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ギャル軍団⑤ 待月由真&揺木未結

待月由真が手を離すと、槍太は仰向けに倒れこんだ。

陸に打ち上げられた魚のようにビクビクと腰が跳ねるのは、まだ電撃の余韻が体に残っているからだ。ピンといきり立ったままのペニスが、抜けきれない絶頂感を絞り出そうとするように、ブルブルと震える。

しかし精液は出てこない。待月由真の固有能力
インヘレンス
に操られて、金玉の中が空になるまで射精させられた。さっきまで金玉の中に入っていた精液は、すべて女子更衣室の床にぶちまけられてしまっている。

「なにその顔──みっともない」

はひはひと震えながら息をする槍太を見下して、待月由真がつま先で蹴りを入れた。

ローファーの固い先端が、槍太の股間に当たる。会陰部──女性にとっては膣前庭があり、男性にとっては前立腺がある男根の付け根のところを、ゴツゴツと蹴られる。

槍太は今や何をされてもアクメしてしまうような状態だった。待月由真に股間を蹴られるたび、ひぃひぃと喘ぎながら、ペニスをブルブルと震えさせてしまう。

「──信じられない。こんなことされても絶頂するなんて」
「本当だよね~。これじゃ罰のつもりだったのに、ご褒美じゃん」
「気持ち悪いこといわないで。──まったく、本当にどうしてこんな汚物が恥ずかしげもなく生きていられるんだろう」

待月由真は吐き捨てるように言うと、プッと唾を吐いた。
べちゃっと、唾液が槍太の顔に付着する。

「そんなことしても、こいつにはそれもご褒美なんじゃない?」
「──はぁ? ウソでしょ。唾を吐かれて喜ぶなんて、プライドも何もないの? 人間として終わりすぎ……」
「そうそう、だってこいつ人間じゃないもん。パンツ泥棒した上に女子更衣室でオナニー見せびらかして興奮するような変態なんだから、そのくらい終わってて当たり前なんだよ。ほ~ら、これが嬉しいんだろ~」

揺木未結も「ぺっ」と唾を吐くと、「きゃはは」と愉快そうに笑った。

しかしそんなことをされて嬉しいはずがない。

オナニーで射精させられたのは待月由真の固有能力
インヘレンス
に操られてのことでしかない。槍太は虐げられて喜ぶような変態マゾではない。

「じゃ、来週くらいに呼び出すから、それまでにお金、ちゃんと用意しておいてね~」
「──仕返ししようとか考えない方がいいよ。何かあったらさっきの動画、ネット中にばら撒くから。大人しく従っておいた方が身のため──」
「まっ、でもZランクじゃ仕返しなんて無理か~。無能力者が能力者
コンセプテッド
に敵うはずがないしねっ。あははっ」

揺木未結は愉快そうに笑い、待月由真は無価値な物から目をそらすようにして、一緒に女子更衣室から出て行った。

「──その動画、ちゃんと音声は消しておいてよ」
「わかってるって~。名前は呼ばないようにしてたけど、まぁ、声でわかる人にはわかっちゃうもんねー」

二人の喋り声が遠くなっていく。

一人、精液がぶちまけられた女子更衣室に残された槍太は、横たわったまま拳を強く握っていた。

ズボンを脱がされて丸出しの下半身で、歯が軋むほどに口を噛みしめていた。悔しさの余り、唇が震える。その口の端に、顔に吐きかけられた唾液が、頬を伝って流れ込んだ。

それと同時に、槍太の頭の中に機械的な音声のようなものが響く──。

〈待月由真──特殊性癖
スイートスポット
:【くすぐり】身動きが取れない状態でくすぐられ続けるとくすぐったさが快感に変わる〉

〈揺木未結──特殊性癖
スイートスポット
:【首絞め】自分より力の強い相手に無理やり首を絞められることに興奮する〉

その不思議な現象に、槍太は驚きはしなかった。なぜならそれは、槍太の固有能力
インヘレンス
の効果だからだ。

槍太は無能力者を装っていたが、実際には無能力ではなかった。〝体液を摂取した相手の特殊性癖
スイートスポット
が判る〟──それが槍太の能力だ。

しかし──。

〈性癖なんかがわかって、それでどうしろっていうんだよ──!〉

自分の能力に対して、槍太はそう毒づいた。

それも無理はない。

槍太の固有能力
インヘレンス
で待月由真がくすぐりに弱いことはわかった。確かに普通では得られない情報だ。だからといって、電撃使いの待月由真をくすぐり続けることなど非力な槍太にはとても出来るはずがないし、そもそもくすぐり続けたからといってどうなるというのだ。

槍太は握った拳で床を叩いた。

〈くっそ──なんでこんなゴミ能力が発現したんだ──〉

どうせなら戦闘向けの固有能力
インヘレンス
がよかった。そうすればこんな目にも合わなかったし、Zランクなどという不名誉な扱いを甘んじて受けることもなかったはずだった。

ところが実際は、発動条件が厳しい上に、人には言えないような変態的な能力だ。さすがの槍太でも「オレの固有能力
インヘレンス
は、相手の体液を舐めて性癖を見抜く能力です」などとは恥ずかしすぎて言えない。

そのせいで、槍太は無能力者を装うことを余儀なくされていた……。

槍太の目から涙がこぼれた。

だがこれは悲しみの冷たい涙ではない。
復讐に燃える熱い涙だ。

たとえ使い道のないゴミ能力しか持たなかったとしても、それで諦めるほど槍太は往生際のいい人間ではなかった。

むしろ、強力な固有能力
インヘレンス
を嵩
かさ
にかかって槍太に屈辱的な仕打ちをしたあの二人に、憎しみを抱いていた。その憎しみの炎は、屈辱感を燃料にして、激しく燃え上がる。

この恨みはいつか絶対に晴らしてやる──槍太はそう固く誓った。

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