13話
「…………」
「…………」
「ちょっと〜?…………」
「…………」
「おーい…ぺちぺち(僕の頬を軽く叩く)」
「な…なんですか」
「なーに私のおっぱい使ってうっとりしちゃってんの」
「ぇぇ…だって…」
「重いからどいて欲しいんだけど」
「も、もうちょっとだけ……」
「だめ、もう十分楽しんだでしょ?終わり終わり」
名残り惜しみながらも百花さんのおっぱいから僕は顔を離した。
「はぁ…なんか疲れた。」
僕の精液をお腹に乗せたままごろんと仰向けになると、ブンッと横から僕の枕を取り上げる。
百花さんは僕の枕を独占し始めた。
「私ちょっとこのまま昼寝するから…君は牧場のお手伝いでもしてきたら?」
「え…」
「あーあと…このお腹の汚れちゃったの…ちゃんと綺麗にしておいて」
「ぇ」
「君が発情してあろうことか飼い主である私のお腹に馬鹿みたいな量ぶっかけたんだから…後始末くらいは自分でしなよ」
「は、はい…分かりました…。」
「言っとくけど…今日はもう散々私からご褒美貰ったんだから、変なイタズラしないでちゃんと言われた通り綺麗にするんだよ〜?」
「は、はい」
「ふぁ……じゃ、夕方には起こして〜」
そう言うと百花さんは本当に寝始めてしまった。
服に僕の精子が付かないようにするためかたくし上げた服はそのままの状態でお腹とおっぱいを出したまま寝てる。
意外と寝かたは色気のある女の子みたいなポーズをしていてちょっと腹が立った。
「はぁ…なんていうか…。」
自分の不始末を片付ける命令。
なんとも言えない無力感。
しかたないと生活備品の置かれた戸棚からウェットティッシュを持ってきて掃除の準備をした。
ウェットティッシュのBOXから数枚取り出しいざ自分の出してしまった物のお掃除。
と思ったがそこでスマホの通知音が鳴った。
「……ん?」
何となくスマホを開いた。
クラスライム男子専用グループの通知だった。
新学期の最初の時になんか招待されて入ったものの僕は一度も発言した事がないグループライムだった。
通知の内容を確認してみる。
そこでは暇なクラスの男子達が昼間っからクラスの女子達の夏の過ごし方予想大会をしていた。
グループ[佐野さんはなんか部屋でずっと小説読んでそうだよな]
グループ[残念、佐野さん普通に彼氏居るらしいから多分今頃彼氏の家でパンパンだぜ]
グループ[え!?佐野さん彼氏居んの!?なんか意外だわ…あんな顔でも彼氏とか出来るんだ]
グループ[じゃあ出席番号順で次は………篠崎さんか]
(あっ)
ちょうど僕の横で昼寝している人の話題が上がっていた。
グループ[来ましたね〜大本命]
グループ[いいよなぁ…あのおっぱい]
グループ[揉みしだきたいンゴねぇ]
グループ[篠崎さんに彼氏居るって話、聞いた事ある奴いるーーーー??]
グループ[居ねぇよなぁぁぁ!!]
グループ[実際のとこどうなんだろうな]
グループ[クラスに1人はそこそこの美人が居るって言うけどさ、篠崎さんはちょっとズバ抜けてるよな……なんかグラビア誌の表紙とかに載ってそうな]
グループ[いや分かる、てか篠崎さん似のAV女優とか知ってる奴居たら教えてくれ!!篠崎さんの事想像しながら抜きてぇ!!]
グループ[でも篠崎さん男子が話しかけても基本ガン無視するからなぁ、男嫌いなんかな。意外と女の子が好きだったりして]
グループ[篠崎さんチックトックのアカウントこないだ見たんだけどフォロワー数131Kってなってた……これ結局何人なの?]
チックトック……たしか中国発祥のダンス動画とかを上げる若者に人気のアプリの事だ。
百花さんがなんかネットにダンス動画上げてたのは知ってたけど…やっぱ人気なのか。
グループ[13万人って事なそれ]
グループ[いや…ヤバすぎ…有名人やん]
グループ[いや今更気づいたのか]
グループ[俺は毎日新しい動画が投稿されてないかチェックしてる]
グループ[それはもうファンや]
グループ[あー篠崎さんね、俺空き教室で抱いたわ]
(あれ…このアイコンは…)
百花さんが言っていたクラス一軍陽キャの村田くんである。
グループ[は!!!うわぁ…さすが村田くん…やっぱすげぇ]
グループ[どうだったんですか!?篠崎さんのおっぱい!!]
村田[え?…あー…えっと…まぁまぁかな…めっちゃ惚れられてめんどくさくなって捨てたけど……アイツ実はクッソメンヘラでドMなんだよな]
グループ[おお!!!]
