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第16話:孕んだ恋人達との冬の日常(妊婦フェラ/精液キス)

「ん……? んあ、あー……。……あえ?」

ある冬の朝。俺は寒さではなく、ぽかぽかとした温もりに目が覚めた。
まるで身体そのものが、湯たんぽに包まれているかのような温もり。
ふと目を開けると、俺はいつの間にか服を脱がされ裸になって、後ろから同じく裸のシェラに抱きしめられていた。
ぽかぽか暖かいのは、このためか。

「おはよう、雪和……♡」

はぁ……っと熱い吐息を耳に吹きかけながら、俺に挨拶するシェラ。
彼女は妊娠したことで少し肉付きが良くなり、Kカップの長乳もさらに大きくなってしまったらしく、俺の背中にたっぷり重たい感触を与えてくれる。
そんなシェラの体温は高く、触れているだけで電気毛布に、いや湯たんぽに包まれているみたいだった。

「雪和の身体はあったかいな……♡ 抱きしめたまま、離したくなくなってしまう……♡」
「シェラの身体の方があったかいよ。ぽかぽかで……、いいにおい」
「本当か? 嬉しいな……♡ お前にそう言ってもらえることが、何より幸せだよ♡」
「そういえば綾乃は……」
「綾乃か? ふっ……、気付かないのか?」
「え?」

その瞬間、俺のペニスが鋭い牙に噛み噛み甘噛みされてしまった。
痛いようなむずむずするような感触の後、俺のペニスはとろとろの粘膜にねっとりと包まれる。
毛布と布団をめくり上げると、そこには俺の股間に顔を埋めてフェラをする、楽しそうに笑う綾乃の姿があった。

「ぢゅぷっ……♡ れりゅぅ……♡ あむっ……♡ ……んぷぁ♡ おはよ、ユキ♡」
「お、おはよう綾乃。ずっとフェラしてたのか」
「おうよ♡ ……このぶっっとくてかっこいい朝勃ちおちんちん、ぺろぺろしてやってたんだぜー……♡」
「ごくっ……!」
「ほら見ろ、唾液をこうやってー……♡ じゅぶ♡ じゅるっ♡ いっぱい、いっぱい口の中に溜めてー……♡ ……ほらぁ、唾液たっぷりだろぉ……?♡」
「あ、ああ……いっぱい、綾乃の口の中にたっぷり溜まってる」
「これ、この唾液たっぷりの、おちんちん専用お風呂でー……♡ はむっ♡」
「うぐっ……!?」
「ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅ……♡ お風呂マッサージ……♡ ぐじゅぐじゅぐじゅ♡」

綾乃は唾液たっぷりの口内に亀頭を咥え込むと、ぐじゅぐじゅと舌でかき回して溢れるカウパーを啜る。
とろとろであつあつの、まさにお風呂のような粘膜と唾液に包まれて、俺は異常な快感に襲われていた。

「んぢゅっ……♡ れりゅ♡ ぐじゅぐじゅぐじゅ……♡♡ えぷっ……♡ ……ろぉらよユキぃ……♡ あらひのお口のお風呂、気持ひいいはー……?♡
「さい、最っっ高……! うあっ! あっ!」
「……っくく♡ だろぉ?♡ 最高だろぉー……?♡ んへぁ……♡ にしても、でっっか……♡ 好き♡ このおちんちん、いつまでも舐めてられる……♡ ぢゅろぉ……♡ にゅり……♡ ぢゅ……っぽ♡ ぢゅ……っぽ♡ ぢゅ……っぽ♡」

俺を射精させようというよりは、自分が舐めて楽しもうといった風のフェラ。
カウパーと混じり合った唾液はいつの間にか飲み干し、今度はじっとりと舌を絡ませて、俺のペニスを隅々まで味わっているようだった。
唾液のお風呂は無くなったものの、舌は生温く俺のペニスに絡む。

「妊娠したはいいけど、セックス出来ないのってどうかなーって思ってたけど、意外と満足出来ちまうもんだなー……♡ ユキは可愛いし、ユキのおちんちんは舐め甲斐があるし、楽しむこといっぱいありすぎなんだがー……♡ ……あむっ♡ れぢゅぅ……♡ れーりゅれーりゅれーりゅれーりゅ……♡」
「あ、綾乃……そこ、あっ。裏筋を舌で舐め回すの、気持ちいい、いうっ、あっ……!」
「れりゅぅ……っ♡ ユキの喘ぎ声かわよ♡ れーりゅれーりゅ……♡」
「あ、あっ、あうっ……! 綾乃っ……!」

