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第二話【顔面騎乗フェラ】-思いっきり吸い込んでいいんだよ?

セナが大掃除をしようと俺の家まで来たのは、とても寒い日の朝のことだった。

よく晴れていて絶好の掃除日和だ。しかし、俺は彼女の提案を心から歓迎することが出来ない。なぜならセナの本心が他にあることを俺は知っている。

一通り掃除を終えた彼女はとてもいい笑顔を浮かべながら俺に向かって手を差し出した。

「じゃあ、タケルくん、スマホ出して」
「……はい」

俺は観念してロックを解除したスマホをセナに手渡した。セナは俺からスマホを受け取るとにこやかな笑顔のまま操作を始めた。おそらく先程処分したコレクション同様に、スマホに入っている18禁コンテンツデータも削除しているのだろう。

セナは一つ一つ何かを確かめるようにうなずきながらスマホを操作している。彼女はどうも機械的にデータを消しているというわけではないようだ。

「なぁ、セナ」
「なぁに?」

セナは操作をやめて髪をかきあげた。清潔なセミロングの黒髪がふわりと揺れた。シャンプーの甘い香りが僅かに俺の鼻をくすぐった。何気ない仕草にもかかわらず、彼女が可憐に見えて俺の心を揺らした。

「あのさ……俺、これから一人でするときはどうすればいいんだ?」

自分でも驚くほど下世話なくだらない問いかけだと思う。しかし、切実な問題だ。自慰のときにオカズがないというのはなかなかつらいものがある。彼女の言葉を借りればいつでも手伝ってくれるとのことだが、現実にはそうもいかないだろう。お互いに生活があるし、重要な問題もある。

「タケルくんはもう、一人ですること無いからいいんじゃない?」
「いや、その、セナがその……」
「?……あ、生理中とか?」
「そう……そういう時は流石に」

お願いできない。というよりそれをさせるのは人としてダメだと思っている。付き合って三ヶ月しか経っていないが、セナの生理がつらそうだということは理解している。彼女の生理は決して軽くはない。酷い時はベッドから出てくるのが難しいほど苦しんでいる姿を知っているだけに余計な負担を強いたくなかった。

「ふふ、タケルくんは優しいね。私のカラダ、心配してくれるんだね」
「あ、当たり前だ!」

こんなのでも一応彼氏である。つらいときは無理をしてほしくない。痛い時は痛いと言って欲しい。俺が頼られるにふさわしい男かはさておき、支えられるような人間でありたいとは思っている。

「で、でもさ、そういうときでも、その、したい時はあるからさ……」

ここで我慢できないところが自分でも情けない話だと思う。しかし、事実なのでどうしようもない。彼女の生理中だからといって俺も射精を我慢するという選択肢を取るのはなかなか難しい。そうでなくても毎日したいと思う程度には性欲があるのだ。

「んー……確かにね~、うーん、我慢できず浮気されるのも嫌だしなぁ……」

セナは人差し指を頬に当てながら真面目な顔で考える。彼女の言う浮気はおそらく映像データなども含まれるのだろう。実際の浮気は言語道断にしても、フィクションまでダメというのはなかなか厳しい。彼女が嫉妬深いのか、それとも他の女性もこうなのか、恋愛経験の少ない俺には判断がつかない。

彼女はしばらく考えていたが、何かを思いついたのかニヤリと、俺に向かって牙をむくように笑った。その獰猛な表情に俺は背筋に薄ら寒いものを感じて身震いする。

「タケルくんのオカズ、私が作ってあげようか?」

セナは大きな瞳を細め、あまりにも魔的な表情でそう言った。目元にある泣きぼくろから魅了の呪いがかかっていると言われたら信じてしまいそうなほどの勢いがあった。

「え?」

俺は彼女の質問の意図がわからずマヌケな声で聞き返した。オカズを作るとはどういう意味だろう。

「えっちな写メとか動画とか……使用済み下着とか?」

彼女はニヤニヤと弄ぶような笑顔で俺を覗き込む。ネコ科の生物のような眼尻は笑ってこそいるが、その奥にある爛々とした輝きがセナが本気であることを物語っている。

「タケルくんは、どんなのが欲しい?」

セナはゆっくりと、けれども俺を逃さないように接近してくる。整えられた前髪がはらりと揺れる。彼女の身長は女性にしては高い。整った清楚な顔に淫靡な表情を浮かべながら、俺に迫る姿はアンバランスで結構な威圧感を俺に与えた。

