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第27話 痴女と仲間と ☆

──翌日。僕達は町の中にいた。

「今日もシンとお出かけだ♪」
「久しぶりの外はいいもんだなー!」
「貴方達? 調査って事を忘れてないわよね?」

ファナさんが選んだのは僕とレナ、そしてニーナとアリスを加えた四人。
カグヤは屋敷の方に回ることになり、このメンバーで町を探ることにしたのだが、

「──どこに行くかだよね」
「そうだね……お店とかは昨日までで大体回っちゃったしね」

向かうべき場所を決めていなかった。

「同じ所に何度も行くというのはあまり有効とは言えないわね」

アリスの言う通りだ。しかし外でブラブラしてるだけにもいかない。さて、どうしたものか。

「初日のギルドじゃあんまり収穫がなかったけどよ、冒険者がもっと居るとこに行ってみねーか?」
「それって……?」

疑問顔のレナに得意げな顔でニーナが告げる。

「──ダンジョンだよ」

ニヤけたその表情は憎らしくも愛らしい魅力的なものだった。

善は急げとばかりに僕らは町を飛び出し、近場のダンジョンに向かった。
そこはかなり攻略が進んでいるのか、先日僕らが探索したミスリルゴーレムのいた場所とは比較にならないほど冒険者で溢れている。
入り口付近には警備が立ち、その周りに冒険者向けの屋台がいくつも並び、町中のように人で溢れていた。

「ここなら何か情報も仕入れられるんじゃねーか?」
「うん! ニーナやるね!」
「へへ、だろ?」

胸を逸らして言い放つ彼女を褒め称えると照れたように鼻を擦る。
これだけ人がいれば可能性が高そうだ。

「じゃあ、どんどん声かけていくか!」

かなりの冒険者がいるため、まとまって動くよりも単独で聴き回った方が効率的だろうと、僕らは分かれて動き出す。

「緊張するなぁ……それにシンと離れちゃう……」

聞き込みに尻込みしているのか、少し寂しそうなファナの姿は子供みたいで可愛らしかった。

「──あ、あの! お話を伺えませんか?」
「おーい! 兄ちゃん達ちょっといいか?」
「そこのお方少々よろしいかしら?」

三者三様に目星をつけて話しかけにいく女性陣。気後れしていたレナですら勇気を振り絞っている。
初対面の人にいきなり突撃するのは僕だって得意じゃないが、頑張らなくては!

「よし! あ、あの……」

勢いこんで手近な男性冒険者パーティーに声をかけると、

「あぁん!?」
「ちっ! なんだガキ!」
「女侍らせやがって、クソが!」
「自慢か? おぉん?」

「ひ、ひぃっ! す、すいません!」

返ってきたのはまるで宿敵にでも向けるような憎しみの目と、荒々しい言葉。
その気迫に驚き、思わず謝罪を口にして僕は逃げ出してしまう。
彼らから少し離れ、全力で戦った後のように心臓を跳ねさせ息を吐いて思う……な、なんでこうなるんだ?

ただ話しかけただけなのにあの殺気。あと数秒あそこに留まっていたらボコボコにされていたかもしれない。
「……どうしよう」

距離を取っても彼らは僕を睨みつけ、まるで取り付く島もなさそうだ。
これまでみんなと一緒に行動して嫉妬の視線を浴びた事はあれど、ここまで敵愾心を剥き出しに対応されたのは初めてで、正直怖い。
仲間として当たり前のように過ごしてきたが、改めてみんなの女性としての魅力と僕が人から見ていかに羨むべき場所にいるのかを実感した気がする。

しかし、他の三人も頑張っている中で僕だけサボる訳にもいかない。そう気を引き締め直して少し場所を変えて人を探す。

「ねーぇ? そこの剣士のきみー。ちょっといいかなー?」

そうこうしていると不意に背後から声がする。
自分に言われているような気がして、振り向くとそこには二人の女性。僕を見つめるその相手は雰囲気からして少し年上──ファナさんくらいの年齢の冒険者に思えた。

