第五話【オイルマッサージ】-これは、私しか出来ないよね?
俺は身を縮こまらせるようにして家路を急いでいた。
道路は木枯らしが吹きすさび、疲労した俺の身体を追い打ちをかけるようにして冷えさせた。特に足腰がひどく痛む。のんびりと温かいお風呂に入ってマッサージでもされたい気分だった。とはいえ、ボロアパート住まいの身ではそれも叶わない。浴室でさえシャワーをあびるのがやっという狭さだ。マッサージなんて夢のまた夢だった。
(……もっと金があればな)
俺は誰もが抱く淡い妄想を頭に思い浮かべながら、ドアノブに手をかけた。ふと、扉を開く直前で部屋から灯りが漏れていることに気づいた。
(セナ、来てるのか?)
その割には窓から見える光量は暗い。俺が出勤前に灯りを消し忘れたのだろうか、俺は訝しみながらドアを引いた。カギはかかっていなかった。
「ただいま」
抵抗なくドアが開く。隙間からぷん、と。嗅ぎ慣れない甘い香りがした。不快ではないが女性的で馴染みのない香りに俺は身構えてしまう。
「おかえり」
語りかけるようにしてセナの声がした。室内は薄暗く彼女の姿はよく見えない。
「お疲れ様。今日もお客さん多かった? あ、電気、つけないでね」
俺を制するようにセナは言った。無意識のうちに蛍光灯のスイッチに手が伸びていたらしい。
「あ、あぁ……」
俺は灯りをつけようと伸ばしかけた手を下ろした。光量の少なさに身動きの取れない。薄明かりに目を凝らしてみると、部屋がマッサージルームのようになっていた。タオルでぐるぐるに巻かれた枕、薄いマッサージマットに木製の衝立、小さなアロマキャンドルが独特の香りとともに柔らかな橙色の光を放っている。おまけにどこから持ち込んだのか間接照明まである。築20年のボロアパートとは思えない豪華さだ。
セナはマットの側に行儀よく座っていた。よく見ると彼女はミディアムカットの競泳水着を着ていた。水着の中に窮屈に押し込まれるようにしてパツパツに膨らんだバストはもちろんのこと、きわどくつり上がったビキニラインから伸びる太ももが目の毒だった。セナの艶めかしい姿に俺の疲れきった下半身に一気に血が通った。本能的にペニスが膨張していくのを感じる。
本来の姿とはかけ離れたあまりにも異様な光景に息を呑んだ。
「ほら、シャワー浴びてきてよ、マッサージしてあげる」
セナはキラキラとした微笑みを俺に向けた。間接照明とアロマキャンドルに照らされた人懐っこい顔。愛らしい子犬のようでありながら、どこか内面に妖しさを秘めた彼女の表情に俺は心がぐらりと傾くのを感じた。
「バスタオル一枚で出てきてね。裸でもいいけど♡」
俺は駆け込むようにしてバスルームに入り、外でついた現実を洗い流すかのようにシャワーを浴びた。
* * *
「ふふ、こっち。うつ伏せになって」
簡単な入浴を終えて出てくると、セナは手でぽんぽんとマットを叩いて俺を呼んだ。俺はタオル一枚だけ腰に巻いた姿のまま、マットにうつ伏せに寝転んだ。
薄いマットの感触は布団とは異なり少し硬かった。うつ伏せになるとほとんど床に寝そべっているのと変わらない。しかし、その硬さが疲れた身体には思いの外、心地よかった。
「じゃあ、オイル塗るね」
セナは片手で器用にプラスチック製のボトルのキャップを開けた。
「どうしたんだ? いきなり、マッサージなんて……」
彼女の突発的な行動は今に始まったことではない。性的な面もそうだが、セナは俺と違って新しいもの好きというか結構アクティブな面がある。
「ふふ、今日ねー、肩こりが酷いから講義終わったあとに友達がやってるマッサージに行ったんだ」
セナは手のひらで俺の背中を撫でるようにしながら、入念にオイルを塗りつけていく。入浴後の火照ったカラダにひんやりとしたオイルの感触が心地よかった。
「そ、そうなのか」
意外だ。いつもはつらつとしている彼女の姿からは肩こりなんて想像もつかない。
「セナも肩こりなんてあるんだな」
俺は思わず率直な感想を口にした。セナの手は俺の上半身、首から後頭部にかけてしっかりとオイルを塗り込んでいた。
