第七話【混浴手コキ】-私がタケルくんのママになってあげる
「あ゛ーー」
俺は奇声を上げながら、硫黄臭のする浴槽に浸かってゆっくりと足を伸ばす。
やはり天然温泉は気持ちがいい。成分が違うのかお湯に独特のヌメリ気があった。じんわりと神経が暖められ、たまりきった日頃の疲れがすっと足先から抜けていくのがわかる。
――俺はセナと二泊三日で温泉旅行に来ていた。
商店街の福引で俺が引き当てた。ちょうど溜まっていた有給の消化もあったので、俺は迷いなく休みを取り、当然のようにセナを誘った。そしてトントン拍子に日程を組んで、旅館まで着いたのが今日の夕方の話だ。普段、近所や家でしかデート出来ていないので、思い切って良かったと思う。
「おまたせ」
セナが一糸まとわぬ姿で入ってきた。タオルすら巻いていない。大ぶりで瑞々しい胸もキレイに整えられた陰毛も肉付きの良いウエストやすらりと伸びたしなやかな足もバッチリと見えていた。セミロングの黒髪はアップにしてつむじのところでまとめてある。
彼女はまるで己の肉体に恥じる場所が無いと言わんばかりに堂々と歩いてきた。
「……っ!」
俺のほうが気後れしてしまう。思わず照れくさくて目をそらした。別に堂々と見ても問題はないのだが、未だ彼女という存在に慣れていないのか反射的に直視を避けてしまう。
「ふふー、照れてるの? もう結構見てるのに全然なれないよね」
セナはいたずらっぽい表情で胸を強調するように前かがみになる。ふるんと大ぶりの胸が眼前で揺れた。
「せ、セナが……」
俺は気恥ずかしさをこらえながら言葉を続ける。
「?」
セナはキョトンと小首をかしげて俺の言葉を待っている。
「か、可愛いからだろ」
そう簡単に慣れるものでもない。セナの反応が気になって横目でちらりと見ると、彼女は嬉しそうに顔をほころばせていた。
「えへ、ありがとう」
セナは洗面器に汲んだお湯で身をすすいだ。彼女の珠のような肌が水を弾く。
「家族風呂あってよかったね」
「あ、あぁ」
大浴場のほうは当然ながら混浴を認めていない。しかし、せっかく二人で温泉に来たのだし、一緒に風呂に入りたいという話をしていたら旅館の人が家族風呂を紹介してくれた。本来なら親子用のサービスらしいが、今日は来客数も少ないということで解放してもらえた。ありがたい話である。
「大浴場のほうも、朝とか深夜の人が少ない時間なら一緒に入れないかな」
セナは俺の入浴している隙間に入り込むようにして、足先から湯の中に潜り込んでいく。
「いや、無理だろ……」
確かにシーズンは過ぎていて人は少ないが、俺達の貸し切り状態というわけじゃない。
「でもタケルくんは大きいお風呂のほうがいいんでしょ?」
彼女の言うとおりだ。俺は広い浴場のほうが好きだ。しかし、それでも譲れない点はある。
「……セナを他の男に見られる方が嫌だ」
それに比べれば浴室の広さなんて些細な問題だ。セナは可愛い上にスタイルもいい。そんな女性が混浴禁止の男湯にいたらまず間違いなく視線を一度に集めてしまうだろう。幸い家族風呂でもこうして男女二人ならゆったり入れそうな程度の広さはある。
「うふふ、ありがと。私もタケルくん以外に見られるのは嫌だよ」
彼女の感覚も正常で安心する。世の中にはあえて見せるカップルもいるらしいが、俺には見せたいと思う感覚がよくわからない。
しばらく二人で身を寄せ合うようにして浴槽に浸かる。流れる湯音だけに身を委ねる快感。日頃の疲れが溶けていくようだ。
「タケルくんもおやすみ取れてよかったね」
「あぁ、正月も終わってちょうどヒマだったしな。セナは大丈夫なのか?」
このあとにバレンタインデーという売り場から製菓材料が消える別の修羅場が待っているが、そのことは考えないようにしよう。店長が突然の有給を許可したのもそのときに備えてのことだと思う。
「大丈夫だよ? 私、わりと時間あるから」
セナは間延びした口調で告げた。
「そうなのか? そういえばセナってバイトとかしてるのか?」
