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第十三話【母乳パイズリ】-人の体って、わかってないこと多いんだよ

今日はこの間電話で話していた“引っ越し”の話をするために二人で街中に出てきていた。

当初は街中で昼食でも取りながらという話をして、実際の物件を見に行くという段取りだったらしい。しかし、飛行機の遅れで先方が戻ってこられないらしく、電話での交渉の結果、日を改めることになった。

突然することのなくなった俺はママと二人でファッションビルをうろついていた。なんとなく入ってしまっただけで別段この建物に用事があったわけじゃない。平日ということもあり人通りはまばらだ。どこのショップも閑散としている。

(それは別にいいんだがな……)

俺はちらりと横目でママを見た。不気味なくらい無表情だった。朝からずっと上の空。最初はこの話に緊張でもしているのかと思ったのだが、どうにもそうではないらしい。

「せ、せっかく出てきたのに、残念だったね」
「……うん」
「引っ越しの話だけど、どんな感じなのかな?」
「さぁ? 私もよくわからないから」

会話もずっとこんな感じだ。あまりの素っ気なさに体調でも悪いのかと不安になってくる。そう言えば顔が妙に赤い。風邪でも引いているのだろうか。

(ママ、いつもハードだもんな)

冷静に考えたら大学で勉強した上に、俺の家まで来て家事までやってくれるのだ。負担が無いと言えばウソになるだろう。今日に限って言えば相手から呼び出された上に、向こうの都合でキャンセルになったのだ。詳細を知らないので、正直なところこの話が彼女にとって良いのか悪いのかはわからない。ただ、結果として今日の移動が彼女にとって余計な足労になってしまったのは間違いない。

俺の視線に気づいたのか、ママは赤らんだ顔で俺を見上げた。潤んだ瞳に吸い込まれるような錯覚を覚える。

「タケルちゃん……」
「な、何? ママ、何でも言ってよ」
「お手洗い……行こ?」

彼女はトイレを指し示した。もしかしたら先程から我慢していて言い出せなかったのかもしれない。ママには気を使ってもらう一方で、彼女を気遣うことの出来ない自分を強く恥じた。

「あ、あぁ、荷物は俺が持ってるから、行った来たら……」
「何言ってるの?」
「え?」
「タケルちゃんも一緒に来て」

ママは半ば強引に俺を引っ張ってトイレへと向かった。

* * *

ファッションビル内の多目的トイレは広々として、清潔な印象だった。車椅子でも入れるようにしているためか、大人二人が入っても余裕のあるつくりになっている。

ママは入るなり、便座に腰掛けた。俺の戸惑いを他所にすぐさまコートとニットを脱いで手荷物置き用の台の上に置くと、手早くブラジャーも外した。ぶるんと勢い良く飛び出すようにして二つの肌色の乳房がこぼれ落ちた。ピンと勃起した肉色の乳首が存在を主張する。ママは安堵したように熱っぽい吐息を漏らした。

「ふぅ……苦しかったぁ……」
(ママのおっぱい、何もしてないのに、あんなにいやらしく勃起して)
「タケルちゃん……」

ママは上半身ハダカのまま、自ら乳房を持ち上げて差す出すようにして俺に示した。黒色の瞳は潤んでいて、とても色っぽい。微かに身体が揺れただけなのに乳房が大きく震えた。ピクリと俺の股間が自然に反応したのがわかった。

「な、何?」
「おっぱい、吸って。お願い」
「そ、そんな……こんなところで?」
「いいから、はやく……ね?」

ママは俺を迎えるようにして両腕を大きく広げた。誘うような動作に俺は衝動を抑えきれなくなった。彼女の胸に飛び込むとアンダーバストを手で支えながら、乳房を口に含んだ。舌を絡ませて乳首を吸う。

──ぴゅっ。

(えっ……)

勢い良く液体が俺の口内に飛び込んできた。予想外の生暖かい感触に俺は慌てて口を離した。視線を向けるとママの乳首からは一筋、白い液体が流れ出ていた。女性の胸から出て来るということで思い当たるのは一つしか無かった。

