第18話 地下と妖精と爆乳 ☆
「──ぐっ」
背中に激しい衝撃。そして顔面に柔らかなクッションの感触。その両方のせいで呻き声が漏れる。
「シ、シン! 大丈夫!?」
僕の絞り出したような苦悶の唸りを聞いて、ぴったり密着したレナが心配そうな顔を浮かべる。
体の節々が落下のせいか痛むが、とりたてて大きな被害じゃない。
一般市民なら命に関わり、並の冒険者でも怪我は免れない高さ。
無事でいられたのは、落下時に補助魔法で二人の体に身体強化を念入りにかけた賜物だろう。
石の上にでも落ちたのだろうか。固い感触が背中に広がる。
視界は一面真っ暗で何も見えない。
「ラ、《光灯
ライト
》」
状況把握のためにレナが慌てて魔法の灯りを灯す。
柔らかな光が周囲に点々と浮かび上がり、真っ先に目に入ってきたのは、
むにゅん♡
僕の口を塞ぐ谷間。レナの豊満なおっぱいだった。
意識してしまえばすぐに頭が熱くなる。柔らかく、戦いの疲れが癒やされるようなふかふかの乳枕。このまま埋まっていたい。そんな淫らな欲望が頭をもたげるがすぐに思い直す。
「ご、ごめんなさい! すぐどくから……平気?」
「──ふがぁ……へ、平気だよ。むしろレナは大丈夫?」
彼女の柔らかな体が離れ、ほんの少しの名残惜しさを抱えてしまう。
僕の真横に両足をぺたんとつけて座るレナ。ローブを気にしていないせいか、その艶かしい足が見えていた。
その体を見やる。大丈夫だとは言っているものの、怪我などはないか? 不安になる。
不躾と思う気持ちを抑え、彼女を見つめた。
長い黒髪が夜空のような頭部、体を包む白いローブも幸い異常がなさそうだ。この分なら本人の言う通り平気かな?
「──シン、ごめんね。私が嬉しくって抱きついたせいで落ちちゃって……それに庇ってもらって……」
責任を感じて顔を俯かせるレナ。
確かに少し油断していたが、それは他のみんなも同じだ。しかし、彼女のような人の痛みに敏感な優しい子にとっては、些細な慰めの言葉などあまり意味がないだろう。
「……レナ」
だから僕は彼女の美しい黒髪に優しく手を伸ばす。
「あ……!」
驚いたように、どこか喜びを堪えるように彼女の表情がコロコロと変わり、こちらを見つめる瞳がキョロキョロと左右に動く。
「……平気だよ。平気」
キザったらしくて少し恥ずかしいが目を逸らさず、じっと視線を交わすとレナは意識を切り替えるみたいに瞳を閉じた。長いまつげが小さく震えている。
「うん……」
いつものように温かく、けれどどこかクールに見える宝石みたいな赤い瞳が再び見える。その目には後悔ではなく、もっと前向きな光のようなものが宿っているように感じられた。
「……ありがと。シン」
それはきっと気のせいじゃないと思う。
「――で、ここはどこ……」
「……なんだろうね?」
そして今の状況をどうするかを考える。
落ち着いたレナと二人で周囲を見回すと――そこは白い部屋。
真っ白な石が敷き詰められたそこは、ダンジョンというよりも神殿のような雰囲気を感じさせる不思議な場所で、そこら中が汚れなき白で埋め尽くされている。
床、壁、石を積み重ねてできた柱、そして、何かを置くための……祭壇だろうか?
人の手が加わっているように形作られているのに、どこか自然と生まれ出てきたような雰囲気。
その壁を見回すも外に繋がる扉や穴などはなく、上を見上げればかなりの高さで、落ちてきたはずの場所が見えない。
簡単に言えば閉じ込められたということになるだろうか。
「この部屋なんだろう……すごい魔力を感じる」
「そうだね。僕でも……少しわかる」
魔法を多く使えるレナは、こういった空気中に満ちている魔力の変化に敏感だ。
他のダンジョンでもそういった場所はあるが、この部屋はどこか特別な感じがする。
『パむム~?』
『イパパュ……?』
耳に――いや頭に聞きなれぬ声、そして言語が聞こえた。
「――誰だ!」
敵。視界には未だ姿が見えない何かをそう判断した僕は、レナを背後にかばって魔法剣を目の前に向ける。
『――ヒポっ!』
『リュクぅ……』
すると再び声がする。何を意味するのか分からない鳴き声のような物に警戒を強める僕だが、
「シン、待って! これ敵じゃない……!」
「えっ!?」
それを引き留めるように、確信を持ったレナの言葉が響いた。
「大丈夫。大丈夫だから、私を信じて?」
その声は僕に向けられているようでもあり、姿を現さぬここにいる何かに語り掛けているようでもあった。
「なにがいるのかわかるの?」
「うん……多分。だからシンも剣を下して? ――もう平気! 私たちはあなた達に手を出す気はないの。だからお願い……出てきて?」
その声に反応したのだろうか。
『プニゥ……』
『リゅズ……?』
そこに現れたのは掌サイズの小人が二人。
可愛らしいとんがり帽子をちょこんと頭に乗せ、どういう原理なのか半透明の羽を動かすことなくふよふよと浮かんでいる。頭とお揃いの下着みたいな上下。片方が緑、もう片方が青い衣装だが、その顔は瓜二つで、仮に色が同じならば見分けがつかないだろう。
そして、胸部が膨らんでいる……ということは女性なのだろうか?
