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深まる関係(前編)

「この問題はね、こうしておけば良いよ」

「成る程、分かりました。
ちょっとこの問題が分かりませんでしたので、祐介さんに見てもらって正解でした」

霞さんに分からない問題があるから教えて欲しいとお願いされまして、その問題を教えると、直ぐに理解して問題を解きました。

樹里さんと梓さんから霞さんは優等生と聞いていますが、優秀な彼女でも難しい問題があるモノです。

「霞ちゃん、飲み込み早いから教え甲斐があるよ。
俺の話を直ぐに理解するからね」

「そんな事はありません。
祐介さんの教え方がとても上手ですから」

相変わらず事務的で無表情な霞さんです。

「他に分からないトコはあるかな?」

「まだありますので、そこも教えてもらえますか?」

「良いよ、どれどれ……ああそれはね……」

まだ難しい問題があり、そこを教えるとアッサリと解きました。

優等生は本当に飲み込みが早いです。

流石は樹里さんの娘さんだけあって優秀です。

「二人とももう遅いからお勉強はその位にしなさい。
霞、お茶持ってきたからこれ飲んだらもう寝なさい。
明日は土曜日で学校休みなのだから、お勉強の続きは明日にしなさいな」

「でもママ、まだ気になる所があるから……」

「いけません。
祐介君はお仕事で疲れてるのだから、あまり祐介君に負担掛けちゃダメよ」

「……分かったわ。
仕方ないから今日はこれで切り上げて寝るわ」

勉強中に樹里さんがお茶の入った二人分のグラスを持ってきて、霞さんに勉強を止めて寝るように促し、霞さんは渋々と言った感じで勉強を止めました。

「祐介さん、明日も勉強見てくれますか?」

「それは良いけど、霞ちゃんならもう大丈夫だと思うけど?」

理解力もあり、後は自力で勉強すれば大丈夫と思うのですが、霞さんはまだ不安なのだそうです。

「まだまだ分からない所がありますので……ねえママ、受験まで祐介さんに勉強教えてもらっても良いかしら?」

「あら、流石の霞でも自信がないのかしら?そうね、祐介君が良いなら私は構わないわよ。
祐介君、もし良かったらこの子の受験勉強見てもらえるかしら?」

「この私が樹里さんのお願いを断るワケがないでしょう?この田代祐介、喜んで受験まで霞ちゃんの勉強を見ましょうぞ!」

巨乳紳士として樹里さんのお願いを喜んで受けました。

「ありがとう祐介君♪じゃあ梓の勉強も見てくれるかしら?あの子、霞と違って少しお勉強が苦手だから困っていたのだけど、祐介君が見てくれると安心だわ」

「お任せ下さい!この田代祐介、責任を持って梓ちゃんも指導致しましょうぞ!」

樹里さんの豊か過ぎる爆乳を見て大事な娘さんのお勉強を引き受けました。

「……祐介さん、ママの胸見過ぎじゃないですか?」

「あらあら、別に良いわよその位はね♪ホラ二人とも、これを飲みなさいな♪」

「アハハ……じゃあ頂きます」

霞さんはジト目で私を睨み、そうツッコんで樹里さんが持ってきた麦茶を飲み、私も飲んだ時でした。

「アッ……何か……急に眠くなってきたわ……」

「あらあら霞、お勉強のし過ぎで疲れたのでしょ?ホラ霞、早くベッドで寝なさいな」

「うん……」

麦茶を飲んだ途端、霞さんが眠たそうになって、樹里さんが霞さんをベッドに運んで寝かせると霞さんは仰向けになって直ぐに寝息を立てて眠りました。

「スーッ、スーッ……」

お茶を飲んだ途端にこうも早く可愛い寝息を立てて爆睡するとは相当、受験勉強のし過ぎによる疲労なのかも知れませんね。

「祐介君、霞が寝たから私達もそろそろお部屋に行きましょう♪」

「それなら梓ちゃんの勉強見てからでも」

「梓も寝ちゃったわよ♪娘達のお勉強は明日見てちょうだい♪」

「そ、そうか……梓ちゃんも寝ちゃったんだね?」

何と霞さんの後に勉強を教える約束をしていた梓さんも寝てしまったそうです。

樹里さんに手を引かれて霞さんの部屋を後にして、ご夫婦の寝室に……ではなく、樹里さんの個室に連れて行かれました。

ご主人との夫婦関係はスッカリ冷め、夫婦の寝室は既に物置になったそうで、霞さんの部屋より少し広いお部屋で、大人の女性だけあってアダルティな感じのお部屋です。

「ねえ祐介君……」

「な、何かな樹里さん?」

お部屋に入ると、樹里さんが笑顔でただならぬ雰囲気を醸し出してお美しいお口を開きました。

「私ね、もうあの人と別れようと思ってるの。
霞と梓が成人するまで待つつもりだったけれどね……」

「…………」

何となくですが、そんな気がしていました。

ご主人との通話の時に険しい顔して、通話の内容は分かりませんが相当な事情があったのでしょう。

「あの人、さっきの電話で私と離婚して欲しいんですって。
この家も娘達も私に譲るから別れてくれって言ってきたのよ♪」

「……それで、樹里さんは旦那さんに何て言ったの?」

「もうあの人と通話する気がなくなったから、メールでどうぞご自由に♪って返信してあげたわ♪そしたらあの人もメールで離婚届を送るから記入したら役所に出せですって♪全く、何もかも私に押し付けて最後は私達を捨てて若い不倫相手に入れ上げるんじゃない?」

「…………」

何も言えませんでした。

どのような理由にしろ、ご主人のしている事は許される事ではありませんが、これは樹里さん夫妻の問題で私が関わって良い事ではありません。

「祐介君、もうこんな話は止めましょ。
数日で別れる主人の事なんか気にしないで、今は祐介君が私を愛してくれたら良いから♡」

ご主人の話を止め、樹里さんは両目を閉じて唇を差し出してきたのはキスをして欲しいの合図と分かり、彼女を抱き締めて熱いキスを交わしました。

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