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23: ひとりの女として(壱)

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幻燈亭の裏手に広がる日本庭園。道なりに行けば露天風呂だが、途中、林立する高木の間に針を通したような小径が伸びている。木々を縫いながら進んでいくと見えてくるのが檜皮葺の門だ。その奥には湯の池が広がり、もうもうと湯けむりが立ち込める中なんと寝殿を思わせる水楼が建っていた。 また見事な――と驚いたが、さらにびっくりしたのはその中身。三十畳はあろうかという広々とした湯殿になっている。湯船はもちろん床や柱まで含めて総檜らしく、水分を含んでしっとりと濡れたそれらが薄暗い暖色に照らされる様は妙な艶めかしさがあった。 さらには御簾が掛かった畳敷きの一角があり、中にはダブルベッドサイズの布団が敷かれているという用意の良さ。 (なんというか……、すごく……、ソープっぽい……) 何故こんな場所にこんな建物があるのか訊いたところ、葛葉さんたちの両親が趣向を変えてセックスしたいとき用に拵えたんだとか。 「ここって、お父さんの発案だったんじゃ?」 「え? ええ、たしかにそう聞いてます。ご存知、だったんですか……?」 「あ、いえ。ちょっと思い当たる節があって……」 一方に風呂、もう一方にベッド。パコ部屋を自由に設計していいってなったらこうしてみたいですよね、男のロマンですよね、判りますお父さん。 「では失礼して……。浴衣、脱がせていきますね……」 湯殿の手前にある脱衣所で俺は、いつぞやのように肌襦袢姿になった葛葉さんに浴衣を脱がせてもらっていた。 俺の腰紐をしゅるしゅると解いていく、すらりとした白い指。 (うー……、くすぐったい感じが妙に興奮するな……) いちおう遠慮したんだが、「これもご奉仕の一環ですから……」とか言われてしまうと断れない。 それにしても突っ立ってるだけの俺を、葛葉さんが甲斐甲斐しく脱がせてくれるのは、前戯っぽくてエロっちかった。ちんぽがまた勃起し、ついつい下着を押し上げてしまう。 「相変わらずたくましくて……。とても素敵です……」 跪きつつ俺から最後の一枚を剥ぎ取った葛葉さんは、目の前に現れた勃起ペニスにうっとりとした声を出した。 「……葛葉さんに早く奉仕してもらいたくてうずうずしてるんですよ」 勃起棒の前に跪いた白々とした美貌が、俺の一言によって赤らんだ。さらには葛葉さんの柔らかそうな口唇が開き、悩ましげな吐息が漏れる。 「なら……、まずここで、ご奉仕してもいいですか……? こんなすごいおちんちん見せられたら我慢できません……」 白磁でできた陶芸品のような美しい指が、赤黒く腫れ上がったペニスに恐る恐る添えられた。ひんやりとした感触はゆっくりと上下し始め、肉棒をじんわりと煽り立ててくる。 「く、葛葉さん……」 「すごく熱くて……カチカチで……野太くて……。んっ……、お願いします史郎さん……。ここでおしゃぶりさせてください……」 とろんと蕩けた瞳で俺を見上げる葛葉さん。牡に従う牝の悦びに満ちたその瞳に、彼女をいじめたい、支配したいという邪な感情が湧き出てしまう。 「完全にえっちモード入ってますね葛葉さん……。そんなに俺のちんぽがしゃぶりたいんですか……?」 「それは、その……」 「どうなんです? ハッキリ言ってくれないと許可してあげませんよ?」 もちろん本気じゃない。 葛葉さんの恥ずかしがる顔がもっと見たい、葛葉さんにエロいことを言わせたいという気持ちからついそんなことを言ってしまう。 すると葛葉さんは困ったように視線を彷徨わせた挙句に、こくんと頷いた。 「妹たちの手前、自分は後だとずっと我慢してたんです……。我慢しきれず指を史郎さんの逸物に見立てておしゃぶりしたこともありました……。お願いですから、いじわる仰らないで……」 訊いた俺の方がドギマギしてしまうような告白に、前戯トークにかまける余裕がなくなった。いいから早く葛葉さんの口腔粘膜を堪能したい。 「わ、判りました。舐めていいですよ」 許可を出すと、葛葉さんはペニスに顔を寄せ、男根の匂いを堪能するようにスンスンと鼻を鳴らした。 