第四話【パイズリ】-男の人はこういうの好きなんだね
俺はセナの部屋でグラスに注いだお茶を飲みながら、ぼんやりとスマホをいじっていた。外は寒い。しかし部屋の中の空気は暖房によって乾燥している。
俺はすっかり室温になってしまったグラスの中身を一口傾ける。ほんのりとした甘みが喉を潤していくのを感じた。
今日は一日中セナの買い物に付き合っていた。前回の休みのときに何も出来無かったお詫びのつもりだったが、結局彼女の家で夕飯とお風呂までごちそうになってしまった。セナは実家から大学に通っているのだが、今夜は誰もいないそうなので、このまま彼女の部屋で一夜を明かすことになりそうだ。
交際している男女が同じ部屋で一夜を共にする。このことがわかっていないほど、さすがの俺も鈍くはなかった。緊張からかやたらと喉が乾き、何度もお茶を飲んでしまう。
「タケルくん、おまたせ」
湯上がりのセナがタオルで髪を拭きながら部屋に戻ってきた。セミロングの黒髪はまだ先端が湿っており彼女が風呂あがりであることを如実に物語っている。本日購入した冬用のフリース素材のパジャマがなんともあたたかそうだった。
俺は気づけばスマホを持ったまま彼女に見惚れてしまっていた。
「ごめんね? 疲れちゃった?」
セナは別の意味で捉えたのか大きな黒い瞳を優しげに細めた。
「あぁ、いや」
俺の顔をセナが心配そうに顔を覗き込む。湯上がりの上気でほんのりと赤らんだ顔とまだ湿った髪が俺の心臓を動かした。
「今日はありがとね、おかげでいっぱい買い物できたよ」
セナは俺の隣に座るとお盆に乗せていた真新しいグラスにピッチャーからお茶を注いだ。コクコクと三口ほど飲んでお盆に置く。
「まぁ、これくらいはしないとな」
俺は気恥ずかしさを隠しながら返答する。前回、疲れ切ってセナに本当に心配をかけてしまった。そのことを考えれば買い物の荷物持ちくらいして当然だ。
「ふふ、タケルくんはいつもそうだよねー、いじっぱりというか、たまには素直になっていいんだよ?」
セナは余裕のある笑みで俺を諭すように言った。彼女は俺より年下だが、とても落ち着いている。包容力があるというのはこういうことを言うのだろう。
「そ、そうか?」
自分ではわりと素直に生きているつもりだが、セナから見るとそうは見えないようだ。
「ふふ、そんなタケルくんのために、今夜は私が素直にさせてあげる」
セナは俺の顔を両手で包むと、そのままゆっくりと唇を重ねた。
チュッ、チュッと二人をつなぐようにして温かい唇が触れていく。初めはついばむように軽く、次第にくっつく時間が長くなっていく。
「キスするの、気持ちいいね? タケルくんは?」
俺も気持ちいいよ、俺がそう返答するより速く、セナは再び唇を求め、より深く舌を絡めていく。
「ちゅっ……あむっ……んふ……んむ……」
ねっとりとした唾液が互いの口内で絡まるたびに俺の中で性欲が刺激されていくのがわかる。同時に俺の心に蜜のように甘い感情が満ちていく。
しばらくして満足したのか、セナはゆっくりと唇を離した。湯上がりとは別の要因で彼女の頬が赤く染まっているのが見て取れた。彼女は俺の肩に添えるようにして置いていた手を動かした。彼女の指先はいつしか俺の股間に触れていた。
「ふふ、キスしただけなのに、タケルくんのおちんちん、おっきくなってるね」
セナは艶めかしい笑顔を浮かべながら、俺の股間に顔をうずめるようにしてひざまずいた。ぺろりと欲情を誘うような動作で唇をひと舐めしてから俺のズボンに手をかけた。
「あは、もうこんなに元気……興奮してきた?」
俺は無言で頷いた。いやらしい気持ちにならないほうが無理だ。
「ふふ、ズボン脱いで、タケルくんのおっきくなってるおちんちん、私に見せてよ」
セナに促されるまま俺はズボンを脱いだ。ボロンと勃起したペニスがさらされる。
「ピクピク震えて……暴れん坊さんだね。ねぇ、どうして欲しい?」
彼女は俺のペニスに指を絡め、生暖かい吐息を吹きかけた。人肌のぬくもりを感じるような刺激に俺は腰を震わせる。
「今日は何したい? 口? 手? 自分でする? タケルくんがしたいこと私だけに教えて?」
