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ギャル軍団① 新ヶ浜玲奈

私立天頂高校──そこは〝固有能力
インヘレンス
〟と呼ばれる特別な力に適正のある〝選ばれし者〟だけが入学できるエリート学園。

郵便で送られてきたその合格通知を受け取ったとき、雑崎
さいざき
槍太
そうた
は思わず両手を握り、天を突いた。

「やっぱり、オレは選ばれた人間なんだ!」

槍太がそう叫んだのも無理はない。

この世界に〝固有能力
インヘレンス
〟の保有者が現れてから、社会は大きく変わった。常人とはかけ離れた彼らの能力は、兵器にも、インフラにも活用され、その存在は社会に欠かせないものになっていった。

正式には〝先験者
コンセプテッド
〟と命名された彼らは、その有用性のために、世間では〝超人〟とも〝進化した
ネクスト
人類〟とも称され、特別視されている。

思えば辛く苦しい人生だった──この世に生を受けてたった十数年を生きただけでそんなことを思ってしまうほど、槍太は己の不遇を託
かこ
っていた。

しかしこれからは、そんなことを気に病む必要はない。それどころか、今まで槍太を蔑み迫害してきたやつらをすべて見返してやることさえできる。
なぜなら──。

「オレは、特別な人間だからだ!」

惨めな現実逃避などでは決してない。
それを、この合格通知が証明している──!

これから始まる三年間の高校生活は、この先に待ち受ける輝かしい未来の第一幕となるだろう。その舞台こそが、〝固有能力
インヘレンス
〟を持つ特別な人間を育成するためのエリート学園──私立天頂高校だ。

それから一年──。

春──高校二年目の始業式を迎えたその日。槍太は春休み前に行われた適合検査の結果を受け取った。

天頂高校では、〝固有能力
インヘレンス
〟の開発度に応じて、生徒たちは峻厳にランク分けされる。

【Cランク】能力開発度
レベル
~54 (適正はあるが一般人に毛が生えた程度の能力者。)
【Bランク】能力開発度
レベル
55~74(一般社会で〝先験者
コンセプテッド
〟であると認められるレベルの能力者。)
【Aランク】能力開発度
レベル
75~ (卒業後に華々しい進路が約束された社会的エリート候補。)

大半はCランクで入学し、まずはBランク、才能のある者はAランクを目指して学校生活を送るが、その枠に収まらない少数者のための特別なランクも用意されている。

【Fランク】能力開発度
レベル
1~20(落第生
おちこぼれ
。あまりに成績の悪い生徒が落とされる地獄の掃き溜め。)

入学した当初はAランクを目指していても、やがてその競争から弾き出され、才能の限界を悟る生徒は多い。しかし、そういう生徒であっても、Bランクに辿り着くことは最低限だと考え、日々能力に磨きをかけている。

たとえ天頂高校の卒業生であっても、Cランクでは一般人と変わらないからだ。

ましてやFランクの生徒など、能力がすべてのこの学園ではゴミに等しい。どんな劣等生でもFランク落ちだけは必死で回避しようとする。

高校二年の春。
槍太が受け取った適合検査の結果は、そのいずれをも下回る評価だった。

【Zランク】能力開発度
レベル
0(無能力者。存在する価値なし。)

* * *

昼休み。槍太は一人でパンを食べていた。

校舎の外側に付いた非常階段の下は、資材置場というか、捨てる予定の備品が雑多に置いたままにされている。

その一つ、古びたロッカーの中。そこで昼食を摂

ることが、槍太はここ最近の日課になっていた。

もちろん、教室に一人だと肩身が狭いので、ロッカーに隠れて食事をしている──のではない。

槍太はパンをかじりながらも聞き耳を立てていた。生徒の話し声と、階段に響く足音が聞こえると、首を上に伸ばす。

ロッカーの天井には穴が開いていた。そこに目を近づけると、階段を登り降りする女子生徒の姿が見える。

活発な印象を与える膝上丈のスカートをひらつかせ、溌剌
はつらつ
とした若さがむちっと詰まった健康的な太ももが、階段を踏むのに合わせて肉感的に見え隠れする。

一人は二年の坂崎
さかざき
飾利
かざり
、もう一人は同じく二年の縞野
しまの
彩葉
あやは
だ。

階段の昇り降りで食い込んでしまうのか、尻と股間の柔らかみを強調するようなパンツの膨らみに、槍太はつい、顔をにやつかせてしまう。

しかし、槍太がここにいるのは、女子のパンツを盗み見て興奮するためなどではない。槍太は我に返ると、メモを取った。

〈──白、二年Bランク坂崎飾利。ピンク、二年Cランク縞野彩葉〉

メモにはその二人以外にも多くの名前が日付、パンツの色とともに書き連ねてあった。槍太は、日々こうしてロッカーの中に潜
ひそ
み、女子生徒のパンツの色をチェックしている。