「ぼ、母乳……?」
「そうなの……」

俺の困惑を見て、ママはほんのりと赤らんだ頬を緩ませた。優しい表情だった。

「あのね、前に生理重いって話したじゃない?」
「あ、あぁ……」
それは以前から聞かされていた。付き合い始めた頃、あまりにも真っ青な顔でじっとしているから見ていて怖くなったのを今でも覚えている。

「それでね、痛みを減らすために低用量ピル飲んでるんだけど、それの影響でね……おっぱいが前より張るようになっちゃったの」
「え?」
「気付かなかった? カップもね、ワンサイズ上がっちゃったみたいで、この間からずっと苦しくて」
「それでさっきからつらそうにしていたのか……」

ママは便器に座り直した。ふるんと。大きな胸が揺れた。改めて見ると確かに少し大きくなったような気がする。体質によっては副作用があるとは聞くがそんなことも起こり得るのだろうか。にわかには信じがたい話だった。

「それでね。たまになんだけど母乳みたいなのが出るの」
「みたいなの……?」

曖昧な物言いが気になった。俺をはぐらかす意図が無いのは彼女の真面目な雰囲気で察することが出来た。

「正確には違うからね。“じゃあ何?”って言われても私も困るんだけど……ドクターはピルの副作用と脳が母性本能を感じてるじゃないかって診てるみたい……はっきりとしたことはわからないけどね」
「わ、わからないって、それ大丈夫なのか?」
「タケルちゃん、人の体って、わかってないこと多いんだよ」
「そうなのか?」
「うん。脳だって睡眠のメカニズムだって、そして性器だって本当の意味では未知の部分が多いの」

彼女は俺をたしなめるように言った。ママがそういうのならそうなのだろう。知識のない俺と違ってしっかり勉強した上で『わからない』と結論しているのだ。俺みたいな素人が口をはさむ問題じゃないのだと思う。確実に言えることは彼女の胸からは現象として母乳が出て、俺もママもそのことを嬉しいと思っているということだけだ。

「だからね、お願い。ママのおっぱい飲んで。出すとスッキリするから」
(ママのミルク……)

彼女の切実なおねだりだった。現実離れした状況に俺は息をのんだ。彼女の胸を吸うたびに母乳が出たらと願ったことはあった。けれども妊娠もしていない彼女から現実に出る日が来るとは思ってもいなかった。

「今朝からずっとおっぱい張っててね……ブラの中で苦しかったの……でも、タケルちゃんに飲ませたかったの だから我慢してたんだけど、さすがに耐えられなくなっちゃった」
「俺のために……」
「そうだよー、ふぅ……こんなことなら出かける前に頼めばよかったね……おいで」

ママは再び両腕を広げた。俺はたまらず胸に飛び込むようにして乳房に吸い付いた。空気と共に吸い込むとぴゅっ、ぴゅっと生暖かい液体が舌苔に広がっていく。味はしなかった。薄いミルクのような匂いだけが口内に広がった。どこか懐かしさを感じるのは本能が覚えているからだろうか。口に含み飲み込むたびに本当に赤ん坊になってしまったかのような錯覚を感じる。

(ママのミルク、あったかくて落ち着く)
「そうそう、上手、上手……あは、飲んでる。タケルちゃん、本当に赤ちゃんになったみたい、かわいいなぁ」

彼女は乳房を含ませながら、優しく俺の頭を撫でた。俺が飲めば飲むほど上機嫌になっていくのが嬉しくて、つい強く吸ってしまう。歯が当たってしまったのか、ママは少しだけ眉を潜めた。

「ふふ、いいよ、もっと強く吸って……吸い出してママを楽にして……噛んでもいいけど……やさしくね」
(ママ、お胸が張って苦しいんだ。俺が吸い出さないと)
「タケルちゃんが歯型を残していいのはママのおっぱいだけだからね」

俺が幾度となく吸引繰り返すと、次第に乳首から液が出なくなってきた。舌を動かしても出ないことを確認すると俺は口を離した。気づけば俺は膝立ちでママに抱きしめられていた。