セナの甘い誘惑に脳がしびれていくのを感じた。同時にしてほしいという願望が心の底から湧き上がってきた。
「む、胸、で……」
俺は自らの感情を口にした。恥ずかしい。けれども言わなければ前に進めないと思った。
「お胸で? どうしてほしいの? 言ってみて」
セナは誇示するように胸を持ち上げながら、ニヤニヤと小悪魔的な笑みを浮かべる。挑発的な彼女の口調に俺は自分の中から情欲が湧き上がってくるような気がした。
「は、挟んで欲しい」
パイズリだ。俺は彼女に胸での奉仕を要求した。AVや漫画で見るたびにずっと憧れていた。セナの大きな胸が揺れるたびに一度でいいからしてほしいと望んでいた。けれども自分の理性のせいで中々言い出せなかった。
「タケルくん、やけに私のおっぱいみると思ってたんだけど……パイズリしてほしかったんだね♡」
セナは俺の姿を見てからかうようにクスクスと笑みをこぼす。
「言ってくれればしてあげたのに、我慢してたんだ」
挑発するようなセナの態度に俺は顔が赤くなっていくのがわかる。
「ふふ、もっと素直になっていいんだよ?」
セナはゆっくりと引き抜くようにしてパジャマを脱いだ。パジャマの下から程よく脂肪のついた体躯と桜色のブラジャーに包まれた豊満な乳房が現れる。
「よっと……」
彼女はパジャマを脱ぎ捨てると、手慣れた様子でブラジャーのホックを外した。重力に従ってブラジャーが外れると、たわわでありながらも伏せたお椀のように形の良い胸が登場した。俺はいつ見ても圧倒的なその存在に目を奪われていた。
「汚れると嫌だから、下も脱いじゃうね……」
セナは俺の視線を意に介さず立ち上がると、トップレスのままズボンも脱いだ。ふんわりとした素材のズボンがゆっくりと足から引き抜かれる。彼女は桜色のショーツ一枚となった。
「下はタケルくん脱がせて」
セナはそう言って俺の前に立った。俺は息をのんだ。緊張に震えながら彼女の下着に手をかけた。ずらすとしっとりと湿った陰毛が顔を覗かせた。ほんのりと石鹸の香りを感じた。まだ湯上がりからそれほど時間が経っていないためだろう。まるで体温以上の熱がこもっているような気分にさせた。
俺が下着を下までずらすと、セナは足を上げて引き抜いた。俺は彼女の下着を匂いたい衝動に駆られたが、それはギリギリのところで我慢した。本物が目の前にあるのに何も残り香に目移りすることはないと自分に言い聞かせていた。
「ふふ、ありがと♡」
彼女は俺から下着を受け取ると脱ぎ捨てたパジャマの上に置いた。
「タケルくんも上、脱いじゃお」
「あ、あぁ……」
俺はセナに促されるがままに上着も脱いだ。全裸になって一瞬だけ肌寒さに身を震わせたが、彼女は身体をあずけるようにして抱きついてきた。
俺も彼女を抱きしめるようにして熱を求めていると、不意に俺の耳に唇が軽く触れる感触が合った。
「っ♡」
耳元にキスをされた。そう気づいた瞬間、甘い電流がカラダに走るのを感じた。あまり日常で触れられることのない部分への愛撫は強烈だ。
「じゃあ、ベッド行こうか……」
彼女は艶めかしい口調で囁いた。俺はセナに誘導させるがままに彼女のベッドに寝転んだ。硬めの枕からはふわっとしたセナの残り香がした。毎日、彼女がここで寝起きしているのだと思うと不思議と興奮した。
「あっ……タケルくん、私の匂いでえっちな気持ちになっちゃった?」
セナは俺の股間に身体を埋めるようにして座った。豊満な胸がふるんと震えた。
「あぁ、セナの匂い。すっごくいい匂いがする」
嘘じゃない。シャンプーの甘い香りに混じって、なんとも例えようのない色香が漂ってくる。
「ありがと」
彼女は満足そうに目を細めると、メロンのように大振りな両胸を手で持ち上げた。そのまま俺のペニスを中心に包むようにして挟み込む。
「おぉう……」
夢にまで見た光景に俺は思わず小さな歓声を上げた。俺のペニスがセナの美しい胸にサンドされ、埋もれている有様は脳髄が焼ききれてしまうのではないかと思うほど感動的な状態だった。
「どう? 私のおっぱい、気持ちいい?」
俺のペニスはセナの両胸に包まれていた。温かくふんわりとしたマシュマロのような独特の感触に腰を震わせる。
「すごい。やわらかくてあったかい」
俺は率直な感想を口にした。