「どんなのって……」

俺は彼女の提案に困惑する。いざ言われると中々難しい質問だ。全く思いつかない。セナは口元をいやらしく歪めると、とっさに俺の唇を奪った。初めは軽く、数度唇を重ねながら、俺の力を奪うように熱情を折り重ねていく。

「例えば……」

セナは不意を打って俺の体制を崩し、鮮やかに俺を押し倒した。彼女は俺が体制を整える前にすばやく顔の上にまたがるとスカートを惜しみなくたくし上げた。白く細やかでありながらも肉付きの良い太もも、そしてパステルグリーンの下着にくるまれた下半身が蛍光灯に照らされる。

「せ、セナ……」

俺は目の前に繰り広げる光景に困惑する。彼女は何をしようとしているのだ。

「ほら、こういうの、興奮しない?」

彼女の挑発に俺は瞬く間に股間が沸き立つのを感じた。無理やり押さえつけられて、スカートの中身を見せつけられているという明らかに異常な状況にもかかわらず興奮していた。

「このまましゃがんであげようか? そういうの好きなんだよね?」

どうしてそれを……俺は問いかけようとしてやめた。彼女は知っているのだ。今日の大掃除で俺のコレクションは軒並み全てが判明している。俺がどんな性癖を持っているかなんて一目瞭然だ。興味なく捨てるふりをしていてもしっかりチェックしていてる辺り本当に抜け目がない。

「ふふ、男の人の顔の上に座るなんて初めて」

俺の無言を肯定と受け取ったのか、彼女の腰がゆっくりと俺の鼻に向かって降りていく。そのまま俺の顔を椅子にするかのようにして優しく股間が押し付けられた。何度も妄想した顔面騎乗というやつだ。コットン生地のふんわりとした感触とその奥にある女性器の肉感的な柔らかさが俺の鼻を楽しませる。

「そうそう、鼻くっつけて……思いっきり吸い込んでいいんだよ?」

俺は彼女の誘導のままに大きく呼吸をした。むせ返りそうなほどの高密度の湿り気とともに、得も言われるぬ匂いを空気とともに吸い込んだ。凄まじい香りだった。甘さと酸っぱさと刺激がごちゃ混ぜになったような複雑な芳香は他に例えようもない鮮烈さがあった。良い臭味では無いのにいつまでも嗅いでいたくなる不可思議な匂い。さながらメスのニオイと呼称するのが相応しいような強烈な体験が俺の本能を呼び覚ます。

「ふぅ、ふぅう、ほぉう」

俺は夢中になって嗅覚を総動員して、彼女の匂いを吸い込んだ。濃密な女性の香りは嗅げば嗅ぐほど理性が瓦解していくのがわかる。
気がつけば俺は匂いをかぎながら自らの股間に手を伸ばしていた。ズボンの中で固くなったモノを無意識に取り出そうと手を伸ばす。

「まだダーメ♡」

伸ばした腕をセナのやわらかな手によって静止させられる。

「ふふ、タケルくん、顔を椅子にされておちんちんイジリたくなっちゃうくらい悦んじゃうんだ……やっぱり変態なんだね」

俺の顔は彼女の下半身で覆われているので表情は伺えない。しかし、色情を帯びた声色はどこか嬉しそうに聞こえた。

「へ、変態なんかじゃ……」

とっさに俺は否定した。けれどもその弁解が虚しいことは自分でも理解している。

「変態だよ、顔に腰掛けられてパンツ越しにおまんこの匂い嗅いで興奮してるんでしょ?……しかもオナニーまでしようとして」

「う……」

事実を突きつけられると全く反論できない。正直、俺自身はセックスよりもこうしたどこか倒錯したような性行為に興奮するタイプだ。生殖を伴わない性行為というモノにどこか人間的な魅力を見出している。

