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第1話:不思議な眼鏡と初手ラスボス

「ふう……」

転校初日、その日は性教育実習をせずに一日が終わった。
実習室があそこ一つしか無いために、クラスや学年でローテーションを組んでいるのもあるのだろうが、俺が混乱しないように敢えて実習がない日を初日にしてくれたのかもしれない。
あれこれ詰め込みすぎて、俺が混乱するのを避けたのだろう。
男子の友達はいくらか作れたものの、馴染むのには時間がかかりそうだとわかった今となっては、その気遣いがありがたかった。

「しかし、愛撫だけの実習に、真剣勝負に決闘か……。決闘、決闘ったってなあ……。何をどうやったら決闘になるんだよ……」
「それを教えてやろーじゃん、オタクくんっ!」

教科書を鞄に詰めて帰る準備をしている俺の背中を、無遠慮に叩く女子が一人。
オタクくんなどと呼ばれたから伊妻さんかと思ったけど、彼女はこんなに元気良くないだろうし、そも隣の席に既に伊妻さんの姿は無かった。

ふと目を向けると、そこには朝、俺に「イエーイ!」と言ったギャルが立っていた。
伊妻さんとは正反対の、目がパッチリ大きくて、明るい笑みを浮かべている、金髪ショートの女子。

「うち、夏目
なつめ
ってゆーんだ。オタクくんよろ~」
「な、夏目……さん。えっ、何。何か用?」
「キョドんなよオタクくんさ〜。うち怖い人じゃないからさ〜」

バシバシと無遠慮に肩を叩かれる。
女の子と面と向かって話すことに慣れてないということ以上に、こういう陽キャは極めて苦手だ。思わず身体を引いてしまった。

「転校してきたばっかで不慣れなオタクくんに、うちが色々教えてあげる。その辺の男子よりよっぽど知ってんよ〜?」
「あの俺、オタクくんじゃなくて、深見野っていう名前が……」
「やっぱ気になんのは性教育実習でしょ〜! 任せとけって、全部うちが教えてやるし!」
「聞いてねーし……」

俺の話なんて聞きもせずに、堂々と伊妻さんの席に腰掛けて語り出す夏目さん。
鬱陶しいなどと思いつつも、生徒会副会長ほどではないが、のっしりと重たそうな胸を揺らしながら足を組む姿に、ちょっとくらいなら聞いてやるか……と思う俺。
まあ、聞くだけならタダだしな。聞くだけなら。

「さて、それじゃあまず、性教育実習で何をするかっていうと〜。……えっと、セックスとかキスとか、粘膜接触は御法度ってのは聞いた?」
「聞いた。愛撫実習室も見てきたぞ」
「おっけ〜。まあつまり愛撫をするわけなんだけど、基本的に”手コキ”と”手マン”を、ポリ手袋しながら実習……、つまり相手を気持ち良くする練習をするわけ。ちんちんシコシコ、おまんこぬちゅぬちゅ〜って」
「て、手コキ……と、手マン。しかも手袋付きかあ……」
「オタクくん童貞? めっちゃしょんぼりした顔してんだけど。ウケる。性教育実習でセックス出来なきゃ子作りも出来なくて、ご不満か~?」
「どっ、どどどどどどど童貞違うし!」
「あっははは。まあそゆことにしといてやっか~」
「んむぐぐ」
「まあ話を戻すけどさ、ハグとかおっぱい揉み揉みはオッケーだし、手コキで射精はさせてもらえるからそれで我慢してな〜」

セックスはだめでも、絶頂、射精はさせてもらえるわけか。
しかも粘膜接触さえしなければ、手コキ手マン以外の愛撫も大丈夫と。
性教育実習で童貞を捨てることが出来ないのは残念だが、そのためのステップアップと割り切れば、まあ、なんとか。

「男子と女子が、あのカプセルホテルみたいな中で隣り合って、お互いに手コキと手マンをして愛撫の練習。お互いにイけたら万々歳。授業だからタイムリミットはあるし、相手をイかせられなかったらまあ残念。もっと練習して、将来に来たる本番のために、相手を満足させられるように精進しようねって感じ。テキストもあるから、それ読みながら頑張りましょう」
「……それだけ?」
「それだけ〜」
「なんか……、真剣勝負とか決闘の要素が無い気がするんだけど」
「ないけどある、って感じ? つまりさ、いるわけよ。”相手を何度もイかせてしまうようなテクニックの持ち主”がさ〜」
「なるほど……?」
「たとえばオタクくんがうちとペアになって実習したとするじゃん? うちが超絶テクでオタクくんを射精させまくって、でもオタクくんは一度もうちをイかせられない。そうなったら、どう思う?」
「ん……、情けない……とか、悔しい?」
「そう! 悔しい! そう思っちゃう人がいるわけ!」

なるほど。そういうことか。
決闘がどうとかって、ここで繋がるのか。

「先にイクのかイかせられるのかの真剣勝負! 特にね、負けず嫌いで自分に自信がある男の子が、上手な女の子に何度もイかせられちゃうと、”決闘”を申し込んじゃうの。校則ではそれを認めてるからね〜」
「その決闘の方法も、手コキと手マン……、愛撫なのか」
「規則的にはスポーツでもオッケーだけど、ことこれに関しては、ほぼ愛撫での決闘になるかな〜」
「だよなー……」
「”秘所潤わざれば快在らず。快在らずんば繁殖に非ず”……だっけ? 学園側が打ち出したその性教育実習の理念のもと、そうやって競い合いながらテクニックが鍛えられればって、むしろ推奨してるわけ。……でもまあ、実際そこまで大袈裟な話じゃないから、あんま気にしなくていいよ〜」
「え? そうなのか?」
「実習中に先にイってもペナルティがあるわけじゃないからね~。実習中はもちろん、決闘も別に、勝ち数と負け数をカウントしてるわけでもないし」
「なるほどぉ……」

それならありがたい。
勝ち負けが成績に関わってたらどうしようと思ったけど、それがわかれば随分と気が楽だ。

「……で、その決闘を受けまくって、しかも勝ちまくってるのが、この伊妻さんと生徒会副会長の常磐先輩」

夏目さんが、伊妻さんの机を指でトントンと叩きながら言う。
これこれ、こいつだよ、とでも言いたげに。
確かにあの二人は、見た感じや纏う雰囲気からして、相当に手強そうだ。

