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4話 黒い首輪 ☆

高原の頂
いただき
に建つ嬢ヶ崎
ジョウガサキ
家の屋敷は、初春の頃の雪によってさらにその荘厳
そうごん
さを増していた。

立派な石造りの邸宅
ていたく
は雪化粧に覆われ、その姿はため息が出るほど美しい。

その屋敷の一室で、この家の跡取り娘である嬢ヶ崎 英里香
エリカ
は、荒げた息を吐きながら身を捩

じらせていた。

白銀の雪が眩しいほどに輝く外界とは対照的に、部屋の中は彼女の乱れた情熱によって熱を帯びている。

窓から覗
のぞ
く幻想的な外の風景とエリカの陶酔
とうすい
の姿が生み出すコントラストは何とも言えない危険な異臭を放っていた。

彼女の雪のように白い肌は、興奮のせいで微かに赤みを帯びている。

長く美しい金髪は乱れ、豊かな胸は長時間の激しい自慰で汗でビッショリと濡れている。

ただただ自身の深い欲望に身を任せるその姿は、普段の彼女の態度とはかけ離れたものだった。

「お”う”っ♡こ”れ”すごっ!」

エリカは同じ軍学校にいる黒一点な男性同期であるカイの机から盗んだフルートを、クロッチの隙間から割れ目へと差し込んだ。

顔には更衣室から盗んだカイの下着を被り、布地をスーハースーハーと深呼吸したり、ベトベトの舌で舐め回してその淫らな欲望を満たしていく。

以前はハンカチを盗むだけに留めていたが、ここ最近の彼女は歯止めが効かないようになっていた。

「カイっ♡!カイっ♡!カイっ♡!」

オナニーにふける彼女は獣のように思い人の名を叫ぶ。

脳内に快楽物質がジュワジュワと染み出していき、あまりの気持ちよさに歯がガタガタと鳴ってしまう。

脳裏にはあるのは軍学校の同級生である彼の姿だけ。

妄想の中で何度も陵辱し、子種を搾り取った彼がもうすぐ自分の物になる――そう考えただけで罪悪感の入り混じった快感が全身をジクジクと駆け巡り、エリカは気が狂いそうになる。

(もっとしていたいが、お母様との約束の時間か……。)

いつも以上に濃厚な慰めを済ますことで、なんとか獣欲を抑え込んだエリカはシャワーで体を清める。

手早くタオルで体を拭いてドレスに身を包むと、自分の両親の到着を待つために玄関へと向かった。

使用人の女の合図を受けて屋敷の扉を開けると、真っ白く染まった坂道を黒い車が数台登ってくるのが見えた。

魔石を動力に動く車の吐き出す煙は、どこか幻想的だ。

到着した車列の中でもひときわ大きい車からエリカの母親、嬢ヶ崎
ジョウガサキ
京香
キョウカ
がニッコリと微笑みながら出てくる。
その背後からは虚ろな瞳の彼女の夫――エリカの父親が姿を現す。

「お母様、お父様、そのような薄着ではお体が冷えてしまいますよ。すぐに使用人たちにお風呂の準備を……」

「いやいや、エリカ、心配無用だよ。それより食事を先にしたいね。お前に早く会いたくて、今朝からずっと車を走らせていて軽食くらいしか取れていなくてね」

「承知しました。すぐに準備させますね。大広間の方へお越しください」

エリカの母親、京香
キョウカ
は食事の席につくと、別荘での休暇生活や軍学校での休暇中の補習課題の進捗など、他愛もない会話を始めた。

「この世界」の基準では醜いとされる娘の姿を見る母親の目には慈愛が溢れており、それが普段周りから軽んじられがちなエリカの心を暖かくしてくれた。

しかし話が今日の訪問の主題に移るにつれて、母の瞳に怪しい光が灯り始めたことをエリカは感じていた。

「それでお前の婿殿
むこどの
のことだが……」
「あのお母様、そのお話は後ほど……お父様もいらっしゃることですし」

「あぁ。コイツ
・・・
のことは気にしなくて良い」

エリカの母親は嗜虐的な笑みを自分の夫に向けた。

「なに、借金で首の回らない没落貴族を奴隷のように金で買って、エリカの婿にしてやるんだ。かつて
・・・
のお前と同じようにな」
「お母様、お父様……」

自分の妻と娘の言葉が聞こえていないかのように、エリカの父親は落ちくぼんだ目でスープを上品にすすり続けていた。

夫の反応の薄さに興味を失った京香
キョウカ
は、近くに控えていた使用人を呼び寄せ、娘に新しいプレゼントを手渡してきた。

「婿殿はしばらく反抗的な態度を取るだろうから、これを使ってしつけてやれ」

彼女が手渡してきたものは、「黒い首輪」だった。

「これは何ですか?」と首を傾げるエリカに、京香
キョウカ
はゾッとするような笑顔を浮かべながら、それが主人の言葉を無条件に遵守させる魔道具だと告げる。

「エリカ、お前は少々内向的な部分もあるが、才能溢れる私の愛する娘だ」

「ありがとうございます、お母様」

「ただ、お前は私に似て……容姿が恵まれていない。男どもはお前のその心の弱さや触れられたくない部分に漬け込む。奴らには我々女ほどの魔力も知能もないが……その色香で女をたぶらかし、時に国家をも傾ける力がある」