「次は、ほら、こっちも……」

ママは反対側の乳房を指で示した。表情を見ると先程よりは楽になったのか、顔のこわばりが消えていた。俺は促されるがままにそちらにも吸い付いた。

「ほら、さわって。マッサージするみたいに優しくね。ふにふにってママのおっぱいからミルク押し出して」

指先で軽く乳房を押すと、吹き出すようにして母乳が溢れてきた。俺は一滴たりとも逃さないように舌で受け止める。

(すごい、こんなにたくさん……)

──ちゅ、ちゅ、ちゅぅうう。

吸えども吸えども温かなミルクは溢れてくる。俺は夢中になりながら乳首に吸い付いた。

(ママのミルク、美味しい)

俺は空腹の赤ん坊のように母乳をひとしきり吸い終えると、気づけば乳首から胸からミルクは出なくなっていた。俺は名残惜しさをこらえながらゆっくりと口を離した。頭の中が異様な興奮に満ちていた。スキニーデニムの下でペニスがパンパンになっているのがわかる。今すぐにでも脱いで射精したい衝動が抑えきれない。

「ママのミルク、美味しかった?」
「……うん」
「ふふ、ありがとう。ママもね、タケルちゃんがいっぱい吸ってくれたから楽になったよ」

先程までの沈んだ顔がウソのようだ。ママは晴れやかな笑顔で俺を見上げる。彼女の言葉通り本当に苦しかったのだろう。いつもどおりの表情を見せてくれたのが嬉しかった。

「じゃあ、今度は……ママがタケルちゃんのミルク絞ってあげるね♡」

ママは俺のベルトに手をかけると、ヒザまで一気に引き下ろした。はちきれそうなほど勃起したペニスが天を衝くような勢いで飛び出した。

「うわぁ……えっちな形になってるぅ♡ ね、ママのおっぱい飲んで興奮しちゃったの?」
「うん……」
「ふふ、子供なのにおませさんなんだね? いいよ、タケルちゃん、かわいい♡」

彼女は両胸の谷間でペニスを包んだ。ハリのある柔肌の感触がたまらない。竿が脈動するたびにきめ細やかな肌の質感やほんのりとした体温に包まれているのがわかった。

「今日はお胸でしぼってあげる……どう? ママのGカップおっぱい」

ママは手で胸を固定しながら、ゆっくりと乳房を上下させる。スライドさせるたびに豊満な乳房から亀頭が出たり入ったりする。

「先端の方にお汁、溜まってきたね……あむ」

──れろ、んちゅ、れろぉ。

彼女は真っ赤な舌先を伸ばして、俺の鈴口にたまった液を拭い取った。亀頭に舌の温かな感触が伝わると敏感に反応して、また先走りが漏れてていく。

「あは、タケルちゃんのおちんちん、舐めても舐めても溢れてきちゃうね、れろぉ♡」
「あぅん、あぁ……ママのおっぱいも口も気持ちいいからぁ♡」
「ふふ、ママもだよ。せっかく絞ってもらったのに……また溢れてきちゃった」

視線を動かすと彼女の指先が濡れているのがわかった。その原因が彼女の指先から僅かに覗く、きれいな乳首から溢れているのは明白だった。パイズリで乳腺が刺激されるのか、ペニスが谷間に押し込まれるたびに乳頭から白い液体がじわじわと滲んでくる。

「私のおっぱい、タケルちゃんのお汁とミルクでどろどろになっちゃう……」

彼女の言うとおりだった。俺の肉棒を包む乳房は唾液と先走り汁と母乳で濡れきっていた。性質の違う3つの液体が混ざりあった臭いは信じられないほど魔的だ。俺の性感を刺激するような強い媚薬となって麻痺させ続けている。

「ふっあぁ、ママぁ、すっごく、エッチな臭いがするよぉ♡」
「いいよ、ママもタケルちゃんの匂いで興奮しちゃう♡ もっとおっぱいで可愛がってあげるね」
「くっ、あぁあ、あぁうっ♡ ママのパイズリ、すごいよ、おちんちん気持ちいいよぉ♡」