「凄まじい超絶テクニックで、二人の相手をした男子は実習中に何度も射精する。けれど彼女達は一度もイくどころか、表情を変えず喘ぎ声すら上げない。もちろん決闘でも常勝無敗。そのあまりの強さに、”女神のコキ手”って呼ばれてんの〜」
「女神のコキ手……。二つ名が酷すぎる」
「あっははは、だよね~。まあそんなだから、二人を倒したい男子はいっぱいいて、他のクラスの男子もこぞって挑戦しにいくけど、だーれも敵わない」
「たったの一人も?」
「たったの一人も。常勝無敗は、ほんとにその通りの意味」
「とんでもないな……」
「新学期始まってすぐの頃にね、このクラスに喜び勇んで伊妻さんに挑んでった男子がいたんだけど、あまりにも一方的にイかされすぎて悔しさ爆発。もちろん決闘しても勝てやしない。いたたまれなくなったのか、まさかの転校しちゃったんだ〜」
「……え。もしかして、俺のこの空いた席って……」
「ご名答〜。その男子の席だよ」
「うへぇ……」

その男子の気持ちはわかるが、相手が悪すぎたんだな。
伊妻さんみたいな美人を相手に、喜び勇んでペアになったはいいものの、為す術もなくイかされ続けて、決闘を申し込んでも勝てやしない。
そうやって、オスとしての自信と尊厳を失ってしまったんだ。
そんな風に、まるで廃人のように成り果ててしまう自分を想像し、思わず身震いしてしまった。

「あと、二人を倒したいっていう男子の中には、負かして彼女にしたいってのが混じってるみたい」
「負かして彼女、かあ……。リスクでかすぎだろ……」
「決闘は単に勝者と敗者を決めるだけで、敗者は勝者の言うことを聞けみたいなことはないんだけど、それはそれとして期待しちゃうんじゃない? もしかしたら伊妻さんも副会長も、それを待ってるかもしれないし。……まあみんな負けちゃって、漏れなく決闘を申し込んでは負けるゾンビみたいになってるけどさ〜」
「だろうなあ」
「顔はいいからね、あの二人。学園側も実習中の粘膜接触が御法度ってだけで、恋人になるなとか、校外でもセックスするなって言ってるわけじゃないから」

顔はいい、それは確かに。
あんな美人を彼女に出来たら、堂々と恋人として隣を歩けたら、それはそれは幸せになれるのだろう。
ただ二人とも、デレる姿がまっったく想像出来ないけれども。

「オタクくんは転校生だから知らないかもだけど、学園の取り組みってマスコミにも取り上げられててさ。地元のテレビ局で特集されたんよ〜。確かに少子化だから即妊娠もいいけれど、しっかり相手を気持ち良くすることも重要、その後の結婚生活にも響いてくるだろうからって」
「そうなのか」
「そんで、この学園から少子化対策職員や性教育指導員を輩出するんだーとかなんとか、学園長も張り切ってコメントしてんの。なんか新設の国家公務員らしいじゃん? まあこれからの時代、そういう職に就ければ安泰だよね〜」
「負けてもデメリットは無いけど、勝っていけばメリットはありありなんだな……」
「まあでも、そういう”上位層”を抜かせば、みんな楽しくヤってるよ。おふざけで決闘申し込んで、わざと負けたりして、恋人としてくっついちゃうペアもいるし」
「自分をイかせてみろ、うわーイっちゃった。仕方ない付き合ってやるかー……みたいな?」
「そうそう、そういうのもあるんよ~。まあ愛撫だけとはいえ、年頃孕み頃孕ませ頃の男女が肌をくっつけ合うんだもん。相性だってすぐにわかるし。そりゃ多少は、ね?」

くそっ。イチャイチャしやがって。
恋人を作るのは御法度じゃないから、俺もそんなイチャラブ愛撫学園生活送りたい。

「そんなわけでさ、オタクくんもあんま気負わずに、気楽~にヤっちゃえばいいよ。あ、でもアレか、伊妻さんや副会長に当たったら、オタクくんも転校するくらいボロボロの廃人になっちゃったりして〜?」
「やだよまた転校なんて! それにオタクじゃないって!」
「はいはい、……えっと、名前なんだっけ?」
「深見野!」
「あっははは。そだそだ。んじゃオタクくん、また明日ね~」

ケタケタと楽しそうに笑って、夏目さんは鞄を手に教室を出ていった。
結局、最後まで俺は名前を呼んでもらえなかった。
ちくしょう、可愛いからって調子に乗りやがって。もしペアになったら覚えてろよ、ヒィヒィ言わせてやるからな。

そんなことをしている間に、教室に残る男子は俺だけになってしまった。
残った女子も、朝の失態があったためか、俺に声をかけるでもなく、各々がなんてことのない会話を楽しんでいる。
転校生だから歓迎カラオケ……みたいな、ちょっと陽キャなことも期待してみたけれど、どうやらそんなことが起こる雰囲気でもない。
貰えるはずのないバレンタインデーに、女子の方をチラチラ気にしながら過ごしているような気分だ。
悲しいので、俺はすぐ帰ることにした。

───とぼとぼと肩を落として校外に出る俺。そしてコンビニに寄ってアイスを買うと、近くの公園に向かう。
木陰の下にあったベンチに腰掛け、アイスの袋を開ける。
あたり付きの、棒バニラアイスだ。安くて美味いんだよな。
俺は、向こうで小学生が楽しそうにサッカーを楽しんでるのを眺めながら、アイスをモニュモニュと食べる。
冷たくて甘くて美味い。

「……しかし、せっかくの元女子校っていう最高のシチュで、先行き不安みたいな思考になってるの、どう考えてもヤバいよなあ……」

転校デビュー失敗。
クラスの女子からはオタクくん呼ばわり。
クラスカーストの頂点且つ女神のコキ手という謎の二つ名を持つ豪傑がいる。
悪い要素がてんこ盛りだ。
これに加えて、伊妻さんと同じクラスなので、ペアになる確率が高いというのが最悪な状況に輪をかけている。
もしペアになってしまったら、相手を気持ち良くさせることもままならず、気持ちいいと感じる前に射精して、男子としての尊厳を失ってしまいそうだ。

夏目さんは何も言ってなかったけど、伊妻さんに何度も挑む男子の中には、その尊厳を取り返すために挑んでる奴もいるんじゃないだろうか。
俺までそんなことになったら悲惨すぎる。
どう考えても経験豊富そうな伊妻さんに、俺のマイサンがリスポーンキルされちゃうよ。童貞の俺にはリカバリ出来ないだろ。
テキスト読んだくらいで、どうにかるようなもんじゃないだろ。
俺は勝てるはずのない伊妻さんに、ゾンビアタックを繰り返す多くの群れの一人にされてしまうのだろうか。
いくらなんでも嫌すぎだ、そんな学園ライフ。情けなくて泣いちゃうだろ。