「ぼ、僕のことですか?」

少し緊張しながら応じると声をかけてきた女性が再び口を開く。

「そっ! 君だよー? さっきの見てたけど大変だったねー」

やけに人懐っこい笑みを浮かべた美人で、大人っぽいがどこかのんびりとした口調がやけに印象的だ。
彼女は体型を隠すような茶色いマントを着込み、ふくらはぎあたりまで覆われたその布のせいで体形や体つきが分からない。
そしてその手に持っているのは弓。ということはきっと弓兵
アーチャー
なのだろうとあたりをつける。

「その年齢であそこまでの美女を侍らすとは、やるじゃないか君」

もう一人は白銀の鎧を身につけ長剣を肩にかけた、中性的な美しさの長身の女性。どことなく芝居がかったような話し方は演劇などで見る男装した女騎士のよう。

「確かにー。あんなに可愛い子ばっかり連れてたらそりゃ嫉妬の嵐だよねー」
「男名利だね。君も満更でもないんじゃないかな」
「い、いえ、はは……そんなことは……ないです」

急にグイグイ話しかけられて言葉に詰まるが、しかし怯えてもいられない。
この人達が何の目的で僕に接触してきたのかは分からないが、友好的そうだし今こそ情報収集をするべきだ。

「あ、あの! 聞きたいことがあるんです……」
「んー、何かなー? お姉さん達がわかることならなんでも答えちゃうよー」
「君は何が知りたいのかな?」

前のめりな問いかけに怪訝さも感じさせぬ好反応。いい人達なのかもしれない。

「そのですね……この町の領主さんについて何か噂とかご存知ではないでしょうか?」
「領主かい?」
「なんか訳ありかなー? じゃあさじゃあさ、ここで話すのもなんだし、ちょっとあっちに行こっかー」

そう言って彼女らは賑わう場所から人気の無さそうな方へと歩き出す。
多少の不安を覚えたが、このチャンスを逃せないとの思いから僕も一歩踏み出しそれに続く。

「――この辺でいっかなー」

少し歩いて辿り着いたのは人がまるでいない森の中。木々が生い茂り、いくつか倒れている木が座りやすそうに並んでいる。

「ふふ、そんな緊張しなくていいさ。立ち話も無粋だろう? 座りたまえよ」

表情からこちらの怯みを感じ取ったのか、女騎士が安心させるような笑みで告げる。その堂々たる様は物語の王子様のようだ。

「そーそー。お姉さん達に遠慮しないでいーよ♪」

マントの女性も柔らかな笑みで促す。
初対面──それも女性相手ということで感じていた体の硬さが、少し和らいでいく気がする。

「ありがとうございます。……じゃあ失礼します」

倒木に座る。しっかり地面についているのかぐらつきもなくちょうどいい。

「よし。いい子だ」
「それじゃー私たちもしつれーい♪」
「──へ?」

落ち着く間もなく、そう告げた二人は僕にならって木に腰掛ける。
それも、

「──あ、あの、近くありませんか!?」

僕を挟み、体が密着するような近さ。

「うん? そんなことはないさ、なぁ?」
「そうそう。ふつーふつー♪」

モジモジとして内股になっている僕の両足に触れる左右の柔らかさ。明らかに距離の詰め方がおかしい。

「しかし、今日は暑いな。鎧など着る気温ではないか──」
「だねー。本当に暑くって困っちゃうよー♪」

さして暑くもない。むしろ木陰で涼しいまであるのにそんな声が左右から聞こえた。
直後に聞こえたのは鎧の金具を外す硬質な音と、マントを脱ぐ衣擦れ。

「ちょ、ちょっとお二人ともなにを──」

少女のような悲鳴をあげた僕が見たのは二つの──いや四つの山。

たぷん♡ ふるん♡

「何って……君はおかしなことを言うな?」
「暑いから脱ぐ。そんなの当然じゃーん」

弓兵はそのマントの下にビキニ、騎士は下着と、それぞれが煽情的な装いで露わに肌を晒す。
衣服や鎧の上からではまるでわからなかった豊満な両乳が、僕の真横に唐突に現れ、思考が乱れる。