これは……
「……もしかして妖精?」
「……私も初めて見るけど、そうだと思う」
魔力が満ちた場所などに極まれに存在している妖精という存在。
実在するとは聞いたことがあるが人間の前に現れるのはかなり珍しく、それがここにいる理由、そしてレナの呼びかけに答えた理由は何なのだろうか?
「……こんにちは」
『プニュ……』
『ポイ!』
小さな子供にするような挨拶をレナがすると、二人の妖精は明確な反応を示す。
「レナ。もしかして意思疎通……できるの?」
「うーん。ちゃんとは分からないんだけど……なんとなく?」
妖精と意思疎通。それがどれほどすごいことなのかわからないが、少なくともそんなことが出来るという話は聞いたことがない。
『ルポッ!』
『プニィン?』
動物の鳴き声。いや、そういうものとも違う理解不能な音。しかし、それに意味を見出せるとは信じられない。
「えっ! 本当!? で、でもそんな……!」
喜びと驚きが合わさったレナの反応。どうしたんだろう?
「この子達はなんて?」
「うん……その、ここから出させてくれるって……」
願ってもない申し出。彼女の直感通り、やはり良い妖精なのかな?
でも、なんでそんなに驚いているんだろうか。
「え、っとね? 代わりに私達の愛を見せて欲しいんだって……」
愛? 僕がそんな言葉に疑問を抱くと妖精二人がレナに近づく。それも、
「──きゃっ!」
ぽよん♡
豊満な乳房に埋まるように。
『ニップ!』
『ルゥッ!』
ぽよ♡ ぽよん♡
「ちょ、ちょっと、くすぐったいよ」
恥ずかしそうに妖精に伝えるも、どこかしょうがないなぁといった様子のレナ。感覚がわからないが他人に触れられているというよりは、幼い子供にじゃれつかれているようなものなのかな。
片方の妖精はそこをベッドと勘違いしたみたいにうつ伏せで寝そべり、もう一人は打楽器で遊ぶみたいに小さな掌でぽむぽむ叩く。
『ニップ♪ ニップ♪』
『ルゥルゥ♪』
「もー♪ そんなにしたらダメだよ?」
ふにゅん♡
わかっている。相手は人間じゃなくて妖精──それも恐らく女の子。動物が遊んでいるようなものだ。
けど。だけど──羨ましい。
レナの爆乳に全身を預けて、なんの躊躇いもなくその肌を味わう小さな存在に嫉妬を覚える。
指を咥えて見てるしか出来ない僕。そんなこちらに向かって二人の妖精が目を向ける。
『『ニププゥ……♪』』
……ん? この二人、今勝ち誇った顔で笑った?