「そう? 良かった。私にはわからないけど、男の人はこういうの好きなんだね」
セナは安堵したような笑みをこぼした。口を数度動かして、ぐちゅぐちゅと音を立てながら唾液を溜めていた。しばらくして両胸の間から僅かに顔を覗かせたペニスに向かってゆっくりと糸を垂らすように唾液を吐き出していく。
「んべぇ……」
あっという間に唾液でベトベトにされる。
「ふふ、おちんちんヌルヌルだね。これくらいでいいかな? 痛かったら言ってね」
セナはゆっくりと手で持ち上げるようにしながら、両胸を上下させ始めた。
柔らかな愛撫は手や口ほどの締め付けはない。けれども目の前でふるふると揺れる乳房はあまりにも視覚的な興奮を俺に与えた。
唾液と先走り汁が混じりくちゅくちゅと卑猥な音を立てる。
「ふふ、先っぽからどんどんお汁が溢れてくるよ……あむ」
セナはそう言って先端を口で咥えた。そしてそのまま亀頭を舌で愛撫し始めた。俺の鈴口の辺りに舌の裏側と思わるヌメッとした強い感触があたる。
「う……ふっ……くっ……」
セナは陰茎を胸で挟み込むようにしながら、俺の亀頭を舐め続ける。
「んぷっ……ずっ♡ ……んぐっ、じゅぷっ……」
彼女の指に食い込むようにしてきめ細やかな巨乳が形を変える。ぷっくりと盛り上がった肉色の乳首が指の隙間から顔を出し、なんともいやらしい。その姿は俺を興奮させるには充分すぎた。
「あ、くっ……あぁ♡」
俺の吐息に無意識のうちに甘いものが混じっていくのがわかる。
「ずずっ、ずぶっ、んむ、んぷっ、あむっ、ぷはぁ♡ どう? おっぱい、気持ちいい?」
セナは舌先でちろちろと撫でながら、小動物のような愛らしい表情で俺に問いかける。
「あぁ、すごい。セナのおっぱい最高だよぉ♡」
刺激を受けてペニスが反応するたびに彼女のふんわりとした胸にペニスが埋もれていく。いつまでも包まれていたいような気持ちよさがあった。
「そうなんだ。じゃあ、こういうのはどうかな?」
セナは両胸を持ち上げると、両手を使ってしっかりと俺のペニスを包んだ。
「固定してあげるから、タケルくんが腰動かしてみて」
「あっ、あぁ……」
俺は彼女の指示どおりゆっくりと腰を上下に動かし始めた。じゅぷにゅぷと胸の谷間で卑猥な水音が聞こえた。
「うう……うはぁ……」
思わず喘ぎ声が漏れてしまう。やんわりと柔肉で包まれる感触が気持ちよかった。もっと動かしたい。もっとペニスで胸を味わっていたいという欲求が湧き上がってくる。
「ふふ、顔、うっとりしちゃってるよ。可愛い。そんなに気持ちいいの?」
セナは胸を両手で固定したまま、愉しそうに俺の動作を観察している。
「う、うん、セナのおっぱい、うあぁ♡ 本当に気持ちいい」
いけないとはわかっていても俺の腰の動きは快楽を求めてどんどん大きくなる。
「いいよ、いっぱい腰振って。タケルくんが感じてるエッチなお顔、もっと私に見せてよ」
促すような彼女の口調に俺の腰つきは加速を増していく。
「うううぅ……♡ はぁはぁっはぁっ♡」
「あっ、すごい、タケルくんのおちんちん、おっぱいとセックスしてるみたい、おっぱいの間を真っ赤なカメさんが出たり入ったり……んっ、べぇ……」
セナは時折。胸の間に唾液を垂らしてピストン運動の潤滑油にしてくれる。
「うあぁうああっくっ……気持ちいい、やわらかくて、あたたかくて、ふっうう♡ いつまでも包まれていたい……あぁ♡ セナのおっぱい、気持ちいいよ……はぁっふっ♡」
俺は無心で腰を振った。もう、射精することしか考えられない。
「タケルくんのおちんちん、すっごくえっち、さきっぽ、真っ赤になって膨らんでるよ、あは、お汁もどんどん溢れてきてる。えっちな匂いも濃くなってる♡」
セナは優しく、けれども淫靡さを込めた笑顔を見せた。小悪魔的なその表情に俺は背筋から一気に性感の波が吹き出すのを感じた。打ち付ける腰が次第に速くなっていく。谷間からはじゅくじゅくとした水音と唾液と先走りの混合物が溢れ出ている。
「ふっはぁっくっはぁっあ、あ、ううっ♡ だ、駄目だ、射精するっ」
俺は限界を迎えていた。腰の底から欲望がマグマのようにせり上がってくるのがわかる。