もちろん、それは槍太の変態性欲を満足させるためではない。

一応メモに書き留めてはいるものの、さっきの二人はターゲットではなかった。槍太は根気よく、ロッカーの中で待つ。

やがて、まるでこの世のすべては自分のために存在するとでも思っているかのような、世間をバカにしきったはしゃぎ声が聞こえてきた。

ロッカーの扉の通気窓から外を覗き見る。

着崩した制服。尻が見えそうなほど短いスカート。いかにも性格のキツそうな派手な化粧。

眼の前を、ギャルの一群が通り過ぎていった。

〈──来たっ〉

槍太は気が早くも、ロッカーの天井に張り付いた。

ギャルたちが、階段を昇ってくる。

槍太のターゲットはただ一人、新ヶ浜
にいがはま
玲奈
れいな
だ。

天井の小さな穴から、非常階段を必死で凝視する。

ギャルたちのスカートはあまりに短く、こんなことをしなくても尻くらい常に見えてしまいそうな裾丈
すそたけ
しかない。しかし、そうやって見せびらかしたいとしか思えない格好でパンチラをばら撒いているくせに、下手に視線を向けてしまうと「パンツを見た」と難癖をつけられて、酷い目に合わされてしまう。

そんなエロの当たり屋たちのスカートの中身を、槍太は絶対的な安全圏から確かめることができた。

新ヶ浜玲奈は、こんな下着を履

いているというだけで風紀を乱していると咎
とが
められてもおかしくないような、高校生には不釣り合いなエロいパンツを履

いていた。大きいのに形がよく引き締まったエロ尻を、セクシーな高級ランジェリーが魅惑的に引き立てている。

〈──紫、三年Aランク新ヶ浜玲奈〉

メモを取りつつ、槍太は小さくガッツポーズをした。当たりを引いた。今日こそ作戦実行の日だ。

ギャル軍団のリーダーである新ヶ浜玲奈は、学校の外でも有名な存在だった。

正確には、ある界隈での有名人だ。

その界隈というのは、主に愛に飢えた中年男性
オジサン
たちで、彼らはわざわざお金を払って新ヶ浜玲奈と、食事をしたり買い物をしたり、有料のデートをしてもらっている。

オジサンたちの多くは、大人の関係をほのめかす女子高生ギャルの悪魔的な手口に嵌

められて、いいように金品を巻き上げられていた。

にも関わらず、オジサンたちはまた一生懸命お金を貯めて騙されにやってくる。羊や豚よりも従順な家畜だ。どんな魔性の魅力を秘めているのかは知らないが、新ヶ浜玲奈には男を搾取する天性の才能があるらしい。

『いやーオジサンたちってマジ頭おかしいって』

新ヶ浜玲奈は人目をはばかることなく、オジサンを笑いものにしていた。

『いくら貢いだってヤレねーっつってんのに。ちょっと隙見せたら、アイツらすぐ金玉フル稼働で精液ドクドク作りはじめっから。勝手に可能性感じるのマジやめてほしいんだけどぉ。ほんとキッツイわー。いくら精液溜めたって、お前らが出していいのはお金だけだっての』

そんな新ヶ浜玲奈のパンツには裏の懸賞金サイトで高値が付けられていた。

懸賞金サイトというのはオークションの一種で、普通のオークションは誰かが出品した物に対して入札するが、懸賞金サイトではまだ出品されていないものに対して入札が行われる。簡単にいえば賞金首みたいなもので、新ヶ浜玲奈のパンツを手に入れたら金を払うぞ! という人がいるということだ。

おそらく、汗水を流して稼いだ給料を絞られて悔し悦びをしているオジサンたちが、躍起になって値段を釣り上げているのだろう。

あの高慢で大人を舐

めきった新ヶ浜玲奈が、ピュアなオジサンたちから大金を毟
むし
り取るとき、パンチラ挑発で見せつけてくる紫色のランジェリー──それが手に入るなら、何十万出しても構わない──そんな復讐心に駆られたオジサンたちの歪
ゆが
んだ情欲が一点、天頂高校三年新ヶ浜玲奈のパンツに集中しているのだ。

午後、槍太は五時間目の授業をサボった。

体育館では女子の授業が行われている。

天頂高校の体育の授業は、特殊なスーツを着て行う。そのため授業の前には、水泳のときと同じように、更衣室で下着まで脱ぐことになる。

槍太は女子更衣室のすぐ近くに身を潜
ひそ
めていた。

心臓が気忙
きぜわ
しく鼓動を打つ。あらかじめ計画していたこととはいえ、いざ実行に移すとなると、さすがに緊張した。体の内側から何かに追い立てられるような落ち着かなさが込み上げてくる。

それも当然だ。もし女子更衣室に入ろうとしているところを誰かに見られでもしたら、間違いなく槍太の高校生活は終わってしまう。このミッションに、失敗は許されない。

槍太は慎重に辺りを見回した。人影はない。今なら誰にも見つからずに忍び込める。

女子更衣室のドアノブに手を掛ける。
もう後には引き返せない。
念のためドアを少し開いて、中を覗く。

誰もいないことを確かめると、槍太は素早く無人の女子更衣室に体を滑り込ませた。

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