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「今度は指名客の数で勝負よ!」
「いや、風俗嬢ではないんですから」

放課後、リリカはナミカに呼び出しを受けていた。ナミカはリリカに対抗意識を燃やしており、事あるごとに勝負毎を挑んでくる。

リリカはナミカの言葉に鋭い突っ込みを入れた。

「身体は売らないわよ。それに基本的にはバトルファック選手は風俗サービスを行うことを禁止されてるしね。でも例外が一つだけあるでしょ?」
「オナクラ、ですか」
「そう。オナクラ。男をえっちなポーズで誘惑したりして、射精させるサービス。バトルファックの練習になるって事で風俗店の中でも敷居が低くなったサービスよね。そこで一日、指名客の多さで勝負しましょう」
「いいですが、手続きとか面倒じゃないですか」
「ふふっ、もう根回し済よ。ということで行きましょ」

ナミカの勢いに押されるままに何処からかやってきた車に乗せられるリリカ。車で移動すること数十分、リリカはいつの間にか都内の一角にあるオナクラの暖簾を潜っていた。

「私とナミカさんの写真がお店に飾られてる……」
「そう。後は指名を待つだけってこと。今回は身体的接触があるオプションは排除してあるから純粋に見抜きサービスだけってことになるわね。悪いけど今回は勝たせてもらうわ」
「随分と自信があるみたいですね」
「もちろんよ、私可愛いもの。外見の可愛さだけならあんたにも負けてないし。むしろちょっぴり勝ってると思ってるし」
「そうですか」

リリカはナミカの言葉に興味なさそうに相槌を返す。店内に出勤している嬢はおらず、リリカとナミカしか出勤している娘はいないようだった。そのため、直ぐに呼び出しのベルがなる。

「リリカさん、お客様からご指名が入りました」
「ムキー! なんで最初の指名があんたなのよ!」

店のボーイからの呼び出しと後ろで喚くナミカの声を尻目にリリカは店内の細い通路を通って、客が待機している一室へと入室する。

ガラス張りのケースに区切られた一室の前で鼻息を荒くした男がリリカの登場に目を見開いた。

「可愛い……」
「ありがとうございます♡」

リリカも切り替えて、男を射精させるためにポーズを取る。店のサービス内容は客の射精一回か二十分経過でサービス終了のようだ。延長はナミカの権限で廃止しているようなので純粋に男性を素早く射精させた方が回転率は上がる。

リリカはナミカの勝負を受けた。受けた以上は全力を尽くすつもりである。目の前の男もお金を払ってくれたお客さんである。自分を指名してくれた以上、リリカはきっちりお客さんに満足してもらいたかった。

「リリカのおパンツ見てください♡」

リリカが屈んで、男の前でパンツを見せつける。リリカのミニスカートから覗く白い足とお尻を突き出した蠱惑的なポージングに男のズボンが盛り上がっていった。

「勃起しちゃってますね♡ 扱いてもいいですよ♡」
「う、うんっ」

リリカの言葉に男がズボンを脱いで、ペニスを直接扱き出す。リリカの下着を見ながら、男は一心不乱に自慰を行っていた。

「リリカでいっぱいオナニーしてください♡ たっくさんせーしお漏らししてくれると嬉しいです♡」
「はあっ、はあっ」

男は屈んだリリカの姿を見てペニスを扱いていた。リリカは男のペニスを扱くペースが速くなってきたのを確認し、行動を起こした。リリカは足を大きく広げて、男の前に晒す。

「リリカのおまんこはここです♡ おちんちん、ここに目掛けていっぱいせーしぴゅっぴゅしてください♡」

リリカは男の目の前でパンツ越しに自身の秘部、下着の部分をアピールする。男はリリカのその姿に限界を迎えた。

「リ、リリカちゃあん!!」

どぴゅ、どぴゅ、ぴゅぴゅ!!

自慰を行っていた男の両手の間から精子が噴き出ていた。リリカのおまんこ目掛けて、ガラスにぶつかっていく精子。なおも男のペニスの脈打ちは止まらずに精子がリリカと男を隔てるガラスへ降り注いだ。

「あ、熱いです♡ リリカの中、お客さんのでいっぱいです♡ このままリリカのおまんこ、掻き回してください♡」
「挿れたい、挿れたいよぉ」

リリカの下着姿を見ながら、ペニスを抑えながら射精し尚も男は勃起が静まらない。男はガラスにゴン、ゴンと勃起したペニスをぶつけながらリリカに願望を強請る。

「ふふっ。そういうサービスはありませんよ♡ でも可哀想ですからもう一回くらい射精させてあげます♡ 私でしっかり抜いてくださいね♡」
「はあっはあっ」

リリカは順調に指名を増やしていき、男を相手にしていた。

リリカが男を射精させている頃、ナミカもまた男から指名を受けていた――。

ナミカの目の前には股間にテントを張っている若い男が立っている。ナミカは自慢の胸を強調するように腕を組み、谷間を作る。そして、上目遣いで男を見つめた。ナミカの視線と仕草に男は興奮を隠しきれずに鼻息を荒くしている。

