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病気の母親の薬代を稼ぐ苦学生クラスメイト①

「アヤト様、ご相談があるのですが、本日の放課後お時間いただけませんか?」
『攻性魔法理論Ⅰ』の講義が終わり、次の講義の教室へ移動しようとするアヤトに声をかけてきた女子生徒がいた。
幼き頃から父とともに海山千里の商人や貴族とやりあってきたアヤトには丁寧な口調の裏に嫌悪感を圧し殺しているのがわかった。
「かまわないよ、第4校舎のカフェで良いかな?」
アヤトは話しかけてきた女子生徒を知っていた。同じクラスだ。
特待生の娘だ。つまりは平民、彼女は貴族ではない上、自身は成金ではあるが一応貴族の為、少しフランクな口調にした。

「……いえ、できれば人の居ないところで、可能であれば……アヤト様のお部屋で」
アヤトはパフェが美味しいと評判の第4校舎のカフェを提案するが、彼女は少し躊躇った後、声をさらに小さくして、言った。

この時点で過去の経験から、彼女の相談内容がなにか、確信していたが、アヤトはそれをおくびにも出さず、「いいよ」と寮の部屋番号と時間を告げてから別れた。
きっと、彼女も噂を聞いて、相談にきたのだろう。


そして、放課後、約束の時間。
アヤトの寮の部屋の扉が控えめにノックされた。

「どうぞ、いらっしゃい」
微笑んで出迎えたアヤトとは対象的に彼女は暗い顔をしていた。
「紅茶と珈琲どっちがいいかな?」と尋ねたところ、お構い無くとの事だったので、アヤトの判断で紅茶を淹れた。

アヤトが淹れたての紅茶を砂糖とミルクとともにだすと、彼女は「……ありがとうございます」とは言ったものの手を付けなかった。

「それで、相談って何かな?」

彼女は緊張で乾いた喉を潤す為に紅茶を一口だけ含んで、告げた。
「……アヤト様、わ、私の処女を購入していただけませんか?」

予想通りの言葉を告げられたアヤトは、改めて目の前の女生徒を見る。
彼女の名前はリーセリア=リード。
肩で切り揃えた薄紫色の髪に、キリッとした目鼻立ちは、努めて無表情を浮かべているものの間違いなく美人と言えよう。
服装は学校指定の制服。
毎日の様にダンジョンに潜っているからか、厚手のストッキング越しにもその脚に程よく筋肉がついているのがわかる。

アヤトはある程度、彼女の事情を把握しているが、一応彼女の口からも話してもらった。
案の定、来年度の学費が払えず、学費分のお金が欲しいとのことだった。
ここ、王立第一魔法学園の学費は年間500万メルクだ。
これは、第一級冒険者や大商人ならまだしも、普通の家庭では到底払える額ではない。
一般家庭出身のリーセリアが何故、この1年間通えていたかというと、特待生だったからである。
特待生は学費全額免除されるのである。
もっとも、特待生認定は1年毎あり、彼女は来年度の認定を外されたということだった。
一年間に取得できる単位数の最大が60単位、進級に必要なのは40単位、しかし、特待生認定を受けるには54単位必要なのである。
リーセリアが今年取得できた単位は52単位、僅か2単位足りず特待生認定を外されてしまったのだ。


「いいよ、君の初めて、買ってあげるよ」
リーセリアは拳を強く握りしめて、嫌悪感を押し殺した。
自分から買ってほしいと頼んでおいて、いざ抱かれるとなるとやっぱり嫌なのだ。
リーセリア自身、勝手だとは思もっている。だけれど、リーセリアは目の前のこのクラスメイトが嫌いであった。

リーセリアの父親は既に他界しており、病気でベットから起きられない母と、2つ歳の離れた妹がいる。

リーセリアがアヤトを嫌う理由ははっきりしていた。
自分は病気の母親の薬代を稼ぐ為、放課後は毎日遅くまでダンジョンに潜っていると言うのに、この男は親の金で女遊びをしていると思っているからである。
リーセリアからすれば、こんな男を好きになる方が難しい。

唯一の救いは彼が肥え太った豚みたいな悪徳貴族ではなく、優男である点か、顔立ちもまあ整っている方だと思うし。

「……ありがとうございます」
自分では笑みを浮かべたつもりであったが、うまく笑えていただろうか?
彼の気が変わらないうちにシテしまいたい。

リーセリアは何故こんなことをする羽目になったのかとほんの数日前のことを思い出す。
それは、青天の霹靂だった。
最後の講義の期末試験を終えた際、単位を落したと確信した。

この学園の講義のレベルは高い。流石は大国であるメルトルク王国の王立学園だ。
ハイレベルな講義に付いていくため、どんなに探索で疲れていたとしても、復習を欠かしたことなんてない。

特待生で有るために必要な54単位を取得する為、履修登録はMAXの60単位分フルで入れた。
1つの講義で2単位なので、30講義だ。
難しい講義もあり、幾つか単位を落としてしまったが、それでも54単位は取れる計算だった。現に52単位まではすんなり取得できたのだ。
54単位目の試験が、例年よりも高難易度になっていたことさえ抜かせば。後で知ったことだが、その講義の単位取得率は1割にも満たなかったらしい。
急に難しくなった理由として、教授からお金で単位を買おうとしたバカがいたらしい、それも複数名。
たしかに、この学園の講師には賄賂をうけとる者も少なからずいる。しかし、この教授は厳格なことで有名だった。
自分の受け持った生徒から金で単位を買おうとするバカがでたことに憤った教授は、自分の講義を真面目に聞いていたら、これくらいの問題は解けると応用問題を多くした。
その応用問題がかなり難しかったのだ。
そこで割をくったのはリーセリアの様な一般生徒だということだ。

しかし、私はまだ学園を辞めるわけにはいかないのだ。
母の病を治せる程の回復術師の治療を受けるには、コネが必要なのだ。それはおそらく、冒険者として生きるよりも、学園で過ごした方が可能性が高い。だから学費を稼がないと。
だか、500万メルクなんて大金、どうすれば?
学費の振込期限まで2ヶ月ちょいしかない。
ダンジョンの下層に潜ればなんとかなるか、ダメだ、危険すぎる。ダンジョンは下へいけば行くほどその危険度が増す。
そして、大まかな危険度ごとに、上層、中層、下層、深層とわけて呼称されている。リーセリアが普段潜るのは中層だった。
下層に潜るのは自殺行為だった。
自分が死んだら母はどうなる?妹は?

そんなおり、クラスメイト耳に入ってきたのが、クラスメイトのとある会話だ。

派手目な女子二人組、名前はエリカとミオン。
いつも2人一緒にいて、高級なアクセサリーを身につけている。
確か二人とも実家は小規模の商会だったはず。リーセリアと違って特待生ではない、娘の学費を工面できる程の財力はあるだろうが、あんなアクセサリーを買えるほどの大金を仕送りできるとは思えない。

以前から噂は耳にしていた。
その噂は本当なのかもしれない。
リーセリアは教科書を読むふりをして、エリカとミオンの会話に耳を澄ませた。

そして、リーセリアは今から、お金の為、嫌いなこの男に仕方なく抱かれるのだ。

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