「気持ちいいはずの性教育実習で、どうしてこんな憂鬱な気分に……。将来は性教育指導員も目指せるなんて言われても、遠い雲の上の話だっての。童貞捨てて、妊娠させまくりの生ハメライフはどこへ……トホホ」
「そおおおおぉぉんなあなたに、心強い味方!」
「うわぁ!?」

いつの間に、そこにいたのだろうか。
黒のスーツに真っ赤なシャツを着込んだ、赤い丸サングラスの金髪のお兄さんが、俺のすぐ隣に腰掛けていた。
突然のことに、俺は声を上げて、びくっと身体を震わせた。

「ウェーイお兄さん元気無さそうだね! 希望の春なんだから、スマイルスマイル笑顔じゃないとだめっしょー!」
「だっ、だ、だ、だ、誰。何っ」
「おっ、それ聞いちゃう聞いちゃうー!? 正体明かしちゃうー!? ダラララララララララっ! ジャジャーン! 正体発表のコーナー!」

だめだ。これはだめだ。
俺の中の危険信号がヤバいと告げている。
脳内ではもう一人の俺が、回転灯ピーポー鳴らして「チャラ男警報発令!」と悲鳴のような声を上げて走り回っている。
言葉遣いや謎のノリはもちろん、その容姿が完全に危険だ。夜の繁華街で客引きをしているお兄さんだ。こういう人、ヤクザゲームで見たことある。
関わってはいけない、本能がそう告げていた。

俺は無意識に鞄を掴み、アイスを丸呑みし、今にも逃げ出す準備を整える。
しかしそんな俺を引き止めたのは、チャラ男の次の言葉だった。

「その制服さ、近頃共学になった天ヶ沢学園のでしょ? ……お兄さん、性教育実習が上手くいかなさそうで困ってるっしょ」
「え……っ」
「あそこって愛撫実習しかしないって聞いたよ。しかも決闘なんて古いしきたりも残っててさ。そんな中で、自分のテクニックじゃ絶対に通用しない相手がいて、その子とペアを組まされるのが怖くて不安になってる」
「な、あ……っ!?」
「すぐにでも捨てようと思ってた童貞も捨てられないし、愛撫実習も失敗しそう。思い描いてたパラダイスが水泡に帰す寸前ってわけだ」

サングラスの向こうに、チャラ男の鋭い瞳が見える。
無理矢理俺の心を視線のナイフで切り刻んで、その中にずるりと入ってきて覗き見ているかのような、蛇のような瞳。

先ほどの俺の呟きで、童貞のことや妊娠させまくり生ハメライフまでは、きっと理解することが出来るだろう。
けどそれを聞いていたとしても、ペアやその相手のことで悩んでいるなんて、絶対にわかるはずがない。
だって俺は、それを口にしていないのだから。
まさか夏目さんの関係者? 知り合い?
だとしても、ついさっき話したばかりのことを、俺がこの公園に来ることまで予想して語ってくるなんて不可能だ。

怖気のような冷気を感じる。漠然と感じていた本能が忌避する不穏さは、既に明確な恐怖となって俺の身体を包み込んでいる。
だが次の瞬間、急に彼の瞳は鋭さを失い、表情も破顔した。

「大丈夫だよお兄さん! これ、これがあれば万事解決! お兄さんの悩みは何もかも全部が雲散霧消!」
「これ……って」

チャラ男が懐から取り出し、俺に差し出した物。
それは、フチが紫色の眼鏡だった。
度は入っていないように見える。伊達眼鏡なのだろうか。

「じゃじゃーん! それこそはなんと”魔法の眼鏡”! 愛撫やセックスをして手が触れている相手、いい、これ重要だよ? 自分の手が触れている相手ね? その人が、気持ち良くないと青のオーラを、気持ちいいとピンクのオーラを纏っているのが見えちゃう優れ物ってわけ!」
「え」
「つまりこれを使えば相手の弱点、どこに触れたら気持ちいいかが丸わかり! 顔には出さなくても弱点を見つければ、あっという間に即堕ち完堕ちメス堕ちってね! しかも装着してる人間の性的防御力も上げてしまうんだなこれ!」
「性的防御力!?」
「なんと今日は特別に、その眼鏡をお兄さんに無料プレゼントしちゃうよウェーイ!」
「なっ……!?」

まさか、そんな。
都合が良すぎる。そんな都合のいい話と美味い話が、盆と正月が同時にやってくるなんてあり得ない。
何かの詐欺に違いない。特殊詐欺とかの類いだ。タダより高い物はないんだ。
俺は慌ててその眼鏡を突き返そうとするが、チャラ男の手がそっと、それを制した。

「大丈夫。あとで金寄越せとか、堕とした女寄越せとか、そんなこと言わないから。これは”ウチの企業”の慈善事業でさ」
「企業? 慈善事業?」
「あ、ボクはこういう者でーす」

そう言ってお兄さんが渡してきた物。
それはなんてことのない普通の名刺で、そこにはとある有名眼鏡ブランドの名前と、営業部という部署名と、彼の名前が書かれていた。
名前、明日之蔵悠太
あすのくらゆうた
。長くて面倒な名前だな、チャラ男でいいか。
企業名は見た瞬間にわかった。CMなんかでもよく見る、巨大企業だ。

「最近さ、なんかほら、あるっしょ? 企業の社会的責任? 社会貢献みたいな? その絡みでさ、他の企業と追いつけ追い越せ競ってるってわけ。株主もそういうのを頑張ってると、もっと投資してやろっかなーみたいになるんよ」
「は、はあ……」
「てわけで、こいつはウチの……試作品ではあるけど正規品。困ってる青少年に、愛の手をってね。どうせ無料だし、いらなかったら捨てちゃっていいからさ」
「……捨てて……いい」
「でもこの眼鏡、効果はガチだよ。来たる少子化の波を打破するために作った、ウチの技術を結集したマジもんの本物だから。……だからお兄さんがこれでいっぱい女の子を堕とせば、その効果が確かだってアピール出来るし、そうすればウチも儲かるって寸法なわけ」

ドクンっと心臓が跳ねる。
跳ねた心臓が送り出した血流が、頭と、ペニスに一気に流れる。
のぼせたような頭で、この眼鏡を使って、クラスメイトを、それこそ伊妻さんを堕とす妄想が駆け巡る。

