お前もその方が呼びやすいだろう。ええっと……」
「あ、俺は春沢雪和、です」
「春沢か。……そっちは?」
「おう。冴崎綾乃だ」
「よし……、それじゃあ春沢と冴崎、そこの椅子に座れ」

生徒指導室の中央にある、長い机二つをくっつけたテーブル。
そこに置かれた椅子に、俺と冴崎は隣り合って腰掛け、シェラナリアは俺達の対面の椅子に腰掛けた。
冴崎もシェラナリアも、のし……っと机に胸を乗せている。
二人揃って乗せるな。

「さて、単刀直入に言おう。春沢、冴崎、お前らは今からサキュバス作法の第二段階、見せ槍フェラの儀を行え」
「ちょっ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっ……!」
「なんだ春沢。何か文句でもあるのか?」
「いきなり、どうして、なにゆえ、俺と、冴崎が……!」
「ああ……まあ、いきなりだったから混乱するのもわかる。だがサキュバスとはいえ、私も政府の指導官だ、相性診断で96%を出したのは見逃せない。早急にサキュバス作法を進めて、モデルケースとして見本にしたい」
「モデルケース……!? お手本的な? そういう奴?」
「まあ、そういう感じだ」
「ええええええええ! いやいやいやいやいやでもでもでも」
「今確認したが、二人ともアプリの登録をしていないな? サキュバス作法に参加するためには登録が必要だ。処理はこちらでしておいてやる、ありがたく思え」
「ま、待って! 本当に待ってくれ……下さい! 俺はまだ納得してない!」
「何故だ? 目の前に最高の相手がいるのに、もったいない」
「い、いや……、何故って……」

シェラナリアの俺に対する反応は、心底意味がわからないといった風だった。
そうか、もはや文化というか根本にある物が違うんだ。
必死に繁殖を行うことが前提で正しいという世界から来ているから、例え身体の相性が良くても、まず気持ちを優先するこちらの世界が理解出来ないんだ。
これはどうしたものか───

「……あたしは問題ねーぞ」

と、不意に冴崎が口を開く。
何故か俺の腕に自分の腕を絡ませて、わざと俺の腕を胸に押し付けながらだ。
むにゅうっとした、その性格からは考えられないほどの柔らかい感触が、俺の腕に感じられた。
冴崎はいつもと違う、どこか熱に浮かされたような瞳で、俺を見ている。

「いつか告白してやろーって思ってたけど、春沢ってあたしにビビってるとこあったし、ちょい遠慮してたんだよなー」
「び、ビビってねーし」
「はは、そうかよ。まあそれでさ、タイミングをどうしようかって思ってたんだよ。赤点取らないように頑張って、海に誘って……その勢いで彼氏にしてやろうって思ってた」
「お前……、だからあんなに勉強を……」
「けどその前に、思ってもみないとこで絶好のタイミングが来やがった。それが今だ。ここしかないだろ」
「ま、まあタイミングとしてはそうだろうけど、なんで俺なんだよ……! マジで俺、俺のこと、彼氏にしようとしてんのか……!?」
「おう、マジもマジだぞ。ほら、実はあたしの待ち受け、この前のエプロン姿の春沢にしてるし」
「ええ!? そ、そんなことまでしてたのかよ……!」
「ああ。……春沢はあたしを偏見の目で見なかったからな」
「偏見……?」
「ほら、あたしギャルだけど言葉遣い男みたいだし、よく不良だの何だのって友達以外の奴等は近づきもしなくってさ。酷いときなんかは、あたしを見ただけで逃げていきやがる。近づいてくる男は、身体目当てのチャラ男ばっかだ」
「ああ……」

確かに、そういう場面を俺は何度か目にしていた。
特に冴崎が何かをしたというわけでもないのに、女子が避ける場面。腫れ物にでも触るかのように、日誌だけ渡して逃げていく日直。
冴崎はさして気にもしていないようだったが、そうだよな。
そんなことを目の前でされて、何も感じないわけがないよな。

「その点、春沢は違ったんだ。怖いだの不良だの言わずに勉強教えてくれたし、漫画も貸してくれたし」
「あ、そうだお前、漫画返せ」
「はは、それ今言うことか? ……でもそういう、物怖じせずにあたしにずけずけ言ってくるとことか、ほんとそれって感じ。なんだかんだしっかり勉強も教えてくれたりさ、いい奴だなってのはずっと思ってた、すぐ好きになった」
「さ、冴崎……」
「だから……、絶対喰ってやろうって思ってた……♡」
「冴崎!?」