グループ[そ、その村田氏…もし良ければ…その…ハメ撮りなんかは……]
村田[え?あー、撮ったりしたんだけど…捨てちゃったわ]
グループ[ノーーーー!!!なんてもったいない事を!!]
グループ[村田さん!篠崎さんのカラダどうでした!?なんか面白い特徴とかありました!?]
「んー……」
多分その話が本当ならお尻の尻尾の話が出るはずだが…。
昨日の夜の散歩にて。
モテモテらしいギャルの百花さんの正体は牛娘であり、そのお尻には牛娘特有のシッポが生えていた!という事実を知ってしまった訳で。
村田[あー…えっと……そうだね…強いて言うなら…]
グループ[焦らすじゃないですかっ村田氏!]
村田[あ!!胸の下にちっちゃいホクロあったわ!!]
グループ[おお!!そういう話が聞きたかったでございます!!]
「えぇ…そうなのか?」
「……。」
「ね、ねぇ…そうなの?」
「スー…スー…」
だめだ起きない。
今頃牧場で子ヤギ達と戯れる夢でも見てるのだろうか、いやどっちかと言うと首輪を付けた自分のペットに跨ってお嬢様を気取りながら世界一周旅行でもしているに違いない。
今頃中南米かアフリカ辺りを旅行中とみた。
試しに横で優雅な昼寝を敢行している男子専用グループでいま話題のその人の胸に視線を向けてみる。
何度観てーも美しーいおっぱーいでございまーす。
等の話題の本人はまったく起きる気配がない。
「えっと…起きないでください…。お願いします」
そ〜。
ぽよん。
おぉ。
柔らかくて掴みずらかったがなんとかその重みのあるおっぱいを眠りから起こさないように持ち上げた。
ぽよよ〜ん。
「………」
「スー……スー…。」
「うん………ホクロ……無い…なぁ…」
一応両っぱいの下を確認したがどちらも胸の下はまっさらの白だった。というか全体的に肌が綺麗過ぎないか?この人。
セシリアさんもそうだけど牛娘は潜在的に美白なのだろうか。
「にしても…。」
村田くん…虚言癖でもあるのかな…。
と思いながらそのお嬢様のお麗しいお胸をお元のお位置にお戻した。
グループ[あとは!あとはあとは!!プリーズ村田氏!!]
村田[え??えぇ…えっと…あー!そうそう思ったより乳首黒かったわ。あれは相当色んな男に裏で吸わせてるね]
胸をちらっと見てみる。
めっっちゃ薄い綺麗なピンク色である。
それはもう穢れを知らないような純潔色である。
グループ[いいなぁ…俺も村田くんくらいイケメンに生まれればなぁ]
グループ[というか話題が逸れてますぞ!!元はと言えば女子達がどんな夏休みを過ごしているかを予想する大会であったはずです!]
グループ[篠崎さんかぁ…今頃、原宿とかでクレープ片手に色んなイケメン達にナンパされまくりながらモデル歩きしてるんだろうなぁ]
うん、一応答え合わせをしてみよう。
横を見る。
「スー…スー…」
クラスの男子専用グループで散々不名誉なイメージをぶっかけられているその当人はと言えばそれはそれは呑気に昼寝をしている訳で。
話題の百花さんは片田舎でイチゴアイス片手にチンチン連呼する中国人達と談笑したのちに、召使いにおんぶさせて牧場の事務所へ帰った後、何者かの精液をお腹に乗せながら昼寝を敢行してらっしゃいます。
学校の高嶺の花の正体はこれかぁ。
うん、これが世にいう陽キャというものの正体なら僕はもう陽キャにはなりたくない。
グループ[あれ…そういえば村田氏…前に “これから篠崎さんと一発しけこんで来るわ!” と言っていた日がありましたが]
(おお、これは知ってる。百花さんも言っていた話だ)
グループ[その後…顔をパンパンに腫らして帰ってましたが…あの日は一体どんなプレイをなさったのですか!?]
村田[え?あー…うん…えっとー…タイキックプレイ…?]