先ほどは、薄ら寒い感覚すら感じていたのに。
俺は何故か、とっくに、チャラ男の言葉を完全に信じ込んでいた。
名刺を見せられたせい?
いや違う。
これと同じ技術で、おそらくはそのサングラスで、俺の悩みを見抜いたのではないかと思ったからだ。

「もし上手くいったら教えてよ。逆にこっちが報酬出すから」
「は、はは……。報酬って、まさかそんな」
「それがウチのやり方でーっす! ウェーイ! ボクこの辺りをよくウロウロしてるから、見かけたら声かけてよ! じゃあね!」

チャラ男はギャルピースをダブルで披露すると、急にその場に立ち上がる。
そして彼は公園から出て走り去り、その姿はあっという間に見えなくなってしまった。
嵐のような人だった。

「……でも、相手が気持ちいいかどうかが見える眼鏡、か。これがあれば、もしかしたら、俺でも伊妻さんを……!」

突然渡された、怪しい眼鏡。
俺は期待に胸を膨らませていた。

「にしても、性的防御力って何だよ……」

───翌日。
俺はチャラ男からもらった魔法の眼鏡を装着して、学園に登校した。
転校生だからということもあり、担任もクラスメイトも、特に不思議がることなくその姿を受け入れてくれた。
これが慣れ親しんだクラスだったとしたら、突然眼鏡をかけたことをからかわれ、最悪いたずらされていたかもしれない。

そしてまるで、その眼鏡をかけたタイミングを狙っていたかのように、ホームルームで担任がある言葉を発した。

「それじゃあ、今日はこのクラスが性教育実習の日だから、ペアを決めていくわね」

来てしまった。それも、こんなに早く。
多少は、エロ漫画やエロ動画を見て知識などを仕入れてみたものの、実践出来るかは完全に不透明だ。
しかし来てしまったからには、やるしかない。

するとみんな、自分のスマホを取りだして何かアプリを起動し始めた。
そういえば昨日、性教育実習を円滑に進めるアプリがあるからと、インストールしたものがあったな。
この学園の学生のためだけに作られた、専用アプリらしい。
プロフィール用に自分の顔自撮りと、あとは学年と名前だけ入力すればひとまず大丈夫、ということだったけど。

俺はみんなの真似をして、スマホを取り出してアプリを起動してみた。
起動と同時に、マスター側の担任が操作しているのだろうか、アプリが勝手に動いて何かを選び始めた。
すると俺の画面に、伊妻さんの写真が映った。
おや?

「はい、ペアは決まったかしら。画面に出た写真が今日の相手よ。選ばれなかった女子は残念だけど次回までお休み。その代わり次回の優先権があるからね。お休み組は別途動画を見ながら座学をするので、視聴覚室に移動して」

担任の言葉に、俺は目をぱちくりさせる。
彼女は言った、画面の写真が今日の相手と。
俺の画面には伊妻さんの写真。
ごくりと唾液を飲み、おそるおそる伊妻さんの方を向くと、彼女は自分のスマホ画面を俺に向けていた。
そこに映し出されていたのは、俺の顔写真。

「……なんだ、オタクくんがペアなんだ」
「えあっ、あっ、あ、いっ、伊妻さん……っ」
「安心して。初めてなんでしょ? 優しくしてあげるから」

つー……っと、頬を汗が流れ落ちる。
その可能性を考えなかったわけではないが、よもやこんなにも早く、伊妻さんとペアになる日が来るなんて思わなかった。
ふと見ると、向こうで夏目さんが両手を合わせて俺に祈りを捧げている。
ご愁傷様とでも言いたいのだろうか、顔がにやけているのが大変腹立たしい。ほんとマジでペアになったら覚えてろよ。

しかし慌てるな、落ち着け。俺にはこの眼鏡があるじゃないか。
あのチャラ男営業マンの言うことがどこまで正しいのか、それを証明するいい機会だし、いい実験相手だと思う。
実験相手と言うには、あまりにもラスボスすぎるかもしれないが。

「ほら、行くよオタクくん。ついてきて」
「え? あ、あの、ちょっと……!」

どうやらペア決めが終わると、すぐに移動していいらしい。
席を立って、俺のことなんてまるで興味無さそうに教室を出る伊妻さんを、慌てて追いかけた。

───愛撫実習室、来るのはこれで二度目だ。
例の少し大きめのカプセルホテルのような部屋が、所狭しと並べられている場所。
前は気付かなかったが、この空間全体がいいにおいがする。もしかしたらセックスのにおいを消すための、芳香剤や香水でも撒いているのかもしれない。

使う部屋はアプリで決められているようで、俺と伊妻さんはアプリに表示された部屋に入って扉を閉める。
中はしんっと静かで、ある程度の防音性があるようだ。
テーブルの上には、ポリ手袋、ローション、ティッシュといった、愛撫に使う道具が揃っていた。さすがに大人のおもちゃは置いてない。
ベッドには綺麗なシーツが敷かれ、枕も用意されている。椅子として使っても、寝転んで愛撫をしても良さそうだ。

「オタクくん、こっち」
「アッハイ……」

伊妻さんがベッドに腰掛け、手招きする。
俺はおそるおそる、彼女の隣に腰掛けた。
女の子と話したことはあっても、こんな狭い場所で二人っきりになったことも隣り合って座ったこともない俺は、このような女の子と二人きりでドスケベなことをするというシチュエーションに、挙動不審になってしまう。

魔法の眼鏡だの何だのの以前の問題だ。
もらったテキストもいくらか読んで、脳内シミュレーションは何度もしたはずなのに、今はそれを思い出せない。
部屋の中に充満する伊妻さんのにおい、甘い女の子香りが、思考を含んだ何もかもを吹き飛ばしていた。

「緊張してる?」
「アッハイ。あの、キンチョーしてまっす……」
「……リラックスしてていいわ。どうせイクのは、オタクくんだけだし」
「え?」
「噂、聞いてない? 女神のコキ手って呼ばれてるの、あたし。あたしとペアを組んだ男は、無様に何度もイキ散らかしてアヘ顔晒すの。あたしが喘ぎ声すら上げないうちにね」
「あ、アヘ顔……て」
「どうせあなたもそうなるんでしょう? 期待はしてないし、ムキになっておまんこガシガシされるのも嫌だから。変な気は起こさないで」
「は、はい、わかりました……」

ちくしょう、始まってもいないのに、もう悔しくなってきた。
今まで自分の手コキでイキ散らかす男を見て、そんなのに飽き飽きしているのか、どうやら気合いを入れて相手をしてくれるわけではないらしい。
こういう女の子を自分の手でイかせることが出来たら、気分がいいんだろうな。

