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20話 尋問 その1 ☆

「ってルリ姉
ねぇ
!なんでここに?!」

「カイ君、久しぶり。うふふ、今でも私のこと『ルリ姉』って呼んでくれるんだね。お姉ちゃん、嬉しいな」

俺の眼の前には、バイオレットカラーの長く美しい髪の爆乳美女がイタズラっぽい笑みを浮かべて腕組みをしながら立っていた。

彼女の名は鷲峰
ワシミネ
瑠璃
ルリ

帝国軍で彼女の名を知らぬ者はいないというほどの天才的な軍略家。

最近は出向先の中央の官庁でもバリバリ活躍しているらしいと風のうわさで聞いていた。

ただ実際の所、俺は、彼女がどんな仕事を内務省でしているのか詳しい事は何も知らなかった。

今、この瞬間までは。

(あの灰色の制服を見る限り、ルリもここの職員をやってるってことか……)

私的な手紙の内容にも検閲が入るような、秘匿性の高い重要な仕事に就くことになったとは、最後に会った時(確か半年ほど前だったか)にもルリからコッソリと聞かされてはいたが……。

まさか、秘密警察の職員をやっていたとはな。

彼女の身に付けている灰色の制服と黄金の目をあしらったバッジは、間違いなく保安局の官給品だろう。

俺にとって、ルリは幼い頃から何かとよく面倒を見てくれていた近所に住んでいる2つ年上の可愛い女の子に過ぎないわけだが、油断は禁物だ。

武装秘は親しい間柄の人間を使った搦手
からめて
を得意とする。

俺の心の中の天秤は、幼い頃からの顔馴染みであるルリ個人への「親しみ」と秘密警察組織への「不信感、警戒感」とで危ういバランスを取っていた。

俺個人としてはルリのことを全面的に信用したいのだが、あの泣く子も黙る武装秘が絡んでいるとなると、ここは慎重な発言をすることが求められるだろう。

俺がどういう嫌疑でここに連れてこられたのか、ルリが武装秘だとしてなぜここの尋問室にいるのか。

まずは、その事をしっかり確かめないと。

現状を確認するべく、俺は慎重に言葉を選びながら彼女がなぜここにいるのかを尋ねることにした。

「あの、ルリね……鷲峰さんは、なんでここに?」

「えー。ルリ姉で良いって。というかルリ姉って呼んで♡ね、お願い、カイ君♡」

ルリは片目を閉じて、ウィンクしながら両手を組んでお願い!っとキュートなポーズを取ってくる。

「えーと、じゃあルリ……姉はどうしてここに?内務省に移ったとは聞いてたけど、まさか武装秘にいるとは思わなくてさ、驚いちゃったよ」

「実はね、私。ここの保安局の『副長官』をやっているの。その関係で秘密警察の方も私が管轄していてね」

「え?副長官?だってルリ姉、俺より2つ年上なだけじゃ……」

「まぁね〜。お姉ちゃん、天才だから出世も早いのだ。えっへん。褒めていいぞ〜カイ君〜」

「ええっと、アハハ……」

戸惑う俺をからかう様に、彼女は腰に手を当てて鼻を高くするポーズを取る。

そんな彼女のわざとらしい子供のように無邪気な振る舞いに、自然と俺の警戒心は徐々に溶かされていった。

緊張が溶けたことで、今度は徐々に彼女の事をじっくりと観察する余裕も生まれてくる。

(改めてだけど、やっぱりルリって本当にエロ可愛いって言葉似合う子だよなぁ。ってやべぇ、股間がムクムクして来るのが止まらねぇ。気づかれないように姿勢を変えないと……。)