「ふふ、私みたいにね……」
セナは語りかけるように上から囁いた。熱気を帯びた吐息が俺の脳を痺れさせる。
「お胸がおっきいとね、肩凝っちゃうんだよ♡ おっぱいって結構重いからね」
ふぅと甘い吐息が俺の耳をくすぐった。俺はたまらず身をよじらせた。
「っ! ご、ごめん、変なこと聞いた……」
無知な自分が恥ずかしかった。俺は本当にそういう方向に知識がない。
「いいよー、タケルくんが私に興味持ってくれて嬉しい。彼氏なのに全然エッチなこと聞いたりしないから興味無いのかと思っちゃった」
自分のコミニュケーションの低さを実感する。俺はもう少し彼女に対して色々聞いてもいいのかもしれない。セナは気にした様子もなく、俺の手を握ってもみほぐす。指の腹が押されるたびにほんわかと血が通っていくのを感じる。
「それでね、すっごく気持ちよかったからタケルくんにもしてあげたくなっちゃって……」
セナは再び身体を動かした。探るようにしながら親指で俺の背中を押していく。強くはないが押されたところから血が通っていくような感触が合った。
「見様見真似だからプロの人みたいに上手じゃないと思うけど、気分だけでも、ね」
セナは丁寧に俺の身体を指でぐいぐいとあちこち押していく。彼女の力は決して強くない。けれども体重をかけて押しているためか、カラダに適度な圧がかかって気持ちがいい。
「いや、ありがとう、嬉しいよ」
マッサージそのものよりも俺のためにそこまでしてくれるセナの心遣いが嬉しかった。
「そう? 良かった。タケルくんいっつもスーパーで立ちっぱなしだもんね。しかもお店って結構寒いし」
セナの言うとおりだ。俺は地元のスーパーに勤務しているのだが、レジが出入り口の近くにあるせいでこの時期はやたらと隙間風が入って寒い。カイロや防寒具で対策はしているが、薄手の制服での防寒は限界がある。
「……まぁ、仕事だしな」
正直、色んな面で諦めている。設備の足りていない職場を改善するのは俺には無理だ。せいぜい身体がもたなくなる前に転職するしかない。
「でも、タケルくんがそうやって頑張ってくれるから、みんなお買い物出来るんだよ。いつもありがとうね」
たった一言だった。しかし、その一声が俺の心を温かいもので満たしていく。危うく泣きそうになった。
「ど、道具とか、お……オイルまで、結構本格的なんだな」
俺は涙を気取られたくなくて顔を伏せながら話題をそらした。
「えへっ、ちょうど古いの処分するっていうからもらっちゃった。オイルはこれオリーブオイルなんだよ」
「そ、そうなのか?」
セナの意外な一言に俺は驚愕した。食用とばかり思っていたが、カラダに塗っても大丈夫なものなのだろうか。
「うん。オリーブオイルってわりとマッサージだとよく使うんだよ。お家にあるし、買うのも楽だからね。私もウチでやる時よく使うよ」
「なるほど」
知らなかった。そういう用途もあるんだな。世の中知らないことが多い。
セナの手は腰から下、足から太ももをもみほぐすような動きに変わっている。酷使した疲労が触れられるたびにだんだんと和らいでいく。
(それにしても……)
視界の端にチラチラと入るセナの水着姿が目に毒だ。肉付きの良い腿や腕を否応なしに意識してしまう。
「ど、どうして水着なんだ?」
俺はたまらず疑問を口にした。オイルを使うにしたってジャージとかもっとラフで汚れても良いような服装で良さそうだ。
「それはね……」
セナは吐息を漏らすようにして色っぽい声を出した。俺の腰にゆっくりとやわらかく彼女の体重がかかっていくのがわかった。
「こうして……タケルくんにくっつくため」
彼女は寝転がるようにして身体を押し付けながら俺の耳元で囁いた。ふよんとした脂肪の感触が肩甲骨を刺激した。水着特有の生地感の奥に彼女の突起の感触があるのがわかった。
「んっ……」
「どう? 手より気持ちいでしょ? 身体全部使ってタケルくんを癒やしてあげる……これは、私しか出来ないよね?」
俺の身体を支配するかのように覆いかぶさった、セナの豊満な肢体が俺を征服していく。
「っ!~~~♡」