冴崎はちろっと舌を出して、自分の唇を舐める。
それは無意識だったのかもしれないが、まるで獲物を目の前にした肉食獣のようで、戦慄が全身を走った。
好きと言われたことも、それでちょっとドキドキしたのも、全て吹き飛んだ。

「だってよ、春沢……結構可愛い顔してるし? あたし好みなんだよなー……♡」
「冴崎さん!? て、ていうかお前、俺のことオタクって馬鹿にしてただろ……!」
「あ? ああ……、あれはああ言って、他の女遠ざけてたんだよ。獲物は食べ頃になるまで、ちゃんと隠しておかねーとじゃん?♡」
「ヒィ」

なるほどそういうことか。
俺はオタクって周囲に吹聴しておけば、他の女子は敬遠して俺を避けると。だから冴崎は、独り占め出来て安心と。
いやちょっとおかしくない?
途中までは恋の話だったのに、途中から狩りとか捕食の話になってない?

そんな俺の葛藤をよそに、冴崎はぎゅうっと俺を抱き寄せ密着してくる。
冴崎は柔らかい身体、女の子の身体、メスの身体を、何かしらのタガが外れたように俺に擦り付ける。それがまるで本能であるかのように。
同時に冴崎は俺の耳に口を近づけ、そっと囁いてきた。
ふっと吹きかかる吐息が、甘く熱い。

「なあ春沢……、だめか? あたし、お前を彼氏にしたい……」
「いっ!? い、いや、待て待て。なんかもうさっきから混乱しっぱなしで、脳が全然ついていけてないんだ。いきなりそんなこと言われても、何が何だか……!」
「ンな難しい話かよ。……お前とあたしの身体の相性が最高だってんなら、それは最高の恋人同士になれるってことだろ? 恋人になれば幸せになれるってことだろ? あたしは春沢のこと好きだし、問題ねーって……♡」
「でっ、でででででも……!」
「……春沢は、あたしのこと嫌いか?」
「っ……!」
「なあ、嫌いか?」

違う。
苦手な奴では、あると思う。好きかどうかは、わからない。
けれど、決して嫌いではない。
嫌いだったら、勉強なんて教えない。オナニーのネタにだってしない。

「そんな……ことは、ない」
「ほんとか!? じゃあもういいだろ、恋人になろうぜ、春沢……♡ あたしお前のフルーツサンド、また食べたい……♡」
「さ、冴崎……!」
「そんな難しく考えるなよ。恋人になったら、あたしがいっぱい甘やかしてやるからさ……♡」
「あっ、甘っ……!?」
「なあいいだろ……?♡」
「……じゃあそれを、サキュバス作法で調べればいい」

割り込むように、シェラナリアが言葉を紡ぐ。
スマホに着けた計測器をスマホごとカチャカチャと振り、俺達を見ていた。

「見せ槍フェラの儀を行い、計測器を使って恋人に相応しいかを見るんだ。先ほどの数値は間違いだった、ということもある。もう一度、サキュバス作法を行いながら、しっかりと計測しろ。答えを出すのはそれからでも遅くはないだろう?」
「だとよ、春沢。な? 試すだけ、ちょっと試すだけだから。それならいいだろ?」
「そ、それ……それくらい、なら」
「よっしゃ♡ 話が早ぇーぞ春沢♡」

言ってしまってから、少し後悔した。
試すだけとはいえ、第二段階は見せ槍フェラだ。そんなことをして、いいものかと。
うっかりその先にまで進んでしまったら、第三段階でも相性度が良かったら、本当に冴崎と恋人になってしまうのだろうか。
だがもはや今さらだ、俺は自分で退路を断ってしまった。

「あー……、シェラナリア、だっけ? 一つ言っとくわ。……あたしらの邪魔すんなよ?」
「ふっ、そんな野暮な真似はしない」

一瞬、バチっと二人の間に火花が散る。どちらかというと、冴崎が一方的に向けた火花だったが。
もしかして、シェラナリアを牽制したのか?
あたしの獲物を盗るな、って?

