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26: ひとりの女として(肆)

男性経験について白状する、と言ってからも葛葉さんはなかなか口を開こうとしなかった。
その間にもちゃぷり、と湯が溢れて糖蜜色に光る檜張りの床やら敷布やらを濡らしていく。
葛葉さんも何とか言葉を紡ごうとその美しい口唇を動かすが――

「はーっ…………」

結局は固唾を呑んで見守る俺を焦らすように、吸い込んだ息を大きく吐き出すばかりだ。

「ああもう、いい加減にしてくださいよ」
「んんっ、はぁんっ……!」

抗議の意を込め、膣奥を挿し込んだままのペニスで突く。葛葉さんの媚肉は驚くほど火照り、そして粘度の高い愛液でぬっちょりと濡れていた。イッた直後というのもあるけど、彼女の全身を横溢する羞恥がまんこも熱く滑らせているようだ。

「ダメ、ですっ……。今は敏感になってますからっ……、んぁっ、んんっ……、動かないでぇ……」
「これは葛葉さんが悪いんです。俺をどこまでも焦らそうとするから。罰を与えられたくなかったら早く白状してください」
「わ、わかりました……。いいます、いいますからぁ……」

普段の彼女からは想像もつかない千日手に、奥を徹底的に突いて口を割らせようとしたところ、葛葉さんは今度こそ観念したかのようにそう言った。
そして俺から視線を外し、顔を両手で覆いながらポツリとつぶやく。

「…………です」
「? 聞こえないです」
「……だけです」
「だから聞こえないですって」

ほっそりとした両手首を掴み、床に押しつける。露わになった葛葉さんの顔は、俺も初めて見るぐらいに弱りきっていた。
めちゃくちゃに泣かせてしまいたい――
そんな獣欲を必死に抑え込みながら葛葉さんの言葉を待つ。

「私の、殿方経験は…………」
「はい……」
「殿方経験は…………」
「はい……」

行燈の明かりに濡れた美しい金髪。その奥で儚げに揺れていた赫い瞳がきゅっと閉じられた。

「し……、」
「し……?」
「し、史郎さんだけです……!」
「はい……?」

ふたりとか、三人とか、あるいは一〇人とか、数字が出てくるものだとばかり思っていたので、何を言われたのか瞬時には理解できなかった。そして言葉を咀嚼した後に湧いてきたのは――怒り、だった。

「この期に及んで嘘なんかつかないでくださいよ……!」

たおやかな手首を床にいっそう押しつけながら乱暴に腰を叩きつける。葛葉さんのどすけべボディが撓り、可憐な顎が跳ね上がって張りつめた乳房がぶるんぶるんと揺れた。それでも俺は構わず腰を二回、三回と叩きつけていく。

「嘘なんかっ、ついてないですっ! んはぁっ! あっ、あんっ、らめっ! うそじゃない、のっ……! しんじて、史郎さんっ……!」
「じゃあなんであんな男を悦ばせる手管に長けてるんですか……! パイズリとか乳洗いとか……、俺の他にここへ来た中年オヤジにでもねちっこく仕込まれたんじゃないんですか……!?」

ぱんっ、ぱんっ、ぱちゅんっ、ぱちゅんっ!

「んはっ、ひっ、ふぅんっ……。ちがっ、いますっ……! 母からの、口伝、なんですっ……!」

ぱんっ、ぱんっ、ぱちゅんっ、ちゅうぅっ……! 子宮口に亀頭を押しつけ、卑猥すぎる接吻を交わしつつ俺はそこで動くのをやめた。

「お母さん、からの……?」
「はい……。んっ……、性技に関してはまず母が父から教わって……、それを私も教えてもらったんです……」
「あー、そういうルートが……」

それは妙に納得のいく話だった。こんなソープ部屋を作ってしまうだけあって、葛葉さんたちの親父さんは相当の好き者だろう。母狐が仕込まれて、その手管が葛葉さんに伝わったという可能性は充分に考えられる。
釈明を吟味する俺に、葛葉さんが追加で言葉を紡いだ。