殺人的な誘惑に俺は身悶えする。身体をわずかに動かすたびに油分特有のぬめりとふくよかなセナのカラダが俺に官能的な刺激を与えてくる。
「ふふ、わかる? 今ね、私のおっぱいでタケルくんの背中をマッサージしてるの」
セナの言葉で俺は否応なしに背中の感触を意識する。ぬるぬるとしていながらも、温かみのあるやんわりとした感触。先程までの純粋な疲労回復とは異なる方向の癒やしだった。
「はい、次は仰向けになってー」
仰向けはマズイ。血行が流れたおかげで俺の股間は見事に固くなっている。
「い、いやぁ、こ、このままで、いいんじゃないかな?」
俺は動揺を隠しきれずに返答する。正直、まじまじと股間を見られるのはまだ慣れない。薄明かりで肌を重ねた恋人同士とは言え、俺の中で照れは残っている。
「ダメだよー、ちゃんと全部ほぐさないと」
ふと見ると、セナはニヤニヤとした意地の悪い顔で俺を見下ろしていた。この声はわかっている。彼女は俺の股間がどういう状態にあるか理解した上であえて無垢なふりをしている。
「くっ……」
俺は観念してタオルのズレを意識しながら仰向けになる。ふと視線をずらすと、硬い素材のバスタオルが勃起によって見事なテントを形成していた。
「ふふっ? アレぇ? アレぇ? おかしいなぁ? 私マッサージしてただけなのにぃ」
セナはおかしいと言わんばかりに嘲笑を漏らしながら、俺を見下し問いかける。
「なぁんでおちんちん、おっきくなってるのかなぁ?」
セナの手がタオル越しの股間に触れた。敏感になったペニスがタオルの下でびくんとハネた。
「こっ、これは、け、血行が……よくなってだな……」
何を言ったところで虚しい。セナは狼狽する俺を見てクスクスと笑った。
「隠さなくていいんだよ、それだけ気持ちよくなってくれたんだよね? タケルくんが元気になってくれて、私、嬉しいよ?」
セナはニコニコとした顔のまま、あっというまにバスタオルを剥ぎ取った。俺の肉棒を握る。オイルに濡れた手が俺のペニスを愛撫する。
「ふふ、おちんちんにもオイル、塗っちゃうね」
セナはオイルのボトルを開けてペニスの先端に垂らすと、そのまま指を絡めて広げていく。
「気持ちいい? おちんちん、元気に動いてるよ?」
彼女はサオを握ったまま俺の上にまたがった。オイルで濡れた太ももが艶かしく輝く。お腹の上に股間のじんわりとした熱を感じた。そしてそのまま覆いかぶさるようにして俺の唇を奪った。
「んぐっ♡ れろんっ……あむっんむ♡」
セナの口づけは甘美で情熱的だ。俺の全てを奪い尽くしてしまうのではないかと思うほどの勢いがある。俺は濃厚な口づけを受け入れる。
「んぁ♡……こっちもこってるのかな?」
セナは俺の乳首に手を伸ばした。指先で軽く触れる。
「んっう……」
俺はこそばゆい感覚にたまらず声を漏らした
「んふぅ、しっかりオイル塗らないとね。クリクリって」
セナは指先で丹念に俺の乳輪を責め立てる。オイルのぬめりが加わった慣れない愛撫に未知の快感を味わった。
「タケルくん、もしかして乳首いじられて感じてる?」
セナは嗜虐的な笑顔で俺を見下す。額に汗を浮かべたその姿は扇情的で俺の心を乱した。
「かっ、感じてなんか……」
ピリピリとした刺激に反発するように言葉だけでも抵抗する。
「ウソツキ♡ もっといじっちゃお」
セナは乳首への愛撫を強めた。ときおり弾くような動作を加えながら、俺の突起を弄ぶ。
「はぁっ♡ はぁっ♡ ふっ……くっ……」
自分でも驚くほどの甘い声が漏れた。
「ほらぁ♡ やっぱり感じてる。ふふ、いいんだよ? 素直に感じても」
彼女はそう言ってくれるがやはり率直に認めるのは気が引けた。自分でも身体の変化に戸惑っている。まさかオイルが加わるだけで乳首がこれほど感じるとは思わなかった。
「タケルくんの感じてる顔、可愛くて好きだな♡」
セナはとろけた顔で笑ってから、再度俺の唇を求めた。優しく、けれども濃密なキスが二人の唾液を絡ませる。彼女はゆっくりと身体を持ち上げた。唇からたらりと密度の高い唾液が糸を引く。
「ふふ、タケルくんのぬるぬるおちんちん、私のお尻でコスってあげるね」