「でもいいよ。私はそんなタケルくんでも大好きだよ」

セナはまるで下半身で俺の顔を撫でるかのように僅かに腰を動かした。湿り気のある布地が俺の鼻先で動き、彼女の匂いでマーキングされていくのがわかる。

「あっ、これ、気持ちいいかも」

彼女の吐息に甘いものが混じる。下着の奥の匂いが濃くなっていくのを感じた。少しずつではあるが彼女は腰の動きを早めていく。まるで俺の顔を使ってオナニーをしているかのようだ。

「タケルくんの息、すごいよ。おまんこに、ふー♡、ふー♡ ってあったかいのがかかってる♡」

セナはくすぐったそうに身体をよじらせる。

「ふふ、そろそろタケルくんのおちんちんも出しちゃおうか」

不意にベルトを外す音がした。ファスナーを降ろされる感覚があった。ゆっくりと、けれども確実に俺の服が脱がされていく。あっという間にペニスが外気に晒された。

「あは♡ ガチガチ。ものすごくエッチな形してるよ? タケルくんのお・ち・ん・ち・ん♡」

セナの指先がペニスに触れる感覚があった。根本の部分を指先で固定されているようだ。

「んっ♡」

ふいに冷たいものが俺の亀頭に当たる。俺はセナの股間に顔を埋めたまま驚愕の声を上げた。

「ぁん♡ びっくりしちゃった? タケルくんのおちんちん拭いてたんだよ? ひんやりするけどちょっと我慢してね」

この冷たさはボディシートによるものだったようだ。亀頭、陰茎、睾丸に至るまで丁寧に拭き取られていくのが感覚でわかる。

「はい、終わり……ふふ、おとなしくしてたね。いい子ー、いい子ー、よしよし」

彼女はまるで子供をあやすように俺の陰茎を手のひらで数度撫でた。

「キレイにしたばかりなのに、タケルくんのおちんちんから、透明なお汁溢れてきてるよ。触られるの、嬉しい?」

セナはとろりと脳の奥を溶かしてしまうような甘く穏やかな声でそう言った。包み込むような口調は俺の心を満たすには充分すぎた。

「あは、嬉しいんだ。おちんちん、わんちゃんの尻尾みたいにピコピコって動いてるよ」

彼女の指が触れるたびに俺のペニスは小刻みに反応を繰り返す。

「タケルくんのおちんちん、ホント可愛いね……」

ふいにチュッっと亀頭に暖かく柔らかいものが当たる。

「!?」
「えへへ……キス、しちゃった♡」
「今日は私のお口で、タケルくんのおちんちん、可愛がってあげるね」

セナは俺の方を振り向き、とろんと顔を緩ませながら、いたずらっぽい声を漏らした。俺の亀頭が温かい感触で包まれる。鈴口に何かが当たる感覚があった。ヌメヌメとした物体が先端を撫でている。