彼女と初めて出会ったのは、俺が10歳のころ。

まだ12歳という幼女と少女の境界にいたルリは、当時から既に可愛らしさの中に、男である俺をたぶらかすような危険な色香を漂わせていた。

前世の記憶を取り戻し、精神年齢的にはとっくに成人を迎えていた俺だが、彼女の美幼女っぷりには正直、何度も見惚れてしまっていた。

言っておくが、俺は断じてロ○コンではない……と思う……たぶん。

当時から男の獣欲をくすぐるような容姿だったルリだが、成長した彼女はむせ返るような色気に溢れたお姉さんになった。

というか改めて対面して思うが、特に胸のあたりの成長が著しいな。

半年前と比べてもまた大きくなってる。

Oカップのエリカよりひと周り以上大きい。Pカップくらいあるだろうか。

……何と言うかもう「全身がセッ○ス」としか言いようがない程のエロさだな。

俺がそんな激しく頭の悪い表現を思い浮かべているのは露知らず。

ルリは「この部屋、窓が無くて風通しが悪いからか、やけに暑いわねー」と俺の眼の前で灰色の制服の銀ボタンを外して、襟元をパタパタと動かして扇
あお
ぎ始めた。

彼女が襟を揺らすたびに、ルリのそのたわわな爆乳はバケツプリンのように、ぷるりん♡ぷるりん♡と揺れまくり、俺はそれに釘付けになってしまう。

(あぁ〜、今スグにひん剥いて無理矢理にこの胸を舐めしゃぶってやりてぇ。)

「あ、ごめんなさい、ちょっと暑くて……って、あら?どうしたのかな。カイくん?」
「ゴクリ……。え?あ、いや、俺も暑くて。へへへ……」

俺が血走った目で胸を凝視していると、ルリはそれに気づいたのか小悪魔っぽく微笑みながら問いかけてきた。

慌てて目を逸らし、適当にはぐらかしながら、口に溢れていた涎を飲み込んだ。

俺の出したゴクリという嚥下
えんげ
音がやけに大きく部屋に響いたように思えた。

その音が聞こえたのか聞こえていないのか、分からないが……。

ルリは悪戯っぽい笑みを浮かべ、両手で自分のおっぱいを持ち上げるようにして寄せ上げながら、俺の顔を見つめてきた。

まるで「自分自身が美人だと分かっている」ような、「色気にあてられて俺がおかしくなっているのが分かっている」ような、そんな挑発的な女豹のような態度。

いや、そんなことはありえないことだ。

俺や俺の前世の価値観的には「傾国の美女」なルリだが、この世界
・・・・
では間違いなく不美人な扱いなわけで。

俺が自分の逆転した美醜観について伝えたことがあるのは、この間の病室で婚約者のエリカに打ち明けたのが最初なわけだし。

恥ずかしさと混乱が相まり、俺が押し黙っていると、ルリはまた優しげな表情に変わって「喉が乾いたでしょう」と言って部屋の内線を通して飲み物を注文してくれた。

「飲み物が来るのに2~3分かかりそうだから、先に少し話しちゃおうか」

ルリはそう言って、俺の眼の前のパイプ椅子へと腰掛けた。

大きくて柔らかそうな尻肉が、むにゅりと固い丸椅子の座板に広がる。

ほんと、なんでも無いような立ち振舞の1つ1つがエロいな〜……っとそんなことより。

「あ、うん。それで、俺がここの武装秘に呼び出された理由って、何なのかな?特に身に覚えとかなくって」

冷静さを何とか取り戻した俺は、改めて彼女がなぜここにいるのか聞いてみることにした。

「え?もしかして丸井の方からは何も聞いてない?」

「マルイ?」

「あのオカッパ頭で丸メガネの子。ここまで車、運転してたでしょ」

「あぁ〜、あの人か。いや、別に何も聞いてなかったな。ただ学長室にいったら、その丸井さん?ともう1人、武装秘の人が居て。『ご同行願います』って」

「えぇー!そうなの?だからカイ君、さっきからなんだが緊張した感じでぎこちなかったのか。ごめんね、怖がらせちゃって。カイ君自身を何か取調べしようなんてことはないから」

