第8話 特訓なんかで負けるわけ……負けちゃうぅぅ♡ ☆
「――ふぁ~あ。うぅん……う、うぅ……」
朝、目覚めた瞬間から疲れが押し寄せる。
しかし、それは不快なものではなく、心地いい、満たされたるような疲労感だ。
「ふぅ……昨日のレナ、すごかったなぁ……」
布団を持ち上げて半身を起こし、寝ぼけた脳裏に昨日の特訓の記憶が蘇る。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
帰宅した直後、水浴びもせず、レナにベッドへと押し倒された僕は顔をおっぱいで包まれた。
「ちょ、レナ――」
「ふー♡ 問答無用だよ! シンの事たっぷり可愛がって特訓してあげるからね♡」
興奮したように息を荒くしたレナは、僕の鼻や口などをふさぐように乳肉を密着させて、顔をすりつぶす勢いでおっぱいを擦りつけてきた。
「ふ……がぁ……!」
抵抗の言葉も出せぬままおっぱいを味あわされてしまうと、次第に息苦しさも忘れ、思考と体が興奮に染められていくのが分かる。
「特訓♡ これは特訓だから♡ はぁ……はぁ……シン♡」
上擦った声を上げながらレナは僕の名を呼び、手加減もなく柔らかさと甘いフェロモンを刷り込み続けた。
そして、そんな状況のなかで一番最初に大きな反応を見せたのはペニスだった。
「――くす、シンってばもう気持ちよくなりたいの? 特訓は始まったばかりなのに全然我慢できないね♡」
勃起したそれの亀頭部分をズボン越しに指先で擦りながら、蕩けるような甘い声で囁きかけるレナ。
「……でも、いいんだよ♡ それだけ私のおっぱいが好きなんだもんね? ……すぐに気持ちよくしてあげるからね♡ ――ニーナ、ファナさん、お願い」
「しゃーねぇな」
「はいはい♡」
レナの指示に従い残りの二人が僕の下半身を弄り、カチャリカチャリと音を立てながらあっという間にズボンもパンツも脱がせ、生まれたままの姿を暴き出していた。
空気に晒され、時折レナの太腿辺りのローブに先端部が擦れる。それだけでピリピリとした気持ちよさが弾けてしまう。
「――二人ともありがと。……シン? それじゃあたっぷり、シ・て・あ・げ・る♡」
むぎゅ、と顔にかかるおっぱいの圧力が増し、同時にペニスを柔らかな指先が優しく掴む。
帰り道で発情させられて、性感を高められた場所をさわさわと指先が蠢くように這う。
ゾクゾクとした気持ちよさを受け、玉袋の中が刺激に合わせて精液の放出の準備をすぐさま開始して、収縮を繰り返しだした。
「んー! んぅー……」
気持ちよさを押し殺し、耐えようとおっぱいの中でくぐもった喘ぎを出したが、
「あはっ♡ シン、とっても可愛いおねだりしてるね……♡ もぉ~っと良くなっていいんだよ♡ ほら――」
ぎゅぎゅ♡
それを勘違いしたレナは、一気に竿を握り込んで上下に勢いよく扱き始める。
パーティーに戻った日から何度となくされてきた性的な奉仕の成果か、彼女たちはみんな僕の弱点を完璧に把握して、どうすれば気持ちよくなるのかを知り尽くしていたのだ。
そして、何度も男の体を快感で堕とし、ファナさんに教わった性的なテクニックを駆使することで自信をつけた二人は、こと僕を絶頂させるという点に関しては、ファナさんと同じほどの実力を得ていた。
「シン♡ これ好きだよね? 竿を扱きながら亀さんすりすりして……♡ 裏筋つつー♡ 窪みもしゅしゅー♡ ふふふ♡ とっても喜んでおちんちんさんがビクンビクンって跳ねてるよ♡」
大人のテクニックで惑わすファナさん。
からかい混じりに責め立てるニーナ。
二人に比べて、レナの奉仕はどこまでも甘やかし、愛情を注ぎ込むような優しいものだ。
生来の雰囲気と合わさり、本当の恋人同士で行うようなそれは、性的な快感はもちろん、むずむずと心を柔らかくくすぐり逃げ場のない幸せで満たしてくれる。
「シン好きぃ♡ 私のおっぱいで気持ちよくなってるシンが好きぃ♡ 指先だけで腰をくねくねさせちゃう可愛いシンが好きぃ♡ 好き♡ 好き♡ もっと、喜んで♡ すーき♡」
特訓。奉仕。そんな言葉はレナの好きという囁きでいつも簡単に溶かされてしまう。
(……レナぁ……しゅき……だいすきぃ……♡ れなぁ♡)
頭が目の前の魔術師の女の子の事で一杯になる。情欲と愛情が混じった幸福感に溺れてしまう。
「二人だけでずるいわ♡」
「手伝いはしていーんだろ♡」
むぎゅ♡ むにゅん♡
左右の耳。至近距離からニーナとファナさんの湿った声が飛び込んできた。
それと同時に両腕に感じる沈み込むような感触。
「もう♡ 二人とも……しょうがないな♡ それじゃあ、一緒にシンを気持ちよくしよっか♡ ……シンも沢山おっぱいされたほうが幸せだもんね♡」
レナの許しを得た二人の行動は早かった。
「りょーかい♡」
「かしこまりました♡」
おっぱいで両腕をパイズリするように擦り上げ、空いた指先は乳首を摘まみ、残りの片手で耳をなぞるようにくすぐり、時折そこに息を吹き込む。
「んーーー! ふぁぁぁあっーー!」
レナの手コキだけでも気持ちよかった体に一気に襲い掛かる別の快楽。
弄られる体が熱と共に溶けてしまいそうな感覚。
股間が痙攣し、それが連鎖して下半身も上半身もびくびくと寒さに震えるように揺れだす。
「ふぅー♡ シンさん♡ 我慢できませんか?」
「なんだよ♡ もう限界かー? はぁー♡」
耳から体に侵入した二人の声は股間に刺激となって伝わり、痺れを加速させる。
そして、それを悟った三人の責め手が勢いを増した。
むにゅん♡ むぎゅ♡ ぱふ♡ くりくり♡ しゅしゅ♡ さすさす♡
おっぱいが、指先が、吐息が、声が。すべてが僕を絶頂へと誘う。
「……シン♡」
慈しむようなレナの呼びかけ。愛しい女性の愛の囁きが頭を蕩かし、思考する隙を与えない。
「気持ちよくなっていいよ♡ 私のおっぱい――みんなのおっぱいで幸せになって、私のお手手に好き好き~ってお漏らししちゃおうね♡ ほら――イって♡」
魔法の詠唱にも似たその言葉が聞こえた瞬間、決まりきっていたかのように快感が爆発した。
どぴゅぴゅぴゅ~! とぷとぷ! ぶっぴゅー!
