巨乳キャラあつめました 巨乳のキャラクターが登場する漫画や小説を集めたサイト

1.オナニーしていたら催眠スマホが届いた

僕の名前は――中出
なかで
郁男
いくお

近所の聖乱高等学園に通っているけど,友達は一人もいない。いわゆる陰キャ。
学園で僕に話しかけてくるのは精々,クラスの委員長と,隣の席でウザ絡みしてくる金髪ギャルくらいだ。
どっちも学園一と言っても過言じゃないくらい可愛い美少女だけど,話しかけられても全然良いもんじゃない。
陰キャコミュ障の僕は大した返事もできないし,やっと何か言えても死ぬほど噛んで何を言っているのかわからない。
そんな僕を見て委員長は困ったように微笑んで場を濁し,金髪ギャルは腹を抱えて泣くほど笑う。委員長は委員長としてクラスで明らかに孤立している僕を気にかけてくれているのかもしれないけど,金髪ギャルの方は明らかに僕の反応が楽しくて話しかけている。
学園に入学する前からこんな感じだ。
学園には僕みたいな男子が他にもいると思っていたけど,僕ほど陰キャコミュ障を極めたやつはいなかった。
聖乱高等学園はつい数年前まで男子禁制の女学園で,新理事長の意向で共学になったばかりのため,そもそも男子が少ない。
もともと美少女が多いことで有名だった聖乱高等学園が共学になって入学してきた男子は下心丸出しというか,つまり何としてでも美少女たちにお近づきになりたいと思ってやってきた陽キャばかりで,当然僕とは全くタイプが違った。
僕だけ全く場違いだった。
どうして僕が聖乱高等学園に入学したかというと,学園に行けば僕の人生も変わる気がしたからだ。
僕だってちゃんと女子と話せるようになりたかったし,可愛い彼女が欲しかったし,彼女とエッチなことがしたかった。
でも,何も変わらなかった。
女子と話せないから彼女ができない。
当然,エッチなことも。
一人息子を家に残して海外をふらついている両親が何を思って僕の名前をつけたのか知らないけど,女の子の「ナカでイク」ことなんて生まれて今日まで一回もなくて,僕は今日も虚しく自分の部屋でオナニーしていた。

「うっ! レイナちゃん! で,でるっ!! ううっ!?」

性欲だけは人一倍強い。
普通より大きいサイズの肉棒からは毎日五回出してもいつも白く濁った濃いのが大量に出る。
まだ日中だというのに本日四回目になる射精は思ったより精子の飛び出す勢いが強くて,構えていたティッシュを外して手にべっとりついてしまった。

「うわ……。またやっちゃった……」

今日は日曜日だから朝からエロ動画や美少女ゲームで精力的にシコり続けていた。
レイナちゃんーー橋本レイナとは,最近流行りのAIを導入したチャット形式で学園のヒロインを攻略していくエロゲのヒロインで,僕のお気に入りのヒロインだ。
ゲームの中でなら女の子と仲良く話せたし,もっと言えば女の子が次に何を言うかも簡単に想像できた。女の子たちはまるで操り人形のように僕の言う事を聞いて,僕のことを好きになってエッチなこともたくさんしてくれる。
レイナちゃんは清楚で恋愛には奥手な女の子だけど,会話を重ねることで段々僕のことが好きになり,徐々に自分からアプローチを仕掛けてくるようになる。
その方法は,勉強を教えるフリをしながらわざと胸を当ててきたり,偶然を装ってパンチラを見せて誘惑してきたり,エロゲ特有のイベントで清楚とはちょっと違う感じがするときもあるけど,赤面しながらドキドキしている様子がすごく可愛い僕の最推しヒロインだ。
やっぱりエッチなことに積極的な女の子もいいけど,恥じらう気持ちが興奮を何倍にもしていると思う。
レイナちゃんで抜くときはいつも想像以上の勢いで精子が飛び出た。

「そういえば,レイナちゃんってどことなく委員長に似てるよな……同じ委員長だし」

射精したばかりのぼんやりした頭で,僕はそんなことを思う。
とりあえず手についた精子を拭こうとティッシュを取りかけたとき,珍しく家のチャイムが鳴った。

「中出さーん。宅配便でーす」
「たっ,宅配っ!?」

滅多に鳴らないチャイムに驚き,僕は急いでチンコをしまって玄関に向かった。
心当たりはなかった。ネットショッピングはよく使うけど,いつもチャイムなんか鳴らさないでドアの前に置いていなくなる。それに最近ネットで何かを買った覚えはないし……海外から両親が何か送ってきたのか?
インターホンのモニターを見ると,玄関先には封筒くらいのサイズの荷物を手にした配達員の制服を着たお姉さんがいた。
暑い夏に対抗するためか,セミロングの黒髪をうなじのあたりで一本にまとめたポニーテールの配達お姉さんだ。
僕を待っている間に帽子を被り直し,首筋に垂れる汗を手ぬぐいで拭いて一息ついている。
どうしよう……。
出てもまともに話せるわけないのに……というか,そのくらいのサイズならポストに入りそうだけど……わざわざチャイム鳴らさなくても勝手にしてほしい。
そう思っているうちにまたチャイムが鳴った。