「……第二段階、見せ槍フェラの儀。まずはオスがメスの前にペニスを晒し、メスは目と鼻と手でじっくり吟味した後、口で味わえ。サキュバス作法はサキュバスの求愛行動だ、やはりメス側がイニシアティブを取るのが望ましい。なあ冴崎?」
「じゃあ、作法に則り? ほら出せ、春沢」

急に冴崎が机の下に潜り込んだかと思うと、俺を椅子に座らせたまま、ズボンのベルトを外し始めた。
突然の行動に目を見開きながら、しかし俺は身動きが出来ない。
あっという間にズボンは下ろされ、テントを張ったトランクスが現れた。

「おっ? 何だよ、もう勃起してんじゃん……♡ はは、ヤッベ、ちょいドキドキする。それじゃあ好きピのおちんちん、ご対面~……♡」

ぶるんっ♥

トランクスのゴムに引っ掛かったペニスが、勢いをつけて飛び出した。
女の子を前にして完全に勃起してしまった俺のペニスは、冴崎の顔にペニスの形の影を落とした。
そんな俺のペニスに、冴崎は目を見開く。

「え……っ? う、うわ……♡ なんだよこれ♡ なっがぁ……♡」
「み、見るなよ……!」
「馬鹿か、こんなのメスなら見ちまうだろ……♡ 春沢、お前のおちんちん凄いな……♡ 絶対その辺の男よりでけーだろ、これ♡」
「比べたことなんてないから、わかんないって……!」
「えー……♡ 絶対でかいと思うぜ♡ ほら、めっちゃ長くて、亀頭んとこもこんなにぶ厚くて、赤黒く腫れてる……♡ 張り詰めすぎてテカってんじゃん♡ ウケる♡ ほんっと、マジでっかぁ……♡ 竿んとこも、血管もビッキビキに浮き出て、かっこいい……♡ 好きな男のおちんちん、でっかくてオス丸出しなのやべー……♡」
「ほう……? なかなかのちんぽじゃないか、ニンゲンにしてはやるな……♡」

いつの間にか横に立つシェラナリアが、俺のペニスを見て呟く。
冴崎も、シェラナリアも、先ほどと目つきが違う。甘くとろけるような、まさにオスを狙うメスのような色を浮かべていた。

「ふむ……、長さは19センチ強といったところかな……。良かったな冴崎、ここまで立派なオスちんぽには、なかなか出会えないぞ」
「ああ? シェラナリア、19センチってでけーのか?」
「ニンゲンにしてはかなり、の部類だな。繁殖力も旺盛な若いオスちんぽだ。……そうだな、一つ教えてくれ春沢。お前は童貞か?」
「ど、どどど、童貞……です」

シェラナリアの質問に、俺は素直に答える。
こんなものを隠していたところでもはや意味は無いし、サキュバス相手に性に関する嘘が通るとも思えなかった。

「はは、やっぱ春沢って童貞かよ」
「冴崎うるっさい」
「安心しろよ。あたしも処女だ」
「え!?」
「なんだよ、意外だーみたいな顔すんな」
「ご、ごめん」

人のことを喰ってやるだの何だの言って、こうも簡単に人のズボンを下ろしもして、てっきりセックスなんてお手の物だと思っていたが、まさかの処女だったなんて。
シェラナリアの前でそんな嘘をつくとも思えないし、おそらく事実なのだろう。
ただ、何故か、どうしてか、冴崎が処女だということに、俺はほっとしてしまった。

「良かったな冴崎、お互いに初物だ」
「うるせーな。いいからシェラナリア、お前はあたしらの計測だけしてろよ」
「ああ、もちろんそうするさ。……さあ、ちんぽをじっくり見ろ、嗅げ、触れ」
「言われなくてもするっての。はは、ヤベー……ドキドキする♡ ……すんすん♡」

冴崎が俺の股間に鼻を近づけ、ペニスのにおいを嗅ぐ。
亀頭、竿、付け根、玉袋、俺の男性器をこれでもかと嗅ぎながら、しかし嫌がることもせず、むしろもっと嗅がせろと鼻を押し付けた。

女の子が、冴崎が、俺のにおいを嗅いでいる。
その事実だけでも信じられなかったが、俺のにおいを嗅いでうっとりとした笑みを浮かべていることは、もっと信じられなかった。

