第10話 JCを性的に解放し、師匠としての決意を固める
迷惑系配信者たちを俺はあっさりと倒した。
俺以外のみんなは――実菜も夏菜子も視聴者たちも――俺がこんなに圧勝するとは誰も信じていなかったはずだ。
ただ、俺は最初から勝てると踏んでいた。危険な賭けはしない主義なのだ。
そもそもリーダーの徳田と他の仲間の女冒険者たちの連携があまり良くなかった。おそらく女性たちは嫌々命令に従わされていたのだろう。
おおかた、決闘に勝って隷属させた美女・美少女たちの中から、単独で強い冒険者を選んだだけだ。
配信上の見栄えが良いから、仲間として連れてきたのだろうが、愚策だと思う。
冒険者パーティは互いを信頼しているからこそ、連携して単独行動より強くなれる。
そうでなければ、各個撃破されるだけだ。
もっとも、徳田の奴に信頼できる仲間なんていたのかは疑問だが……。
「やりましたねっ! 先輩っ!」
そう言って、夏菜子が俺に近づいてきて、いきなり抱きつく。
俺は慌てた。夏菜子が俺の胸板に顔をうずめる。
「心配したんですよ……?」
「大丈夫だっただろ?」
「でも、無茶はしないでください。守ってくれてありがとうございます」
俺が負ければ、実菜も夏菜子も徳田にひどい目に合わされていた。
そうならなくてよかったと思う。
<あざと可愛い後輩のハグwwwww>
<リア充爆発しろ>
<もう付き合っちゃえよ>
コメント欄を見て、夏菜子は赤面して「そ、そんなつもりは……」と慌てふためいて、俺から離れる。
さて、最後に、一応、敵の盾役の少女が残ってはいる。が、完全に戦意喪失しているようだ。
俺は彼女に近づく。金髪ロングに碧眼の少女で、小柄でかなり可憐な容姿をしている。ハーフなのだろうか?
ブレザーの制服姿だから、高校生か中学生だ。不思議な白い首輪のようなものをつけている。
徳田がつけた隷属の証の首輪だ。「フィオナ」と書かれているから、これが彼女の名前なのだろう。
<フィオナちゃん、ちっちゃくて可愛いな……なのにおっぱいでけえええ>
<でも迷惑系配信者の仲間だぜ?>
<どうせ徳田にレイプされて脅されてるとかだろ?>
<こんな子が徳田の言いなりにさせられていたなら許せないよな>
<橋川のハーレムに加えれば?>
フィオナは俺を見ると、武器の斧を捨て、懇願するように見つめた。
「私は戦うつもりはありません。助けてください」
「降参するなら、もちろん危害は加えないよ。えっと、君は……」
「ありがとうございます。私、白坂フィオナって名前です。名桜
めいおう
中学二年生、14歳です」
<JC!>
<14歳かあ……>
<名桜って名門女子校じゃん>
たしかに名桜ってどこかで聞いた気がするな……。
「お願いがあります。私たちはこの首輪のせいで……徳田に隷属させられているだけですので外してくだされば……。はうっ。あっ、やだっ……」
突然、フィオナはその小さな体を身悶えさせ、苦しみ始めた。
はぁはぁと荒い息遣いで、頬を赤くする。
<急にどうしたんだ……?>
<えっちだ>
<隷属の魔法の副作用だろ。主に反抗しようとすると、発動して苦しませるんだ>
<徳田の奴、ホントにゲスだよな>
俺は彼女に近づく。フィオナは俺にすがるように、青い瞳で見つめた。
「助けて……あっ、ああああっ。し、死んじゃうっ!」
少女の隷属の首輪を魔法剣で断ち切ることはできそうだ。
だが、そうなったらどんな反応が起きるかもわからないし、最悪フィオナが死にかけない。
首輪の作動を止めてから対応する必要がある。
俺がどうしたものか考えていると、フィオナが俺に突然抱きついた
少女の柔らかい胸が押し当てられ、ぎょっとする。フィオナは俺の胸に顔をうずめた。
「こ、この呪いは……男の人にエッチなことをされると止まるんです。この呪いのせいで私は徳田に何度もひどいことを……ああっ」
フィオナがびくんと体を跳ねさせる。このままだとまずい。
この場にいる男は、徳田以外だと俺しかいない。
「は、早く私を犯して……赤ちゃんの素、いっぱいください」
フィオナは虚ろな目でそんなことを言う。首輪の力で言わされているのだろう。
改めて徳田に対して怒りが沸き起こる。こんな幼い少女を性的に嬲っていたのだから。
だが、同じことをしないと、フィオナは死んでしまう。
おそらく最後まではしなくても発動は止められるとは思う。そうでないと徳田自身にとっても不便だからだ。
だが、ある程度は……この少女にエッチなことをしないといけない。
俺は実菜と夏菜子をちらりと見る。二人は顔を赤くしていたが、こくんとうなずいた。実菜が空気を読んで配信を止める。
緊急事態だ。やむを得ない。
俺は覚悟を決めた。
「ごめん」
俺はフィオナのブレザーの上から、その大きな胸を揉みしだいた。フィオナが「ああっ」と歓喜の声をあげる。
スカートをめくり、秘所をまさぐりながら、俺はフィオナにキスをする。
14歳の少女の唇はみずみずしい果実のようだった。
「ちゅぷっ、んんっ……」