──ずずっ、ずずっ、ずちゅ。ずずっ、ずずっ、ずちゅ。

柔らかい乳房の感覚と上下への激しいストロークが合わさって、俺ははやくも射精しそうになっていた。熱いものが今にも吹き出してしまいそうな感覚が下半身と脳に伝わっていく。

「あっ、イキそう……ママぁ、ダメェ、出ちゃうぅ……♡」
「ふふ、今日はまだダーメ♥」
「え?」

ふいにペニスへの刺激が止んだ。射精直前まで追い込まれていた俺は不審に思い、彼女のほうを見た。ママの動きが中断されていた。彼女は俺と視線を合わせるとからかうような蠱惑的な笑顔を浮かべた。

「もうちょっとガマン、だよぉ♡」

ママは胸でペニスを挟んだまま、口を閉じた。俺が戸惑っていると今度は大量の唾液をペニスに垂らした。とろりとした唾液の感触と温かな温度が気持ちいい。舌を使って亀頭全体にまんべんなく行き渡らせると、今度は優しく胸を上下させ始めた。俺が射精しないようにゆっくりと慎重に動かしていく。

「はーい、おちんちんさん我慢でちゅよぉ♡」
「そんな……もっと、もっと強くしてぇ……」

俺はたまらず懇願した。ゆったりとした愛撫は心地よい。しかし、いくら気持ちが良くても射精まで至らなければ苦しいだけだ。

「ねぇ? 射精したい?」
「したい! 射精したい!!」
「じゃあ、“ボクのおちんちんはママ専用のおちんちんです♡ ママのGカップおっぱいで、白いおしっこおもらしさせてぇ♡”って言ってみて」

ママは俺を挑発するように覗き込む。すっかり忘れていたがここはファッションビルのトイレ内だ。そんなことを言ったら誰かに聞こえてしまうかもしれない。

「ほらほらー、はやく言わないと、ママ、おっぱいしまっちゃいまちゅよぉ♡」

ここまで来てやめるという選択肢は俺の中に無かった。ペニスははちきれそうなほど勃起していて、射精せずにはいられない状態になっていた。俺は意を決して口を開く。

「お、俺の……」
「ダーメ♡ “オレ”じゃなくて“ボク”。子供なんだからそんな悪い言葉使っちゃ、めっ、だよ」

ママはまるで幼い子供にするようにして、俺を優しくたしなめた。

「ぼ、ボクのぉ……」
「うんうん、その調子」
「ボクのおちんちんはママ専用のおちんちんですぅ、ま、ママの……」
「ママの?」
「ママのGカップおっぱいで、白いおしっこおもらしさせてぇ、お願いしますぅ♡」
「よく言えました」

ママは満足そうに微笑むと、両胸でしっかりとペニスをホールドした。

──ぺちん、ぱちん、ぺちん。

強くカラダに叩きつけるようにしてペニスがスライドされる。先程までとは違う射精を促す愛撫俺はたまらず腰を震わせる。

「うっ、ママのおっぱい くっああっ♡ 気持ちいよぉ……ああっ、おちんちん、射精しちゃう♡」
「ふふ、いいよ。いっぱい感じて。でも、俺って言ったらやめちゃうよ? ちゃーんと可愛らしくボクって言ってね」
「う、うん。あぁ♡ ボクのちんちんママに飲み込まれちゃうぅ♡」

乳房で愛撫されるたびに腰の底が熱くなるのを感じた。太ももが快感で震えてまっすぐ立てなかった。背筋からは寒気に似た感覚が湧き上がり、カラダ全体を使って精液を送り出そうとしているのがわかった。

「あぁ、ダメッ、出ちゃう、ボクのおちんちんからザーメンでちゃうぅ♡」
「わかるよ。タケルちゃんのおちんちん、ママのおっぱいの中でいっぱいハネてる。タマタマもきゅっって縮んじゃって……“ママだいすき、ザーメン出したいよぉ♡”って言ってるみたい」
「う、うん、ボク、ママのこと大好きなの。ママのこと大好きだから、ママのおっぱいで射精したいのぉ♡」