「んふ♡ んむ♡ んふ♡」

セナは優しくゆっくりと暖かな舌で俺の亀頭を愛撫していく。

「あっ……セナの口……あったかくて、気持ちぃい♡」

俺はたまらず声を漏らした。

「ほんろぉ? じゅぷ、っんふ、れろぉ……♡ ふぅ、先っぽからエッチな汁、どんどん溢れてくるよ? ニガイぃ……興奮するぅ……んふ、んふ、ちゅっ♡」

彼女の口淫が俺の陰茎を支配していく。気がつけば暖かな感触は根本まで到達していた。しっかりと咥えられているのか震えるたびに敏感な部分がやわらかな肉にぶつかる。

「あむっん♡ ちゅず♡ ぶっず♡ ぶっ♡」

セナはわざと大きな音を立てるかのようにして、唇でペニスをストロークしていく。激しくないゆっくりとした動作だが、俺の全てを包み込むような動きに興奮が高まっていく。

「ぷはっ♡ ほうぃうのは、どう? あは、唾液でおちんちんべちゃべちゃ……次はもっと早くしてあげるね」

セナは一度口を離して、艶めかしい口調で宣言すると再び愛撫へと戻っていく。

「んぷっ♡ じゅぷっ♡ ……ずずっ♡ あむっ……んぐっ♡ れろ♡ じゅぷ♡ っんふ……っ」

彼女の吐息と唾液からもたらされる卑猥な組曲が部屋中に響く。

「あぁつ♡ すごい、セナの口、すごいよ……気持ちよくて、溶けそうだぁ……」

俺は彼女の口淫に腰を震わせた。温かなヌメリでペニスを包まれる感触がたまらない。

「んはぁ♡ タケルくんのおちんちんから、くさいお汁、どんどん溢れてきてるよ? 舌で舐めてるからわかるのぉ、舐めても舐めても溢れてきて……えへっ、熱くて固くて……すごいぃ……えっち♡」

俺は彼女の股間に顔を埋めながら情熱的な愛撫に身を任せていた。射精をこらえるだけで精一杯だ。

「ずずっ……んぐっ♡ ずずっ……じゅ♡ ぷっ♡ ずっ♡ んちゅ♡ んちゅ♡」

セナの奉仕は激しさを増していく。しっかりと先端から根本までまんべんなくスライドしていく。

「あぁあぁ、セナぁ……♡ ふっああっ……あぁ♡」

気がつけば俺はセナの股間に顔を埋めたまま、くぐもった喘ぎ声を漏らしていた。彼女の情熱的な口淫によって全身から精気が搾り取られていくような錯覚さえ覚える。鼻先に届く彼女の匂いはどんどん強くなってきているようで、俺の脳髄の奥底を痺れさせていた。

――射精したい。極めて動物的な欲求が身体の底から沸き上がってくる。

「じゅぷっ……ずずっ♡ ぷぁは、射精したいの?」

俺の痙攣から察したのか、セナは溶けてしまうような妖艶な声で俺に問いかける。

「あっ♡ あぁ、だ、射精したい……」

もう、我慢の限界だ。今にも睾丸から吹き出してしまいそうな情欲を抑えきれない。

「ふふ、なら、どうしたいか、私に教えて?」

セナは突然、愛撫をやめる。小悪魔のような口調で俺に問いかけた。

「えっ……」

突然の寸止めに俺は躊躇を隠せない。

「じゃないとやめちゃうよぉー、ほらほらー」

セナは上機嫌な声をあげながら、指先で俺のペニスを弄ぶ。射精寸前の限界まで張ったペニスはほんのすこしの動作で暴発しそうなほど張り詰めているにもかかわらず、射精に至るには刺激が弱すぎる。まさに生殺しだ。

「せ、セナの……」

セナのフェラで射精したい。俺の中でその想いが羞恥心を遥かに上回った。

「セナの? 何? はっきり言えたらしてあげるよ?」

彼女の挑発に後押しされるようにして俺は言葉を紡いだ。

「く、クチでして欲しい……その、こ、このままの姿勢で」

俺の中には彼女の股間の匂いをかぎながら射精したいという欲求が芽生えていた。自分でも変態的だとは思っていても、理性で抑えることが出来ない。

「ふふぅー、タケルくんは私のあそこを嗅ぎながら、クチの中で射精したいんだー、いやらしいー」

セナは愉しそうな声色で俺の要求をより卑猥に言い換えてる。別に口内で射精したいとは言ってない。

「いいよ、してあげる。タケルくんの精液、全部私が奪ってあげる」

彼女は熱っぽい吐息を俺の亀頭に吹きかける。

「うう♡ あぁう……♡」

限界まで勃起しているペニスは自分でも驚くほど敏感だった。彼女の些細な吐息にさえ大げさに感じてしまう。

「いいよぉ、タケルくん、思いっきり、射精していいよ、私が、全部おクチで受け止めてあげる♡」

前回もそうだったが、彼女は俺の精液を受け止めることに何かこだわりでもあるのだろうか。だが、今はそんなことはどうでもいい。射精したい。その欲望だけが俺の思考の全てだった。