セナは自らの臀部を押し付けるようにして俺の肉棒に添えた。肉厚のヒップが限界まで膨張した俺のペニスに当たる。
「あは、タケルくんのおちんちんガチガチだね。お尻に熱いの当たってるのわかるぅ」
彼女はゆっくりと位置を確かめるようにしながらヒップで俺のペニスを刺激するようにして腰を動かし始めた。
「どう? 私のお尻でおちんちんこすられるの気持ちいい?」
じゅくじゅく、と。一擦り、二擦りと回数を重ねるたびにすり合わせた部分から卑猥な水音が響く。セナの形の良い桃のような尻が俺のカラダでバウンドする。
「ふっあ♡ いいよ、ああっ♡ セナのおしり、やわらかくて気持ちいい」
セナは俺の返答に満足したような笑みを浮かべながら、抱きつくようにして首に両腕を絡めた。そのまま両胸を顔に押し付けた。
「ありがと……えい、タケルくんの大好きなおっぱいも、こうしてぎゅーって押し付けちゃうね。好きでしょう? お胸に挟まれるの」
顔が抱きかかえられるようにセナの胸に埋もれる。両頬にふよんとした温かな感触が心地よい。呼吸をするたびにセナの髪から放たれるシャンプーの甘さと胸から伝わるミルクのような芳醇さが入り混じった香りが俺の興奮をたまらなく誘発した。
「いいよ、タケルくんはそのままじっとしてて……私がいっぱい動いてあげる」
俺はまるで彼女に捕食されているかのように抱きしめられたまま、股間に伝わる激しい愛撫に身を委ねた。ペニスはとっくに張り詰めており、いつ暴発してもおかしくない。しびれそうな快楽とともに水着の生地越しにセナの股間の熱を感じていた。
「んんっ♡ おまんこ、タケルくんのおちんちんで擦れてあっ……♡ 気持ちいいぃ……ふわっあっ……っ、コレぇ♡ ぃい、くせになりそう、んんっ! あっあぁあ……」
セナの下半身が俺の体の上で激しく躍動する。パンパンといやらしい音が俺のカラダで奏でられる。動くたびに彼女の尻、股間、太ももと異なる肉の感触が俺のペニスに悦びを与えてくる。
「すごい、タケルくんのおちんちんでオナニーしてるみたい。ははっ、どう? タケルくんもおちんちん気持ちいい? 私のお尻とおまんこでコスられて気持ちいい?」
彼女は俺を抱きしめたまま、熱情的に問いかける。セナも興奮しているのだろうか。彼女の痴態からはいつも以上に熱狂的な雰囲気を感じた。
「ふっあ♡……いいよ、セナのあそこ、熱くて気持ちいい、ううっ♡ オイルもぬるぬるで、あぁ♡ まるで挿入
はい
ってる♡ くっ、みたいだぁ♡ ううぅ、あぁ♡」
俺もたまらずセナを抱きしめ返した。腕に彼女のふくよかな体躯の感触が伝わってくる。顔に押し付けられたバストの感触が俺に安心感を与えてくれた。
「んんっ♡ 私も気持ちいい、ああんぁ♡ タケルくんのおちんちんいいよぉ、あぁあっ、おまんこの奥、きゅぅんってなっちゃう♡ 熱くて、溢れてくるのわかる、あぁ、そう、水着越しにこすられるの気持ちいい……はぅん」
彼女は大きな嬌声を上げる。気づけば俺はその声に誘われるようにして無意識のうちに腰を振っていた。セナは逃さないと言わんばかりにしっかりと両太ももで俺のペニスを包んだ。強い拘束に俺の腰は動きを止めた。
「えへっ、タケルくんのおちんちん♡ 捕まえちゃった♡ もう、このおちんちんは私のモノ」
彼女の口調は穏やかで扇情的だった。俺の股間に一気に熱いものがこみ上げてくるのを感じた。彼女の股に挟まれて快楽を求めるようにペニスがビクビクと跳ねる。
「あは、元気だね。そうそう、いっーぱい、こすりつけていいんだよ。セナのお尻も、おまんこも、ふとももだって、タケルくんのおちんちんが大好きなんだよ。だからね、タケルくんは私の体でいっぱいズリズリしてぇ」
セナは言葉に合わせて誘惑するように身体を動かす。彼女は自身の下腹部の熱を教えるかのようにペニスに押し付ける。先程までの激しさとは違う、求めるようなゆったりとした動きだ。とろけるような熱さに触れるたびに雄の本能が目覚めていくのがわかった。
「たくさん射精してぇ……私の体をタケルくんのおちんちんに覚えさせてあげる……」
