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25話

コンコン

ガチャ

「またですか……星野君」

「はい」

「ちょうど夕食にしようと思っていた所だったのですが」

「あ、ちょうど良かったです。ちょっと見せてください」

「特に変な物は食べていないですが……まぁいいですよ」

部屋に入ると確かにテーブルに夕食らしき物が並べられていた。

小さめの茶碗に乗った小盛りのご飯、瓶入りの粒あん、練乳、昨日冷蔵庫で見たチューブ入りの1リットル蜂蜜、マグカップに入ったコーヒー、スティックシュガー。

うん、これ、人の食事か?

一応まだ食べてないので偏食が確定した訳では無い、説教は食べ始めてからだ。

テーブルに着くと江理香さんはテレビのリモコンでニュースを映し食事を始めた。

まず江理香さんはご飯の上に粒あんを乗せ始め……っておいおいおい。

「ちょっ、ストップっっ」

「え?どうかしましたか?星野君」

「い、いや……何してるんですか?」

「ご飯にあんこを乗せているだけですが」

まて、まだだ。
まだ食べ始めていない。
説教はまだだ。

江理香さんは次にそのあんこ乗せご飯の上に練乳をかけ始めた。

うん、やべぇ。

次に蜂蜜をご飯の上にたっぷりとかけ始める。

そして最後にスティックシュガーを上からふりかけた。

江理香さんはまるでこれが普段通りと言うかのようにニュースを見ながらそのダークマターを口に運び始めた。

ゴーサインっっっ!