「あ、あー……♡ ヤッバ、なんだよこれ……♡ 好きな男の股間って、こんなにいいにおいすんのかよ……♡ すんすん♡ すんすん♡ あー……、これヤベー……♡ 頭とろけそう……♡」
「さ、冴崎っ……! マジで恥ずいから……!」
「だめ♡ これあたしの♡ もっと嗅ぐ♡ すんすん……♡ はー……♡ おちんちんのにおい、すっげ……♡ こんなにとろけるの、春沢だけだって……♡ 春沢じゃなきゃ、こんなに何度も嗅ぎたくならない……♡ すううぅー……♡」
「ああもうっ……!」

俺は俺で、口では困った風に言いながらも、ペニスの勃起が治まらない。
自分の性器を女の子に見せつけている、それを見て嬉しそうに眺め、においを嗅ぐ冴崎に、ついもっと見ろとばかりに腰を前に突き出してしまう。
それに気付いているのかいないのか、冴崎は膨れ上がった亀頭とカリ首に、とろけた吐息がかかるくらいにまで顔も口も近づけていた。
ほんの少し、もうほんの少しだけ腰を突き出せば、その口の中にペニスがぬるりと入ってしまうくらいの距離だ。

「そこまでとろけるなら冴崎、オナニーでもしてみればいい。ちんぽのにおいを嗅ぎながら、手コキをしながら、フェラしながら、オナニーしてその感覚を確かめろ」
「おう……♡ やってみっかー……♡」

シェラナリアの言葉に、自身のスカートの中に冴崎は手を伸ばす。
見えないところからすぐに聞こえる、くちゅくちゅという水音。見えないが故に、余計にいやらしく感じる。
冴崎が、オナニーをして濡らしているんだ。
冴崎が、俺をオカズにしてオナニーして、膣から愛液を垂らしているんだ。

すると冴崎の細い指がペニスに絡まり、ゆっくりと、覚束ない手つきで上下に扱き始めた。
自分でするより、明らかにツボも心得ていなければ動かし方も弱いが、しかし異常な快感が襲いかかり、ほどなく亀頭の先端からカウパー腺液が溢れる。
粘液はすぐに流れ落ち、冴崎の手を汚し、ねちゃねちゃと音を響かせた。

「あ……? なんだ、これ。ねばねばしたのが、先っぽから出てきた……」
「冴崎、それは我慢汁という物だ。オスが気持ちいいと出す蜜、オスの愛液、甘露だ」
「へえ……♡ じゃあ春沢、あたしの手コキで気持ち良くなってんのかー……♡」

ニヤニヤと見上げる、とろけた顔の冴崎。
俺は思わず顔を背けながら、それに答える。

「そ、そりゃ、初めて女の子にペニス触られたんだから、誰だってそうなる……! べ、別に冴崎だけってわけじゃ……!」
「あたし以外の女でもこうなるって? ほんとか? ……あたしはお前のにおい嗅ぎながら、手コキしながらおまんこ弄って、信じられないくらいに気持ち良くなって、今にもイきそうだってのに……♡ お前はあたし以外の女でも、ちょっと触られただけで、我慢汁を垂れ流すってのか……?♡」
「ぐ……っ!」
「なあ春沢ぁ……♡ これ、身体の相性がマジでいいってことじゃねーの……?♡」

そう言う冴崎のスカートから、つ……っと糸が伸びる。
おそらくは、冴崎の膣から溢れ出た粘液、愛液の糸。
愛液は床に落ちてスカートの中と床とを繋ぐと、そこをとろとろと伝って、床に小さな池を作る。

「お前のこと考えてオナニーした時でも、こんなにおまんこから愛液出たことねーよ……♡ なんだこれ、実際に春沢のおちんちん弄ってるからって、ここまで愛液とろっとろなのおかしいだろ……♡」
「お、お前、俺でオナニーとかしてたのか……!?」
「好きな男でオナらねー女なんていんの?♡ どうせお前だって、あたしの身体想像してオナってたんじゃねーのか?♡」
「そ、それは……っ!」
「なんで否定しねーで顔だけ背けてんだよ♡ 図星じゃん♡ ……なんだよ、両思いなんじゃん♡ じゃあ早く恋人になろうぜ……♡」
「ち、違っ……!」
「だめだ、もう無理……♡ 春沢めっちゃ可愛い、好き……♡ おちんちん舐める……♡ 無理、もう無理……♡ あーん……♡」