「いいよ、出して、私のおっぱいで射精して。タケルくんのえっちな射精、私に見せて♡」
胸でしっかりと受け止めると言わんばかりにセナは俺のペニスを強く締め付ける。
「はぁうっ! ああっはぁっふっううぅ♡ うふっくっ♡」
睾丸から熱いものがせり上がってくる。陰茎を通して、パンパンに赤黒く張った鈴口から一気に熱情が放出される感覚があった。俺は彼女の胸に腰を打ち付けるようにして絶頂した。柔肉の中に精を吐き出す感触だけがあった。あまりにも強すぎる性体験に腰がかつてないほどの勢いで痙攣している。
「あっ、熱いぃ♡ タケルくんのセーシ、すっごく熱い♡」
セナは俺がありったけの精液を吐き出すのを見届けると、拘束したペニスを開放した。拘束していた胸の谷間からドロリとした白濁液が流れ出る。
「おっと……すごいね、ドロドロだよ? ふふ、おっぱいでもこんなに射精しちゃうんだね」
セナは胸にかかった俺の精液をティッシュで手早く拭き取っていた。
「はぁ……はぁ……ぁあ……」
大規模な射精の反動で俺はベッドに大きく倒れ込んだ。いつのまに吹き出したのか額には汗が浮かんでいた。凄まじいエネルギーだった。
「お疲れ様、キレイにしてあげるね」
セナは射精して硬さを失った俺のペニスをつかむと躊躇なく口に含んだ。
「あぅっ……」
射精後で敏感になっている亀頭にはあまりにも敏感過ぎる刺激だった。
「んっず♡ ぶっ♡ んっ、ん、ぷっれろんちゅ♡」
セナはいつもより多めの刺激で俺のペニスを掃除していた。俺はむず痒さを感じながらセナの掃除に耐えた。
彼女も久しぶりにベッドの上だから二回戦も考えているのかもしれない。俺は射精後で頭の中が妙に冷静になっているのを感じた。再勃起にはまだ時間がかかりそうだ。
「ぁん♡ キレイになったよ」
俺がぼんやりとしている間になめとったのか、ペニスはすっかりキレイになっていた。セナは満足そうな顔で俺を上から馬乗りになるようにして見下ろしていた。
色っぽく歪んだセナの表情は彼女がまだ満足していないということを証明している。俺のお腹の上に乗った彼女の股間からじんわりと温かいモノが伝わってくるのを感じた。
「ね、タケルくん……」
セナは俺の股間に手をやった。彼女の指先で刺激されるたびに俺の腰から熱いものが再びこみ上げてくるのを感じた。
「もう一回、出来るよね?」
瞬間、俺の背筋に寒気が走った。汗が冷えたのかもしれない。そう感じた途端、尿意がこみ上げてきた。
セナはとろんとした顔で馬乗りのまま身体を折るようにして俺に唇を重ねた。二度、三度と深く情熱的に舌を絡める。
「んぐっ……んちゅ……♡ んあぁ♡ ぷはぁ♡」
粘着質な強いキスは彼女が求めている何よりの証拠だ。俺も応えたい。しかし、こみ上げる尿意は抑えきれない。
「セナ」
「なぁに?」
とろりとした声だった。見ているこちらが圧倒されるような魔性の音でセナは返答する。俺はその雰囲気に気圧されつつも発言した。
「その、と、トイレに行きたい」
あまりにもムードのない一言に俺は自分で自分が恥ずかしくなってきた。よりにもよってこのタイミングで尿意を感じることはないだろうと思った。緊張しすぎてお茶を飲みすぎたことを後悔した。
セナは俺の発言にキョトンとした顔をして、大きな目をぱちくりとさせていた。そしてしばらくしてから憑き物が落ちたかのようなさっぱりした顔で苦笑した。
「そうなんだ。うん、いいよ。ここでお漏らしされても困るもん」
彼女は床においていた服を俺に渡し、自らも着替え始めていた。そんなセナを見ながら、俺はなんとも言えない罪悪感に苛まれていた。
* * *
「せ、セナ。怒っているのか?」
俺はかすかに恐怖心を抱きながら彼女に聞いた。
「? 怒ってないよ?」
セナはにこやかな笑顔で返答する。少なくともその清楚な表情に怒気や悪意は感じられない。しかし、俺が感じ取れないだけかもしれないし、そうとしか思えない。確かにあのタイミングでのトイレ発言は俺が悪かった。謝罪はいくらでもするし、何を言っても許されないとは思う。
「なら、なんで俺はこんな姿を見られなきゃいけないんだ?」
俺は今、トイレに居る。ただし、セナの指示によって俺の衣服は脱がされ全裸の状態だ。しかも、便器に座ってセナに見えるように開脚し、ペニスの角度まで調整されている始末だ。