前から気になってはいた。デートのときやこうした旅行の時はなるべく俺が出すようにはしているとは言え、セナも女の子だ。服やアクセサリー、メイクの道具なんかにお金もかかるだろう。俺は具体的にそう言ったモノがいくらくらいかかるのかわからないが、彼女はいつも身ぎれいにしているので、それ相応のお金はかかっているのではないかと思っている。普通、大学に行きながらバイトをしていたらもっと慌ただしそうにするものではないだろうか。
「バイトっていうか……デイトレードはしてるー」
セナはお湯を弄びながら、あっけらかんとした口調で未知の単語を口にした。
「デイトレードってアレか? その外貨とか為替とか」
正直、日本円しか手にしたことのない俺には縁のない世界だ。
「うん、そうそう。ちょっとしか利益出てないんだけどねー、あとは日雇いのイベント派遣とか? 調整効くのばっかり」
労働と言えば一つの組織に所属するのが当然だと考えていた俺には信じられない価値観だ。彼女くらい頭が良ければそういう働き方も可能らしい。
「じゅ、授業とかはどうなんだ?」
俺は高卒で今のスーパーに就職した。だからセナが通っている大学というもののシステムがよくわからない。彼女は度々平日でも俺の部屋に遊びに来ているが果たして大丈夫なのだろうか。
「んー、大丈夫だよ? 出ないとマズイのは出てるし……なぁに? 心配してくれるの」
セナはニヤニヤとした表情で俺の顔を覗き込む。ほのかに上気した顔がなんとも艶めかしい。
「それはまぁ、俺のせいでセナに迷惑かけたら嫌だし」
「ふふ、タケルくんは心配症だなー、大丈夫だよ」
セナはそう言って俺の頭を抱きしめた。両胸の柔らかな感触に顔を埋める。お湯のぬくもりとは違う、彼女の肌の温かさを感じると自然と心が和らいでいく。
「せっかく旅行に来たんだし、そういうの考えるのやめよう。二人でゆっくりハネ伸ばそうよ」
「……そうだな」
俺はまだ彼女のことをよく知らない。これからゆっくり知っていけるのだろうか。セナは俺の返答に満足したのかゆっくりと抱きかかえていた頭を開放した。
「あ、そうだ」
彼女は浴槽からあがる。ぷりんとしたハリの良いお尻が丸見えになり反射的に目をそらす。
「せっかくだし背中、流してあげる」
俺が目を開くとセナは浴室用のヒノキの椅子をポンポンと叩いた。
「え、いいのか?」
「いいよ、ね、遠慮しないで」
彼女はすでに備え付けられた石鹸を泡立てはじめている。まるで俺が拒否するという選択肢を選ばないと確信しているかのような態度だ。
「じゃ、じゃあ……」
彼女の好意に甘えるとしよう。俺も浴槽から上がり椅子に腰掛ける。
「ふふ、タケルくんの背中、おっきいね」
不意にふよんと肉厚の物質が押し付けられた。彼女の豊満なバストだと気づくのに時間はかからなかった。石鹸のヌメリが加わっているのか今までに感じたことがないほど滑らかで官能的な感触だった。
「せ、セナっ……」
突然の感覚に驚愕し、俺は途惑いの声をあげた。
「ふふ、普通に洗っても面白くないからね。おっぱい押し付けちゃった」
セナの豊かな双房が俺の背中に密着し悦びを与える。スポンジのように俺のカラダに吸い付き、圧力に応じて自在に形を変えている。時折当たる乳首と思われるコリコリとした感触がアクセントになる。
「んー、こうして洗うと、ちょっと興奮するね」
セナは背後から俺の胸に手を回す。洗うというより手で胸全体を撫でるような動作に思わずカラダが反応する。
「んっ……」
指先がかすかに乳首に触れた瞬間、自覚できるほどの甘い声が漏れた。
「あは、乳首、感じちゃう? ちょっと触っただけだよ? 敏感だね」
「くっ……」
屈辱のあまり俺は目を伏せた。不覚にも少し感じてしまった。
「タケルくんの顔、もうすっかりエッチだよ」
セナは俺の耳元に吐息を吹きかけるようにして囁いた。じんわりとした熱い呼吸だった。
ここまで裸を見せつけられたり、密着していたりして、俺の性感はすっかり上がりきっている。のぼせ上がってしまいそうなほどの興奮がはやくも脳内で渦巻いていた。
「本当はいつもしたいんだけどね」
セナは器用に手を動かしながら、俺の全身を石鹸でこすっていく。
「こういうのなかなかお家のお風呂じゃ出来ないもん」