僕はもうスマホを閉じた。
これ以上彼の奮闘を見たくない。
「スー…スー…」
綺麗なストロベリーブロンドの髪を僕の枕に押し付けながら丸出しになったおっぱいとお腹を寝息で上下させている。
出る所は出て、引っ込むところは引っ込むといった女の子なら誰もが憧れるスタイル。
シミもホクロも一切ない透き通るような美肌、嫌味な程に整った顔、ぷくっと少し膨らんだ涙袋、スーっと通った鼻、薄ピンク色の少し湿った唇。
こーやって寝てるだけならただの美人な女子なんだけどな。
「スー……スー……ん〜…パシリくぅん…」
「………。」
「スー…スー…」
「…しゃーない。…百花さんお腹冷えちゃうし…掃除するかっっ」
トロフィー〘後処理は大事〙を獲得しました。
一通りお腹に付いた僕の精液を拭き取り終わった。
ウェットティッシュで拭いたからか、そのお腹はテカっており、ツルツルとしてとても綺麗な白い光沢を放っている。
掃除が終わり百花さんを見てみる。
「スー……スー…」
にしても全然起きないなこの人。
さすがにこのままではお腹が冷えちゃいそうなので服を元に戻してあげる。
あとついでに掛け布団を上からかけてあげよう。
「…。」
「スー…スー…」
「………ふわぁ…。」
射精した疲労感からか、僕も少し眠い。
「スー……」
しかし、残念な事に僕の布団は既にご主人様が独占してしまっている。
寝ることが出来ない。
どうしようか。
「スー…」
うん、良いよね。
失礼しますの意を込めて一礼。
僕はごそごそと掛け布団に潜水していった。
先客を起こさないようにゆっくり沈みながら肩まで潜る。
布団の中は昨日は実家のお布団みたいな、まぁそれはそれでいい匂いがしたが今は違う。
女の子のいい匂いがする。
百花さんがちょうど寝返りを打ってこちらを向いていたので僕は再び先程甘えた百花さんの谷間に顔を沈めた。
柔らかくて頬が気持ちいい。
もし起きていれば今頃思いつく限りのチクチク言葉を浴びせて来ている事だろう。
だが寝ている。
僕はご主人様が寝ている間にご主人様のおっぱいに存分に甘えながら寝ることにした。
「ねぇ…ちょっとー?ぺちぺち」
「んぁ……ふぁー」
「ふぁー…じゃなくてさ」
「あ、百花さん…おはようございます」
「いやおはようございますって…人様のおっぱいに顔挟みながら言わないでくれる?」
「え、あぁ…ごめんなさい」
「はー、最悪…勝手に添い寝するなんて…起きたら枕元にカナブン居た時くらい最悪だよ」
「そ、そんな言わなくてもいいじゃん…」
「で…なんでご主人様の言いつけ守らないでここでサボってる訳?」
「だって…僕も眠かったし」
「じゃあそこら辺の草の上で昼寝すればいいじゃん」
「ここは僕の布団です…異論は認めない」
「はぁ…まぁいいや…ふぁ…私もちょっとまだ眠いし…にーどね」
「…」
「…。」
「あの、起きて気づいた時なんですぐに追い出さなかったんですか?」
「ん?…んー…なんか気持ちよさそうに寝てたし…まぁいっかって」
「優しいのか優しくないのかハッキリして欲しい件」
「……」
「……」
「私をおんぶして歩いたから…疲れちゃった?」
「え?…いやぁ…大丈夫ですよ…ぶっちゃけそこまで重かった訳じゃないし」
「ふーん…そっか」
「あの…もう出た方がいいですか?」
「ん?…ん〜…いいよ…寝てれば?…ここで」
「さっきはカナブンと一緒に寝てた感覚と一緒って言ってたのに……」
「まぁ…起きたらペットが勝手にベッドの中に入り込んでた〜みたいな感覚だから…好きにして」
「は、はぁ…」
「…………」
「…………」
「…………」
「そういえば…」
「………ん〜ぅ?なんか言った……?」
「百花さんが男子グループで話題になってましたよ…」
「ふーん…なんて言ってたの…あいつら」
「あいつら…というか…村田くんが…」
「なんちゃって雰囲気イケメンがなんて言ってたの〜」
「空き教室で百花さん抱いたって」
「私は処女だって言ったじゃん…ご主人様の言う事よりそんな薄っぺらい男の言う事信じるの…」
「いや…そういう訳じゃ…」
「君はぁ…そんなくだらないグループのLimeなんて見てないで……私からの通知だけ気にしてればいいの〜…」
「は…はぃ」
「……」
「……。」
「もう友達なんて作らなくていいんじゃない?」
「な!なんでそんな酷いこと言うんですか…」
「…。」
「……やっぱ…放課後にカラオケとか…行ってみたいし…」
「…休日に友達とボーリングとかも行ってみたいし…」
「……」
「…。」
「だって…私が居るじゃん…君には」
「え…。」
「カラオケもボーリングも…私が連れてってあげるからさ」
「え…いいの…。」
「君はぁ…そんな他所の男にしっぽ振ろうとしてないで…素直に私にだけしっぽ振ってればいいの…」
「う、うーん…」
「素直に私にしっぽ振ってれば、ちゃんと可愛がってあげるから」
「う…うん…。」
「ほら…もう寝よ…喋ってたら疲れる」
「はい…ふにふに」
「こらぁ……さりげなくおっぱいに帰ってくるな」
「おやすみなさい…」
「はぁ…まったく…手がかるなぁうちのペットは」
「……」
「おやすみ…パシリ君」
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