「それは私が見たいからかな。私もタケルくんのお願い聞いてパイズリしてあげたんだから、タケルくんも私の言うこと聞いてくれてもいいんじゃない?」
セナはあくまでも嬉しそうな笑顔で俺に問いかける。
「う……」
それを言われると確かに何も反論できない。あれだけ気持ちのいい思いをさせてもらったのだ。彼女が望むならそれくらいするべきなのかもしれない。
「ほらほらー、おしっこしたかったんだよね? してみせて。見ててあげるから」
彼女は弄ぶような口調で俺に促した。
「うぅ……」
(セナの前でこんな格好でおしっこさせられるなんて……)
開脚したまま放尿させられるという異常な状況に俺は羞恥を隠しきれない。
「ほら、飛び散らないようにおちんちんちゃんと握って、足は閉じないでね♥」
俺は右手をペニスに添えた。もう、尿意の限界だ。膀胱が緩むのを感じる。
「ふっ、うぅ……」
俺の股間から熱いものがこみ上げてきた。尿道を通ってジョボジョボという大きな音を立てながら便器に叩きつけられていく。
「ふぅん、男の人って座ったままおしっこするとそんな感じになるんだ。かわいい」
セナはそう言ってスマホで俺の姿を撮影し始めた。
「や! やめろぉ! 撮るなぁ、撮らないでくれぇ……」
俺は羞恥に震えながら懇願する。しかし、一度出し始めた尿は止まらない。むしろ勢いを増していく。あまりの事態に泣き出しそうになる。
「大丈夫、私しか見れないようにするから」
そういう問題ではない。こんな格好を撮影されるなんて末代までの恥だ。
「ふふ、おしっこすごい音してるよ? いっぱい溜まってたの? いいよ、ちゃんと最後の一滴まで出してスッキリしてね」
言われていることは射精のときと同じだ。しかし、対象が異なるだけでこれほど羞恥心を煽るとは思わなかった。顔から火が出るのではないかと思うほど、頭の中が熱くなっていくのを感じる。
最後の一滴を絞り出した瞬間、自然の反応でビクビクと俺の身体が痙攣した。それがまるで放尿で絶頂しているような動作になり、恥ずかしさが増していく。俺は体中が震えるのを感じながらセナを見た。
セナは依然として俺の姿をスマホで撮影していた。俺は彼女に懇願する。
「せ、セナ、終わった。おしっこ終わったから……」
俺の服は全てセナが預かっている。返してもらわないとトイレから出ることも出来ない。セナ以外は誰もいないとは言え他人の家を全裸で歩き回る勇気はない。
「ダーメ♥ おちんちんちゃんと拭かないと」
セナはトイレットペーパーを破って、折りたたみ座ったままの俺のペニスに押し当てて尿を拭き取った。そのまま隙間に向かって投げ捨てる。
「はい、キレイになった、これ」
彼女は笑顔で俺の衣服を差し出した。俺はセナからひったくるようにして受け取るとすぐに着替え始めた。
「せ、セナは俺の、お、おしっこなんか見て楽しいのか」
俺は着替えながら彼女に問いかけた。まだそれほど長い付き合いではないとは言え、彼女にそんな趣味があったとは知らなかった。
「うーん」
セナは頬に人差し指をあて、考えるような仕草をしていた。しばらくして俺が着替え終わるタイミングでいい言葉を思いついたかのように口を開く。
「別にタケルくんがおしっこしてる姿には興奮しないんだけど……」
セナは瞳を潤ませながら、ハリのある魅力的な口元をにやりと歪めた。
「タケルくんが私の命令で普段なら絶対しないことをしたり、見せてくれたりするのは好きかな♥ 私の言うことを聞いてくれてるって思うと……ものすごぉく興奮するの♥」
はぅ、と。彼女から甘い吐息のような色っぽい声が漏れるのが聞こえた。彼女は両手で頬を包むような仕草をしながら、目を潤ませ陶酔しきったような表情を見せた。
「大丈夫、タケルくんが出来ないことは言わないし、ちゃぁんとタケルくんのお願いも聞いてあげるから、安心して、ね♥」
俺はセナの表情を見ながら、彼女の内面にあるとんでもないモノを目覚めさせてしまったのではないかと感じていた。
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