「中出さーん? あれ? いないのかしら。でも,時間指定してるのに……?」

宅配のお姉さんがいなくなる気配はない。それどころか,時間指定?
僕に心当たりはなかったけど,出るしかないようだった。意を決してインターホンの通話ボタンを押す。

「あっ,あのっ……っ」
「あ! 中出さんですか? お荷物ありますので受け取りに来ていただけると嬉しいのですが」
「にっ,荷物はっ,ポストに入れっといてくださいっ」

はぁはぁ……はあ。
言えた。何とか言うことができた。コミュ障陰キャにとって電話の次くらいに難しい来客対応を何とか乗り切った。
やばい,汗が……汗だくだ。
夏本番はまだなのに,ちょっと話しただけで自分でも気持ち悪いくらい汗をかいた。
急いで射精後のチンコをしまったときに拭ききれなかった精子がパンツの中でヌチョッと広がっていて,それも気持ちが悪い。
でももうこれで終わりだ。
荷物が何かは気になるけど,まずはシャワーを浴びてスッキリしよう。
そう思ったとき,またチャイムが鳴った。さっきの宅配のお姉さんだ。何故かまだ帰っていなかった。

「あのー,荷物はポストに入る大きさなんですけど,受け取りのサインが欲しいんですよね」
「さっ,サイン!?」
「はい。お手数ですが,差出人からのご要望でして……」
「……わ,わかりました……」

聞いたことはある。
書留とかってヤツだっけ。そう言われてしまえば出るしかない。

「……すみません……ありがとうございます」

ほんの数センチほどドアを開け,消えそうな声で応じ,荷物を受け取ろうと手を差し出した。
お姉さんの顔なんて見れるわけもなく,伏せた顔は胸のネームプレートに目が入った。橋本
はしもと
玲奈
れいな
――何の偶然か,レイナちゃんと同じ名前だった。
これがゲームの中のレイナちゃんだったら,もっと堂々と会話できたのに。

「それではこちらにフルネームでサインを……きゃっ!?」

宅配のお姉さん――玲奈さんは僕みたいな陰キャにも慣れているのか,僕の挙動不審な態度は全く気にせず,マニュアル通り受け取りのサインを促す。
しかし,途中で僕が差し出した手を見て,悲鳴を上げた。
しまったーーと思う。
差し出した手には,さっき出したばかりの僕の精子がべっとりついていた。

「あ,やっ,これはっ,その……ちがっ……へっ,ははは」

慌てて手を引っ込めて,しどろもどろに言い訳して,最後に笑って誤魔化そうとした僕の顔は,見なくても相当気持ち悪いことはわかった。
玲奈さんはバケモノでも見るような目で引いている。今にも逃げ出しそうだ。

「きゃっ!?」

僕は反対の手で玲奈さんから封筒を半ば強引に受け取ると,すぐにサインをして伝票を返した。

「……ありがとうございます」

玲奈さんは形だけのお礼を言って僕が差し出した伝票を恐る恐る受け取った。紙の端を指先で摘まんで,なるべく触れないようにして。
それが正しい。
僕はわずか数秒で,橋本玲奈にこれ以上ないくらい嫌われた。
これが現実の僕。
ゲームのようにはいかない。
悲惨すぎて落ち込む気にもなれない。
部屋に戻った僕はシャワーを浴びる前に受け取ったばかりの荷物を確認した。

「こんな荷物が来なければ,こんな惨めな思いもしなくてよかったのに……」

自分の酷さを荷物のせいにする。

「差出人は……不明?」

どうせ海外にいる両親がまた何か変な物を送ってきたのかと思ったけど,違ったらしい。

「これ,名前書いて受け取ってよかったのか? 怪しいやつじゃないよな……宛先は,たしかに僕だけど」

両親でもなく,正真正銘僕の物。
わけがわからないけど,封筒をにらみ続けてもしょうがない。開けてみるか。でも,こんな小さな封筒に入るなんて,メモ帳か,手帳か,カードか……。

「これって……スマホ?」

封筒の中身はスマホだった。
サイズや重さは普通だが,黒っぽい紫をベースにして,どことなくピンクのような印象も受ける不思議なカラーのスマホはこれまで見たことがない。
そして裏側には何重にも重なる瞳のような,あるいはハートのような独特な模様。
怪しんでいると,電源ボタンを押してしまったのか画面が激しく点灯した。

「く……っ! まぶしいっ!」

思わず手を離す。音を立てて床に落ちたスマホは徐々に普通の明るさになった。

「な,何だよ,今の光……っ!?」

思わずつぶやいた瞬間,スマホからピピッと電子音が鳴った。

『声帯認証――完了』
「せ,声帯認証!?」

は? 何のことだ?
僕は慌ててスマホを拾い上げ,画面を確認した。その瞬間――。

『虹彩認証――完了』
「今度は何だよ!?」
『中出郁男サマに間違いありません。催眠スマホの登録が完了しました。それでは操作の説明を始めます』
「と,登録? 説明!?」

何だ何だ? 何がどうなっている!?
なんでスマホが勝手に喋っているんだ。説明って……何て言った? サイミン……?