綾乃が好きなようにペニスを舐め回すのと同時に、シェラは俺の身体を後ろから覆うように抱きしめると、俺の耳を舐めながら乳首を摘んだ。
俺の乳首をこりこりと、柔らかい指で優しくこね回すと、俺はその快感でペニスを跳ねさせた。

「んぅっ……♡♡ ユキ、元気良すぎ♡ れりゅぅ……♡ れりゅっ♡」
「いっぱい気持ち良くなれ、雪和……♡ ふふっ……♡」

毎日のように繰り返される、朝の愛撫ルーティーン。
妊娠してからはセックスをしなくなったが、二人の性欲はむしろ強くなり、俺への愛撫が日増しに強くなっている。
綾乃はもちろんシェラも、一度フェラを始めたら、ペニスがふやけてしまうかと思うほど舐めまくる。
咥えると顎が疲れるからと、とにかく舌で舐めまくるのだ。
さすがにもう学校ではしないようにしているが、寝起きや朝の出がけはもちろん、帰ってきてからお風呂でキッチンで寝室でと、とにかく喰わせろとばかりにズボンを下ろされ、好き放題にあむあむされている。
お陰様で、文字通りペニスが渇くことは無いし、ペニスのあちこちにリップの跡が付いてしまうこともしばしばだ。
そんな状態で、うっかりトイレで小便を覗き込まれようものなら、大変厳しい質問責めに遭ってしまうことだろう。

「ユキのカリ首、ほんっとぶ厚いよなー……♡ ぷるっぷるしててさ、これがあたしらのGスポ容赦無く刺激して、排卵促して、一発受精♡ ……って感じだったもんな♡」
「本当に、雪和のちんぽは惚れ惚れするよ……♡ メスを孕ませるために進化した、ニンゲンのオスらしいちんぽというわけだ……♡」
「シェラも一発妊娠だったもんな♡」
「ああ、一発だ♡」

そんな風に褒められると、嬉しいやら照れるやら恥ずかしいやら。
なんとも複雑な気分だ。

さて、そうやって孕んでしまった二人ではあるが、既に妊娠が発覚してから二ヶ月ほど経過している。
二人ともとっくに産婦人科でちゃんと診断してもらい、母子手帳も貰っていた。
シェラはシェラで、母子手帳はいいシステムだと言って、向こうの世界に持ち込む計画を立てているようだ。
子孫繁栄に本気なサキュバスであればこそ、なのだろう。

政府も、シェラが異世界の住人だからと特別にハーレムを許可してくれた。
向こうの世界とのいざこざを避けたかった、というのもあるのだろう。交流が始まっているのであれば、なおさらだ。
俺と綾乃の両親も最初は戸惑ったものの、政府がその方針であることと、当の俺と綾乃が納得しているので、まあいいかということになった。
今ではみんな、一緒に異世界旅行をしようなどと言い出している。
もちろんシェラとのことは、学校のみんなには内緒だ。
シェラのお腹が大きくなっても、相手は誰かということは教えないと決めていた。

そして、二人ともまだお腹は大きくなってはいないが、少しずつ身体が変わってきているのは感じているらしい。
綾乃は、多少のつわりっぽい何かがあるが、そこまで重い症状は出ていない。
シェラは逆につわりがたまに酷く、そういう時は俺が癒しになるということで、一日中抱き枕になっている。なんかあまり普段と変わりがない気もする。
なので比較的元気な綾乃と俺は、家事では洗濯や買い物などと力を使う仕事を引き受け、シェラは無理のないような仕事を担当している。
こういうのは助け合わないとな。夫婦だし。
夫婦、なんかやっぱりまだくすぐったい。

「えりゅぅ……♡ れりゅれりゅれりゅ……♡」
「う、あっ……!? 綾乃、舌……激しい……!」
「イっていいぞー……♡ たっぷりあたしのお口に、どぴゅどぴゅ出しちゃえよ♡」