「ちょっ……何食べてるんですかっっ」

「い、いやだから……食事を」

「いやいや……いやいやいや……」

「星野君……さっきから騒いでどうしたのですか」

「いやだってこれ……これぇっ」

「もしかして……星野君も食べたいのですか?」

「いやいやいや………………いやいやいやいやいやっっ!!」

「仕方ないですね……もう1個予備の茶碗があるので取ってきます」

「いや大丈夫ですってっ」

「君は育ち盛りだ、遠慮していては背も伸びないですよ」

「えぇっ……」

「ならせめて1口どうですか?ほら……」

箸に乗ったダークマターがこちらに迫ってくる。
やばい、本能が逃げろって言ってる気がする。

だがその美人な顔でなにもおかしな事はないと言うかのように善意で薦めてくるその姿。

僕は1口食べてアウトだったら説教しようと思った。

ぱく

「う゛っ…………」

やばい。
やばい味がする。
歯がとけそうだ。
昔ノリで買った海外のカラフルなカップケーキの甘さを超えている。

あれ超えるって相当だぞ……。

そんな僕をよそに期待の眼差しで江理香さんが僕を見てくる。

「どうですか?美味しいでしょう?」

「ごく………あの……江理香さん……」

「はい……どうかしましたか?」

「この食生活続けてたら絶対だめですって……いつか死にます」

「健康診断は半年に一回受けているので大丈夫ですよ」

「えぇ…………」

江理香さんの食生活はいつか直させるとここに誓ったのだった。

〜〜〜〜

江理香さんはテーブルの上を片付けるとまたパソコンをカタカタし始めた。

仕事に対する姿勢は勤勉そのものだ。
きっと社内でも素晴らしい営業成績を残しているに違いない。

僕は横から江理香さんの仕事風景をただ見守っていた。

「星野君」

「はい」

「宿題は終わったのですか?」

「い、いや……まだですけど」

「いけませんね、なら私の部屋で油を売っていては」

「そ、そうですけど……」

「私に構っていても、特に面白い事は無いと思います。」

「いや、つまんなくは無いですよ……江理香さんと一緒に居るの」

「そう……ですか。」

江理香さんはそれを聞くと手を止め正座の姿勢のまま僕の方を見つめてきた。

これ多いな。

江理香さんはたまに手を止めては僕の顔をじっと見つめて来ることが多い。

「…………」

「…………」

「あの……」

「なんですか?星野君」

「江理香さんってたまにこうしてますよね」

「こうする……とは」

「たまにこうやって僕の顔じーっと見てる事多くないですか?」

「そうですか?」

「はい」

「…………」

「…………」

「そうですね……確かにそうかもしれません」

「どうしてですか?」

「……………目の保養です」

「え?保養……え?」

「君は見ていて癒されます……だからパソコンで少し目が疲れたらこうして君の顔を見るようにしているんです」

「えぇ……いやぁ、えぇ。」

「…………」

「………………」

「でも……あまり見すぎるとそれはそれで疲れます」

「え、なんでですか」

「理性を保つのに疲れます」

「理性……?」

「いえ、なんでもないです……。」

「は、はぁ……」

「君ももう帰りなさい……未成年の男の子がこんな時間に成人した女性の部屋に入り浸っているなんて……素行としては良くない」

「は、はい」

「明日はもう来なくても大丈夫ですよ……星野君」

僕は帰されてしまった。
明日は来なくていいそうだ。

コンコン

ガチャ

「はぁ……またですか……星野君」

「はい」

「私の部屋が気に入ったんですか?」

「まぁ、そんなところです」

「はぁ……まあいいです……カルメ焼きでも食べててください」

江理香さんは今日も同じようにパソコンと向き合っている。
僕はと言うとただカルメ焼きで口内を焦がしながらその様子を見ていた。

しばらくすると江理香さんはまたいつものようにキーボードを叩く手を止めて僕の方を向いてきた。

「……」

「………。」

「……星野君」

「はい」

そういうと江理香さんは僕の頬に手を伸ばしてきた。

優しく撫でるように僕の頬さすってくる。

どうしたんだろうか。

江理香さんはしばらく僕の頬を擦りながら黙っていた。

その綺麗な黒目の奥で何を考えているのか、僕には分からない。

そんな時間がしばらく過ぎた。

「……」

「………。」

「あ、あの?」

「今日までです」

「え?」

「…………」

「な、何が今日までなんですか?」

「………………」

「私が理性を保っていられるのが……です」

「え?」

「…………」

「…………」

「忘れて居るようですが……私も一応牛娘です」

「は、はい……知ってますけど……」

「それと……私は今発情期を迎えています……妹のルヴィほどでは無いですが、それなりに感じるものがあります」

「えっ……あぁ、まぁ……そうですよね」

その大きな胸も、頭にあるみんなよりはかなり小さめな角も、確かに牛娘のそれだ。

でも、この人の振る舞いや喋り方が常識人そのものなので僕はこの人が牛娘だと言う事を少し忘れかけていた。

そもそもこの人は角がかなり小さい、パッと見注視しなければ気づかない。

なにより、角が髪の毛の色と被って黒なのだ。
これではただ人より胸の大きい人だと間違って認識してしまっても仕方ない。

「…………」

「…………」

「私は常に自制して生活しています、なのに君のような子が常に横にいると、私も自分を抑えるのにそれなりに神経を使います」

「え、そうだったんですか……なんか……すみません」

「なので……」

そう言うと江理香さんは頬を撫でていた手を僕の後頭部ら辺に回し、僕の顔を自分の顔に寄せて行った。

お互いの髪の匂いが分かるくらいの距離まで近づく。

江理香さんの髪からは椿のようないい匂いがする。

「私も……今日は我慢します」

「え……は、はい」

「なので、私に襲われるのが嫌だったら……明日からはもう私の部屋には来てはいけません」

「え……」

「……」

「でも……もし明日も君が私の部屋の門を叩くような事があったなら……」

「…………」

「その時は……君が私の発情期を受け入れたのだと判断して……そのまま君を襲います……分かりましたか?」

「えっ」

「さぁ、今日はもう帰りなさい……星野君。」

江理香さんに部屋から出された。
ドアを閉める直前。

「また君がここに来てしまうなんて事が無いことを祈ってますね……星野君」

そう言われた。

僕は。

次の日。

江理香さんの部屋をノックした。

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