確かに。俺のアパートの浴室だと物理的に難しいし、セナの自宅だと家族の問題がある。二人でゆっくり身体を合わせながら入浴するというのはこうした機会でないと出来ないかもしれない。
「身体中泡まみれだね♡ じゃあ、お待ちかね……おちんちんの時間だよ?」
セナの手が背後から俺の股間に伸びる。俺は反射的にペニスを両手で覆った。完全に勃起しきった陰茎が
手のひらの下で欲求不満を訴えるかのように暴れている。
「ほーら、隠さないで。おちんちんもキレイにしないとダメだよ?」
セナが石鹸まみれの柔らかな手のひらで俺の手を包んだ。
「い、いや、でも、前は……」
だいぶ見せているとは言え、恥ずかしいものは恥ずかしい。
「もー、恥ずかしがるような関係じゃないでしょ。それに、このおちんちんは知ってるんだよ?」
「な、何を?」
俺の問いかけにセナは怪しく囁いた。声色に獰猛な肉食獣を彷彿とさせる性的な凶悪さがあった。
「私が気持ちいいってこと。だって手も口もおっぱいも……そしておまんこも。私のカラダで何回も気持ちよくなったタケルくんのおちんちんさんはぁ……私
セナ
の事気持ちいいって知ってるから、タケルくんの意思とは関係なく求めちゃうの♡」
セナの言葉でこれまでの痴態を回想し、ペニスが一気に反応する。手のひらの下で恐ろしいほど激しく暴れまわる。まるで彼女の言葉そのものに催淫効果があるのではないかと勘違いしてしまうほどの勢いがあった。
「うっ……」
「だ・か・ら、私に見せて。洗わせて? タケルくんのおちんちん、私、見たいな」
俺は観念してゆっくりと手をどけた。
セナは背後から滑り込むような速さで手を回し、俺のペニスを手で包み込んだ。
「んっ……」
石鹸で滑りが良くなった指先が触れると得体の知れない快感が身体を走った。
「あは、おちんちん、すごく熱いよ? 触るだけで見なくてもわかっちゃう。こんなに興奮してたのなら、我慢しなくてよかったのに。タケルくんのいじっぱり」
セナは意地の悪い声で背後から語りかけた。
「せ、セナが、挑発するから……」
俺は恥ずかしさのあまり顔を覆った。
「クスクス、でもそういうので感じちゃうんでしょう? ほら、もうちょっと足開いて」
セナは俺の太ももを軽く押した。当然彼女の力では俺の足は開かない。
「もぉっと、エッチな思いさせてあげるから」
俺は彼女の誘惑に耐えきれずゆっくりと、けれども確実に足を開いていく。
「はぅ……いいよ。タケルくんのそういう姿、私はすっごく興奮する。いつもかっこいいタケルくんが、私が触れるだけでこんなにかわいく感じてるって思うと、本当に楽しくなっちゃう」
セナは俺のペニスに指を絡めた。石鹸に濡れた指先はいつもと異なる感覚を俺の性器に与えた。
「ね、もっとエッチな声出して、私に聞かせてよ。タケルくんが喘いでいる声」
彼女は手を上下に動かし始める。ゆっくりとちゅくちゅくとリズミカルな水音を立てながら包皮がストロークされていく。
「ほら、お胸ももっといじってあげる」
セナの左手が俺の胸に伸びた。乳輪に沿って円を描きながらじんわりと撫でていく。カラダも密着させているのかふくよかな感触の奥に、温かな鼓動を感じた。
「あぁ♡ くっ♡……う、ふっ♡」
自分でも意識しない甘い声が漏れ出る。
「可愛い声。タケルくんは私に後ろから責められるの好きなんだ?」
俺の羞恥心を引き出すかのようにセナは耳元で甘くつぶやく。
「ふふ、おちんちんさっきより固くなってる」
俺のペニスは自分でもわかるほど固くなっていた。呼吸をするたびにビクビクと熱く脈打つのがわかるほどだ。こうしてかすかに触れられるだけで果ててしまいそうだ。
「ねぇ、後ろからおっぱい押し付けられるのってどんな気分?」
セナの吐息が耳にかかる。怪しい声色が俺の脳を痺れさせた。
「私に、お・し・え・て♡」
彼女は軟体生物のように自在に身体を絡めていく。背面を中心に身体中を支配されているような錯覚にとらわれる。
「き、気持ちいい……セナの身体、やわらかくて、あったかくて、ぬるぬるで……」
俺は思いつく限りの快感の表現を口にした。頭の中がそれだけで満たされているような気分だった。