「えっ? え? いや、そんな……だ、駄目ですよ、早く服を着てください!?」

しどろもどろな僕の抗議もどこ吹く風。二人は脱いだものを横にどけて着直す気もなく、こちらへとさらに近づいてきた。

「私たちの服装を指図される謂れはないよ? なにせ冒険者というのは自由な生き物だ。君もそう思うだろう?」

囁き歌うように放つ台詞はおかしいはずなのに、ついつい流されてしまいそうな妙な説得力がある。けれどおかしいことに変わりない。

「うんうん。それに君だって好きだよねー? ほら、このままお話しした方が楽しいと思わないかなー?」

悪戯めいた声音は羞恥などとはまるで無縁そうな明るさで、ますます自分が間違っているのかと錯覚しそうになる。

「あ、あぅぅ……」

なんだ?
この二人はいったい何なのだ?
もしやこれが噂に聞く──痴女という存在なのか?

「遠慮は不要さ。さぁ、思うまま見たまえよ」
「どっちが好みかなー? 君のお仲間の子達よりもちょっと小ちゃいけどこっちは二人とも大人の魅力たっぷりだぞー♪」

ギリギリ触れはしないが、左右で主張するように揺れる二人の巨乳。
出会ったばかりの女性の艶めかしい姿に思わず目が向いてしまう自分に対する嫌悪感と、それでも抑えきれない欲望が拮抗する。

「ふふっ、恥ずかしがって可愛いじゃないか。やはり君は私好みだな」
「ほらほらー。お姉さんたちと遊ぼー♪」

近づく肌と熱。そして、鼻をつく香しい匂い。
あれだけ特訓をしたのに流されてしまいそうになる自分が情けない。

(……特訓? そうだ、僕は特訓を――それもあんなに魅力的な仲間たちとそれを繰り返してきたんだ)

脳裏に過る数々の苦しい戦いの日々。
四人がかりのぱふぱふ。パイズリフェラ。乳首責め。赤ちゃん言葉での焦らしプレイ。こちょこちょくすぐり悶絶寸止め手コキ。柔らかくも脳を揺さぶるおっぱいビンタ。
そうだ。僕は皆のために――身体を張って強力してくれた仲間のためにこんな所で堕ちる訳にはいかない!
大きく息を吸い、肺に溜める。言え。ハッキリと言うのだ。

「……すぅー……あ、あの、困ります! 服を――」
「おや、大声を出してどうしたんだい?」
「んー? なぁに?」

むにゅん♡ ふにゅん♡

言えた。そう思った直後に僕の声を遮った二人の言葉が聞こえ、同時に肩に触れた柔らかい感触で言葉が詰まる。

「――ひゃうっ!」

柔らかく温かいそれは押し付けられただけで身体を緩ませる魔性の膨らみ。情けない声をあげたかと思えば、決意をぐらつかせ、いつもの特訓の時のように気持よさを享受する準備をすぐさま始めてしまう。

「君は面白いな……こんなことをしただけで、コッチはもうこんなにしてしまうのかい?」
「ん……んんぅ……♡」

騎士が手を伸ばし、さわさわと僕の股間の膨らみを撫でる。服越しのざらついた刺激が半勃ちのペニスに甘い快楽を送り込み、漏れる喘ぎ。

「あんなに可愛い子と一緒にいるのに初心な反応だねー♡ ねぇねぇ、君ってさー。もしかしなくてもどーてー君♡ だよね♡」

弓兵はがら空きの胴体に腕を這わせて、わき腹やお腹、胸板を蠢く蛇のように触りだす。

「……な、なんで……それを!?」

自分が男として踏み越えられていない一線。童貞。
先日ミオさんにも指摘されたそれを、再び投げかけられて思わず声が裏返ってしまう。

「なぜって君。そんなにおどおどして女性の身体を気にしている姿なんて、自分は童貞ですって触れ回っているようなものじゃないか」
「うんうん。それにこの程度の触れあいでビクビクしちゃうところもまさしく童貞って感じだよねー♪ くんくん……匂いもやっぱり童貞っぽいねー♪」