「私たちは、種が混じらないよう同時に複数の殿方をお迎えしないようにしてますから……。こう見えて誰かれ構わず、というわけじゃないんです……。それに……」
「……それに?」
「父が去ったあと、幻燈亭に訪れたのは史郎さんだけですから……。他の殿方と結ばれる機会そのものがありません……。これは燐火に確認をとっていただければハッキリすると思います……」
「もし誰かが幻燈亭に訪れていたらあいつも知ってるはず、ってことですか……」
「それもありますし、以前ご説明したように人間の殿方をお招きするのはあの子の役目でしたから……」
「そういえば燐火の担当でしたっけ……。葛葉さんじゃ力が強すぎて人間界には行けないんでしたよね……?」

こくり、と頷く葛葉さん。
状況証拠的には葛葉さんの言葉が正しいような気がしてきた。だが、これだけじゃ決定的な点がクリアにならない。

「いや、でも……。葛葉さん処女じゃなかったじゃないですか。膜もなかったし、挿し込んだ感触も初めてって感じがしなくて……」

葛葉さんのおまんこは俺が初めて貫いた時にはもう処女膜がなかったし、膣肉も処女特有の固さがなくとろっとろだった。それなりに開発されたと思しきあの穴の感触が初めてのモノだとは思えない。

「それは……、」羞恥をたっぷり含んだ表情で、葛葉さんが喘ぐようにつぶやく。「自分の指で……、貫きましたから……。己の指で膜を破り、何度も挿し貫いて膣を開発……したんです……」
「な、なぜそんなことを……?」

俺の言葉に、葛葉さんの肩がさぁ――っと赤くなった。全身の肌が紅潮し、雪のように真白な柔肌が淫靡に染まっていく。

「だって私……、」

唾を飲み込み、葛葉さんの言葉を待つ。
が、それは思いもよらぬ一言で――

「今年でごにょごにょ歳なんです……。なのに処女、なんて知られたくなかったから……」
「へ……? えーっと何歳なんです? そこ良く聞こえなかったんですが……」
「いやっ、言わせないでくださいっ……!」

俺の手を振りほどいた葛葉さんはイヤイヤと首を振りながら最後には横を向き、顔を隠し紅い瞳だけこちらに向けてきた。水分を含んで照り輝いた金髪が、俺を煽るように散らばる。

「人間の殿方にとって私は行き遅れ処女、なんですよね……? いじめる対象、なんですよね……?」
「な、なんですか、その行き遅れ処女とかいじめる対象とかってのは……」
「母が言ってたんです……。行き遅れ処女って父に散々いじめられたって……。あの温厚で優しかった父が臥所の中では『へえロリババア狐のくせに処女だなんて恥ずかしいね、翠は。千年も生きてきてまだ男を知らないなんて……』と散々なじってきたって……。『その恥ずかしい年増穴を僕のちんぽで貫いて大人の女にしてあげるよ』って……」

親父さん……。あんたなんてことを……。軽くドン引きだよ……。

「『人間のオスというものはじゃな、年増処女を見たらいじめずにはいられぬケダモノなのじゃ。しかも性格が老成していたり、外見が成熟していたりするといっそう滾ってしまうものらしい。葛葉も気をつけるんじゃぞ』って母に忠告されて、だから私……」
「いやもうそれは完全な誤解では……」
「? どういう、ことでしょうか……?」
「ともかく俺としては――良かったですよ、葛葉さんが処女で」
「んっ……、史郎、さんっ……」

その柔らかな女体に抱きつき、耳元へと直に言葉を吹きかけると、葛葉さんは俺の腕の中でむずかるように体を震わせた。

「親父さんも、舞い上がってしまっただけだと思いますよ」
「舞い上がる……。母が処女で嬉しかったってことですか……?」
「そうです。同じ人間の男として断言しますけど、好いた女の子が処女で喜ばないヤツなんていませんよ。お母さん、千年もの長いあいだを生きてきたんですよね? 処女だと期待してなかったところにそう教えられて思わず滾ってしまったんでしょう。年増処女だなんだというのも酒の肴みたいなもんで、言葉責めというかプレイの一貫です、多分」