ナミカは男を誘惑するように、身体をクネらせる。

男に見せつけるようにして、腰を振るナミカ。その度に揺れる大きな胸に男の目線が釘付けになる。ナミカは自身の色気を最大限に活かすポーズを取り続けた。ナミカの色気にやられた男は顔を真っ赤にして、ナミカから目を離せなくなっていた。

「ね、触りたい?」

ナミカはわざとらしく、手で胸を動かして男の欲望を煽るようにガラス越しで見せつける。

「さ、さわ、さ、触らせてくだしゃいっ!」

男は緊張のあまり噛みながらもナミカに懇願した。

「はい、ルール違反。おさわりは禁止だからね。私のおっぱい見て、あんたは抜くの」
「そ、そんなぁ……」

男は悲痛な声を上げる。

「なら一分間私を見てシコること。それで射精を我慢できたらお店の外でシてあげる♡」

ナミカの提案に男は即座に反応する。

「やります! やらせてください!」
「いいわよ。ただし、射精したら今の話はナシだからね。ほら、始めなさい」

ナミカの合図で男がズボンを脱ぎ捨ててペニスを取り出す。そのまま右手で激しくペニスを擦り始めた。

「ん、くぅ…」

男は必死に快感に耐えながら、ナミカを見続ける。ナミカの挑発的な表情と身体に男はどんどん追い込まれていく。男の呼吸は荒くなり、顔は紅潮していった。

それでも男は歯を食いしばり、懸命に手を動かすが……ナミカが男の変化を感じ取って言葉を投げかける。

「ん。射精していいわよ」

びゅるるるるるるる!!!

呆気なくナミカの言葉と共に男のペニスから精液が飛び散った。

ガラスにぶちまけられる精子。男は絶望の表情を浮かべていた。

「ま、我慢できないわよねぇ。私っていう極上のおかずを前に男が精子漏らさないはずないもの」

ナミカは勝ち誇った笑みを浮かべながら男を見下ろしていた。

プロリーグの女王と元女王、この二人の勝負は白熱した。

店はこれまでで最高の売り上げを叩き出し、SNSでバトルファックの女王に会える店として情報が出回った。

その結果。

「先にお店の方がパンクするなんてね。ま、面白かったからいいか。勝負も有耶無耶になっちゃったわね」
「仕方ありませんよ。それに勝負ならやはり――」

店の外、勝負を終えた二人が路上で向かい合う。リリカの青い瞳とナミカの桜色の瞳がぶつかり合った。

「リーグの成績で勝負ってことね。いいわよ、私もあんたにはもう負けたくない」
「ナミカさんは手ごわいですから、女王の座なんて簡単に奪われちゃうかもしれませんね」
「本気でそう思っているのかしら」
「ふふっ、もちろん本気ですよ♡」

一年前、男性プロ選手最強と評された一条ナギにKO勝利し、鮮烈なデビューを飾った怪物。

誰もが不幸なマッチだといった。女性ルーキーが可哀想だと、ナギからしても不毛な戦いだと。誰もがナギの勝利を確信していたのだ。

ナミカもそう思っていた。女性ルーキーが最強の選手に敗北して、終わりだと。

ナミカはその時の試合の結果を目を大きく見開いて見つめていた。

白濁に染まった会場、倒れている男性選手。美しく、可憐に微笑んでいる見覚えもないほどに輝いている女性選手。

その光景は衝撃的だった。
これでルーキーなのか。
ナミカは信じられない気持ちで一杯になった。
これが、あの女の戦い方なのか。
ナミカはその試合からリリカを意識するようになった。
そして、その強さを実感していく度にナミカはリリカにライバル心を燃やしていった。

「私も負けないわ。あんたも負けるんじゃないわよ」
「頑張りますよ」

リリカの願いは単純なこと。リリカも簡単に男に貞操を捧げる気はない。

リリカの技量に耐えられ、ちゃんとしたセックスのできる相手をリリカは探している。

「じゃあ、私は行くわよ。また会いましょう」
「はい。また」

その次の休日のことだった。ナミカが再びリリカの前に現れて言い放つ。

「リリカ、今度はフェラで勝負よ!」
「いや、この前いい感じで別れたじゃないですか!」

リーグの成績で勝負する雰囲気で別れていたはずなのに、再び勝負を持ち掛けてくるナミカにリリカは思わず突っ込まずにはいられなかった。

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