「うふふ。イタズラしちゃダメだよ?」
レナが優しく諭すも妖精は愛らしい表情の目元をにやけさせたままレナの爆乳を味わう。
ズルい。
ズルい。ズルい。
「レ、レナ。その、あの──そ、そうだ! こ、ここから出る方法探さなきゃ!」
理由を捻り出して、二匹の行動を止めさせようとしたが、それは三つ目のニヤけ顔を生み出した。
「え、うん? ……あれ? ふふっ、ねぇシン。もしかして妖精さんに──嫉妬してるのかな?」
「い、いや、べ、別に!」
ものの見事に図星を突かれて焦りが浮かぶ僕を見つめるレナの表情は、まるでからかう時のニーナのよう。
「ふぅーん? 違うんだー? へぇ……そうなんだー♡」
優し気だがどこか嗜虐的な笑みのレナ。
『ププルゥ♪』
『ルプルゥ♪』
そして、楽しそうに乳で遊ぶ妖精。
たぷん♡ ぷるん♡
打楽器みたいに叩かれて震える胸はこちらを挑発してるように見える。
「ねぇ……シンはしたくない? 妖精さんたちみたいな──ううん、もっとスゴイこと♡」
淫靡な誘う視線と言葉。こちらの理性を揺さぶるそれはこれまで何度も味わったもの。
「あ、あぅぅ……」
「ほら、正直になってシンと私の愛、妖精さんたちに見せてあげよ? 大丈夫、脱出するためだから♡ シンは別におっぱいに負けちゃうわけじゃないの♡ これはダンジョン攻略に必要なこと……♡」
甘く溶かされそうな声音。
『ニップゥ♪』
『ルルゥ♪』
そして妖精が愉快そうな声を上げながら、レナの意思に従うかのように動きだした。
「ふふっ♡」
小さな両腕でローブを持ち、体全体で引き摺るようにして左右に開く。
そして現れたのは真っ白なローブとは正反対の真っ黒なワンピース。
全体的に細かな刺繍やフリル、小さなリボンなどが散りばめられた可愛らしくもある姿だが、それは昔のレナなら着なかったであろう種類の服だ。
大きめで体のラインを隠すローブとは違い、ぴっちりと肌に密着して自身の官能的な膨らみや凹凸をこれでもかと見せており、目が離せなくなる。
下の丈も短く、太ももの半分以上が露わ。
首から胸元にかけて三角形の大きな切れ込みが入っているせいで上乳はもちろん丸見えで、左右の乳房がぶつかり合う深い谷間が上から下までほとんど空気に晒されていた。
可愛らしくもあるが扇情的で卑猥な装い。
「そんなじっと見ちゃって……もう何回も見てるのにまだ慣れないなんてシンってば可愛い♡」
ほんのりと頬を朱に染めているレナの様子は、羞恥と興奮が半々という風に見える。もっとも、僕はきっとそれ以上に真っ赤になっているだろうなと体温の変化で分かってしまう。
「ほら、たぷたぷでおっきいここ♡ ねぇ──」
ゆらりと胸に伸び、それを下から持ち上げる彼女の両手。
来る。言われてしまう。ダメだ。ダメだ。ダメだ。
何か言われてしまえば──
「──おっぱいに、お・い・で♡」
──負けちゃうぅ♡
「レ、レナぁぁぁっ♡」
ふにゅん♡ むぎゅ♡
柔らかなそこ。開かれ、男を誘う官能の空間に僕は飛び込んでいた。
「レナ♡ レナ♡ レナぁぁ♡」
依存性のある薬を求めるようにレナの名を繰り返し、その谷間に顔を押し付け、グリグリと捻り込ませる。
「あはっ♡ 甘えちゃって可愛い♡ ダンジョンの中でも全然我慢できないねー♡ うんうん、いいよ♡ 私のおっぱいはいつでも歓迎だよ♡」
男を──僕を絡め取る暗い悦びにトロけるような声を出してレナが笑う。
そして左右からも、
『ルプルゥ♪』
『フパゥ♪』
妖精が耳をくすぐるような囁き笑いを漏らす。それは、大の男が情けなく甘える様がおかしくて仕方ないとばかりな嘲笑に聞こえた。
「妖精さん達もシンの事可愛いって言ってるよ♡ おっぱいに縋りついてるだけなのに褒めて貰えて良かったねー♡」
両手でこちらの頭を抱き寄せ、むぎゅりむぎゅりと自身の谷間に押し付けながらレナがからかうように呟くと、それに反応して僕の体がピクリと背徳感に震える。
「ん、んんぅ……」
「よしよし……気持ちよくなれて偉いね♡ ここもしっかりおっきくしてお利口さんだよ♡」
さわさわと片手がズボン越しのペニスに触れ、欲望を煽り立てるようになぞっていく。
はち切れそうなそれは痛いほどに膨らみ、快楽を求めて痙攣を繰り返す。
「うんうん。正直なシン、とっても素敵だよ♡ じゃあ……ちゃんとご褒美あげないとね♡」
慈しみの言葉を囁きながらも彼女は淫らに、器用に、指先でボタンを外し、慣れた手つきで勃起を外に解放していく。
ダンジョンの少し冷たい空気と温かなレナの指先。大した刺激をされてもいないのに体中に痺れる心地よさが流れる。
「ん……あぅっ……くぅ……」
人間ではないとは言え、赤の他人の妖精二人が見ている羞恥。それに抗おうとするも口からは耐えきれずに喘ぎが漏れた。