「言葉責め……? ぷれい……?」

とにかくですね――と言いながら俺は体を起こし、葛葉さんを真正面から見据えた。

「逆に考えてみてほしいんです」
「逆……?」
「俺が葛葉さんとか燐火とか月夜以外の女性に甘い言葉を囁きながら種付けをしてるって思ったら嫉妬しちゃいませんか? ――って、いきなり膣をキュキュッ! って締め上げるのやめてください……!」
「ご、ごめんなさい……。今のは体が勝手に……。でも確かに胸がざわつきました……。嫌な気分になって、そんなことしていただきたくないって感じて……。これが嫉妬、なんでしょうか……?」
「ええ。でも逆なら嬉しいでしょう? そういう話なんですよ。――で、念のための確認ですが……」

葛葉さんの熟れきった女体をしっかりと抱きしめた俺は、膣奥まで挿し込んでいたペニスで子宮口をぐりぐりと刺激した。

「んっ、ぁっ……! し、史郎さんっ、そんなっ、急にっ……」
「こうやって葛葉さんの膣内にペニスを挿れて、子宮口に卑猥なキスをしたことがある男は俺だけってことでいいですか……? 俺の目を見て答えてください……」

弱りきったように葛葉さんの瞳が伏せられる。が、俺の「目を見て」という言葉に反応し、頬を羞恥に染めながらも視線を持ち上げこくりと頷いた。

「し、史郎さんだけです……。んぁっ、奥っ、らめですっ……!」

こちゅぅっ……、こちゅぅっ……!
腰をいやらしく動かし、亀頭と子宮口の卑猥なキスを繰り返しながら葛葉さんに迫る。

「何が俺だけなんですか……? もっと具体的に教えてください……」
「あんっ、あっ……。こうやってぇ、んっ、はんっ……! やや子部屋の入り口を小突くのとかっ……、私の中に入ってきたことがあるのはっ、史郎さんのおちんちんだけですっ……!」

その一言に、征服欲が満たされる。

「なら当然、葛葉さんの子宮に入ったことがあるのは俺の子種汁だけ、ですよね……?」
「はっ、あっ、あぁっ……! そうですっ、んはぁっ、史郎さんのお種だけ、ですっ……!」

充足感で胸がいっぱいになり、ペニスがいっそう猛り狂う。

「それ……、これからも“そう”ってことでいいですか……? 葛葉さんのこと、責任を持って俺が孕ませますから……、だから他の男には抱かれずにずっと俺のモノで居てくれるってことでいいですか……?」
「な、なります……。史郎さんのモノになりますから、私を孕ませてください……。史郎さんのやや子、産みたい……」

仰向けになった葛葉さんに覆い被さっていた俺は、彼女の体を優しく抱きしめた。股間はつながったまま、どちらからともなく口唇でもつながり合う。

「んちゅっ……、ちゅっ、ちぅっ……、れろっ、んれろっ、んっ、ちゅっ、れろっ、んちゅっ……!」

全身で交わり合うこの感覚……、気持ちよすぎる……、身も心も蕩けていきそうだ……。
名残惜しかったけどキスを解いた俺は、体を起こし、正常位の体勢を取り直した。

「じゃあ早速、また精液を注ぎ込みますね――」
「あの……。その前に、私からもいいでしょうか……?」
「えっと、はい。なんでしょう……?」

あれ……? このままあんあんコース一直線のはずが……?
流れがぶった切られたような感覚に陥っていると葛葉さんが優美な笑顔を向けてきた。いつかどこかで見た、底抜けに優しい笑み。

「先ほどの、私たち三姉妹以外の女性に甘い言葉を囁きながら種付けされている、というのは本当なのでしょうか?」

ぞくり、と背筋に寒気が走った。

「え? あ、それは違いますよ、言葉の綾ってやつで……」
「言葉の綾……。ということはそのような経験はおありでない、とそういうことでよろしいのでしょうか?」

にこにこ、と笑う葛葉さん。しかしそれが却って怖すぎる……!
実際のところ、ここ最近は「ない」。ただ、過去にそういったことが一度もなかったかというと「ある」のだ……。

