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08: It’s “正体” me!

「くっ、あっ……」

頭が……痛い……。いや、頭だけじゃない、全身が……痛い……。喉も……カラカラだ……。ひどい……二日酔いのような……感覚……。それに苛まれつつ、俺は目覚めた……。意識は茫洋としており、イマイチ状況がつかめない……。
俺はどうなってしまったんだ……? 判るのは……ほとんど何も着ずにうつ伏せで寝ているということ……。何とか手に力を入れ、体を起こしてみる……。ぺりぺりぺり、と頬から何かが剥がれる感触を覚えた。……畳、か。長時間密着状態だったらしい……。痕を撫でさすりながら立ち上がろうとする――

「っとと」

が、バランスを崩し、尻もちをついてしまった。

「いって……」

立つという行為がひどく難しい。感覚まだ戻ってないのもあるんだが、周囲がかなりの暗がりなせいもあった。
どこだ、ここ……。
手がかりを探して辺りを見回すと、一条の光が見えた。暗闇を唐竹に割ったような光芒。地を這うようにしてそれを目指す。
あと……もうちょい……。
言うことを聞かない体に鞭打ちながら何とか光に指を掛ける。そしてそれを押し広げてみたところ――
ガラガラガラッ。

「うぁ、まぶしっ」

目が痛い!
周囲に光が溢れ、俺の瞳を焼いた。目をつむるのはもちろん、手でまぶたを覆ってみるが、それでも痛い!
しばらくそうしていると、ようやっと慣れてきてた。おっかなびっくり開いてみると――

「あー、そっか……」

山奥の旅館に泊まったんだ、俺……。
俺の部屋とはまるで違う、純和風の内装を目の当たりにし、記憶が甦ってくる。
そしてそれに付随して――

「また……、やった……」

燐火を犯しまくったことも思い出した。

「一度ならず二度までも……」

しかも今度は年下の女の子と来たもんだ……。その上『孕めぇ』とか叫んだ気もする……。

「あー、もう……」

自己嫌悪。
てまあ、それはいいんだが(良くないんだが)、うーん……。最後どうなったんだっけ。

「中出ししたところまでは覚えてるんだけど……」

その後の記憶がない。
俺も燐火もへろへろになってたからなあ……、と思って何気なく振り返ると、暗闇からにゅう、と伸び出る脚が目に入った。

「ぎゃあぁあぁあっ!」

え、なにこれっ!? 怖っ!

「いやまて……、燐火か……」

お互い力尽き、そのままいっしょに寝てたのだろう。

「あー、びっくりした……。おーい、大丈夫かー」

襖を全開にし、室に光を入れながら呼び掛ける。

「てか、うわー、臭い……」

室内は性臭に満ちていた。中に居たから気づかなかったけど、出て入ってみるとちょっと耐えられないレベルだ。

「起きろー、ここに居ると死ぬぞー……、え……」

枕元まで行って顔を覗き込み――
息が、いや、心臓が止まった。
昨夜、ひょんなことからお互いの性器が融け合うくらいに睦み合った相手が死んでいた――からではもちろんなく――