快感のあまり全身が痙攣する。彼女への愛と行為の状態を口にするたびに恐ろしいほどの興奮が脳を痺れさせていく。限界が近くなっているのが自分でもはっきりと自覚できた。頭の奥が白く染まっていく。もう射精することしか考えられなかった。

「あは♡ 嬉しい。ママもタケルちゃんのこと大好きだよ」
「あ゛ーあ゛ー、イクのぉ♡ 白いの来るのぉ……ママっ、ママっ」

─ずちゅ、ずる、にゅちゅ、くちゅ♡

射精管に熱いものがこみ上げてくる。小水でも漏らしたかのように大量の先走りが彼女の唾液と合わさって淫猥な水音を立てていた。互いの熱気に満ちた息遣いが個室内に響き渡る。

「おいで、ママが全部おっぱいで受け止めてあげるから♡ ね♡」
「うん!! ママぁぁぁっー♡ だいしゅきぃぃぃぃぃ♡」

──どくんっ♡ びゅるるるーっ♡ びゅーっ♡ びゅーっ♡ どぴゅっ♡

ママのへの愛を叫びながら俺は射精した。谷間に包まれた亀頭が内部で精液が次々と吐き出しているのがわかった。

「ぁうん、で、出てるぅ♡ ……ママのおっぱいで、ボク射精してるぅ♡」
「ん♡ んぅんぅ♡ タケルちゃんのザーメン、熱いぃ♡」

腰が二度三度と無意識のうちに痙攣した。背筋を震わせながら最後の一滴まで絞り出す。

「ふふ、いっぱい出したね……いい子いい子」

ママはうっとりした顔でペニスを開放した。開かれた谷間にはべっとりと白濁液が付いていた。彼女の甘い体臭に混じって、青臭いツンとした香りが辺りに漂う。

「ふふ、タケルちゃん、ママのおっぱいおむつでいーっぱいおもらししちゃったね」

彼女は指先で精液を拭い取ると口先に運んだ。ちゅくちゅくと味わうように口先を動かしてから飲み込む。

「んぅ、今日はちょっとおしっこ臭いね。エッチな匂い」

ママはそう言って俺の陰茎を優しく指先でつまんだ。射精後でまだ硬さの残るペニスを口にふくむと、舌を使いながら掃除するかのように吸い上げた。喉を鳴らしてしっかりと飲み込む。

「んっ、こくん♡ ……ごちそうさま」
(あぁ、ボクの精子、ママが飲み込んじゃった)

ママはバッグから大判のウェットシートを取り出すと、俺のペニス、自らの胸、口元と手早く拭き取っていく。

「はーい、ズボン履き履きしまちょうねー」

彼女は床に落ちていた俺のズボンを一気に引き上げる。ベルトとファスナーまでしっかりと閉めると、棚に置いていた自らの衣服を着始めた。ブラジャー、ニットまで着替え終えると立ち上がった。ベージュのトレンチコートに袖を通す。その横顔はトイレに入る前の無表情な彼女ではなかった。

「じゃあ、せっかくだし、もう少し見て帰ろうか? ママ、時計とか見たいんだけど、タケルちゃんはいい子でおつきあい出きるかな?」
「うん」
「いいお返事。いい子にしてたらまたママがご褒美あげるからね」

──ちゅっ♡

彼女は俺の口先にギリギリで触れるくらいの優しいキスをした。ふんわりとした甘い香りと柔らかな唇の感触が心にじんわりとした暖かさを産んだ。

(あったかい……)
「行こうか。私のかわいい、タケルちゃん」
「うん」

ママはいつもどおりの優しい笑顔で手を差し出した。俺……いや、“ボク”はけがをしていない左手でママの柔らかな手を握り返す。

ボクはママに手を引かれるまま、トイレを後にした。

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