(いや俺だっていい年ですからね? 勢いでその時の付き合ってた女の子と生ハメ中出しのセックスに及んだことぐらい一度や二度……、正確にはもう少しあるわけで……)

ただ繰り返しになるけど、ここ最近は「ない」。だから葛葉さんの質問に臆する必要なんてなにもないはず――のだが、葛葉さんにアレだけしつこく処女かどうか聞いておきながら自分はよその女に子種汁そそいで来ましたとはさすがに言いにくい……。なので――

「無い……、といえば無いですねハイ」

という言葉でお茶を濁そうとしたが、葛葉さんは許してくれなかった。

「目を見て、はっきりと仰っていただけますか……? うふ、私には相手の瞳を覗き込めば嘘かどうか見抜く力があるんです……」
「ええっ!? なんですかそのチート能力は!」
「ふふ。史郎さんは『私たち三姉妹以外の女性に甘い言葉を囁きながら種付けしたことはない』ということでよろしいのでしょうか?」

際限なく深くなっていく葛葉さんの笑み。ヤベえ、ヤベえよ……!

「それはそのですね、何と申し上げればいいのか、どうお話しても語弊がありそうで説明が難しいといいますか……」
「率直に、仰ってくださればいいんですよ……? うふふ……」

焦ってるせいもあって口がまったく回らないし、葛葉さんも簡単に言いくるめられてくれそうになかった。
これはいよいよマズい……。
とにかくここはいちど戦略的方向転換――またの名を逃走――しておこう。うん、そうしよう。

「あのすみません葛葉さん、ちょっと用事を思いだいてしまいました。今日はこの辺りで……」
「うふふ、ダメですよ……」

体を起こそうとした俺の背に、葛葉さんの嫋やかな腕が回された。俺を抱き寄せ、極上の乳肉を押し当ててくる。

「私も史郎さんのことがもっと知りたいです……。包み隠さず教えてくださいね……?」
「えーっとしかしそれはですね……」

言い逃れようとしているのがバレたのか、葛葉さんは乳房だけでなく膣穴でも俺を責め出した。

「うふふ……、“下のお口”にお伺いした方が早いのかしら……?」
「あっ、葛葉さんダメっ! まんこうねらせないでっ! さっきイキかけてたのずっと我慢してたからっ! 出る、あっ、出るっ! 出るっ、出ちゃうっ、イッちゃうーっ!」

本気を出した種乞い狐まんこに責められ、けっきょく口を割ってしまう俺なのだった……。

「はーっ……。いい湯ですねぇ……」

精液をこってり搾られ観念した俺は、これまでの女性経験を葛葉さんに包み隠さず白状した。

『これからは私たち三姉妹が史郎さんの猛りをお鎮めいたしますから、どうか他の女性
にょしょう
にはお手つきしないでいただけると……。すみません、このようなことまでお願いしてしまって……』

平静さを取り戻した葛葉さんは申し訳なさそうにしつつ、それでも要望をハッキリと口にした。
俺としてもその願いに否やはないというか、元々そうするつもりだったので、二つ返事でオーケーした。
で、いったん風呂に入って落ち着こうということになり、お互いの体をいちゃいちゃと洗いっこし、ちょうど今、湯船に浸かったところ。
くぅ……っ、熱めの湯が体に染み渡るぅ……っ!

「失礼いたします……」

立ちこめる湯気の向こうから葛葉さんが現れ、ちゃぷり、と俺の傍で腰を下ろす。
腰まで伸びた長い髪は頭の後ろで結んであり、普段は見ることのできないうなじが露わになっていた。

「あの、何か変でしょうか……?」

まじまじと見ていたせいか、葛葉さんが恥ずかしそうに顔を赤くする。

「あ、いや、葛葉さんいつも髪を下ろしてるでしょう? そうやって結い上げてるのが妙に色っぽくて……。綺麗ですよ、すごく……」
「あ、ありがとうございます……」

何度も体を重ねてるし、特に今日は葛葉さんを抱きっぱなしだけど、こうやって見るとほんと美人っていうか、俺なんかが彼女とそんな関係になっていいんだろうか? なんて落ち着かない気持ちになる。