真っ白に染まるような絶頂感と、ペニスから溜め込んだ快楽を放出する解放感。
一気に与えられた気持ちよさに痙攣が増し、口からは涎が垂れ、瞳からはうれし涙のように液体がこぼれる。
「シン好き♡ もっとイって♡ 私の指でもっと気持ちよくなって♡」
射精中も手を緩めず――より強くするレナの興奮した声。
「おいおい、まーたすぐ出しちまったのかよ♡ しょうがねえな……イけ♡ もっとイけ♡」
からかいながら、体をまさぐり続けるニーナ。
「幸せですね、シンさん♡ このパーティー以外じゃ味わえない快感♡ もう他の女の子たちなんてどうでもいい♡ 私たち三人がいればそれだけで幸せ♡ このおっぱいとずーっと一緒にいることがシンさんにとって何よりも大切♡ しっかり覚えながら――イってください♡」
理解が出来ない、でも頭に染み込んでいくような言葉で囁くファナさん。
どぴゅぴゅぴゅー! ぴゅる! ぴゅゅ! ぴゅー……
「ほらおっぱいだよ、シン♡」
「おっぱいに甘えていいんでちゅよ~♡ はは♡」
「大好きな私たちのおっぱい♡ もう離れたくないですね♡」
射精の中、頭に流し込まれるおっぱいという言葉。それは射精が終わってもしばらく途切れることはなかった。
そして、その後レナの代わりにニーナが割り込んだり、ファナさんが疲れた二人を気遣って僕を責め立てたりしながら、絶頂を伴った奉仕は数十回にも及んだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そんな、前日の記憶を思い出しながら目を覚ましていると、寝起きの股間が懲りずに膨らんでしまう。
(あ、朝からこんなにしてたらまたニーナに――)
朝勃ちした時には、いつもニーナがからかいながら抜いてくれる。
恥ずかしくも少しの嬉しさを感じる行為だが、それを思い浮かべた時に違和感に気づいた。
(――みんなはどうしたんだ?)
毎晩の奉仕。
その直後に決まって気絶するように眠りにつく僕を、取り囲むようにベッドで眠っているはずの三人の姿がない。
ファナさんやレナはたまに先に起きて朝食の準備などしているが、ニーナまでいないというのはちょっと変だ。
違和感を胸にベッドから起き上がり窓を見つめると、午前中だが日はかなり上りきった時間になっている。
(気配もないし、みんなどうしたのかな?)
きょろきょろと見慣れた宿屋の一室を見回していると、テーブルに目が留まり、そこに置かれた一枚の紙を見つけた。
「……書置き……かな?」
その紙を見ると整った美しい文字――ファナさんの字が書き綴られていた。
シンさんへ
私とレナとニーナの三人に冒険者ギルドから事務手続きに関して呼び出しがかかりました。
恐らくそこまで時間はかからないとのことですので、少し出てきます。
お昼時には間に合うと思いますのでごゆっくりお休みしていてくださいね。
ファナさんらしい気遣いのある書置き。
状況は分かったが、どうしたものか。
目覚めてしまった以上、もう一回休むというのも憚られるし、かといって、外をブラついてもお昼時までそこまで猶予はない。
そんなことを考えながら、とりあえず顔を洗い、服を着替え、残されていたパンを噛みながら椅子に座る。
パンを食べ終えても決まらぬ予定。どうしようかと悩みながら時間がどんどん過ぎていった――
――そして。
「――なんかちょっと遅くないかな?」
お昼時になり、それを過ぎた午後になっても三人は戻ってこなかった。
(……なにかあったのかな? ギルドに行ったってことだし、僕も行ってみるか)
疑問を抱えながら、僕は手早く装備を整えて部屋を出た。
宿の廊下を気持ち足早に歩き、受付を素通り。騒がしい町へ飛び出し、歩調を早めてギルドへと向かう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
Side・???
「目標捕捉……計画通り……」
僅かに芽生えた不安を胸にギルドを目指すシン。そんな彼を背後から見つめる、気配を消したフードの人影。
シンはその視線に気付く事なく歩き去っていった。
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