「……はい」

「婿殿にも決して心を許すな。利他心のない男など獣と同じだ。徹底的に搾り取ってやれ」

エリカにとって、母親である京香
キョウカ
は尊敬すべき存在でもあり、愛情を注いでくれる人でもある。

また子供のころは偏っていると思っていた母親の男性観も、軍学校での生活をする中で正しいのではないかと彼女は思うようになっていた。

エリカが教育を受ける軍学校には、看護兵の卵として学ぶ男性たちも少数人所属していた。
彼らの全員がエリカに冷たく軽蔑した態度で接した。

何より許せなかったのが直接は手をくださず、自分たちの色香を使ってたぶらかせた他の女を使って自分をイジメてくることだった。

けれどそんな中で、彼だけは――カイだけは違った。

カイは看護兵ではなく、エリカと同じく将校課程に所属していた。
彼は同世代の他の男が霞んで見えるほどに美しい顔をしていた。

自分の見た目に激しいコンプレックスを持つエリカにとって、美男子というのはある種、憎しみの対象だった。
彼女にとって男とは決して手に入ることのない、黄金の果実のような存在なのだ。

だからこそ内心「男なんてすぐに根をあげてドロップアウトするだろう」と暗い嘲
あざけ
りの気持ちで初めは見ていた。

しかし、カイは周りの女に媚びることもせず自分の実力のみで好成績を取り、キツい軍事教練にも精力的に取り組んだ。

初めは奇異の目を向けていた同期や教官たちも彼のひたむきさを高く評価するようになっていった。

そんな彼が、こんな心までも醜い自分に手を差し伸べてくれた。

嫌がらせを受けていることに本気で怒ってくれた。
要領の悪い自分に付き合って夜中まで課題や試験勉強を一緒にしてくれた……。

(長期行軍訓練で置いてけぼりになった自分に肩を貸してくれた時は、思わず目に涙が溢れてしまったの見られてしまったな……恥ずかしい。)

カイの家の当主が亡くなってから借金で首がまわらないと聞いたのは1月ほど前のことだった。

それを聞いたエリカは無我夢中で動いた。

軍学校に通いながら運営していた自分の商会の売上で蓄財をしていたのをすべてはたいた。
大貴族である母親に頼み込んで、ほうぼうに根回しをしてもらうことにもなった。

これまで大したお願いをしてこなかった愛する娘のお願いを京香
キョウカ
は快く聞いてくれた。
ただし1つだけ条件を付けた。

「その男を婿に迎えろ」

気が優しく内向的な娘が、男に激しい劣情をいだいているのを彼女は見抜いていた。

だからこそ母親として、そして跡取りのことを考えねばならぬ貴族家の当主として――心優しい娘に代わって外堀を埋めることを決断した。

母の気持ちを察したエリカには何も言うことは出来なかった。

母親への愛情と感謝、カイへの罪悪感と劣情、情けない自分への激しい嫌悪感……。

全てが入り混じった嵐のような感情の渦に飲み込まれたエリカは、軍学校に休暇を取得することを伝えてこの別荘に閉じこもった。

ここ1週間ほどは、ひたすらに自慰をして過ごしていた。

今この瞬間にも彼のことを思い出すだけで脳に甘い刺激が走る。

切なさと愛おしさで子宮がキュンキュンと発情してきて、着替えたばかりの下着を愛液でボタボタと濡らしてしまう。

両親の前で痴態
ちたい
を見せるわけにはいかないと、エリカは歯を食いしばって融解
ゆうかい
し始める理性を必死に固め直していった。

そんな彼女の動揺をよそに、「そろそろ湯浴みをさせてもらおうか」と食事を終えた母親が使用人を引き連れて部屋から出ていった。

それに少し遅れて立ち上がった父親が娘であるエリカの顔を静かにじっと見る。

先程まで虚ろだったその瞳にはわずかながら――軽蔑と憎しみの感情が漏れ出ていた。

「血は争えませんね」

エリカはそれを聞いて冷水を浴びせられたようにギョッとしてしまう。

父を見ればわかる。彼は借金のカタに自分を娶った妻を愛してなどいない。

いやそれどころか憎んですらいると言って良いだろう。

(私は母と同じように……彼を半ば強制的に婿にするんだ。憎まれ、蔑まれて、嫌われてしまうだろうな)

そんな恐ろしい予感が、エリカの心を暗闇に沈めていく。

そして、その暗闇からは、鈍く、重たく、劣情が不気味に鎌首をもたげ始めていた。

心が震え、思考が渦巻く中、エリカは部屋を後にした。
父の言葉が耳に残り、心に重く突き刺さったままだった。

自分の部屋に着くと、窓から射す夕日を反射して姿見
すがたみ
が血のように輝いていた。

「なんて醜い……」

自分の容姿に絶望を覚えた彼女は乾いた笑いを浮かべて、ベットに転がるカイのパンツをしゃぶり始める。

脳内には恋慕
れんぼ
する彼がクラスメイトの別の女、花谷
ハナヤ
と喋っている光景が思い出される。

(い、いやだ!!カイだけは奪われたくない!!私のものだ!)
「近寄るな、ゲロ女。キモイんだよ」

必死に追いかけるエリカを見て、彼女の脳内の中の彼は侮蔑の表情を浮かべながらそう吐き捨てた。

これは自分の妄想だ。

エリカの理性はそう訴えるが、脳内の彼
カイ
は他の男たちがこれまで彼女に投げかけてきたような蔑みの言葉を次々と投げつけてくる。

「あははっ!ははっ!」

湿った劣情に囚われたエリカは涙を流しながら笑っていた。

「どうせ憎しまれて嫌われるのだ。それならば――性奴隷として徹底的になぶってやろう。彼が何も感じなくなってしまうまで、犯して犯して犯しつくしてやろう」

ひとしきり涙を流した彼女の瞳には暗い影がさしていた。

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