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23話

「おっしゃ!俺っち売れっ子声優に昇格!!」

「あー!ひさっちゃんいいな!!僕まだ売れないピン芸人なんだけど」

「タレントって月給いくらなんや」

「2千だね」

「俺っち4万8千〜」

「くっっそ絶対売れっ子芸人になってやる」

「ナオッちはボケよりツッコミ担当って感じだからピンじゃやってけね〜なぁ」

「ひさっちゃんだって売れっ子声優ってなんだよ!!おじさん声優とか大塚明夫気取ってんじゃねぇぇぞぉぉぁお!!」

僕たちは昼日中ひさっちゃんと2人で人生ゲームに勤しんでいた。

普通4人くらいでやるゲームをこのメンバーに乏しい人数で行うこと自体寂しいことこの上ないのだが、なにげ盛り上がった。

ひさっちゃんの元で潤い続ける給料を脇目に自分の貧相なゲーム内疑似通貨札を握りしめていると白いワイシャツに黒いタイトスカートを着た江理香さんというOL風のお姉さんがまた書類らしき物を持って事務所にやってきた。

この光景前にも見たな。

「久義さん…これ、成果報告書です」

「んあ、さんきゅーなぁ」

「はい…ではこれで」

そう言うと江理香さんはまた僕の方を見てきた。

「………?」

「……」

「あ……あの…………江理香……さん?」

「はい……どうかしましたか?」

「え……あーいや……別に……」

「そうですか」

「はい……」

「…………」

「…………」

その後もしばらく僕を見つめた後江理香さんは牛舎の方へ行ってしまった。

ん???なんなんだ?。

「ん〜、なるほどなるほど……」

「ねぇひさっちゃん……僕…。江理香さんに嫌われてたりする?」

「なんで?そんな事ねーと思うぞ」

「なんか会うといつもめっちゃ見られるんだけど」

「あー、可愛い顔したガキが居るから気になるんでねーの?」

「えぇ」

「お!おめーそろそろ江理香ちゃんに興味出てきた感じか??」

「い、いやぁ……まぁ気になるっちゃ気になるけど」

「だろぉ?日本美人だであいつは」

「江理香さんってどんな人なの??」

「んあー……んだなぁ……まぁ分かりやすく言うならクソ真面目ってところだな」

「クソ真面目……」

「妹のルヴィは会って初日でおめーさんに襲いかかるくらいなんだがなぁ……それに対して姉ちゃんの江理香はそりゃあ真面目だぁ」

「ほー」

「おめーさんの給与明細とか牧場の書類関係、その他諸々も実は江理香ちゃんが陰ながら世話焼いてくれてんだぁ?」

「え、そうだったの?」

「そうだぞう?……割とおめーさんの気づいてないところで江理香ちゃんの世話になってんだぁ?」

「知らなかった……」

「それだけじゃねぇ……江理香ちゃんは普段自分の働いてる会社の書類とか仕事をここに持ち込んでよぉ……よく部屋で書類作成とかリモート会議とかもしてるでよ」

「んー……え?……江理香さんってここの従業員じゃないの??」

「ちげぇーよ?江理香ちゃんは普段都内の企業で働いてるんよ、夏の間だけこの牧場に来てんだぁ?普段はエリート企業でバリバリ働いてるってわけよ」

「え??どうなってんのそれ」

「妹のルヴィが夏の発情期の期間に変な事しでかさねーか監視するために来てんのよ」

「なんか…ルヴィさんの事でめちゃくちゃ苦労してそうだね……」

「だから江理香ちゃんの働いた分の給料も名義上はルヴィちゃんでな、江理香ちゃんは夏の間毎年特別休暇を貰ってこの牧場にボランティアにきてるってわけよ」

「そうだったんだ……というかルヴィさんってやっぱ危ない人なのか……」

「そりゃあそうだで……地元で『赤いヤバい奴』って通り名で呼ばれちまうくらいにはルヴィは問題児だからなぁ」

「えぇ……なにその異名」

話を聞いた限りもしかしたら江理香さんはこの牧場で1番の苦労人かもしれない。

確かにクソ真面目って点でもその話を聞いただけでどれほど生真面目な性格をしてるかが滲み出てる。

「おめー江理香ちゃんに興味あんならこんど部屋行ってお仕事手伝いますとか言ってみな?」

「え?僕が??……うーん…突き返さちゃうような気が」

「まぁ最初は要らないって突き返されっかもしんねーけどなぁ……強く頼まれると断れねぇ性格だからよ〜江理香ちゃんは」

なるほど、どんな人かちょっと気になってはいたし、今日の夜辺り…行ってみようかな。

僕はその日の夜のプランを練った。

「ふー…今日のセシリアさんの料理も美味かったなぁ」

セシリアさんの冷やし中華を堪能した夜。
僕は縁側で夜空を見上げていた。

これは最近の日課になりつつある。

この縁側に腰をかけながら見上げる夜空がなかなか良いのだ。

「あ、そういえば……」