ていうかこの眼鏡、本当に大丈夫なんだろうな?
嫌だぞ、本当に無様にイキ散らかすなんて。

「ほらオタクくん、スマホ出して。あたしのスマホに向けて」
「え? こ、こう?」

言われた通りにスマホを彼女に向けると、彼女はスマホを近づける。
ピピっと音が鳴って、お互いのスマホに何かを受信する。
次の瞬間、アプリ内にウインドウが開き、そこに伊妻さんのプロフィール情報が表示された。

「愛撫実習前は、こうやって相手のプロフィールを交換するの。以前にもペアになったことがあれば、その回数なんかも表示されるわ」
「なるほど……」

俺は頷きながらウインドウをスワイプして、彼女のプロフィールを読む。

名前、伊妻水紗。
身長、167cm。やはり俺より背が高い。
バスト、92(G65)。でっか。
ウエスト、58。くびれてる……のか?
ヒップ、103。ひゃくさん? ひゃく? さん? メートル尻? でっっっっっか。

なるほど、椅子から尻肉と太もも肉がはみ出るわけだ。
もっちりたっぷりした尻と太もも、そしてふくよか豊かなおっぱい。なんかこのプロフィールだけで抜けそうだ。

「……オタクくんは、名前と写真以外載ってないわね。身長はわかるわよね? あとはちんぽの長さ太さと、精液量を計測しないといけないんだけど、あたしがやればいいのかしら……」
「あ、そ、そうなんだ?」
「不正や詐称が無いように、基本的に他人が計測して入力することになってるのよ。慣れてるから任せて」

そう言って、伊妻さんはポリ手袋を装着しながら、ベッド下の収納の中から、メジャーや計量カップを取り出した。
なるほど、サイズや精液量もプロフィールに載せて、相性なんかを確かめる材料にもするのだろう。
アプリはペアリングや、その辺りもスムーズにしてくれるというわけだ。

伊妻さんは俺にもポリ手袋を手渡す。
なんとなく、俺はいそいそと、それを装着した。

「とりあえず、勃起した時のサイズを計測しないといけないわね……。……ねえオタクくん、勃起させて」
「え? あ、あの? いきなり?」
「……ふう。ま、そう簡単に完全勃起なんてしないわよね。手伝うわ」

そう言って伊妻さんは、全く躊躇も無くブラウスのボタンを外し、ブラのホックを外した。
開かれたブラウスの中から、大きなピンク色のブラが、ずるぅ……っと引き抜かれる。
ブラの中から伊妻さんの蒸れた体臭が、むわぁっと漂ってくるかのようだった。
現れたGカップの巨乳はふっくらと大きく、小麦色の肌に、ピンク色の大きな乳輪と乳首が映えていた。
大きめの、ふっくらとした巨乳輪に、俺は釘付けになってしまう。

続けて、伊妻さんはスカートを着けたまま、パンツを下ろす。
ブラと同じ色のピンクのパンツを片足に引っ掛けると、惜しげも無く足をM字に開き、指で無毛の膣を広げて見せた。
初めて見る女の子の膣は、薄いピンク色で、粘膜がてらてらとぬめっていた。
太ももに巻かれたベルトが、かえっていやらしく見える。

「ほら、もっと見て。あたしのおっぱいとおまんこ。……綺麗でしょ?」
「きっ、き、綺麗……です。可愛い……」
「……褒めてくれてありがとう。で? 勃起した?」
「た、たぶん……」
「そう。じゃあ、ちんぽの長さからいこうかな」

そう言って彼女はメジャーを片手に、ベッドから降りる。
そして俺の足の間に入ると、慣れた手つきでズボンのベルトを外し、そのままズボンを下ろそうとする。
しかし、勃起したペニスに引っ掛かって、上手く下ろせない。

「ん……? 何これ、下ろせないんだけど」
「ご、ごめん。勃起してるせい、かな? ジッパーも下ろさないと……」
「このままいけるでしょ。よい、しょ……っと」

ジッパーを下ろすのが面倒だったのか、伊妻さんは力任せにズボンを下ろす。
するとその勢いで、トランクスごとズボンが下げられ、それに引っ掛かっていた勃起ペニスが飛び出た。

ぶるんっっ♥

「え……?」

べちんっと音を立てて、締め付けから解放され飛び出た勃起ペニスが、カウパー腺液を漏らしながら俺の腹に当たる。
ペニスは腹に当たった反動と、重さのせいでそのまま垂れ下がり、伊妻さんの顔にカウパーを垂らしながらのっしり乗っかった。
ぼとっと落ちるように、彼女の鼻と額、その真ん中に。
先端から垂れたカウパーが、とろぉ……っと彼女の額に糸を引く。
むわぁ……っとオスのにおいが立ちこめ、彼女はまともにそれを吸い込んでしまったのか、急激に頬が紅潮する。

「な、なっ……!? あ……っ! で、でっっか……! な、なに、このちんぽ……!」
「ちょ……、ちょっと大きかった……ですかね?」
「お、大きいなんてもんじゃないでしょ……! なにこれ……!」

俺のペニスを顔に乗っけたまま、伊妻さんが目を見開く。
彼女の顔の真ん中、三分の一を覆う太いペニスに、驚いているようだった。
しかし彼女はごくんと唾を飲み込んで、ゆっくりとそれを手で持ち上げる。

「お、重い……。長くて、太くて、ずっしり……重い。みっちり肉が詰まってる感覚。重いし、凄く熱い……! オスのにおいも、濃い……!」

息を僅かに荒げながら、彼女はメジャーでペニスを計測する。
根本からの長さと、竿の太さと、亀頭の太さを。

「な、長さ、19.6センチ……! 竿周り、39ミリ……! 亀頭のカリ周りが48ミリ……! おっき、ぃ……。今まで見た中で、断トツで太くて、何より、ずっしり重たい……!」
「えっと、そんなに凄い?」
「っ……。調子に乗らないで。ペニスのサイズが大きいからって、必ずしも女の子を喜ばせられるわけじゃないし、早漏だったら意味ないでしょ」
「アッハイ……、そっすね……」

調子に乗ったつもりはないんだけど。
でも彼女からしてみれば、どんなにペニスが大きかろうが、経験未熟のよわよわちんちんに見えてしまうのだろう。
確かに、こんな大きな……と褒められても、イキ散らかしたら意味が無いわけで。