「ふぅ、それは良かった。どういう容疑で連れて来られたんだろうって緊張したよ」

「ふふ、安心して。カイ君を傷つけるようなマネは私の目の黒いうちは絶対に許さないから。今日、カイ君にお話を聞きたかったのはね、先日の演習旅行の際の列車ジャック事件『紅の狼』について。それと東堂の家で債務の件で……」

彼女が話を終えるより前に、部屋の壁に設置されていたブザーがブーッと鳴り響いた。

「あ、飲み物が届いたみたい。ちょっと待っててね」

職員が持ってきたトレイをを受け取ると、ルリはまた席についてそのトレイに載ったグラスの水を俺へと勧めた。

「ここの建物の中、乾燥してるし、喉、渇いたでしょう。どうぞ」

「ありがとう、いただくよ。あれ、グラス1つしかないけど、ルリ姉は良いの?」

「うん、私は良いの。後でカイ君に直接、飲ませて貰うから」

「え?それってどういう……」

俺の眼の前に座る彼女がグイッと身を乗り出し、瞳をまっすぐ見つめながら手を握ってきた。

女の手のひらはすべすべとした肌触りで、少しひんやりとしていて触れているだけでとても気持ちが良い。

この時点で、俺は完全に油断仕切っていたのだと思う。

ここが武装秘密警察の尋問室だとしても、あのルリ姉が俺に酷いことをするはずなんてないだろう、心のどこかで安心していたんだろう

だから俺は気づかなかったんだ。

彼女に<幻覚の魔術>を掛けられ始めていたことに

(あぁ〜なんだが気持ちが良くて頭までぼんやりしてきたな〜。このまま眠ってしまいたいくらい……。)

腕から昇ってくる優しい催眠電流によって俺の脳はゆっくりと意識を手放してしまった。

意識を失う直前に眼
まなこ
に映ったルリの顔には、慈愛と狂喜の混じったような不思議な感情が現れているように俺には思えた。

◆◆◆◆
「よし、上手くかかったみたいね」

ルリはカイの眼の前で何度か、パチンッパチンっと何度か親指を鳴らして反応が無いことを確認すると、満足そうに頷
うなず
いて席を立った。

「部屋の鍵は閉まってるし、カメラ撮影の様子も問題なし、と」

ドアの施錠や機材の状態を念の為、再確認したルリはクルリと軽やかに振り向くと、鼻歌混じりにカイへと近づき、自分の体を彼へと枝垂
しだ
れかからせた。

「カイ君♡この半年、本当に直接会いたくて会いたくて、仕方なかったわ♡」

目がハートマークになっているルリが、鼻先がぶつかるほどの距離まで顔を近づけているというのに、カイはまばたきをする以外の動きを全く見せない。

無生物的な彼のその振る舞いは、マネキンのようだった。

「じゃあ久しぶりに、アレ
・・
聞いちゃおうかなぁ〜。カイ君の女の子の好み……カイ君、正直に答えて欲しいんだけど、カイ君はどんな女の子が好みなのかな?お姉ちゃんに教えてくれる?」

ルリが楽しげに「問いかけ」をすると、カイは意識を眠らせたまま、普段見せることのない自分の本心を語り始めた。

「……はい、俺はルリ姉みたいに肌が透き通っていて、胸が大きくてお腹の凹んだグラマラスな女の子が……好きです」

「ルリ姉みたいな」というカイの言葉を聞いただけで、既にルリは軽い絶頂を何度か覚えていた。

お腹の下あたりがうずいて、ぷしゅ♡ぷしゅ♡とバルトリン腺から発情液が溢れてきている。

ルリは、さらなる精神的快楽を求めて質問を続ける。

「うん♡うん♡じゃあ私個人のことは女の子として、どう思ってくれてるのかな?」

「……ルリ姉のことは小さな頃から女の子として好きでした。……見た目も可愛いし、俺に優しくしてくれるし、頭も良くて……ずっと憧れでした……」

彼の答え
・・
を聞いたルリは、あまりの精神的悦楽に歯を食いしばりながら「ピギィっ♡」とメスブタの求愛のような情けない声をあげてしまっていた。

カイからどういう答えが返ってくるのかというのは、これまで何度もカイを<幻覚の魔術>で催眠状態にして本心をさらけ出させてきたルリにとっては、分かり切っていることだった。