お昼のひさっちゃんとの会話を思い出す。

江理香さんの部屋かぁ……。

「うーん…」

正直ひと目見た時から何気1番気になってたのが江理香さんだ。
あのサラサラの黒髪にショートヘア。
都内でもなかなかお目にかかれないレベルの美人OL感。

あとシンプルになんか自分の気づいてないところでいろいろお世話になっていそうな気もする。

同じ牧場に住んでる訳だし、話してみたい。

「んーよし……行くだけ行ってみるか……暇だし」

江理香さん牧場の書類管理だけじゃなく普段働いてる会社の仕事まで牧場に持ち込んでる訳だもんなぁ。

大変だろうな、確かに手伝える事があるなら手伝いたい気持ちもある。

一応これから美人の部屋に行くわけで、僕も少し見た目をチェックしてから事務所を出た。

牧場には夜の帳が降りてから少し経っており、コオロギとカエルの鳴き声が聞こえた。

僕は夜の音を聴きながら牛舎へと踏み込んだ。

この牛娘用牛舎に自分から入るのは初めてだ。

牛舎という名前には似つかわしくない小綺麗さ。
そもそも見た目だってほとんどアパートと相違ない。
それも田舎の安い錆びたアパートとは違う、相当お金をかけているのか一部屋一部屋がそこそこ広い作りなのが分かる。

「あれ……」

気づいた。
気づいてしまった。

「これ…どこが誰の部屋なんだ……」

表札がねぇぇぇえ!!!
部屋の扉には番号しか書かれていない。

牛娘さんのみんなは普段から使ってるから分かるんだろうけど、今日初めてまじまじとその外観を認識した僕にとってはどこが誰の部屋なのかマジで分からない。

こないだリアナさんと色々あったのでリアナさんの部屋は分かるのだが、他の人に関してはちんぷんかんぷん丸びよよーん。

いや、ふざけてる場合じゃない。

間違えて他の人の部屋に入ろうとしてしまった日には。

とりあえずインターホンでも鳴らせば分かるのでは…。

「うん…インターホンねーわこれ」

よし!運だ!今頼れるのはアイツしか居ねぇ!!

まず1部屋目。

コンコン

中の人が反応したのかドアの方へ歩み寄ってくる。

さぁ、誰が来る。

ガチャ……。

「はーい……て、どしたのパシリ君」

はい、ご主人様の部屋でした。

「あ、いや……すみません…用は無いです」

「なに?夜這い??ご主人様の寝込みを襲うなんてはしたないよ〜?」

「ち、違いますって!!ほらっ…百花さんは寝ててくださいっ」

「はぁ〜?呼び出しといて何それ…コブツイ喰らいたいの?」

「コブツイはやめてくださいっ…おやすみなさいっ!!」

ドアを閉める。

危ねーコブツイ食らうところだった。

2部屋目。

コンコン

中の人の誰かが反応してドアに向かってくる。

ガチャ

「はいは〜い……あら?ナオくんどうしたの?」

はい、セシリアさんでした。

「もしかしてお夕飯足りなかった?お夜食作ろっか?」

「あっ、いやっ……大丈夫です……すみません」

「も〜……ふふっ…あんまり夜更かしはダメだよ〜」

「は、はい…おやすみなさい」

「うん、おやすみなさい〜」

3部屋目

コンコン

中の人の誰かが以下略

ガチャ

「にゃ〜?」

「あっ……猫のコスプレしてる変人さん」

「にゃ〜、出会い頭に人を変人扱いなんて酷いにゃ〜」

「す、すみません」

「お兄さんどうしたにゃ?帰るおうち分からなくなったにゃ?」

「い、いやっ……迷子じゃないですって!」

「迷子の放送かけるかにゃん?」

「ご近所迷惑になりますよ!!」

「ここ山だからご近所居ないにゃん」

「そ、そうだった」

「なんかミャーに用があったにゃん?」

「な、ないです……間違えちゃいました…おやすみなさい」

「おやすみにゃーん」

4部屋目

コンコン

中の誰か略

ガチャ

「あーーー!♡子種くんじゃーん♡もしかしてルヴィちゃんの部屋にただいまんこって感じ〜?♡じゃ早速お風呂とご飯すっ飛ばしてルヴィちゃんとパコパ(ガチャっ)」

うん、部屋間違えたわ。

ていうか、ルヴィさん今腕縛られてなかった??
理由や経緯は分からないが今どうやって扉を開けたのかめっちゃ気になる。

まあいいや。

5部屋目

コンコン

「はい」

あっ、この感じは。

ドアの中から静かに返事が返ってきたのでドア越しに話しかけてみる。

「あ!あの〜…すみません…江理香さん……居ますか??」

「…………」

返事が無いやっぱ間違えたか。

「その声…もしかして星野君ですか?」

あっ、この声、この真面目な返答。
これは江理香さんだ。

「え?あっ!はいっ…そうです」

中からドアへ歩いてくる音がする、ドアが開くとそこには江理香さんがいた。

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