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第17話 ゴーレム討伐

地鳴りが響く。

「──おいおい……! マジかよ……」
「さすがにちょっと大きい……かな?」
「……手間取りそうね」
「私達の実力なら……も、問題ないわよ!」
「さようでございますね」
驚き、青ざめた顔をする盗賊のニーナ。
困ったように首を傾ける魔法使いのレナ。
疲れたような顔で正面を見る賢者のファナ。
腕組みして強がってみせる召喚魔法師のアリス。
仮面のような笑みを張り付けて相槌をうつ忍者のカグヤ。

「──みんな、準備いい?」

それぞれの反応を確認しつつ、僕は全員に補助魔法を付与した。
ニーナやカグヤさんには肉体向上。
レナとファナ、アリスには魔力のサポートを。
そしてそれぞれが持つスキルを強化。
以前までと違い、バランスを見極めて適切な量で補助魔法を行使できるようになり、自分への強化を行える余裕すらある。

力がみなぎる。きっとみんなも同じ感覚を持っているだろう。
ファナさんに目配せをすると小さく頷く。それが始まりの合図だ。

「……よし、行こう!」

今日。僕達【白き雷光】はSランククエストのダンジョン攻略の依頼を受け、未だ誰も踏み入ったことのないであろうダンジョンの奥深くの広い広間にいた。
頑丈そうな石で囲まれた壁と天井、そして踏み固めたような土の床。
そこにいたのは、

「グォォォォ!」

建物やドラゴンよりも大きい、ミスリルの光で全身を輝かせる──超巨大ゴーレム。

「──しゃーなしだな!」

面倒そうにぼやきつつ駆け出したのはニーナ。赤毛を風に震わせ、ゴーレムの正面に躍り出る。
取り出したナイフを敵の頭部目掛けて投擲すると、金属音が響き地面に落下した。
ダメージを与えるためではなく、意識を自分に向けるための攻撃。その目論見は見事的中しゴーレムはニーナに顔を向け、その硬く大きな拳を彼女目掛けて振り下ろす。
「へへっ、当たんねぇよっと!」

地震のように大地を震わす上空からの攻撃を難なくかわした彼女は、再びナイフを投げる。
そんなニーナにかまっているゴーレムの肩。そこにいつの間にか人影が立っていた。

「ふふっ……」

メイド服をはためかせたカグヤだ。
ニーナが地上で撹乱している間にゴーレムのコアの位置を見つけるべく、気配を消して巨体を探るように動き続ける。

「アリス! 準備はいい?」
「平気よ。《召喚魔法
サモン
》メルトスライム!」
その間にアリスがゴーレムを溶かせる魔物の力をレナに召喚魔法で与え、レナは魔法を飛ばすべく集中する。

「──《防壁魔法
プロテクト
》……レナ、平気かしら?」

ニーナへの攻撃の余波で弾け飛んできた岩を、ファナさんの生み出した透明な盾が固い音を響かせて防ぐ。

仲間のサポートを信頼し、周囲を気にすることなく目を閉じて集中し続ける彼女を見て微笑むファナさん。自分たちのパーティーながら隙のないチームワークだ。

そしてニーナが逃げ回っている内にその時は訪れた。

「見つけました。レナ様、腹部……へその内側にコアがございます」

突然僕達の元に戻ってきたカグヤの囁き。
瞬間、レナの瞳が見開く。

「《猛り狂う嵐よ
ウインドストーム!
》」

彼女の杖から膨大な魔力とメルトスライムの粘液を帯びた風魔法が飛び出し、ゴーレムの腹部目掛けて一直線に走る。
その巨体が大きく揺れる程の衝撃とともに命中したそれは、そのミスリルの肌を氷のようにやすやすと溶かす。

「シン……お願い!」
「──まかせて!」

返事と同時に僕は飛んだ。
強化した足をしならせ、自身の身長を超えた跳躍で露出した腹部のコアを目指して砲弾のように進む。

「うおおぉぉぉっ!」

刺すように構えた剣。それは一直線に丸いゴーレムのコアの中心に突き立ち──少し遅れてヒビ割れる。
経年劣化した壁を思わせる不規則な線が幾重にも走る様子を確認し、僕はゴーレムを蹴り飛ばして地面へ。
そして地面に着地した時、頭上で宝石のような玉が弾けると同時に敵は沈黙した。

「ふぅ……よし!」

一つ息をつき拳を握る。
安定した連携のおかげもあり大した危機もなく終えられた。

「シンー!」

手を振り僕に近づくレナ。
背後ではニーナが疲れを強調するように地面に座り込み、両足を伸ばしていた。

「あ、うん。けどニーナが一番大変だったよね?」

むぎゅり♡

「んん……シン、お疲れ様。とってもかっこよかったよ!」

疲れを分かち合うように抱きしめ、胸を押し付けてくるレナ。
少し強張った体がその柔らかさに驚いたように跳ねて、力が抜ける。

「ちょっと、レナ、わかったから……離れてぇ……」

かなりの強敵を倒した達成感がそうさせるのか、レナは子犬のように頬を擦り付け、僕を離さない。
口では抵抗しつつも、甘えてくるレナへの愛おしさから頭を優しく撫でる。
周りの皆も温かい視線でそんな僕らを見つめていた。

確かな勝利に浮かれていたのかもしれない。

「ねぇ、私の魔法どうだった! アリスの召喚魔法と合わさるととってもね──

──刹那。足元から湧き上がる悪寒。

「おい! まず──」

いち早く異変を察知したニーナがこちらに叫んでくる。
直後地面の感覚が消えた。

「──え?」

寝ぼけたように呆気に取られた表情のレナ。いつもの少しクールな瞳がまん丸に開き、子供みたいで可愛いな……なんて場違いな事を思いながら、僕は彼女の体を抱きしめ落下していく。

「きゃぁぁっ!」
「シン! レナ──」

抱きしめた彼女の叫びが耳に飛び込む。遠ざかる呼び声はきっとニーナのものだったんだと思う。

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