俺がキスをやめると、フィオナははぁはぁとしていたが、発作は止まったらしい。
剣で首輪を破壊する。これで大丈夫のはずだ。
フィオナの苦しみは止まったようだが、顔は青ざめているし、かなり衰弱している。俺は治癒魔法で彼女を癒やした。
すると、一瞬でフィオナの状態は回復し、顔色も良くなった。これでも、俺は一応白魔道士が本職なので、これぐらいはできる。
フィオナは信じられないという顔で、俺を見る。
「すごい……回復しちゃった。それに、あの隷属の首輪も強い魔力を持っているのに、あんなに簡単に破壊できるんですね!」
「まあ、大したことじゃないよ」
「そんなことないですよ! 橋川進一さんっていえば、すごく有名人ですから」
フィオナがくすりと笑う。
いつ俺は有名人になったのか? いや、実菜たちを助けてから、俺はかなり名前が知れ渡ってしまった……。
「あの……徳田が決闘に負けたから、私も橋川さんの所有物になるんですよね?」
そういえば、決闘はそんな条件だった。
だが、あれは徳田が勝手に言っただけで、そんなつもりはなかった。
「いや、それは……」
フィオナがなぜか期待するように俺を上目遣いに見つめ、そして顔を赤くする。
「橋川さん、優しそうだから、私、大丈夫です。最後までしてくださっても……。でも、痛くしないでくださいね……?」
「待て。何の話をしている!?」
どうやら、フィオナは俺も徳田と同様、彼女を奴隷にすると思っているらしい。
だが――。
「俺は君をどうこうするつもりはないよ」
「えっ、そうなんですか……?」
フィオナが小さくつぶやく。
<なんで残念そうなんだよ>
<淫乱JC……>
<わたしも進一さんとあんなことやこんなことしたいです……>
夏菜子はジト目で、実菜は頬を膨らませて俺を睨んでいるので、俺はこれ以上フィオナの相手をするのはやめることにした。あとで怒られそうだからだ……。
まあ、フィオナは徳田から解放してあげれば、それで縁がなくなるはずだ、たぶん。
肝心の徳田に俺は近づく。相手は目を覚ましていたが、身体が動かせないようだった。
「畜生っ……! 覚えてやがれ!」
「悪役って感じだな。まあ、でも、悪役ができるのも今日までだ。おまえの装備は全部もらっていくからな」
決闘の条件のうち、俺はそこは順守するつもりだ。
装備を根こそぎ奪えば、徳田はダンジョンで戦えなくなる。一からやり直そうにも恨みの買いすぎで、ダンジョンに入り次第、他の冒険者たちから制裁されてしまうだろう。
「それだけは許してくれ……」
「おまえみたいなクズに慈悲をかける理由はない。このままダンジョンに放置して、モンスターに襲われて死ぬのを待ってもいいんだぞ?」
そう言うと、徳田は顔を青ざめさせて黙った。俺が連れ帰らないかぎり、徳田は生命すらない。
徳田はもはや俺に逆らうことのできない存在なのだ。他の二人の女性冒険者が怪我をしていないかも俺は確認し、これで一件落着。
ともかく、迫りくる面倒をさばいたとはいえ、とんだ災難だ。
何も得るところがない。
だが――。
実菜が俺に駆け寄ってくる。興奮した表情だ。
「見てっ! 橋川さん、これ!」
実菜のスマホを見ると、そこには――実菜チャンネルの画面が映っている。
「登録者数100万人!?」
「ほら、すごい勢いで増えてる! すぐに200万人になるかも……」
<徳田のチャンネルも500万人の登録者数だったから、そこに映った分、視聴者が流入してるんだろ>
<それに徳田が瞬殺されてネット上でもまた話題だしな>
<橋川さん! 自分のチャンネルを見てみてくださいっ!>
俺は慌てて「橋川進一@ダンジョン育成者チャンネル」を確認した。
すると――。
「チャンネル登録者数300万人……」
俺は卒倒しそうになった。もう実菜たちを超えている。
実菜は楽しそうに俺を見る。
「ねえ、橋川さん。あたしたちをちゃんと弟子として育ててね?」
「どうして改めてそんなことを言う?」
「だって、今回みたいに他の冒険者に襲われたりとか、危険なことがまたあるかもしれないでしょ? 橋川さんもあたしも、前よりもっと有名になっちゃったし」
たしかに言われてみれば、そうだ。徳田のように、俺たちを狙い、話題を獲得しようとする連中はまた出てくる。
そのとき襲われるのが、俺なら良い。だが、卑劣な相手なら、弱い実菜たちを狙うだろう。
だから、実菜たちが身を守れるようにするためにも、彼女たちを育成するのは必須なのだ。
俺は天を仰いだ。
仕方ない。こいつらを一流冒険者にさっさと育てよう。それができれば、俺はお役ご免だ。
俺がそう言うと、実菜はじっと俺を見つめた。そして、少しだけ顔を赤くする。
「橋川さんって、やっぱり優しいよね」
「俺は全然優しくないよ」
「嘘つき。ねえ、こうなったのは全部、橋川さんのせいなんだから、責任を取ってよね? あと……ありがと」
実菜はくすっと笑った。
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