その一言が俺の理性を緩めた。気がつけば、俺の腰は再び動いていた。
「ふっ♡ せ、セナぁ、うくっ♡ ぐっ、くっ、ふっ♡ ううぅ♡ ううぅ♡」
もう、射精することしか考えられない。それほどにペニスはいきり立っていた。熱烈なマグマのような精液が限界までせり上がろうとしていた。
「いいよ、その調子……どんどんガンバって、私じゃないと満足できない、私専用のおちんちんになっちゃえ♥」
――射精したい、射精したい、射精したい。その意識に突き動かされ、俺はセナを抱きしめながら腰を振った。
「ふわっあ……ふふ、いいよ、タケルくん、きて♡ あぁっっ……私の身体で熱いの、たくさん慰めていいからね、腰をたくさん動かして、私のお股でいっぱい射精してぇ♡」
優しい彼女の一言に俺は限界を迎えるのを感じた。
「ほら、射精しちゃえ♥ 私の太ももにおちんちん挟まれたまま、セックスしてるみたいに射精しちゃえ♥」
セナが俺をより強く抱きしめた。俺も彼女を抱きしめ返す。
「んぁぁ♡ ふわっぁ、で、射精
で
るぅううぅぁ♡ あっ……ぁ……」
俺は腰を痙攣させながら激しく射精した。ありったけの精液が陰茎を通して、セナの柔肉に包まれながらを弾丸のように凄まじい勢いで吐き出されていくのがわかる。
「きゃっ……すっごぉい、熱いぃ……足にかかってるの、見なくてもわかるよ♡」
俺の射精に彼女も珍しく驚愕の声をあげた。俺は顔を見られるのが恥ずかしくて、彼女の両胸に顔を埋めた。オイルまみれの両胸は水着越しでありながらもふくよかさがはっきりと分かるほどハリがありとても温かい。
「よしよし、恥ずかしがらなくていいんだよぉ、いっぱい出せてえらいね」
セナはあやすようにして俺の頭を撫でた。しばらくして抱きかかえていた俺の頭をゆっくりと開放した。
「タケルくん、お顔も真っ赤……ふふ、かわいい」
彼女は俺の頬に優しくキスをした。視線を動かして彼女を見ると額にタマのような汗を浮かべていた。熱気を帯びた肌がどうしようもなく色っぽい。
「ねぇ、私のこと好き?」
彼女は優しい笑顔で俺を見据え、確認するように問いかけた。
「好きだよ、大好きだ」
俺は射精後特有の虚脱感を味わいながら、セナを見つめ返した。
「私も、タケルくん大好き……」
セナは瞳を歓喜で潤ませながらもう一度キスを求めた。俺は一切の抵抗なく彼女を受け入れた。じんわりとしたやさしいキスが俺の心に染みていくのがわかる。
* * *
「ふふ、どうだった? マッサージ、気に入った?」
しばらくしてセナは俺のお腹の上にまたがったまま問いかけた。
「あぁ……すごかったよ、気持ちよかった」
俺は脱力しながら返答した。途中からマッサージと言うか完全に別のモノだったが気持ちよかったことには違いない。リフレッシュ出来たし、疲れも取れたような気がする。
「あは、タケルくんすっごく気持ちよさそうだったもんね。でもせっかくキレイにしたのに、またドロドロになっちゃったね」
行為に夢中になっていたせいか、身体中が汗とオイルですっかり汚れてしまっていた。
(これはもう一回シャワー浴びるしか無いな)
ふとセナを見ると、彼女もオイルやら汗で体中がテカテカになっていた。みずみずしい肌がオイルで光沢を増すことでより強調される。その姿は先程射精したにもかかわらず、少しムラっと来てしまうような色気があった。
「ね、せっかくだし、お風呂も一緒に入っちゃおうか?」
俺の視線を察したのか、セナが両手を合わせて提案する。
「そうだな」
狭い浴室だが、シャワーを浴びるだけなら二人分くらいのスペースはあるだろう。
「でも、あとでお片付け、手伝ってね」
セナは満面の笑顔でおねだりする。
「もちろん」
お安い御用だ。これだけのことをしてもらったのだ。片付けくらい手伝わなくてはバチが当たる。
俺はオイルで滑らないように気をつけながらゆっくりと立ち上がり、セナとともに浴室に向かった。
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