口々に理由を説明する女性二人。というか童貞っぽい匂いって何だ?
その口ぶりは揶揄っているようでもあり少し馬鹿にしてるようでもあり、心の奥に浮かぶ悔しさ。そしてそれと反比例する背徳的な喜びが顔を見せる。

「それに、ちょっと服の上から撫でただけでこの反応……君は童貞に加えて、中々の変態なのかな?」
「すっかりビンビンでかわいー♪ お姉さん達に、それ……いじめて欲しいのかなー?」

言葉責めと身体への愛撫でますます勃起を固くしてしまうペニス。僕が弱いのもあるが、カグヤさんの忍法のせいで寸止めをされて以来放出できていない醜い欲望が、早く出たいと感度を高めているせいもあるのだろう。

「じゃあお話の前にすっきりさせてあげよっかなー♡」
「大丈夫。君は何も心配する必要はないさ……お姫様にするように優しく導いてあげるからね♡」

そんな姿を見せる僕の反応を肯定と捉えたのか、二人は遠慮もなくズボンに手をかけていく。
慣れた手つきで僕の服を脱がす彼女たち。日頃から良く脱がされている僕から見てもその速度は早く、正確無比であり、その熟練度を否応なく感じさせる。

「あ、だ、だめぇ……」
「恥ずかしがらなくていいよ子猫――いいや亀くん。君の立派な姿は何も恥じる事はないんだよ」
「そーそー! 結構いい感じだよ? ちょっと隠れてるけど、可愛くって、お姉さんこういう子好きだなー♡」

恥ずかしさに隠そうとする手を押さえつけられ、陰部をじっくり観察されると羞恥が上がってきてしまい、そのせいでピンピンとペニスが震えてしまう。
見ず知らずのお姉さん――それも経験豊富そうな痴女の二人に完全に流れを掴まれていた。

「さて……では花を慈しむように……」
「まずはお手手で可愛がっちゃおっかなー♡」

むぎゅり♡

二人の指先が竿を掴み、こちょこちょ、しゅこしゅことゆっくり上下させていく。

「あ、あぅぅっ!」
「くす。良い反応だ」
「感度良好だー♡」

喘ぎを森に響かせると、二人は愉快げに笑って両耳に囁き、そよ風のような吐息を吹きつけた。
流れるように上下する掌。その度に竿やカリ首が擦れる刺激がゾワリと伝わってくる。
もう何日もイけていない体には大きすぎる快感。それが積み重なればなるど敏感な部分が熱を持ちだし、早々に先端からぷくりといやらしい液体を漏らし出す。

「おっと。前戯を始めたばかりでこれとは……いやらしい子だ」
「ふふー、そんなにお姉さん達の指先は気持ちいいんだー♡ じゃあ、もっとしてあげるー♡」
「ん、んんぅ、だ、めぇ……」

目の前の獲物が弱り許しを乞う姿に興奮する狩人。その目は爛々と輝き、とても途中で止める気など無さそうだ。
そして僕の懇願を彼女達はきっと誤解している。
気持ちよさに耐えきれない年下の男が漏らした反射的な言葉。きっと本心ではもっともっとと求めているのだろうと。
そういう側面が皆無という訳ではないが、今の僕は大きな問題を抱えている。
──カグヤの怪しげな忍法で決して解放されることが出来なくなっているという、とてつもない枷。
かけられた日の夜からもどかしさを抑えきれず、覚えたての子供のようにベッドの中で自分で扱き、足りないとわかるや否や乳首や袋までも浅ましく刺激して試したが訪れることのなかった絶頂。
この行為が向かう先は心地良くももどかしいお預けとわかっているからこそ、僕は止めてと声を漏らしたのだ。