そう言いながら、綾乃は俺の腰に両手を回してぎゅっと抱きしめる。
俺のペニスが愛しくて愛しくてしょうがないという意味なのか、それともこれはあたしのだから絶対に誰にもやらないという独占欲か、それともその両方か。
しかも同時にシェラが俺のアナルを尻尾で刺激してきて、それに押し出されるように、一気に精液が尿道を上がってきた。
俺のペニスのヒクつきを察知して、綾乃も亀頭をぱくっと咥える。
俺にはもはや、我慢する理由がなかった。

びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるっ♥ びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるっ♥ びゅるるるるるるるるるるるるるるるるっ♥ ぶびゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるっ♥

「あううぅっ……! あ、あっ……! 出てる、綾乃の口に、いっぱいっ……!」
「んんんっ……♡ ぢゅろろっ♡ ぢゅるれるれるれるれるれる……♡」

口の中に次々と射精される精液を、綾乃は舌を伸ばして亀頭を舐め回しながら、精液を口の中に溜めていく。
裏筋を舐められながらの射精は気持ち良く、俺も綾乃の頭をぎゅっと抱き寄せながら、思う存分、ペニス専用のお風呂のような綾乃の口内に射精していった。
びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるっ♥ びゅるびゅるびゅるっ♥ びゅるるるるるるるるるるるるっ♥ ぶびゅるるるるるるるるるるるるるるるっ♥

とろとろの口内、舌が這い回る口内に射精することの、なんという気持ち良さ。
膣に射精するのとはまた違う、孕ませる時とはまた違う、異常な興奮の中で、俺はシェラにアナルを撫でられながらたっぷり射精した。

「ぢゅぞっ♡ ぢゅぞるるるるるるるっ♡ ぢゅー……っぽ♡ ぢゅー……っぽ♡」
「あ゛ー……! 吸われてる、綾乃に精液吸われてる……!」
「ふっ……、なんて顔をしているんだ雪和……♡ とろっとろにとろけた、可愛い顔をしているぞ……♡」
「だって、だって気持ちいい……!」
「ああ、可愛いなぁぁ……♡ 本当に可愛い……♡ ……れりゅっ♡ ちゅっ♡ ちゅぅ……♡ ちゅっ♡」

シェラにうなじや耳にキスされながら、その長い舌が俺の唇にまで伸びて舐め回す。
股間も唇も、俺の子供を妊娠した愛しい嫁達に舐められ、吸われ、そこから深く深く沈むような愛情を感じてしまう。
耽溺、溺愛、俺の何もかもを愛されているという、幸せ。

「んへぁ……♡ いっぱい、れたぁ……♡」

口の中にゼリーのような精液をたっぷり溜めたまま、綾乃がむくりと起き上がる。
自分の舌で精液をゆるゆると撹拌しながら見せつけてくるが、むわぁ……っともの凄い精液の匂いが漂ってきた。
するとシェラも一緒に起き上がり、舌を伸ばして綾乃にキスをした。
長い舌で綾乃の口の中をまさぐりながら、俺の精液を啜っている。

「んぅっ……♡ おい、シェラぁ……♡」
「綾乃ばかりずるいぞ、私にも精液を飲ませろ……♡ ぢゅぞっ♡ ぢゅるっ♡」
「しょうがねえなあ……♡」

そんなことを言いながら、二人はねちゃねちゃと舌を絡ませて精液を舐め合い始めた。
俺の精液を取り合うような、ディープキス。
漂っていた精液のにおいはさらに強くなり、口から漏れた精液は二人の長乳や太ももにも落ちて、身体全体からにおいがするようになってきた。
俺の精液のにおいをさせて、俺の精液を唇と舌で味わう綾乃とシェラの姿は、再びペニスを勃起させた。

「えぷっ……♡ ……っくく、なあユキぃ、めっちゃ勃起してんじゃん♡」
「ふっ、さすがは私達のつがいだ、繁殖能力が凄まじい♡ ……だが今日はだめだ、せっかくの休みではあるが、色々と冬物を買わないといけないからな」
「あ、そっか。今日は休みだ……」