譫言のように呟きながら、冴崎はあーんと大きく口を開ける。
牙が、犬歯が、突き刺さり噛み切られるようなイメージが浮かぶ。だが触れたのは、ねっとりとした舌だ。
唾液に濡れた舌が裏筋に触れたかと思った瞬間、俺の亀頭はまるごと、竿の真ん中辺りまで一気に飲み込まれた。

「ぢゅるるるるる……♡」
「うあああぁぁっ! な、なんだ、これっ……!?」

唾液でとろとろの、女の子の口の粘膜にペニスが包み込まれた。
フェラだ、フェラチオをされた。
優しく包み込んで、とろけるような粘膜だ。想像以上の恐ろしい快感が、俺の全身に襲いかかってくる。
あの冴崎がとか、あの女がとか、そんなことすら考えられない。
今までしてきたどんなオナニーよりも気持ちいい。比べものにならない。手でもオナホでも、こんなに気持ちいいことはなかった。

いや、もしかしたらセックスでも?
セックスでも、他の女の子とは比べものにならないのか?
冴崎だから? この俺が感じる快感は、身体の相性が最高だから?

「おちんちん、うっまぁ……♡ なんだよこれ、ヤバ……♡ 好きな男のおちんちん、美味すぎ……♡ れろれろれろ……♡ んは♡ 舐めてるだけで気持ちいい……♡ あ、あっ♡ おまんこもイきそうになってる……♡」
「あっ……! 待て、待ってくれ……! 舌、亀頭そんな舐め回す……あっ」
「無理♡ もう無理♡ ちゅ♡ ちゅっ♡ 春沢のおちんちん、好き……♡ これ好きぃ……♡ ちゅっ♡ 絶対に離さねー……♡ 好き……♡ れろれろれろ……♡ 好きだ♡ これ好き♡」
「冴崎っ……!」

ペニスをキスして、舐めて、咥える。
そこからはあっという間だった。
冴崎の口内の感触と、甘くとろけるような好きという言葉に、俺のペニスは呆気なく陥落し、尿道を通って精液が噴出した。

びゅるびゅるびゅるびゅる♥ びゅるびゅる♥ びゅーーー♥ びゅるるーーー♥ びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅる♥

「ああああぁっ!? で、出たっ……! 精液、出た……! 出たっ……!」
「っ……♡ ……ちゅう♡ ちゅるるるるるるるるる……♡」
「!? さっ、冴崎! 出てる! 出てるからっ……! 離れ……っ! 離れて、冴崎、ちょっ……!」

そんなこと知らねー、飲ませろ。
そう言いたげに俺の上目遣いに見上げながら、唇をきゅっと閉じて亀頭を咥え、ごくごくと精液を飲んでいく冴崎。
俺の精液が、冴崎の喉を通って胃に落ちていく。
信じられないほどの快感に身を任せながら、俺は脱力して、しかしペニスだけは極限まで勃起して射精を続けた。

ぬぽんっ♥

びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅる♥ びゅるる♥ びゅるるるる♥ びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅる♥

途中でペニスが大きく跳ね、その勢いで口から抜けて、冴崎の顔に射精してしまう。
ゼリーのような濃い精液が、冴崎の綺麗な顔を真っ白に汚していく。
不意に、ひときわ長い筋のような精液が飛び出て、冴崎の片方の目を塞ぐ。
しかし冴崎は嫌がるそぶりも見せず、残った片方の目で射精を眺めながら、ここにも出せとばかりに舌を伸ばした。

ぷしゃっ♥ ぷしっ……♥ びちゃっ♥

急に、床に何かが零れる音がした。
ふと目を向けると、冴崎が腰を震わせて、スカートの中から大量の水を零していた。
もしかしてあれ、潮吹きか?
俺のペニスをフェラして、オナニーして、射精されて、潮吹きしたのか?