「ふん。それを今から確かめてあげるわ」

言いながら、伊妻さんはポリ手袋を装着したまま、手にローションを塗す。
それをねちゃねちゃとなじませつつ、ゆったりと、身体を見せつけるようにゆっくり俺の隣に腰掛けると、そっとペニスを握った。
ひんやりとつめたいローションの感触に、俺は思わず「うひっ」と声を上げてしまった。
そんな風に見せた俺の弱みが心地良かったのか、無意識にだろうか、伊妻さんは口元に笑みを浮かべる。
笑みを浮かべた口は、そっと俺の耳に近づき、触れた。

「……女の子にこうやってちんぽ握ってもらうの、初めてでしょう?」
「あ、あっ……! 耳、耳元、囁かれる、とっ……!」
「囁いた方が気持ち良くなれるから。ふー……っ」
「うあぁっ……!?」
「リアルなASMR聞きながら、ギャルにしこしこされてイっちゃえばいいわ」

くすくすと笑われ、息を耳に吹きかけられながら、本格的な手コキが始まった。
伊妻さんの細い指がペニスに絡み付き、ローションを塗り込むように、ゆっくりと上下する。

細い指が輪を作り、竿の根本からカリ首まで上がる。
上がった指の輪は、カリ首をくるくると捻るように擦り上げ、またゆっくりと下がっていく。
そんな動作を何度かされていると、俺はいつの間にか腰を震わせ、息を荒くしていた。

「オタクくん、もう顔トロットロよ……? イきそうなんじゃない……?」
「そ、そんなこと……!」
「ねえ見せてよ。このぶっとくてなっがいオスちんぽから、だらしなく、無様に、精液をどぴゅどぴゅしちゃうとこを……」
「ううっ……!」

気持ちいい。
気持ちいい。
気持ちいい……けれど、でも、耐えられないほどじゃない。
他人に、しかもこんな美人のギャルに触れてもらうのは初めてなのに、何故か俺は耐えることが出来ている。
自分でオナホを使った時でさえ、こんなには耐えられなかったのに。

しかもどういうわけか、かけている眼鏡が、じんわり熱くなっている気がする。スマホでゲームをしまくった後みたいな熱さだった。
その時俺は、あのチャラ男の言葉を思い出す。

『つまりこれを使えば相手の弱点、どこに触れたら気持ちいいかが丸わかり! 顔には出さなくても弱点を見つければ、あっという間に即堕ち完堕ちメス堕ちってね! しかも装着してる人間の性的防御力も上げてしまうんだなこれ!』

そうだ、性的防御力。
あの時は何のことだかさっぱりわからなかったけど、今ならわかる。
この眼鏡は、相手が与えてくる快感を軽減してくれる効果があるんじゃないか?
そうでもなければ、百戦錬磨の伊妻さんの手コキに耐えるなんて、とてもじゃないが童貞の俺が出来るとは思えない。

「……ねえ、まだイかないの? ほら、しこしこしこしこ……っ」

そんな俺に伊妻さんも気付いたのか、手の動きを激しくしてくる。
さすがは女神のコキ手だ。細い指にローションを絡ませて、縦横無尽に竿から亀頭からを、包むように撫で回しては擦り上げる。
五本の指先で亀頭をこね回し、手のひらをぐりぐりと擦り付け、親指で裏筋を上下に刺激した。

「うあっ……!? 激しいっ……。それ、伊妻さん、激しいって……!」
「イけ。ほらイけ。びゅーびゅー出せっ」
「ご、ごめん……、まだイけないみたい」
「はあ……!? う、嘘でしょ、これでイかないなんて。あんた遅漏?」
「いやいやいや、普段はもっと簡単にイクよ」
「じゃあ……なんで、どうして」
「ど、どうしてかなー……はは。それで……あの、俺も手マンの実習していい? ほら、俺も練習しないといけないからさ」
「う……っ。ま、まあいいけど」
「ありがとう。……えっと、俺も手袋したままローション付ければいいのかな?」
「そうよ。……先に言っておくけど、乱暴に扱ったら悲鳴上げるから」
「わ、ワカリマシタ……」

そうやって脅されると、逆に緊張して手元が狂いそうだった。
俺はベッドを降り、俺が手マンしやすいように足を広げてくれている伊妻さんの前に、ゆっくり膝をつく。
スカートの中から、ダイレクトに濃い女の子のにおいが漂い、鼻をくすぐる。
それだけで興奮してしまう、オスを誘うメスのにおいだった。

そして彼女の膝に左手を置いて、右手を膣に伸ばした。
意味も無く出てきた唾を、ごくんと飲む。

ローションでぬらついた自分の指が、つるっとした伊妻さんの膣に触れる。
初めて触れる女の子の大陰唇はふにふにぷっくりしていて、小陰唇はぷるぷるぬるぬるしていた。
ピンク色の膣肉にゆっくり、そっと人差し指を沈めると、柔らかい襞とつぶつぶの突起が、ねっちょりと絡んできた。
オナホなんて比べものにならない、一瞬で気持ちいいと理解出来る穴だった。

「う、うわ、うわっ……! あったかくて、柔らかい……! お、おまんこって、こんなに気持ち良さそうな穴、なんだ……っ」
「当たり前でしょ。ちんぽ擦り上げて射精させて、妊娠するための場所だもの」
「う、うん。でも、凄い……」

知らず息を荒げながら、その感触を指で堪能する俺。
するとその時、彼女の身体をうっすらと青い膜のような物が覆っているのが見えた。
少し顔を下げて、レンズ外から彼女に視線を向けると、その青い膜は見えない。もしやこれが、チャラ男の言っていたオーラなのだろうか?

本当だったんだ、本物だったんだ、この眼鏡は。
だとするとこの青い膜、青……つまり伊妻さんは今、快感を感じていないんだ。

「……なに、どうしたの? 急に動かなくなって」
「あ、いや……別に」
「初めてで、どうしたらいいかわからなくなったの? 好きなようにしていいけど、乱暴にはしないで」
「わ、わかってるって」

とは言ったものの、どうしたらいいのやら。
好きなようにと言われても、その好きなようにすら、どうしたらいいかわからない。
操作方法のわからないゲームを、コントローラーだけ投げて寄越されて、好きなように遊べと言われたみたいだ。
それで、適当にやってると何故か、何やってるんだみたいに怒られるんだ。
小さい頃に体験したような苦い記憶と共に、どうして伊妻さんは初心者の俺をリードしてくれないのか、逆に腹が立ってきた。
初めての俺に期待してないのはわかるけど、もうちょっとやりようがあるだろ。