「良かった……ねぇ、キスしよ」
俺はセナの声に誘われるがまま、首を後ろに動かした。セナは愛撫を続けながら奪うようにして俺に唇を重ねた。
「んっ……ちゅぅ……ぷぁ♡ ふふ、すごい、タケルくんのおちんちん、ヤケドしちゃいそうなくらい熱いよ」
俺は羞恥と快楽が混同した頭のまま、今にもきそうな絶頂をこらえながら彼女の愛撫に身を任せていた。
「私がちょっと触るだけでこんなにいっぱいヨダレ垂らしちゃって」
セナは手のひらで先端をゆっくりと撫で回す。カウパーと石鹸がまじり、ぐちゅぐちゅと淫猥な水音を立てる。
「よしよし、いい子いい子……ふふ、この子がタケルくんのムスコなら、私はこの子のママなんだね」
セナは何かよくわからない理論を展開し始めた。俺は時々彼女が何を言っているかわからない時がある。確かに男性器の形容として『ムスコ』という表現は聞いたことがあるが、彼氏のペニスを指差して『自分がママ』という表現は聞いたこともない。
不意に快楽の波が止んだ。セナが愛撫をやめたのだ。
「ね、タケルくん。体ごと私のほう向いて」
セナは何かを思いついたのか、明るい声で俺に提案する。俺はあまり考えずにそのまま彼女のほうに体ごと向き直した。彼女の眼前に激しく勃起したペニスが突きつけられる。
「ちゃんとご挨拶しないとね」
セナは俺のペニスの前にかがみ込み、まるで本当の子供でもあやすかのような口調で微笑んだ。
「はーい、おちんちんちゃーん、久しぶり、ママでちゅよぉ」
俺は奇妙な興奮を覚えた。一瞬自分自身がセナの子供になってしまったかのような錯覚。その錯覚が得も言われぬ快感の言葉となって俺の脳に響いた。
「ビクビクって……嬉しそうに動いてまちゅねぇ♥ かわいいでちゅねー」
セナは見上げるようにして俺の顔をまっすぐに覗き込んだ。大粒の瞳が濁り無く俺を捉える。
「もしかして、タケルくん、興奮してるんでちゅかぁ?」
俺は無言で頷いた。どういう意図があるのかはわからないが、俺は彼女が放つ幼児語に興奮を覚えていた。
「いいんでちゅぉー、よちよち。タケルくんの大事なおちんちんちゃんでちゅもんねー」
セナは意味を勘違いしたのか、そのままの姿勢でペニスに向かって話しかける。かすかに身体を揺らすたびに瑞々しい肌が水滴を弾いていた。
「ママがぁ、キレイキレイにしてあげまちゅねぇ♥」
彼女の手が再び俺のペニスに向かって伸びた。優しく指を絡ませるとゆっくりとストロークし始める。
「あ、うっ♡……くっ、うふっ♡」
俺はたまらず身を捩らせる。洗浄とは口ばかりで事実上の手コキに睾丸がせり上がるのを感じる。
「ふふ、タマタマさんもいい子ー、いい子ー」
俺の状態を知って知らずか、セナは睾丸を優しくもみほぐす。急所全体を甘やかされるような感覚。俺の中で一瞬だけ理性が緩むのを感じた。彼女の幼児語を聞いているうちにまるで自分が小さな子どもになってしまったかのような安堵感を覚えていた。
「はぁっ♡ ああっ♡ ああっ♡ うくっ、はぁっ♡」
自分より年下の彼女の前にペニスを差し出し、洗浄されているという状況。不意に俺の中で幼いころ、母親と入浴した記憶がよみがえった。
「うふふ、お手ての中でカチカチになってまちゅねー、おちんちんちゃんはママのお手てが大好きなのかなぁ?」
しかし、懐かしさよりも性欲が勝った。俺の目の前にいるのは母ではない。恋人なのだ。俺は気づけば彼女からにじみ出る母性と愛欲が入り混じった複雑な感情を読み取ってしまっていた。
「ま、ママぁ……」
俺が放った一言は小さかった。けれども場を停止させるには充分すぎた。セナの動きが止まる。俺も急に頭が冷静になる。
勢いに任せてとんでもないことを口走ってしまった。俺は息を呑んだ。
――違うんだ、と。俺が否定するより早く、セナの口が開いた。
「んーんー、ママでちゅよぉ……よしよし」
セナは俺の言葉を受け入れたと言わんばかりに目を細めると、あやすようにして亀頭を撫でた。俺は肯定されたような錯覚を起こした。
「うあ♡ ママ……ううぅう♡ ママぁ……」
一言口にしてしまえば、二言目は自然に漏れ出た。まるでうわ言のように、性の衝動が高ぶるたびに再度彼女を求めてしまう。年下であるはずの彼女の中にある母性。