「史郎さんの匂い……。本当に、久しぶり……」 「どすけべすぎますって……。どれだけ飢えてたんですか……」 「ご、ごめんなさい……。でも史郎さんのおちんちんにご奉仕できるかと思うとダメなんです……。頭が馬鹿みたいになってしまって……」 「しょうがないですね。今日は葛葉さんの自由にさせてあげますから、存分に堪能してください」 頷いてみせた葛葉さんが俺の股間に顔をうずめる。剥き出しになった亀頭から責めてくるのかと思いきや、生温かい吐息が掛かったのは根本にある陰嚢―― あれ? と思っていると、次の瞬間、陰嚢がぬっちょりとした感触に包まれた。 「あむぅ、んっ、ずっ、ずじゅっ……」 「ちょ、いきなり金玉とか……!」 予想だにしてなかった部位。困惑と快楽が入り交じった奇妙な感覚が胸に広がった。 「れろっ、んれろっ、ちゅるっ……ちゅっ、んじゅっ……」 口から陰嚢を出した葛葉さんは濡れた舌をべったりとはりつけ、れろれろと舐め上げた。玉袋の裏側に生じる珍奇な感じに、ペニスがピクンと打ち震える。嬉しげに目を細めた葛葉さんは、ぷるんとした口唇を開いてまたも陰嚢を口内に収めた。粘度の高い、蜜のような唾液に溺れさせながらちゅっ、ちぅっといやらしく吸引する。 「どこでこんな技を……!」 フェラといったらまず亀頭だろうという先入観を持っていた俺は、葛葉さんの意外な口撃に舌を巻いた。 「ぷぁっ。人間の殿方はここで子種を作られるんですよね? 今日はたっぷり出していただきたいから……」 「なるほど……。そういう……」 「れろ、んえろっ、れろっ……。ちゅっ、ちぅっ、ちゅっ……」 疲れを癒やすような優しい口技が再び陰嚢を包み込む。母親の子宮でたゆたうような快楽に浸っていると、何かの合図のように柔らかい口唇でキュムキュムと金玉を挟まれた。ゾクゾクとした性感が背中を走る。 「うぁっ、そ、それっ……」 「もっと、気持ちよふなっへくらはい……。ちゅるっ、ちゅるりゅっ……!」 今度は陰嚢を強く吸い立てられた。玉は葛葉さんの口内半ばまで入り込み、そこで舌に弄ばれる。 「ぢゅるっ、ちゅぷっ、ちゅっ、ちゅるりゅっ、ずちゅっ、ちゅっちゅっ! んはぁっ……、ちゅるっ、んれろっ、んえろっ、えろれろっ……」 「あ、ちょ、あ……!」 「えろれろっ、んれろっ、んっ、ふっ……。んっ、ずっ、ずずっ、ぢゅるっ、ちゅむっ、ぢゅるりゅっ、じゅるっ、んれろっ、じゅるっ、ぢゅっ、れろれろっ、ぢゅるりゅっ!」 「く、葛葉さん……! ヤバすぎますそれ……! 睾丸が取れちゃいそうな、ヘンな感覚……!」 「んぁっ……、ご、ごめんなさい……。史郎さんにご奉仕してると思うと、気持ちが逸ってしまって、つい……」 「いえ、別にいいですけど。今のも気持ちよすぎてヤバいって話なんで」 「良かった……。もう少し、優しくご奉仕しますね……」 か細い指先に先走りをなじませた葛葉さんが、今度は亀頭のマッサージを開始した。尿道口に指を這わせながら、ぷっくりと張りつめた敏感な皮膚を優しく撫でさする。 「くっ……」 「おちんちんの先っぽからお汁がいっぱい溢れて……。これも気持ちよくなっていただいた証、なんですよね……?」 「ですね。葛葉さんのそのほっそりとした指にくちゅくちゅされるの最高です」 「私も……、史郎さんのおちんちん触ってると、身体の芯が熱くなってきちゃいます……。硬くて、逞しくて……。んっ……、我慢、できません……」 亀頭への手淫によって己の肉欲も高めてしまったのか、牝の表情を浮かべた葛葉さんは改めて俺の股間に顔をうずめた。またもや陰嚢を口に含み、どろどろの唾液に玉を浸らせながら、時折りちゅーっと優しく吸い立ててくる。 「あっ……、すご、気持ち、いい……」 「うれひいれふ……。もっときもちよくなって……。ちゅっ……ちゅるっ……ちゅっ……ちゅむっ……」 ゆるゆるとせり上がってくる射精欲。 夜中に燐火とぶっ倒れるほど激しいセックスをしたばかりだってのにもう出したくなるなんて……。 しかも出るのは特濃の子種汁という予感があった。白いマグマのようなどろどろザーメン。それが射精管を灼きながらゆっくりと進んでいくのを感じる。 