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第16話 お金稼ぎをしてもらいます

Side・ファナ

思わぬ形で仲間が増えた。
少し生意気な元貴族のお嬢様【召喚魔法師】アリス。
家事も万能で諜報に長ける礼儀正しきメイド【忍者】カグヤ。

戦力が増え、ますますパーティーの力が増すというのは私にとっても大いに望むところだが、懸念もある。

それはアリスの父親の仇で魔物の疑いがある、謎の女性レイアの存在。
復讐は何も生まないなどという綺麗ごとを言うつもりもないし、力を貸すこともやぶさかではない。
「んんぅぅ――レ、レナぁ――こ、これぇぇえぇっ!」

今、私の胸中を占める二つの心配事。
一つは、そのレイアという女がSランクパーティーの私たちで勝てるレベルの相手なのかということ。
もちろん並の魔物に後れを取ることはないだろうが、魔物と一口に言ってもその強さはスライムからドラゴンまでバラバラ。それに相性の問題などもある。

攻撃の際に短剣を主に使用するニーナは遠距離からの魔法攻撃をする相手には弱いし、逆に魔法攻撃が得意なレナは魔法妨害を行う相手には無力だ。
そして、シンさんのように圧倒的なスキルの力でドラゴンすらも倒せる男でも、女性型の魔物に弱かったり。
各々の弱点を補い合い、対抗できる相手なのかどうか。現状では謎が多すぎる。

「うんうん、これ気持ちいいね♡ シンのこことっても喜んでる♡ おっぱいでパフパフされながら太腿でおちんちんぎゅー♡ ぐりぐり♡ びくびくして嬉し涙流しちゃってるね♡ ほら、もっと私の体に抱き着いていいよ♡」

そして、もう一つの心配とは――お金だ。
冒険者という生業は確かに稼げるが、その分出費も多い。生活費はもちろん、移動費、装備の修繕や手入れや購入。少しでも危険を減らすためにアイテムの補充をしたりと、お金はいくらあっても足りない。
今までは金払いの良いクエストよりも、シンさんの希望で人助けになるような依頼を受けたり、私の誘導でパーティーのランクアップにつながるものを優先したりしていた。
そのため貧乏という訳ではないが、このままアリスの仇を捜索することに注力するほど懐が温かいわけでもない。
その間の稼ぎが減るとなれば野宿なんてことも最悪あり得る。
……レナなんかはシンとロマンティックな星空を見れて嬉しい、などと言いそうだが。

「あぅぅっ! パ、パンパンされると、おちんちんおかしくなっちゃうぅ! レナにダメにされちゃうよぉぉぉ!」

とにもかくにもお金。
この先の明確な目的を決めるためにも、一度それとなくみんなに意見を聞くべきか。

さて……どうしたものか?

「シン……♡ いいよ♡ ダメになってもいいよ♡ シンがダメになってもずぅっと私は側にいてあげる♡ 守ってあげる♡ 二人っきりでずっと気持ちよくなろうよ♡ 大変なことは全部忘れて私に溺れて♡」
「レナぁ──イくぅ♡ ああっ! で、射精てるぅ♡ あぅぅぅ……♡」

とりあえず、

「──レナ? そろそろ一旦シンさんを解放してあげたら?」
「えぇー? もう?」

レナの愛が詰め込まれすぎた奉仕でグッタリしている、うちのパーティーの主力を助けだすのが先決だ。

「一度休憩しましょ? それにね──」

ベッドでシンさんに覆い被さり、まるで獲物を捕食してる野生動物みたいなレナの耳元に口を近づけ、囁く。

「──男を虜にするには緩急も必要よ? 甘やかしたり、お預けしたり、欲望を煽ったり。その方がシンさんの気持ちもレナに向かいやすくなるんじゃないかしら?」

あと、あんまりやり過ぎてシンさんが本当にダメになり、冒険者を辞めるなんて心変わりしたら大変だ。
レナという女の子には、そういう方向で男を堕落させる才能の片鱗がチラチラ見え隠れしている。

「そっか……もっとシンの気持ちが──ふふ、ふふふっ♡ わかった! ……シン? 疲れたよね? 続きはまた今度してあげるから、今日はこれくらいで──お預けだよ♡ 次にしてあげるまでしっかり私の体の気持ちよさを覚えて置いてね♡」

私が教えた事をすぐ実行する行動力の早さ。とても少し前まで男のことなど何も知らなかった娘とは思えないしたたかさだ。

「うぅ……レナぁ……しゅきぃぃ……♡」
「シ、シン……♡ どうしよ、私がお預けできない──」
「──レナ。我慢よ」

クエストの休息日。ニーナとカグヤとアリスが外に出てる間、私はこんな事を考え、レナとシンの行為を眺めながら過ごした。

そして、その夜。メンバーの前で私は告げる。

「――次のクエストは……ダンジョンでお金稼ぎをしてもらいます」

……全員一致で決定した。

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