───ようやく射精が止まると、そこで初めて俺は肩を揺らして激しく息を切らせていることに気付いた。
冴崎は顔に付着したねっとり濃い精液を、指で拭ってぺろぺろと舐めている。

「なんだよこれ……♡ これが男の射精? 精液? すっげ……♡ これがオスのにおい……♡ くっさいオスの精液のにおいと、味……♡ あー……、わかっちまう……♡ セックスなんてしたことねーのに、これが気持ちいいってわかっちまう……♡ はは、あたしもメスなんだなー……♡ この精液で孕みたいって思っちまった……♡ ……なあ、春沢はどうだ?♡ あたしに顔射だけじゃなくて、種付けしたくなったか?♡ ちゅっ♡ れるれるれる……♡ れぅぅー……♡」

れろぉ……っと精液で汚れたペニスをお掃除フェラする冴崎。
そしてたったそれだけで、俺はまたぴゅるっと残り汁を吐き出してしまう。
射精した後にまた射精するだなんて、そんなことも初めてだった。

「あ♡ まだ残ってた……♡ おちんちん、気持ち良かったみたいだなー……♡」
「あ、あっ……! うぐっ」

嘘みたいな感覚だった。
フェラされて一気に快感が高まり、口の粘膜で頭がとろけて、その感覚のまま一気に射精してしまった。
フェラだけでこんなに気持ちいいなら、セックスしたらどうなるんだ?
冴崎の膣の粘膜、オスを迎える準備が整ったメスの生殖器にペニスが触れたら、どうなってしまうんだ?
本当に、四六時中くっつきあったまま、離れず子作りしてしまうかもしれない。子供一人なんて飽き足らず、何人も作ってしまうかもしれない。
勃起し続ける限り、冴崎と子作りをしてしまうかもしれない。
これが、そうなのか? 身体の相性がいいってことなのか?

するとそんな俺達に、シェラナリアがスマホの画面を見せてきた。
画面には、97%と表示されている。

「……初めてのフェラで即イキ、射精されて潮吹き、そしてこの数値。春沢、冴崎、どうやらさっきの96%という数値は間違いではなく、しかも見せ槍フェラの儀で事実が補強されたようだな?」
「ま、マジか……! お、俺と冴崎が……!」
「実際どうだったんだ春沢。冴崎のフェラは気持ち良かったんだろう?」
「うっ……! た、確かに、あっという間にイクくらい気持ち、良かった……!」
「冴崎は……、そのとろけた顔を見れば一目瞭然か。見せ槍フェラを存分に堪能しましたという感じだな。処女のくせに、精飲までして」

冴崎はペニスを咥え、舌でねっとりと舐めながらながら、んんっと小さく喉を鳴らして応える。
ペニスがお気に入りにでもなってしまったかのようだ。

「第二段階はクリアと言っていいだろうな。引き続き第三段階を行い、相性を見せてもらうとしようか」
「だ、第三段階……!?」
「第二段階で相性度が大幅に下がったのなら私も躊躇するが、僅かでも上がったというなら続けないわけにはいかないだろう? しかも驚きの97%だ。どうせ童貞も処女も失われない、実質ノーリスクだ。問題ないだろ」
「そ、それはそうかもしれないけど……!」
「まあ、今日はお互い疲れただろうし、帰ってゆっくり休むといい。考えることもあるだろうしな? ……ふっ、しかしこれはラッキーだ。まさか、モデルケースに出来そうな奴等といきなり遭遇するとは。私の給料も上がるかもしれん」

嬉しそうに笑うシェラナリア、引きつったように笑う俺。
そして冴崎は、俺の下半身をもの凄い力でがっちりと押さえ付け、ペニスに残った精液を吸い出そうとしている。
食事をする獰猛なメスの瞳は、間違いなく俺の瞳を射貫いていた。

「……んぷっ♡ なあ春沢、あたしの彼氏になる決心は出来たかー……?♡ こんなに気持ちいいんだから、もう恋人になっちまおうぜ……♡」
「ま、まだ、まだだ。第三段階をやって、相性を見てからだ……!」
「はは……♡ いーよ、じゃあその気になるまでヤってやっから……♡ あたまとろっとろになるくらい、どろどろに甘やかしてやる……♡」
「っ……!?」
「あたしから離れられなくなるまで、あたしがおちんちん甘やかしてしてやるからな……♡ あたしはもう、フェラと精液ごっくんだけで、お前から離れられなくなってんだから、責任取ってもらうぞ……♡ ……んっ♡ ぢゅるる……♡」

冴崎の舌が俺の亀頭と竿に絡まり、精液を残らず舐め取っていく。
俺は信じられない快感を感じながら、冴崎はとろとろと愛液を漏らしながら、処女と童貞の二人一緒に、フェラの快感を味わっていた。

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