なんとなく平日と勘違いしそうだった頭を、シェラが戻してくれた。
そうだ、約束をしていたんだ。本格的な冬を迎える前に、冬物を買いに行こうって。

「よっしゃ、そんじゃぱぱっと朝飯作っちまおうぜ!」
「あ、俺もやるよ」
「ふふっ、それじゃあ三人で作るか。共同作業もいいものだ」

俺達はティッシュで身体を軽く拭くと、着替えてキッチンに向かった。
さて、今日は何を作ろうか。
冷蔵庫を覗くと、食材があまり無い。そういえば、今日外に出るついでに買い物もしようと思ってたんだっけ。
とりあえず卵とハムはある、だったら定番のハムエッグでいいか。これが一番簡単で一番美味しい。
俺はフライパンにオリーブオイルを引くと、ハムを三枚敷いて、片手でカコカコカコっと連続で卵を割り入れた。
三人で暮らすようになってから、こんな技も出来るようになってしまった。実家の店を本気で継ぐことになったら、この技は重宝しそうだ。
そうやってじゅわじゅわとハムエッグを焼いていると、横でシェラがバゲットを切って、バターを塗ってからトースターに放り込む。

「私流の塗り方を編み出したんだ」

などと言うシェラ、バターの塗り方に一家言あるらしい。
そんな彼女の横では綾乃が、買っておいた千切りキャベツを小皿に取り分け、その上に切ったプチトマトを並べている。

「サラダ作る片手間にコーヒーだって淹れちゃうもんな」

綾乃はそう言って、沸いたお湯でノンカフェインのコーヒーも淹れ始めた。
結構前に、実家の常連のおばちゃんに跡取りだのなんだのって話をされてからというもの、綾乃は実家で働くことをかなり意識してくれているように思える。
今もこうしてコーヒーを抽出しているが、かなり上達したように思う。粉の量も均一、お湯を注ぐ速度も一定で所作も美しい。
喫茶店の子沢山名物夫婦っていうのも、なんかいいなって思ってしまった。
もちろんそこには、シェラもいるわけだけど。
でもそういえばシェラって、結婚した後は仕事をどうするつもりなんだろうか。夫のいるこっちに居着くとは言っていたけど。
政府の仕事を続けるのかな、なんかこう、バリキャリみたいな。よくわかんないけど。
今度その辺りの話もしてみよう。

「じゃあ、いただきます」
「いただきまー」
「ありがたくいただく」

俺の正面に二人が並んでテーブルに着いて、お馴染み三者三様のいただきますを言ってから、食事に手をつける。
俺は目玉焼きに塩胡椒を振って、半熟の黄身を白身とハムに付けて食べ、追いかけるようにバゲットを食べる。
シェラがバターを塗ったバゲットは、均等に味が染み渡って美味しい。なるほど、これが編み出した塗りの技か。
綾乃は目玉には醤油だと言って、黄身を割ってそこに流し込むと、バゲットをちょんっと付けては食べていく。
ディップしてる感覚かもしれない。
シェラは、卵のどろっとしたのはどうも苦手ということで、彼女のハムエッグだけはしっかり焼きを入れて固める。
シェラは目玉焼きにマヨネーズをかけて、それを四等分に切り、バゲットに乗せて食べるのが好きらしい。
ハムエッグにマヨか、半熟ならちょっと躊躇うけど、固焼きの目玉焼きなら卵サンドみたいな味になるのかもしれない。

「ははは……」
「んあ? どしたよユキ」
「何かおかしいことでもあったのか、雪和?」
「いや……、なんか幸せだなって」
「おー……。ユキ、なんかドラマの主人公みたいなこと言ってる」
「ああ、そんな気がするな」

自分でもこんな言葉が出てくるなんて思わなかった。
でも、こうやってみんなで朝食を作って、二人のお腹の中には俺の子供がいて、それが幸せだって思えたから。
ああ、きっとドラマの主人公も、こういう気分で言ったんだろうな。

「そうだ、三時のおやつはフルーツサンドにしようか」
「やった! ユキのフルーツサンド、マジ最高だもんな!」
「ふっ、楽しみにしているよ」

帰りに三人で一緒にスーパーに寄って、みんなで食べたいフルーツを選ぼう。
クリームを買うのも忘れずに。

───朝食を食べた後、俺達は三人で街中に繰り出した。
外はすっかり冬の寒さだ。だからということで、長身の綾乃とシェラが俺を挟んで手を繋いで歩く。
長身二人に挟まれていると、なんだかエージェントに連行される宇宙人を思い出す。
それに加えて、周囲のなんだあいつ羨ましいといった視線も突き刺さるが、あまり気にしないようにしよう。
そうだ、むしろ見せつけるくらいの気分でいけばいい。
この長身つよつよあちこちでかでかの美女二人は、二人とも俺の恋人で嫁で、もう俺の子供を孕んでるって。