『初めまして,中出郁男サマ。
これは催眠スマホです。
催眠をかけたい人物の名前をスマホに入力するか,画面下の赤いボタンを押してからスマホの画面を見せれば対象への催眠が完了します。
催眠が完了すれば,その人物は中出郁男サマの思いのままに操作することができます。
命令はスマホの入力画面に入力するか,スマホ起動中であれば催眠対象に直接命令することでも有効です。
命令内容を当然のように思い,常識として捉え,言いなりになります。
それでは郁男サマの思いを,どうぞ思う存分入力してみてください。
※催眠の効き具合には個人差があり,対象が違和感を覚える場合もありますが命令には従うため安心してご利用いただけます』

無機質な機械音が説明を終えると画面が一瞬暗転した。
再び点灯したときには,名前を入力する画面になっていた。

「ははっ……催眠スマホ? 何だよ,誰だよ,僕をバカにしているのか……?」

笑いが込み上げてくる。
入力しただけで思い通り? そんな都合のいいことあるわけない。現実はゲームじゃないんだ。思い通りに行かないことは僕が一番知っている。ふざけるなよ,こんないたずら。

「……いたずら?」

でも,誰が何のために?
嘘か本当かわからないけど,声帯認証に虹彩認証,音声ガイド……そして何より,僕の手にはスマホが一台ある。
どこから見ているわけでもないのに,こんなに金のかかったいたずらを誰がするんだ?
僕のことなんて気にしてる奴なんかいやしないのに。

「本物……だったりして」

それこそ嘘みたいな思考だった。でも,最初からいたずらと決めつけて廃棄するよりは生産的な気がした。あんなにひどい思いをして受け取った荷物をすぐに捨てるのはもったいなかった。嘘だとしても,これを使って妄想くらいはしてもいいだろう。

「でも,誰に命令しよう」

当然部屋には僕一人。すぐに連絡できる友達もいない。近くにいる人は……。
レイナちゃん?
思いついたのは一人だった。エロゲの推しヒロインではなく,偶然同じ名前だった,あの宅配のお姉さんだ。
まだそんなに時間は経ってないし,きっと近くにいるはずだ。若干躊躇ったが,僕は結局あのお姉さんでこのスマホを試すことにした。

催眠対象:橋本玲奈

スマホに宅配お姉さんの名前を入力。
続いて命令の内容は……。

命令:
僕の家に五分以内に戻ってきて,もう一度インターホンを押す。

……。
…………。
………………。
制限時間をつけたのは,偶然の可能性をできるだけ排除して,なるべく早く結果を知るためだったけど,きっちり五分経過してもインターホンは鳴らなかった。
催眠対象にできる人には条件がある?
それとも遠くまで移動して範囲外になってしまった? そもそも範囲があるのか?

「……ははっ,アホらしい」

何を真剣に考えている?
催眠スマホなんて,当然嘘っぱちだったってわけだ。誰だか知らないけど,手の込んだいたずらご苦労さま。
短い間だったけど,いい夢を見させてもらったよ。
催眠スマホが本物だったら,僕でもゲームみたいに女の子と仲良くできると思えた。これが本物だったらって思うと,人生が変わるような気がした。

「……そんなわけないのに,バカだな僕」

ムカついて,スマホを持つ手に力がこもる。そのまま床に投げつけてやろうかと思ったけど,床が傷つくのが嫌で止めた。
このスマホだって新品なんだから,わざわざ傷つけることはない。今は変なプログラムが入っているけど初期化すれば普通に使えるはずだ。
こんなことでムカつくな,僕。トータルで見れば十分プラスじゃないか。

命令:
僕の目の前でブラを脱ぎ,お届けものです,と言って恥ずかしそうにしながら僕に渡す。

「…………ははっ,バカだな」

エロゲでもこんな意味不明なシチュエーションはない。
ムカついた憂さ晴らしにバカな命令を入力してみたけど,当然気分が晴れることはなかった。虚しくなるだけだ。

「シャワーでも浴びよう」

スマホから興味がなくなると,汗や下半身の気持ち悪さが蘇ってきた。
部屋を出てバスルームに移動しようとしたとき,玄関のチャイムが鳴った。

「またチャイム? 今度は誰だ……?」

とても出る気分になれない。
無視しようと思ったけど,チャイムは短時間のうちに何度も鳴り続けた。まるで僕がいることを確信しているみたいに。
気になってインターホンのモニターを確認すると,玄関先には宅配のお姉さん――橋本玲奈がいた。

他の漫画を見る