「なんで……耳が生えてんの……」

人間のソレではない、イヌ科の獣を思わせるピンと逆立った耳。それが燐火の頭部に生えていた。

「…………」

無言のまま、尻を検める。
あったのは、ふさあっ……としたこれまた見事な尻尾。

「はは、偽物だよな……?」

あまりの展開に、目の前の現実を受け止めることができない。

「きっと、取れる、はず……」

何が真実なのか確かめる意味を込めて、もふぅとしたソレを引っ張ってみる。

「嘘、だろ……」

取れない。いや、力が弱いんだ。もうちょっと強く引っ張れば……。

「うぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ……」

じょじょに力を強め、最後には全力で引っ張っていたところ――

「アンタ……、なに、してくれてんのよ……!」

死んだように眠っていた燐火が、幽鬼のようにゆらぁ……と身を起こした。犬歯を剥き出しに、赫怒の炎雷を纏いながら俺を睨みつけてくる。

「えっと、いやこれはその――」

言い訳する間もなく――

「ひとの尻尾を抜けるほど引っ張るとか……。こんのクサレ外道がぁ……死ねえぇえええぇぇぇっっっ!」

パアン!
目ん玉が飛び出るぐらいぶん殴られた。

「いたたたた……」
「だ、だいじょうぶですか……?」

心配そうな面持ちで手当てをしてくれているのは月夜ちゃんだ。白魚のような小さく美しい指で消毒液を塗り、絆創膏をぺたぺた貼ってくれている。うーん、これだけで治ってしまいそう……。
一方で、上の姉妹は喧々諤々の激論を繰り広げていた。

「あれほどお客様には失礼のないように、と言ったでしょう」
「知らないわよ、あんなに尻

……ひどいことをされて黙ってろって言うの? あたしには無理」
「そもそも朝までここに居たあなたが悪いんでしょう。なぜ夜のうちに戻って来なかったの。そんなにご一緒したかったの?」
「そそそんなわけないでしょ! だ、誰がこんな男と!」

あの直後――
右の頬を殴られたんだから左の頬も差し出せとばかりに往復ビンタを見舞ってきた燐火は、それでも怒りが収まらなかったのか、三発四発と殴ってきた挙句、俺を突き転がしてガスガス蹴りまくった。俺は「ぎゃー」と悲鳴を上げる事しか出来ず、気づいたときには騒ぎを聞いて駆けつけてくれた葛葉さんと月夜ちゃんによって宿一番の暴れん坊から保護されていた。

「妹の不行状は姉の責任であり、従業員の不行状も女将の責任でございます。お代はもちろんけっこうですし、いかようにもお詫び致しますので、何卒……」

そう言って葛葉さんが平伏する。

「あ、いえいえいえ、気にしてませんから、とにかく頭を上げてください」

その謝りっぷりは、俺が逆に恐縮してしまうほどだ。

「元はと言えば俺が無茶苦茶したからで、燐火が悪いことはひとつも、」
「呼び捨て」
「……燐火ちゃんが悪いことはひとつも、」
「ちゃん付けの方が失礼だと思わない?」

どうしろって言うんだよ!

「ともかく彼女が悪いことはひとつもありませんから」
「しかし……」
「いや、それよりもですね、とっても気になってることがありまして」

そう言って三人の頭部をちらり、と見てみる。燐火を含め、今は獣耳など生えてはいない……が、さすがにアレが見間違えだったとは思えない。
なんせこの手で尻尾を掴んだわけだし。字義通り。

「ズバリ――女将さんたちは……化け狐、ですよね?」

燐火が狐なら姉妹を名乗る葛葉さんと月夜ちゃんも同様だろう。というわけで、腹をくくり、この上なくどストレートに切り込んでみる。

「なんのことでしょう?」

キラキラキラキラァ――と輝かんばかりの笑顔で葛葉さんが応じてきたものの、逆にうさんくさい。

「実は私、土着の民間伝承の調査を趣味にしておりまして、あなたがたに良く似た妖怪を知っているんです」

まあハッタリである。こう話を振ってみることで、相手の反応を見るのだ。

「妖怪……ですか? まあまあ本当にそんな生き物が?」

しかし葛葉さんは動揺をおくびにも出さなかった。それならこっちだって……!

「この狐ケ崎に棲む妖怪――それは人間の男を拐ってはあるモノを根こそぎ吸い取るそうです」
「あるモノ……」
「ええ。昨日、女将さんと燐火が俺に要求してきたものですよ。特に燐火は処女を捧げてまで欲した――」
「…………」
「そう精液です」

この狐ケ崎に住まう、人間の精液を求める人外の生き物。となればその正体は――

「あなたたちは“種乞い狐”だ!」

バ~~~ン! というオノマトペを背負って俺は彼女たちを指さした。

「種」
「乞い」
「狐」

三姉妹は一様に、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたが、燐火がいち早くそれから立ち直り――