「口ではそう言ってるけどー。下の方は正直だねー♡ ふふっ、私、なんだか変態の男みたいなこと言っちゃったー♡」
「君は恥じることはなにもないさ。美しい女性にされる喜びに困惑しているのだろう? 何も気にせずに楽しむと良い」

勘違いを重ねたまま彼女らは指の動きを早めて、僕を責め立てる。
仲間達のそれと比べても洗練された技術は、日頃の快楽とは違う心地よさを体に叩き込み、鋭敏さを増すペニスをイジメ抜く。
通常時ならばもう射精していたかもしれない刺激だが、漏れるのは先走り、感じる絶頂に至らないビリビリとした電流のみ。

「なんだ君。早漏かと思えばなかなかどうして頑張るじゃないか。……これは可愛がりがいがあるね」
「私達の実力でメロメロにしちゃうからねー♡」
「あぅぅっ! だっ、だめぇ! むりぃぃ!」

やる気を高めた彼女らの猛攻が、喘ぐ僕を無視して容赦なくペニスに襲いかかる。
指先だけに止まらず、巨乳をむぎゅむぎゅと押し当て、吐息を耳に吹き込み、太腿やお尻、玉袋を撫で回してこちらを快楽へと堕とそうと躍起になる。

「はぅっ、くぅっ、んんぅぅぅっ!」

女の子のような鳴き声がその都度僕の口から漏れ、それがさらに彼女らを燃え上がらせていくよう。
そしてどれだけ経っただろうか。

「――はぁ……はぁ……これは予想外だね。前戯で一度スッキリさせてから頂く予定がここまで粘られるとはね」

女騎士が想定外の童貞の抵抗に息を荒くして呟く。

「んふふ。けどここまでの持久力。……これは入れたら良さそうだねー♡ ねっ、もうヤっちゃおうよー♡ 私我慢できなーい♡」

不吉な呟き。それが聞こえたと思えば弓兵がモゾモゾと横で動き出す。

「仕方ないな。今回は先を譲るとしよう」

そうこうしていると下着を脱ぎ捨て生まれたままの股間を空気に晒す女性。そこには綺麗に生えて整えられた隠毛が淫らに咲き誇っている。

「へへーやったね♡ それじゃあお姉さんが手コキなんかよりももっと気持ちいいこと教えてあげるからねー♡」

腰を浮かせて正面に回った彼女。指先で見せつけるようにくぱぁと開かれた女性器が脈動するように震えていた。
──ヤられる。美しい花弁のようなそこに見惚れながら僕は動くことも出来ずにそれを悟る。

みんな……ごめん。
意味も分からず仲間への謝罪が頭を過ぎった。

「それじゃあ童貞君を大人の世界にご招待──」

彼女が僕の上に跨り狙いを定める。
終わった。
大人の階段を上ってしまう。
弓兵を逆に弓で貫いてしまう。
見ず知らずの痴女のお姉さんに頂かれちゃう。

混乱したように思考がぐるぐる回る……その瞬間だった。

「──お待ちなさい!」

颯爽と聞こえた静止の呼び声。僕の意識をいやらしい女性器から引っ張り上げるその聞きなれた音へと視線を向けると、そこには三人の女性がいた。

凛々しい表情を浮かべて腕組みしたアリス。
呆れたような困惑顔をしている頭をかくニーナ。
そして、この世の終わりのような暗い笑みを浮かべて瞳を濁らせ、カタカタと杖を震わせるレナ。

「──ったく。世話が焼けんな」

ニーナが呟くその言葉に真っ先に反応したのは横の女騎士。

「ふふっ、男女の営みを遮るとは無粋なお嬢さん方だ」

余裕を崩さぬ彼女は芝居がかった台詞を変わらず投げつけ、

「そうだよー♡ この子はもう私たちにメロメロなんだかららじっと見ててねー♡」

弓兵がのんびりと、しかし明確に僕を犯すと宣言するすると対する三人の雰囲気がピリッと固くなるのを感じる。
そんな傍若無人とも言える痴女に放たれたのは小さな声。

「──さない」
「え?」
「ん?」

大した声量でもないのに血の底から這い出るような重く暗い声。それを聞き取れなかったのか僕にまとわりつく二人は疑問を漏らす。

「──絶対に許さない。シンは私たちの──私のものなのに……許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない──」