そんな伊妻さんの反応を見ながら、俺はそっと膣内で指を動かす。
しかし彼女は表情をほんの少しも変えず、吐息すら漏らさず、もちろん身体を覆うオーラも青のままだ。
あまりに無反応すぎて、だんだん愛撫が作業みたいに思えてきた。
なるほど、終始こんな調子でこっちばかりイかされまくったら、多くの男子が決闘を申し込むのも頷ける。
彼女を一度くらい、ギャフンと言わせてやりたくもなる。

そんなことを考えつつ、人差し指で動かすのに疲れて今度は中指を挿入し、指が動かしづらいからと手のひらを上に向けた。
瞬間、伊妻さんの身体を覆う青い膜が、一瞬、ピンク色に変わった。

「え……?」
「……なに、どうしたのオタクくん」
「あ、いや」

伊妻さんは表情を変えていない。
気持ち良さそうな吐息も、少しも聞こえない。
おかしいなと思いつつ、俺は中指を、手のひらを上に向けたままゆっくり動かす。中指の先端、腹の部分が膣内の上部をなぞる。
そこにふと、俺は襞が密集した部分を見つけた。
上部の、クリトリスの裏側辺りの、少し奥まった部分。
なんとなく、本当になんとなく、その部分の感触を確かめようと、指の腹で形をなぞるように撫でた。
それと同時に、伊妻さんの身体をピンクのオーラが包んだ。しかも今度は、そのオーラが消えない。
けれど彼女は、依然として表情を変えてはいなかった。

「……オタクくん、やっぱり下手ね」
「へっ……!? い、いや、だって初めてだし……!」
「そんなんで女の子を気持ち良くさせようとか、才能ないわ」
「ちょっ……! そ、そこまで言わなくたっていいだろ」
「妙なとこ触ってないで、早く指抜いて。今度はまた、あたしの番よ」

おかしい。
彼女は平然としているが、どこか俺を急かしているように思える。
小馬鹿にされつつも、不思議な感覚を覚えながら、しかし俺は眼鏡を信じ、彼女のオーラがピンク色を放つ上部の襞を責め続けた。

「お、オタク……くん」
「え? なに?」
「抜いて。指、早く」
「いやでも……、ここさ」
「っ……」
「ここが、気持ち良くない?」
「別に」
「そう? でも……ほら、ここの襞が」

ぬ゛りゅんっ♥

「そ……っ、そ、こぉおぉぉぉっっっ♡♡♡」

ぷしゃああああぁぁぁっ♥ ぷしっ♥ ぴゅるるっ♥

俺は一瞬、何が起こったのかわからなかった。
伊妻さんのオーラがピンク色になる部分を指で撫で擦っていたら、急に彼女が腰と足を震わせ、巨乳をぶるんっと揺らしながら上体を仰け反らせ、盛大にお漏らししたのだ。
その液体が、彼女の太ももを濡らし、俺の顔にもかかる。
これ、もしかしてイったのか?
だとすると、お漏らしは、これは、潮吹き?

「……そっか、イっちゃったんだ。伊妻さん」
「ううぅっ……! あ、うっ……! オタク、くん、あんた……っ」
「やっぱりここが気持ちいいんだ」

にゅり゛っ♥

「ん゛いぃっっ♡♡」

再び膣内の上部の襞を擦ると、再び気持ち良さそうな喘ぎ声を上げる伊妻さん。
しかし彼女は、まるでそれがいけないことであるかのように、慌てて両手で口を押さえてしまった。
そして、キツい視線で俺を見つめる。
だが俺は構わず、彼女の弱い部分を責め続けた。
自然と浮かんでいた、笑みを向けながら。

にゅち♥ にゅりっ♥ にゅちっ♥ ぬりゅっ♥

「ふぐっ♡ うぅ……っ♡」
「そんな目で見ても困るよ伊妻さん。……そっか俺、伊妻さんの気持ちいい場所、見つけちゃったんだ」
「ふー……っ♡ くっ♡ ふー……っ♡」
「ここ、確かにわかりづらいな。裏側の……雑誌で見たことあるよ、Gスポットっていうんだっけ? しかも伊妻さんのここ、この襞が密集してるとこさ」
「んぅっ♡♡ ん゛っ♡ ん゛ん゛っっ♡♡」
「ちょっと奥まったとこにあるから、指でも見つけづらいし、伊妻さんが平然としてれば男子もこんなとこ気付かないよな。……なるほど、そうやって誤魔化して、イかないようにして、手コキのテクニックで射精させまくり。常勝無敗ってわけだ」
「ん゛うぅっ♡♡ ん゛っ♡♡」
「でもそれ、俺が崩しちゃったな」

に゛ゅりりっ♥

「ん゛ふううううぅぅっっっ♡♡♡」

ぷしっ♥ ぷしゃっ♥ ぷしゃあぁっ♥

ぶるぶると身体を震わせながら、再び潮吹きして絶頂する伊妻さん。
一つわかったのは、絶頂する時に纏うオーラが、ピンクからやや濃いめのピンク、マゼンタや赤紫に近い色になるということだった。
これはわかりやすい。上手くすれば、絶頂寸止めを繰り返してあげることも出来るじゃないか。

それと、あまり強くやりすぎると、すぐにオーラが青に戻りそうになることもわかった。
俺は優しく、壊れ物のように扱いながら、しかし強弱と緩急をつけて弱点を責める。
伊妻さんの顔は次第に、とろ……っととろけていった。

これは素晴らしい眼鏡だ。これはとんでもない眼鏡だ。
相手がどんな風に気持ちよがるのかがわかってしまうから、俺の手マンテクニックはこの短時間で、あっという間に向上してしまった。
あのチャラ男に感謝しなくちゃいけないな。
この眼鏡はまるで、ゲーム攻略で言うところの特効武器だ。女の子と初めて接する俺が、簡単に伊妻さんのような手練れを絶頂に導けるなんて。
ならこのまま、タイムアタックのように、ラスボスを速攻で攻略させてもらおうか。

にゅちっ♥ にゅりっ♥ ぐちっ♥

「おかしいなあ伊妻さん? 俺は一回もイってないのに、伊妻さんはもう二回もイっちゃってさ。おまんこも、ほら……。潮と愛液? で、ねっちょねちょだ」
「……っは♡ あ、あんた、調子に乗っ……♡ んぐっ♡ あ゛っっ♡♡ あ、あんたなんか、あたしが手コキすれば、すぐに……っ♡♡」
「じゃあどうぞ。やってみてよ。一緒に手コキと手マンしようよ」