「うんうん、お手ての中でいっぱい遊べてえらいぞー、タケルくんの大好きな、セナちゃんママでちゅよぉ」
その一言が決定的だった。はっきり言って狂っている。自分でもそんなことはわかっている。だが、今この瞬間だけは彼女の中にある母性のようなものにすがりたかった。俺は求めていたのだ。彼女が料理をするたびに、俺を叱るたびに、俺を甘えさせてくれるたびに。彼女の中にある家庭的な温もりと同じくらいの性的衝動を覚えていた。
「あっ、うぅ♡ くっあぁ♡ ああっ、ママ♡……くっ、うああっ♡ ま、ママぁ♡」
自覚してしまえば射精まで上り詰めるのは一瞬だった。射精管からマグマのような熱い精液がこみ上げてくるのを感じる。
「ああっはぁっ♡ うっ! ママ、すごい、熱いの♡ 来ちゃう♡ はぁっ、ママぁ♡ 射精
だ
しちゃうぅう♡」
「いいよ、ママの手コキで射精して♥ ママに精液いっぱい見せて。おっぱいで、タケルくんの大好きなお胸で受け止めてあげるからね♥」
セナは俺に向かって胸を誇示するかのようにペニスの前に突き出す。
「ううぅ♡ はぁっあ、ああっあ、くっ……うはぁ、ママぁ、ふっあ♡ で、射精
で
るぅっう!」
俺は射精した。渾身の勢いで射出された精液はセナの胸目がけて着弾した。硫黄臭に精液特有の青臭さが混ざる。
「んっ、熱ぅいぃ♡」
セナは豊満な胸部を突き出すようにして俺の精液を受け止めた。なめらかな肌色の果実に俺の白濁液がアイシングされていく。着地した精液は温泉による蒸気で温められすぐさま凝固して行った。
「はぁ、はぁ、ふぅ……」
俺は射精したことで一気に頭がクールダウンした。胸元にべっとりと精液を付けたまま呆然としているセナ。とんでもないことをしてしまったと俺の中で慙愧の念が湧き上がる。
謝罪しよう。女の子をママ呼ばわりして射精するなんて、勢いとは言えあまりにもひどすぎる。
「ふっ、ふふふ……あはははははははは……くっ、はははははははは♥」
俺が口を開くより早くセナは狂ったように笑いだした。
「せ、セナ?」
怒るのでも呆れるのでもましてや泣くのでもない。彼女の予想外のリアクションに俺は戸惑った。セナはしばらく笑い続けてからピタリと動きを止めた。
「そっ、そうだったんだ。わかった、やっとわかったよ、タケルくん」
「な、何が?」
「うん、今まで気づいてあげられなくてごめんね、そうだ、そうだったんだ」
彼女の中で何が合点が言ったのか。俺には理解出来ない。一つだけ言えるのはセナは恐ろしく聡明で純粋だ。ゆえに俺自身すら気づいていない俺の感情を読み取ってしまったのかもしれない。
「タケルくんは、ママが欲しかったんだね」
「え?」
あまりにも突拍子もない一言に俺は身を凍りつかせた。
「いいよ、恥ずかしがらなくて。私
セナ
がタケルくんのママになってあげる。ママになってタケルくんの全部を包んであげる」
彼女の表情をどう形容すれば良いのだろう。狂気と歓喜と情欲が入り交じったような複雑な表情は不気味でありながらも、目をそらすことが出来ない熱情を感じさせた。
「そ、そんなことは……」
無いと言えるのだろうか。少なくともあの瞬間は俺は彼女の中に母性を見出して興奮し、そして絶頂した。それは紛れもない事実だ。俺自身も自覚していなかった本性だ。
「ふふ、いいんだよ。よく、男の人はエッチのできるお母さんが欲しいっていうもんね」
セナは強く俺に唇を重ねた。貪るようなキスは俺の全てを奪いつくされるのではないかと思うほどの勢いがあった。
酸欠になりそうなほどの時間をかけてセナはゆっくりと唇を離した。
「誓うよ、私がタケルくんのママになってあげる」
セナの目は優しかった。けれどもその奥にはまっすぐな輝きがあった。まるで彼女の内心にある狂気的な愛情を反映しているかのようだった。
「そうすれば、タケルくんはずっと私のことを好きでいてくれるよね?」
彼女の問いかけに俺は圧倒され、思わず首を縦に振った。
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