気でも触れたかのように言葉を連呼するのはレナ。その異様な様に騎士と弓兵が怯むのが気配で分かった。

「レナ?」「おいレナ平気か?」

仲間であるアリスとニーナですら奇異の目を向けて怯んでいた。

「……闇より来るものよ、その混沌を持って命を包み込み──」

レナが続けて呟いた言葉に血の気が引き、頭の中に一つの危険信号が流れた……マズイ。
彼女が覚束ない表情で、けれどはっきりと詠唱し出したのは上級闇魔法。
魔物の大群相手に活躍してくれる頼れる必殺技。
ここでそれを放たれてしまえば――この付近は闇に還る。

「ちょ、ちょっとレナ!」
「おいおい、落ち着けって!」
「──万物を飲み込み、世界を暗闇に戻し、その光を覆い隠したまえ──」

アリスとニーナが静止する声も聞こえないのか、詠唱が進んでいく。
「な、なぁ、一旦待てって――いてっ!」

力づくで留めに入ろうと手を伸ばしたニーナは魔法の防御壁で弾かれる。

そんな仲間の事も気にしない。彼女のその目にはもはや何も写っていないように見えた。

「もしかして、少しマズイかな?」
「ありゃー? ちょっと危険かも?」

二人に生まれたその一瞬の隙。これを逃せば脱出はおろか僕達全員の命すら危ない。その危機感に突き動かされ弛緩していた体に喝を入れた。

「《補助魔法》──身体強化! 魔法防御! 間に合えぇぇぇっ!」

抉れるほど地面を蹴りつけ、風を巻き起こし僕は矢のように飛ぶ。

「レナぁぁぁっ!」
「──破滅と再生を司る──きゃっ!」

一瞬僕を拒むようにぶつかった魔法防御を体当たりで無理矢理押し進み、そして虚な瞳の少女に恥ずかしさも忘れて抱きつく。

「――レナ。もう大丈夫」

僅かに感じた身体の痛みも気にせず、彼女の名前を優しく呼ぶ。

「──シン?」
「……僕はここにいる。何も酷いことされてないから……正気に戻ってよ」

互いの胸がぶつかり、豊満な乳房が潰れるのにも構わずキツく僕は彼女にしがみつき、あやすようにその背中を摩る。
丸出しのペニスがレナのローブに擦れて少しもどかしい。

「シン……あ、ふぁぁ……♪ んんぅ……? んんぅ♡」
「まったく人騒がせな……」
「ひゅー。やるじゃねえか」

するとレナは生気を取り戻したように頬を赤らめてくすぐったそうな顔を見せる。
アリスとニーナもその姿に一安心したように呟き肩を下げた。
……あ、危なかった。最後まで詠唱が続いていたら無事じゃすまなかったぞ。

「シ、ン……? シン♡ シン♡ シン♡ シン♡ シン♡ ……良かったぁ♡」

ようやく我に返ったレナが僕の名前を何度も何度も繰り返す。これはこれで少しどうかと思うが闇魔法を放たれるよりよほどマシだ。

「うん。僕だよ。もう平気だからね」

すりすりと頬を合わす様はまるで犬のよう。レナのその背中の向こうに尻尾すら見える気がする。

「さてと、レナとシンのイチャつきは置いといてだ……」
「えぇ。そうね、とりあえず……」

そんな僕らから目線を外したニーナとアリスは、

「──そこの二人!」「お前ら!」
「「は、はい!」」

コソコソと逃げようとしている半裸の女騎士と弓兵に声を放ち、彼女らの動きを硬直させた。
そして先程までのレナに負けず劣らず重く暗い声音で告げる。

「座りなさい」「座れ」
「「……はい」」

痴女の敗北であった。

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