(でもまあそうなってしまったものはしょうがないし、だったらそうなった今をちゃんと楽しまないとな)

というわけで――

「葛葉さん、こっち来ませんか? せっかくの機会だから葛葉さんともっと密着したい」

股を広げ、自分の前をちょいちょいと指差すと、恥ずかしそうにしつつも、葛葉さんは応じてくれた。

「失礼します……。あっ――」

俺に背を向ける格好で湯に浸かり直した葛葉さんが、小さな悲鳴を上げる。
その反応にニンマリと笑みを浮かべながら、俺は後ろから彼女を抱きしめた。

「そりゃ葛葉さんとこうやって触れ合えるって思ったらちんぽもおっきくなっちゃいますって」

流麗な曲線を描くお腹に腕を回し、うなじに鼻をうずめ、尻肉にペニスを押しつけながら葛葉さんの柔らかさを堪能する。

「史郎さんのえっち……」
「違いますよ、葛葉さんの体がえっちなんです」
「そんな……。私のせいですか……?」
「ええもちろん。こんなどすけべボディを前にして勃起せずにいられるちんぽなんてこの世にありはしないですよ」
「もう……、史郎さんったら……」

甘い睦言を交わしながら、抱きしめる腕に力を込め、密着の度合いをさらに高めていく。
葛葉さんは葛葉さんで満更でもないのか、俺に体を預け、されるがままになっていた。

「それにしても俺がここに来てから二週間とちょっとでしたっけ。改めて考えると劇的な変化にびっくりしてしまいますね。以前の自分にこうなるぞ、って言ってもまず信じないですよ」

不思議な宿に、不思議な三姉妹。それらと出会って人生が変わってしまうなんて、お伽話として聞く分にはアリだろうが、当事者になるとは夢にも思わない。

「ふふ……。私は史郎さんが来てくださるのを今か今かとお待ちしていたんですよ……?」
「あれ、そうなんですか?」
「はい……。お名前こそ存じ上げなかったですけど、姿形や人となりは燐火から聞いていましたから……」
「そうでしたか……。じゃあ葛葉さんは以前からこうなることを予測してたんですね……」
「どうしたら史郎さんが私たちを受け入れてくださるかということはすごく考えましたし、私たちも史郎さんを受け入れられるかどうか不安に思っていたところはありました……」
「お互い上手く馴染めて良かったですね……」

偶然に偶然が重なった部分もあるような気がするけど、落ち着いた先は決して悪くない。
が、葛葉さんとしては思うところもあるらしい。

「でもまだ思うんです……。史郎さんを巻き込んで本当に良かったのか、って……」
「葛葉さん……」
「ごめんなさい、今さらこんなことを言って……。でもぜんぶ私たちの都合ですから……。これまで色々お願いしてきてますけど、史郎さんは気にせず御自分で決められた道を――んっ……」

葛葉さんを後ろに向かせ、その口唇を奪う。

「んっ、ちゅっ……、ちゅるっ、れろっ……、んちゅっ……」

種乞い狐にさらわれた歴代の失踪者がどういう気持ちだったか知らないけど――
俺はさらわれて良かったって気持ちしかないな……。

「史郎さん……」

口唇を離すと、葛葉さんは何かをねだるような声を出した。牡を求める、しっとりと濡れた牝の声。
すでに三発ぐらい射精してるにもかかわらず、肉棒がまた葛葉さんの牝穴を求め始める。

「俺はみんなと出会えて良かったって思ってますし、何の後悔もありません。燐火も月夜も、そして葛葉さんも孕ませるって決めてますから……」

御簾の掛けられた畳敷きの一角に視線を向ける。俺たちを誘うように敷かれた、大きめの布団が見えた。

「行きましょうか……」
「はい……、史郎さん……」

交わることしか考えられなくなった俺たちは、体を重ね合いながら風呂から上がった。

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