俺は立ち上がって、再び彼女の隣に腰掛ける。
そしてお互いに性器に手を伸ばし、愛撫合戦を始めた。
ローションに塗れた伊妻さんの手が、先ほどよりも激しく、しかも亀頭の敏感な部分を集中的に責め始めた。
しかし俺はイかない。イきそうになるものの、射精を完全にコントロール出来ている。
カウパーはとろとろ溢れるものの、射精までは行かない。射精寸前にまでなっても、すぐに引っ込めることが出来た。

「く、くっ……♡ なんっ……で、射精、しない、のっ……♡♡ この、でかちんぽ、なんでっ……♡」
「すっごい気持ちいいよ、伊妻さん。ほら、俺の先っぽから先走りがさ、とろーっていっぱい溢れてる。今にも射精しそうなくらい」
「じ、じゃあ射精すればいいでしょ……っ♡ なんでこんな……♡ あ、あっ♡ おまんんこ、ぐちゃぐちゃ濡れっ……♡♡ 音、ぐちゃぐちゃヤバい♡♡」
「たぶん、それ、きっとさあ」
「え?」
「俺の方が伊妻さんより上手、ってことだと思うよ」
「なっ……!?」

に゛ゅりっ♥

「い゛っっっ……♡♡♡」

弱点の襞を指の腹で押し込むように、トントントンっと押し擦る。
瞬間、伊妻さんは俺のペニスを動かす手を止めてしっかりと握りしめ、身体を跳ねさせてまたイってしまった。

ぷしゃあぁっ♥ ぷしっ♥ ぷしゃっ♥

「あーあ、すっごい潮吹き。俺って手マンの才能あったのかな、こんな風に女の子を何度もイかせることが出来るなんて」
「あ゛ー……♡♡ ん゛あっ♡ あ゛っ……♡♡」
「いっぱいイキ散らかして気持ちいいね、伊妻さん。いつものクールな雰囲気も、今は影も形も無いよ」

俺は、ぬ゛るぅ……っと粘液塗れの指を、彼女の膣から引き抜く。
すると、引き抜く際に指が膣内の襞に擦れる度、伊妻さんの身体を覆うオーラが、ピンクと濃いピンク色に交互に点滅した。まるで信号機のようだった。
俺に弱点をしこたま責められて膣が出来上がってしまい、先ほどは微塵も感じなかった動作でさえ、快感を呼び起こしているのだろう。

伊妻さんは虚ろな瞳で喘ぎ声を上げながら、ぱたりとベッドに仰向けに倒れる。
絶頂しすぎて、失神しかけているのかもしれない。
だらしなく足を広げて膣から潮を粘液を溢れさせ、小麦色の肌は汗ばみ、たゆたゆと揺れる胸が、俺のペニスをイラつかせる。

「……これくらいならいいよね? 別に」

俺は眼鏡を外して自ら性的防御力を解除すると、ペニスを握って擦り始めた。
伊妻さんの目の前、顔めがけて。カウパーが糸を引くほどの至近距離で。
さすがは女神のコキ手、たったの二・三擦りで、相当に高められていた俺の快感はあっという間に頂点に達し、精液を吐き出してしまった。

ぶっっっっびゅ♥ ぶびゅ♥ ぶびゅるるるるるるるるるるるるるるるる♥ びゅるるるるるるるるるるるるる♥

まるで、うどんのように繋がった濃すぎる精液が、鈴口を押し広げて飛び出る。
固形のような精液は尿道をずるずると刺激し、飛び出た精液はそのまま、伊妻さんの顔にべちゃべちゃとかかっていく。

「うあ、あっ……! 気持ちいい……! はは、伊妻さんに手コキされたせいで、めっちゃ精液出る……! はははっ……!」

自然と生まれる笑みを隠そうともせず、俺は竿を扱きながら射精を続ける。
伊妻さんの顔を、綺麗な小麦色の肌を、俺の精液で真っ白に汚していく。

ぶびゅううぅ♥ ぶびゅ♥ ぶびゅる♥ びゅるるるるるるるるる♥ ぶびゅるるるるるるるるるるるるるるるるるる♥

「えぶっ……♡ あぷ♡ んうぅっっ……♡♡」

身体を震わせながら、俺の精液を顔で受け止める伊妻さん。
固形のような精液は彼女の顔から垂れ落ちもせず、ねっとり、べっとりとへばりついて、凄まじい精液のにおいを放っていた。
そのにおいに、強烈なオスのにおいにあてられたのか、伊妻さんの膣から僅かに潮が吹き出た。

こんな精液を彼女の中に注ぎ込んだら、孕むまで中から出てこないな。
俺はそんなことを思いながら、伊妻さんのむっちりした身体を眺め、今は出来ないセックスの妄想をしながら、初めての顔射を楽しんだ。

───ペニスをぶるぶると振るって、最後の一滴まで吐き出したところで、むくりと伊妻さんが起き上がる。
そして彼女は顔に付着した精液を手で拭いながら、恐ろしい視線を俺に向けてきた。
殺気だった。
今にも飛びかかって殺してやるぞと言わんばかりの、殺気を含んだ視線を俺に向けていた。

彼女はそんな視線を向けつつ、計量カップを手にして、精液をその中に集める。
精液の量を計測しているんだ。

「……精液量、120ml……? なにこれ、普通の人間の量じゃないでしょ。こんなのおまんこに出されたら、一発で妊娠する……」
「あ、あの、伊妻……さん?」
「……っ」

怖くなった俺が、おそるおそる声をかける。
すると伊妻さんは白いハンカチを取り出し、それで顔の精液を拭き取るかと思いきや、思いきり俺に投げつけてきた。

「……決闘」
「え?」
「決闘よ、オタクくん。このあたしを、こんな風にイかせたあんたに、決闘を申し込む……!」
「ええ!?」
「こんなまぐれの手マンでいい気にならないで……! あたしが本気になれば、あんたなんて一瞬でイかせてやるんだから……っ!」

殺気を向けられ、決闘を申し込まれ。
俺は、おろおろとしながらも、どこか心の中で笑っていた。

そうだ、この眼鏡があれば。
これがあれば、彼女の決闘、彼女の本気中の本気も、撥ね除けられるのではないか、と───

■私立天ヶ沢学園校則

『決闘について』
当学園の生徒は、敵対する相手と白黒をつけたい場合、白いハンカチを投げつけるという形で、決闘を申し込むことが出来る。
決闘の方法は、スポーツまたは性教育実習の実習内容においてのみ、行うことが可能である。
決闘を申し込んだ者はまず担任に申請し、日時を決める。そして必ず立会人を設けること。
決闘においては、クラスや学年、これを制限しない。
勝負においては、決して勝敗を誤魔化してはならない。

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