「あれれ? 我慢してるのかな? ……ダぁメ♡ 私にも妖精さんにもシンの可愛い声聞かせてよ♡」
『ルルゥ♪』
『トプルゥ♪』
「んんぁっ……い、いや、それは……っ……」
「えー? 我慢……しちゃうんだぁ♡ それじゃあ仕方ないね……」
くぐもった声で応え、抵抗する僕に不満そうだが納得するレナ。良かった。これ以上されたら──
「──後押ししてあげるね♡ はぁい……シコシコー♡」
しゅしゅ。しゅるる。
「んんんんぅっ! や、め……これダメェっ! っ! はぅぅぅっ!」
指先がペニスを包み軽く上下した。それだけでちっぽけな我慢は溶け消えて一際大きな嬌声が漏れ、体がビクビクと跳ねる。
「ダメ♡ やめてあげなーい♡ 強がってるだけでシンだって本当は気持ちよくなりたいもんね♡ うん、わかってるよ♡ 私はシンの事ならなんでもお見通しなんだからね♡ ……ほら、おっぱいにぱふぱふしながらおちんちんシコシコ♡ これ大好きだもんね♡」
高揚を隠そうともせずレナが早口で責め立て、指先を加速させていく。
僕のみっともない鳴き声を絞り出し、快感で全てを覆い尽くそうとする様は妖艶を通り越してサキュバスのようだ。
さらに、ここにいるのはレナだけではない。
『シコ……♡ シコシコ♡』
『ニュププー♡』
左右の妖精がレナの言葉と響く音を真似するように囁く。
意味を分かっているのか不明だが、その声音には僕をからかうみたいな意思が感じ取れた。
「やったね。妖精さんも楽しんでる♡ シンが可愛い声を出して気持ちよくなってくれてるおかげだよ♡ ふふっ──妖精さん? シンのお耳触ってあげて。一緒にこの男の子を気持ちよくしてあげよっか♡」
指先の動きを止めず、胸に押しつけることもやめないレナが呼びかけると、主人に従うペットのように二人の小人が耳に近づく。
さわ。さわ。かり。かり。
「ん……ふ、ふぁぁ……っ」
小さな体のさらに小さな掌が耳の溝をなぞり、時折強く擦る。
人の力には及ばない微細な触り方。しかし、だからこそ、そのもどかしい手つきが鋭敏な耳をくすぐればくすぐるほど背筋がモゾモゾとするような妙な気持ちよさを感じさせる。
「こんなにちっちゃい妖精さんの手つきで感じちゃうんだぁ♡ はは、おかしい♡ ……私も負けてられない。ほら、おちんちんぎゅ〜♡」
「んんんぅっ! ん、あ、めぇぇ……」
耳から流れる心地よさを増幅させる指での愛撫。そのせいで歓喜と羞恥が混じった声が溢れ、体が脱力して立っていることすら難しくなり、レナに寄り掛かるように倒れ込む。
すると当然、
むぎゅぅぅ♡
豊満なクッションへとより強く頭が押し付けられる。
「くす♡ どうしたの? そんなに寄り掛かってもっとおっぱい味わいたいのかな? もう──甘えんぼさん♡」
あぁ……ダメになる。
ニーナやアリスなら小馬鹿にしてくるだろう。
ファナさんやカグヤならば好機とばかりに責め立ててくるはずだ。
ふにゅん♡ しゅしゅ♡
けど、レナは……彼女は全部許してくれてしまう。
「はい、ぱふぱふ♡ しっかり抱きつけていい子いい子♡ おっぱいで頭トロトロにしておちんちんもっと幸せになっちゃおうね♡」
情けない僕も。
冒険者としてあるまじき醜態を晒しても。
その大きな乳房が象徴するような慈愛で包み込んで僕をダメにしてしまう。
「いつでもいいからね♡ 気持ちよくなったら──我慢できなくなったら好きな時にぴゅっぴゅっしちゃって良いんだよ♡」
ぱふぱふ♡ むにゅん♡ ぎゅぎゅ♡
それが分かっていても離れられない。
優しすぎる彼女に甘えることを止められない。
『ピュッ♪ ピュッ♪』
『トププッ♪』
妖精の声が限界を嘲笑うように届く。
こんなの──
「ねぇ……シン? ──好き♡ 大好き♡ シンも私のこと大好きだよね? おっきいおっぱいの私に溺れたいよね? それじゃあ気持ちよくイっちゃおっか♡」
負けちゃうぅぅ♡
「──イーけ♡」
どびゅるるるるっ!
「わぁ、シンの気持ちよくなった証拠、たっぷりでたね♡ 大丈夫だよ。最後まで──シてあげるからね♡」
ぱふん♡ むぎゅぎゅ♡ しゅこしゅこ♡ ぎゅう♡
射精で手を緩めるどころか激しくなる胸での奉仕と指先での愛撫。
僕が苦しくないように加減しつつも決して快楽からは逃してくれない。それはぬるま湯から抜け出せない時のような心地よさで体にまとわりつく。
「おっぱいむぎゅっ♡ おちんちんしゅしゅ〜♡ 最後の最後までしっかり出してね♡」
『ムギュュッ♪』
『シュシュュ〜♪』
そうしておっぱいと指の拘束、妖精達の耳遊びはしばらくの間楽しそうに繰り返された。
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