セナは座る位置を整えてから、ゆっくりと俺のペニスを咥え込みフェラを再開した。

「んむちゅっ♡ ずぶっ♡ ずずっん♡ ちゅずっ! んちゅんっんぐっぅ♡」

先程までより動きが速くなっている。俺の精を貪るような激しい動作に俺の頭は雷にでも打たれたかのように真っ白になっていく。

「うあ、せ、セナぁ……ううっ! は、激しいぃ♡ あぁふっううっ♡」

あまりの刺激に俺は声を漏らしていた。セナは俺の喘ぎに応えるかのように激しいストロークを繰り返す。

「じゅぷっ♡ んむん、ちゅんぷっずぶっ♡ じゅぷっんふんちゅんむ♡」

気がつけば俺は彼女の太ももにしがみつくようにして、絶大な性感に震えていた。快感のあまり全身が無意識の痙攣を繰り返す。

「はぁっ♡ も、もう……うくっううふっ♡ 射精しそうぅ……あ、うっ! う♡」

ちょうど彼女の口がペニスの根元まで到達したところで、俺の我慢は限界を迎えた。

「あぁ、あ、ぁ♡ ああっあ、ぐっう……」

俺は激しい快感に身をよじらせながら射精した。腰の奥から熱いものがこみ上げて来る。びゅくびゅくと精を打ち出すたびに腰が震え、彼女の喉に目がけて放出していく。

「んむ……ずずっ、あむっずっ……」
セナは俺の射精が終わるまで頭を同じ位置で固定していた。しばらくして痙攣が止まったのを確認すると、ゆっくりとペニスから口を離した。そして、背中を向けていた身体をくるりと俺の方に向き直す。

「ほらぁ、ほんはひ、ひっぱひぃ……♡」

彼女は俺の上にまたがったまま、白濁色に染まった口内を見せつける。セナの深紅の舌の上に俺が吐き出した精液が広がっている光景は思わず言葉に詰まってしまうほどの卑猥さがこもっていた。

「ほむね……♡」

セナはそう言ってから一息で喉を鳴らして飲み込んだ。その動作に一切の迷いはない。まるで当然と言わんばかりに飲精する。

「べぇ……今日も飲んじゃった♡」

彼女は飲み込んだことを見せつけるかのように一度俺に舌を出してみせる。彼女の扇情的な行動に俺は呆然としていた。

「ふふ、タケルくんの精液、今日も濃かったよ。私のために作ってくれたんだもんね♡」
セナは再び俺の股間の位置まで身体を移動させると、まだ精液で汚れたペニスを咥えた。

「ちゅっ、ずっ……」

彼女は口内に空気を含んでペニスに残っていた精液を一息で吸い出した。側においているボディシートを取り出して、唾液と先走りと精液でベトベトになったペニスを拭き取っていく。

俺は罪悪感と感謝と手際の良さに驚愕しながら彼女を見つめていた。

「私のフェラ、気持ちよかった?」

セナは俺の股間を拭き取りながらにこやかな笑顔で問いかける。

「あぁ……すごく、気持ちよかった」

俺は半ば放心しながら返答する。完全に搾り取られた気分だ。

セナはシートをゴミ箱に捨ててから、流れるような自然さで俺に唇を重ねた。彼女の唇からは甘い香りと俺が放った精液の残り香がした。自分が出したものと考えたら不快になるのに、彼女の口を一度経由すると魅力的なモノに思えてくるから不思議だ。

俺達はお互いの唾液を入れ替わってしまうのではないかと思うほどたっぷりの時間をかけてから唇を離した。セナの口元を見るとぷっくりとした唇が唾液を反射して光り輝いていた。

「ふふ、ね? えっちなモノなんて必要ないでしょ?」

彼女は情欲に満ちた瞳で俺に問いかけた。俺は彼女の雰囲気に押し切られ、無言で頷いた。

問題は解決していないが、それはまた後日相談すればいいだろう。

今はまだ何も考えず、この余韻に浸っていたい。そう思った。

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