なんならカイのその答えを録音し、夜寝る前にレコードが擦り切れるほどにルリは聞き直していたくらいなのだ。

だがレコーダーを通して何度となく聞き直したその「答え」は、カイの低い声帯を通して直接に耳に入れるとまた格別の味わいがあるものだ、とルリは思っていた。

カイが自分のことを本心から女として見てくれている。好いてくれている。

そのことだけで、これまでの人生、どれだけ大変なことがあっても乗り越えてこられた。

そもそも、12歳で飛び級をして入った帝国魔術アカデミーで既に優れた論文を何本も書いていたルリが、アカデミックな世界で約束されたキャリアを全て捨てて、軍学校に転入したのも、カイを将来的に婿にするための布石としてのことだった。

「あぁ〜〜本当にカイ君みたいな美少年がブス専で、しかもこんな私みたいな性悪女の中身まで好きでいてくれたなんて〜〜♡もう、最高すぎる♡食べちゃいたいくらいに好き♡」

ルリは氾濫した川のように溢れ出る喜びに脳がおかしくなりそうになり、なんとか理性を取り戻すために歯を食いしばりながらグルングルンと頭を振った。

そのたびに彼女のサラサラとした美しい紫髪が優雅に揺れ動く。

一方のカイと言えば<幻覚の魔術>にかかっている影響で、相変わらず目に光が宿っておらず死んだ魚のようにピクリとも動かない。

はたから見ればシュール極まりない光景であった。

「ふぅ、ふぅ……♡もう耐えられない……少しだけ……少しだけで良いから……カイ君成分を直接摂取させて♡」

カイよりわずかに身長が高いモデル体型な彼女は、プチプチと急いで自分の胸元のボタンを外して、彼の顔を自分のそのデカパイへと埋
うず
めさせた。

「あぁ〜〜♡もう、これだけでまたイッちゃいそう♡」

さっきまで食い入るように見ていた胸の膨らみへとダイブさせて貰っているというのに、カイの目はうつろなまま。

ルリはカイが無反応なのを良いことに、自分の湧き上がるような欲望を発散させるために、股間を思い切り彼の太ももへと、ぐい♡ぐい♡と擦り付け始めた。

「カイ君の足、たくましくて気持ちいい♡これ、癖になっちゃいそう♡」

まさに為すがまま、といった様
さま

「カイ君、お姉ちゃんのおっぱい、舐めて。赤ちゃんみたいにおっぱいのミルク吸い出して」

「……はい」

ぺちゃ、ぺちゃ……ちゅぱちゅぱ……ちゅぱ……

「うん♡いぃ……カイ君……とっても気持ち良いよ……♡」

部屋の中に淫らな液体音が響き渡る。

ルリのみずみずしい果実のような乳首から溢れるおっぱいミルクは芳醇な味わいで、催眠状態のカイも本能的に思わず吸い付くように舐めだしてしまうほどだった。

ルリは胸のあたりから来るむず痒い快楽と、必死にミルクを吸い出すカイに対する母性から来る幸福感で頭を染め上げつつも、いよいよ本題について聞き出しをせねばと決心を固め始めていた。

今日の本題――つまり、借金の為に婿入りをしたというのは本当なのか、その家でカイは酷い目にあっていないか。

ルリは早く聞き出しをせねばという焦燥感を覚えつつも同時に、真相を聞くのが怖いという矛盾した気持ちに取り憑かれていた。

(私の知らない内に誰かが、彼を傷つけたり、無理矢理に手篭
てご
めにしていたかもしれない……そう考えるだけで怖い……。)

ルリ自身が彼が知らないうちに手篭めにしているということは置いておいて。

彼女がカイを思う気持ちは(歪んではいるものの)本物だったのだ。

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