しかし、まだ十二月の始めだというのに、街はクリスマスの装飾だらけ。早いところは、十一月からやっていたりもする。
それが気が早いなと思う反面、面白いとも思ったりする。

「……ニンゲンの、こっちの世界は面白いな。ずっとお祭りが続いているなんて、向こうじゃ考えられない」
「ははっ、商戦って奴だよ」

シェラの言葉に、綾乃が応える。

「こうやって早い内からお祭り気分を高めて、がっぽり儲けようって魂胆なんだわ。あたしも昔は、親にめっちゃおもちゃねだったもんだぜ」
「ふっ……、面白いな。年末……みんなで決めた、年という単位の終わりから始まりの切り替わり、そこはずっとお祭り騒ぎで商機というわけか」
「シェラの世界は、年末……ってか、もしかして年の概念がねーのか?」
「世界は勇者だギルドだ魔族だ何だのと、混乱し続けているからな。私の国も、この国のような四季もはっきりしているわけでもないし。……お祭りがあるとしたら、収穫の後くらいか」
「そっか……、大変なんだな」

俺はぎゅっとシェラの手を強く握る。
気の利いた言葉をかけられるようなイケメンじゃないけど、せめて俺がついていると、態度で示したかった。
シェラは喜んでくれたのか、ふっと優しく微笑んでくれた。

「いや、気にしないでくれ。それで幸せではなかった、ということではないんだ。それはそれで幸せであったし、今やそれ以上の幸せを手に入れたからな」
「そっか、そりゃ良かった」
「ああ綾乃、私はこの世界を楽しんでいるし、もっと幸せになってやるさ。それでいつか、この幸せを向こうの世界にも届けたい」
「……っくく、ほんっと真面目なんだよな。ちょっとくらいなら手伝ってやるぜ?」
「そうだな、手始めに新婚旅行ついでに、親善大使の役でもやるか?」
「はは、そりゃいいや」

サキュバス作法の成り立ちも、子孫を確実に残すためということだからな。
俺はシェラをより幸せにしなくちゃと、強く思った。

「……それで、年末以外にもこういう祭りはあるんだろう?」
「おうあるぜ! 二月の十四日、バレンタインデーだ! 女子が好きな男子にチョコを渡して告白する日なんだよ!」
「ほう? そんな可愛らしいイベントもあるのか。本当に面白い。向こうの世界の告白イベントといえば、気に入ったオスの前で全裸で媚び媚びのダンスを……」
「わあああああぁぁ! そこまで! そこまで!」

何かとんでもないことを言い出したシェラを止めるべく、大声で叫ぶ。
周囲の人には不思議な目で見られたが、卑猥な儀式の話をこんな場所で普通にされても困る。
慌てる俺の姿が面白かったのか、綾乃もシェラも楽しそうに笑う。

「ふっ……、ふふ。すまない、雪和が可愛らしくて、つい……な」
「ははっ、そんな慌てなくたって、誰もあたしらの話なんて聞いてねーって。ほんっとユキって可愛いよな」

面白かったわけじゃなくて、可愛かったから、らしい。
なんだかなんだか、複雑な気分だ。

「……でもほんと、ユキと一緒にいて飽きねーわ」
「え? 俺?」
「ああ。身体の相性がいいせいかどうかはわかんねーけどよ、ユキと付き合い始めてから、見る物全てが変わったような気がするんだよな。それまで何も感じなかった物が、ユキと一緒に見るとすっげー面白かったりしてさ」
「ふっ……。綾乃、それはどこか初心な、恋に恋する乙女のようだな?」
「シェラうるっせ! ……てか、なんだろうな、ユキと一緒にいるから面白く見えるんだろうなーって。だから、なんか退屈だった日常が、楽しく感じるのかなって。家でゴロ寝してんのも、テレビ見ながらお菓子食べるのも、ぼーっとスマホ見るのも、ユキが傍にいると楽しく感じるんだ」
「おいおい綾乃、それはもはや雪和依存症だろう?」
「シェラだからうるっせ! お前も似たようなもんだろ!」
「ああ、もちろん。私は雪和依存症だし、治る気配もない。だがそれでいいんだ」
「うわこいつ開き直りやがった。じゃああたしも依存症でーす。ユキを摂取しないとだめになっちゃいまーす」