「山神であるあたしたちに良くもそんな下品な仇名を……!」

またもや憤怒の形相でゆらり、と立ち上がる。
そして――

「耳と……尻尾……」

今度こそ見間違えじゃない。人外であることを示す、もふぅとしたオプション。それが、燐火の頭部と背後に見えていた。

「命を賭す覚悟、できてるんでしょうね――!」

正体見たり! と言いたいところだけど、これはヤバくないか……? 虎の尾ならぬ狐の尻尾を踏みつけた感が……。
相手は妖怪……。ひょっとして俺ここで死んでしまうん? と身の危険を感じまくっていると……、

「燐火。座りなさい」

葛葉さんが間に割って入ってくれた。

「葛葉姉どいてよ!」

睨み合うふたり。バチバチッと見えない火花が散る。その余波を肌で感じ「はわわ」「あわわ」と室の隅で震える俺と月夜ちゃん。

「燐火。もう一度は言わないわ。座りなさい」

言うや葛葉さんの妖気が爆発的に膨れ上がった! 金色の髪はフワッと浮き上がり、さらには全身から噴き出した天貫く雷霆
ツチイカヅチ
が辺り一帯を焼き焦がす。その圧倒的な気はさながら超サイ○人かのようだ――というのはぜんぶ俺の錯覚だが、なんかそれぐらいの気配を葛葉さんは醸し出していた。

「……わかったわよ」

さしもの燐火も気圧されたのか、大人しく着席。
ふー、助かったか……。
安堵のため息を漏らしていると、葛葉さんが俺に向き直った。直前の気配は何処へやら、いつもの柔和な雰囲気をまといつつ、少し困ったような笑顔を見せる。

「ぜんぶお話いたしますね」

「なるほど……」

葛葉さんが話してくれた内容は、先生から聞いていた種乞い狐の情報とほぼ一致するものだった。
すなわち――

彼女たちは狐ケ崎を守護する妖狐であり、
人間の男の精液を必要としており、
提供者として俺を招いた――という。

しかし、先生から話を聞いたとき、ひとつすっぽり抜け落ちていた観点があった。狐は何のために精液を欲するのか、ということ。葛葉さんの説明にはその答えも含まれていた。

「その、私たちと……子づくり、していただけないでしょうか……?」

種乞い狐――と呼ぶのも三姉妹に接した後だと失礼な気もするが、ともかくも彼女たちの一族にはメスしかいないらしい。そもそもオスが生まれない宿業を背負ってるらしく、代々人間の男を拐い、子を成しているんだとか。そして現代の種乞い狐である彼女たちが白羽の矢を立てたのが――俺。
望まれる形でこんな美女と種付けックスできるとか……、ほんとかよ……。
牡の本能が俺の体を震わせる。が、だ。同時に頭をよぎったのは、種乞い狐に拐われた男たちの末路……。

「光栄なお話ではあるんですが……それ受けたら死んじゃいますよね?」

老いさらばえた上にミイラのように干からびていたとか。齢を取る原理は不明だけど、ミイラになるのは彼女たちとのセックスが原因だろう。かくいう俺も昨日は狂ったようにセックスしてしまった。あんなのを続けてたら早晩そうなってしまうのは想像に難くない。……いや、昨夜は俺が暴走しただけなんだけどさ。
しかし葛葉さんはそれをやんわり否定する。

「もちろん一日に何回といったノルマをお願いすることもありません。気が向いた時に好きな女の子を抱いてくだされば結構なんです。それに、この辺りには幻燈草がありますから……」
「ゲントウソウ?」
「紫の花が宿の周りにいっぱい生えてるでしょ」

燐火が口を挟む。
そう言われれば見かけたような……。

「平たく言えば強壮剤ね。嗅ぐだけで代謝や強精に効き目があって、食せば効果倍増。ま、人間の男にしか意味ないんだけど」
「じゃあ俺がやたらハッスルしたのは……」
「ここに居ても匂うでしょ? プラス葛葉姉が晩ごはんに混ぜてたから」
「お体に悪いものでは決してないんです。薬草の一種だと思っていただければ……」