「出ちゃいそうですか……? ちゅるっ……、ちゅむっ……、ちゅっ……。史郎さんのおちんちんピクピクしてます……」 嬉しそうに微笑んだ葛葉さんは、先走りと唾液にまみれたペニスへと愛おしげに頬ずりしてきた。 完成された優美な美貌に性欲の権化を押しつける下卑た欲望が満たされ、喉が自然と鳴った。 「そんなに好きなんですか? 俺のちんぽ」 「はい……。これほど胸が高鳴るなんて思ってませんでしたから自分でも驚いてます……。でも誤解しないでくださいね……。私が好……好意を覚えているのは史郎さんになんです……。だからこうやってご奉仕したくなるんです……」 「そ、それって……?」 「も、もっとお舐めしますね……! ちゅぷっ、ちゅっちゅっちゅっ、ぢゅるっ、ちゅるりゅっ……!」 頬をいっそう上気させた葛葉さんは慌てたように俺の股ぐらに顔をうずめた。カウパーでどろどろになった亀頭を甘やかすように撫でさすりながら、また陰嚢をしゃぶりたてる。 「また、それ……!」 「ぷぁっ……。さきっぽ、お舐めしたほうがいいですか……?」 「いえ、続けてください……。なんか変な趣味に目覚めそうってだけで気持ちいいのは間違いないですから……」 「わかりました……。もっとほぐして差し上げますね……。……あむぅ。んっ、ちゅっ、じゅるっ、れろえろっ、じゅりゅるっ……!」 壊れ物を扱うように睾丸を優しく吸い立てる葛葉さん。そして口内に含んだまま舌でれりゅれりゅねぶってくる。そのあわせ技に胸のあたりから多幸感がにじみ出た。 こんなフェラのされ方があったとは……。あー、力が抜けていく……。 「んっ、んじゅっ……、れろえろっ、ちゅっ、ちゅるっ、じゅるるっ……」 金玉へのいやらしいフェラが続く中、裏筋への指による奉仕も続いていた。 氷細工のように白く美しい葛葉さんの指。それがグロテスクな裏筋を優しく撫であげる。しごいて追い立てるような強さはいっさいないのに、感部を的確に撫でさすられ尿道口からカウパーがどんどん溢れてくる。 「おひんひんっ……、さきっぽいっぱい濡れて……。もっと、ちゅっ、ちぅっ、もっと……」 亀頭をねっとり癒やしながら、陰嚢と陰嚢の間にあるペニスの付け根にちゅ、と口づける葛葉さん。柔らかい口唇の感触が敏感な部位を襲い、かと思ったら尖らせた舌でつんつんと突っついてもきた。 「あ、も、やばい……!」 「史郎さんのおちんちんっ、おしゃぶりできてっ、幸せっ、ですっ……! ちゅっ、ちゅむっ、んれろっ、えろっ、れろえろっ。ちゅうっ、ちゅっ、ぢゅりゅるっ……!」 男性器への卑猥な奉仕がすごすぎる。 これが種乞い狐の御業ということなのか、葛葉さんの口技は長年にわたって男のペニスに尽くしてきた娼婦のようにいやらしかった。 「で、る……!」 押し寄せる快楽に堪えることができず、その瞬間はあっさりと訪れた。 陰嚢への新鮮な刺激に高ぶった性欲が白濁した汁となって尿道を駆け抜け、びゅっびゅっと肉竿の先端で爆ぜる。 ペニスから流れ出る無上の悦び。だらしなく涎を垂れ流しながらそれにひたっていると、亀頭がねっとりとした感触に包まれたのが判った。 「んくっ、んくっ、んずっ……」 「葛葉、さん……!」 快楽にスパーク中の頭を無理やり動かし葛葉さんの様子を確認すると、陰嚢から亀頭に口を移したのが見て取れた。 飲んで、くれてるのか……。 子種をたっぷり含んだどろどろのザーメンを嚥下していく葛葉さん。征服感に腰がぶるり、と震える。 「んぐっ、んくっ、んんっ……。んぁっ、はっ……あっ……。……すごく、濃厚でした、史郎さんの子種。……んっ、ちゅっ、れろ、えろっ……」 精液を飲みきった葛葉さんは、うっとりとした瞳を俺に向けながらお掃除フェラを始めた。射精したばかりで感度が高まってたけど、口遣いはそれを考慮した優しさがあった。 「あ、また、金玉の裏まで……」 それでいて手を抜くことはなく、男性器の至るところを可憐な口唇と舌で清めてくる。その奉仕の心と感部への刺激に、ペニスはあっさりと回復した。亀頭にもじんじんとした肉欲がまとわりついており、次弾を撃つ準備は既に万端のようだ。 「今日は史郎さんをお離ししません……」 葛葉さんは婉然と微笑み、俺を湯殿へと誘導した。 他の漫画を見る