などと言いながら、二人して競うように、俺をむぎゅむぎゅ挟んでくっついてくる。
何を言って、やってるんだか。

「というか綾乃、もうお菓子はほどほどにな」
「えっ、なんでだよユキ」
「妊婦はあんまり油ものばかり食べちゃだめらしいんだ。しばらく量は制限、特にチップス関連はおあずけ」
「に゛ー!」
「だからその鳴き声なんなの……」
「ちょっとくらいいいじゃん! ユキのケチ!」
「たまにならいいよ。帰りにちょっとだけ買っていこうか」
「ユキ好き愛してる」
「現金すぎる……」

そんな俺と綾乃のやり取りに苦笑するシェラ。
きっとこれも、これからも続く、いつもの俺達の日常なんだろう。

───冬物の肌着やジャケットなどを買った後は、綾乃とデートに行ったあの古びた喫茶店に向かいお昼を軽く済ませた。
あのお店のぶ厚いホットケーキは、シェラも喜んでくれたようだ。

その後は、スーパーに寄った。
フルーツサンドの具は何がいいかと聞くと、綾乃はキウイがいいと言って、シェラはオレンジ。俺はバナナを選んだ。
ついでに牛肉と野菜をいくつか。夕飯はビーフシチューにしよう。

家に着いたら、いつの間にか三時を過ぎていた。
重いスーパーの荷物を持ったせいか俺も疲れた、早速フルーツサンドを作ることにしよう。
てきぱきとホットココアを用意しつつ、クリームを泡立て、キウイとオレンジとバナナと、買ってきたフルーツを切る。
余ったフルーツは、夕食のデザートにしよう。
お店ほどの機材が揃っているわけではないが、要領はわかっているので応用はいくらでもきかせられた。
お店より少し不格好になってしまったのは、まあご愛嬌だろう。

「お待たせ、出来たよ」

そう言って、リビングのソファでゆったり休んでいる二人のところへ持って行く。
出来上がったフルーツサンドを見て、二人は「おおっ」と声を上げる。

「やっぱマジですげーよユキ、なんでこんな綺麗に出来るんだよ……」
「……本当だな。さすがはプロだ。映えという奴だな。写真に撮っておこう」
「あ、あたしもあたしも!」

などと言って、急に撮影会が始まってしまった。
自分ではあまり綺麗に作れたわけではないのだけど、こんな風に褒められ熱心に写真を撮られると、照れる以前になんか申し訳ない気持ちにすらなってくる。

「あー! しかもこのフルーツサンド、おいもチップス添えてある!」
「綾乃、食べたいって言ってたろ? 口直しにもいいから、添えてみたんだ」
「ユキ好き。マジ愛してる。んーちゅっ♡ ちゅっ♡」
「き、キスはいいから綾乃、早く食べなって」
「私もついでに……。……ちゅっ♡」
「シェラも!」

何かとキスをしてくる二人を引き剥がし、俺達はフルーツサンドを食べる。
うん、まあまあの味だ。

「うんまー……。疲れた身体にマジで染みる。めっちゃうんまー……」
「ああ、しみじみ美味しいな。……本当、こんな夫を持って私は幸せだよ」
「な! あたしも旦那がユキで良かったわ〜」
「二人とも、お世辞はいいって」
「ははっ、お世辞じゃねーってのに。……あたしはさ、こんな風にずっとずっとユキと過ごしていきてーんだよ」
「綾乃……」
「私もだ。こんな風にずっとずーっと……。いや、途中何人も子供が産まれて、それはそれは大所帯になって、騒がしくなるのかな」
「ははっ、違いねーや」

こんな風な日常。
騒がしい日常。
どれもこれも、綾乃とシェラと過ごしていきたい。

「……俺もだよ二人とも。ずっと一緒な」
「ったりめーだ!」
「ふっ……、そうだな。……とりあえず二人とも、期末試験は頑張れよ」
「ははははは! あたしなんにもしてねーや!」

豪快に笑う綾乃に、俺は真っ青になりながら、どうやってこいつを合格点レベルに引き上げようかと必死に考え始めた。

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