汗々といった様子で葛葉さんがフォローする。
ふむう……。
しかしだとすればなぜ男たちは次々と死体で発見されたんだろう。いや、直近のひとは死んでなかったかな? どっちにしてもだいぶ衰弱してたと聞いたような……。
疑念が顔に出たのか、葛葉さんが説明を付け加える。

「私たちの先祖にひどい真似をした者がいたのは事実です。しかし私たちはそれを反省し、人間の男性と共生したいと考えています。子種を恵んでいただく代わりに、心からお仕えいたします。ですからどうか……」

嘘偽りのない哀願。その様はあまりに愛らしく、俺の心は揺れに揺れた。
ただ、俺にはもうひとつ気になっていることがあって……。

「……ちょっと曖昧なんですけど、燐火とのセックス中に気を失ってるんですよ、俺。それって危険……じゃないですよね? 精力を思いっきり吸われたとかそういうことはないですよね?」

という俺の質問に、葛葉さんは目にした者が千年の恋に落ちてしまいそうな笑顔で燐火を見、燐火はそれから逃れるように視線を逸らした。偶然その先にいた月夜ちゃんは身の置き所がないとばかりに葛葉さんの背後へと逃走――場の空気が一気に重くなる。
えっと……。

「そんなに……マズいことなんですか……?」
「いえ! そんなことは決して! ……良くもないんですけれども」

歯切れの悪い葛葉さんに、やっぱ死……? と思っていると、燐火が真っ赤な顔をして立ち上がった。

「あ――アンタのせいなんだから! あんなむちゃくちゃしてあたしのことイ、イカせる、から……、だから顕現なんかしちゃって……ぜ、ぜんぶアンタが悪いのよ!」
「顕現……?」
「燐火が耳と尻尾を出したのは、おそらく史郎さんと、その……している最中なんだと思います……」

俺としては今日の朝に気づいたことだけど、実際はセックスの最後らへんで露わになっていた、と。

「しかし何の関係が? もう少し筋道立てて話してくれないと判らないんですが……」
「……母が言っておりました。人間の男性との睦み合いは、人獣の姿の時が最高だ、と。父も同様の意見だったようなのですが、」
「が?」
「……気絶するほど気持ちいいので毎回は勘弁してくれ、と苦笑いしておりました」

話が見えてきた……。

「つまり狐耳と尻尾の生えてる時が本気モードで、めちゃくちゃ搾り取ってくるってことですね?」

なるほど、そういうことだったのか……。
って、それマズいんじゃ……。ただでさえあんな気持ちいいのに、その上となると本当に干からびてしまう……。実際、人獣形態の燐火とちょっとしただけで意識が飛んだわけだし……。

「だから最初はちゃんと人でしてあげたでしょ。あたしだって顕現しちゃわないようがんばったのに……。あ、あんな……いっぱい奥、突く……から……」

ごにょごにょ、と威勢がなくなる燐火。
俺のせいってのも、そういうことか。うーん、がんばってくれたんなら確かに俺のせいかもなあ……。

「人である時ならそこまでのことは起こらないと思いますから……」
「基本はずっと人で居てくれる、ってことですよね?」
「はい。そのつもりです」

ふむ……。
全部の情報が出揃った、って感じか。あとは俺の胸三寸、と。

さて、どうする……?
正直なところ、ただの交渉になってる時点で肯定的に捉えていい話ではあるんだよな。彼女たちが真に妖狐であるなら力で俺を従わせることだってできるだろう。しかし実際は“お願い”してきているにすぎず、結論はこちらに委ねられている――
こうやってポジティブな要素を探し始めたら顧客は購買する意志を固めてるんだよなあ……などと職業病を発症させつつ俺は頷いた。

「判りました。俺で良ければお受けします」
「本当ですか!?」

いや、だからその笑顔は反則だって……。

「ペースは週一ぐらいでいいですかね? 休みの日には通わせてもらいますから」

これって週末にソープに通うようなもんだよな。そう考えるとものすごくウマい話なんじゃ……。

「一ヶ月は出られないわよ」
「へ?」

来たるべき甘々性活に期待と股間を膨らませていた俺は、思いきり冷水をぶっかけられた。

「どゆこと?」
「そのままよ。思い出しなさい。アンタが登ってきた石段、戻ろうとしたときには無かったでしょ?」

そうだ……。燐火の言うとおり、境内を見て回って下りようとしたときには無くなっていた……。

「でもあれって燐火たちが俺を誘い込むためにやったんじゃないの?」
「違うわよ。あれは常世と現し世をつなぐ回廊。こっちの時間で一月に一度しか開かないのよ」
「一ヶ月? マジで?」
「だからそう言ってるでしょ」
「それは困る! 俺、週明けには重要な紹介営業があるんだよ!」

それ以前に一ヶ月も無断欠勤したらクビになってしまう!

「あの、それも大丈夫ですから……」
「大丈夫? 大丈夫じゃないですよ! そっちはいいかもしれませんけど、俺には仕事があるんですから!」
「だから、こっちの時間って言ったでしょ。アンタひとの話を聞かないタイプ?」
「こっちの……時間……?」
「常世と現し世じゃ時間の流れ方が違うの。だいたい一〇分の一かしら。現し世の方が遅いわ」
「一〇分の一……」
「こっちの一ヶ月は、向こうの三日ほどってワケ」

その話に何か引っ掛かりを覚えた。
ん、ん、ん……。
そうだ……、先生だ……。確かこう言っていた……。

『三〇代の男のひとが一年ほど居なくなってね。戻った時には痩せ細っていた上に、四、五〇歳ぐらいの外見になっていた』

そして俺はこう返した……。

『消えてたのは一年だけなのに、一〇歳以上老けてたってことですか』

つじつまが合う……。神隠しにあった人間が例外なく齢を取っていたのは、時間の流れが違ったからか……。
異界の門をくぐった当日のことを思い出す。
たしかあれは金曜日の午後三時ぐらい……。週明け月曜日は運良く休日で、紹介営業は火曜のことだから……。

「三日なら、セーフか……」

良かった。ほんと良かった……。
焦りまくる俺の様子に心を痛めていたんだろう、

「ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」

葛葉さんが悄然と頭を下げる。

「もう! 葛葉姉はへりくだりすぎ! コイツが勝手にやって来たんだから、あたしたちが気にする必要なんて無いわよ!」

珍しく燐火と意見が合った。

「ほんとその通りです。女将さんのせいじゃないですし。俺の方こそ声を荒げてしまってすみませんでした」

というわけで――話は決着した。
まあ秋休みが降って湧いたと思おう。しかもその間、美女と好きなだけセックスできる特典つき――
最高じゃないか!

「じゃあ月夜のこともよろしく頼むわね」

ひとり盛り上がる俺に水を差したのはまたしても燐火だった。

「へ……月夜ちゃん……? 彼女ともセ……その、するの……?」
「なに、嫌なの?」
「そういうことじゃなくて……、小学生ぐらいだよね? 年齢」
「ご安心ください。もう初潮は来ておりますから」

笑顔で請け負ったのは葛葉さんだ。
え、いや、うーん……。などと俺が狼狽えている間に、話は決まったと言わんばかりに退出していくふたり。

「え、ちょっと待って!? 俺の話も聞いて!?」
「月夜は処女なんだから、優しくしてあげなさいよ。もしあたしの時みたいにしたら……」

喉笛を掻き切るポーズを残し、葛葉さんに続いた燐火が廊下へと消える。
あとに残ったのは、真っ青の俺と白磁のような肌を真っ赤に染めた月夜ちゃんのみ……。

「あの……ふつつかものですが……せいいっぱいお仕えいたします……。ですから……なにとぞ……」
「あ、はい。こちらこそ」

って、マジで?

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