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第29話 賢者と忍者の甘い尋問

シン達が外の調査を行っていた一方で。

「私が選ばれたということは……そういうことですね?」
「えぇ。あの三人には……特にシンさんには見せたくないもの」

屋敷に残ったアリスとカグヤは、互いにしか分からない曖昧な言葉を交わして目的たる人物へと向かって歩いていた。

「かしこまりました。でしたら微力ながらお手伝いいたしましょう」
「助かるわ。……あれが目標よ」

そして、しばらく進んで見つけたのは年若くも館の管理を領主に任されている執事長の男性。年齢は二人よりも数歳年上というくらいだろうか?

「シンさん以外に使うのは久しぶりでちょっと気が引けるわね……」
「ふふ。そうでございますね。あぁ、ご主人様を裏切る淫らなメイドをお許しください……などという雰囲気も感じられて一興かと」

そんなことを微塵も思ってもいないだろうに、珍しく冗談などを言いながらカグヤが身を掻き抱く。出会ってもうしばらく経つが、こういうところは未だに捉えどころが難しい女性だとファナは思っていた。

「行くわよ。……《スイートボイス》」

男の脳に直接語り掛けるスキル。シンを惑わし、散々誘惑したそれを使った瞬間、執事の男は何かを探すようにフラフラと左右に頭を振る。

『こっちよ♡』『こっちです♡』『おいでぇ♡』

男の頭の中で聞こえる声。欲情を煽るような囁き。無気力な館の男達に通じるかはファナも不安だったが、惹かれているのか怪しんでいるのか、彼はその出どころを探すように覚束ない足取りで歩いていくのだった。
廊下を歩き、勝手口を過ぎ、屋敷の目立たぬ裏側まで一人、不用心に進んだ男。その背後で気づかれぬように追う美女二人。

『ここですよ♡』『ほぉら、ここ♡』『こっちこっち♡』

やがて声が指し示す場所に立ち止まり、キョロキョロと辺りを見回す男。

「――参ります」

その時を待っていたかのように、ファナの真横から姿を消したカグヤ――忍者メイドが、転移したかのように突然男の目の前に出現した。

「《忍法夢幻香
むげんこう
》……ふぅ~♡」

右の掌を開き、投げキスでもするように唇をすぼませて、男の顔に息を吹きかけるメイド。その吐息に乗せて桃色の粒子が一緒に飛ばされて、目の前に執事の鼻や口から体内に侵入する。

「――おまえ……は……?」

その段階になってようやく闖入者に気づいたような声をあげる男だが、もう遅い。
彼はガクリと弛緩し、屋敷の壁にもたれ背を預ける。

「アナタが求める姿――愛おしい姿を浮かべなさい♡」
「あ、あぁ……はぁぅ……はぁ……」

カグヤの粘りつくような囁きに興奮したのか、男が荒い吐息混じりの声を漏らして、眠りにつくようにまぶたをぱちぱちと素早く上下させる。

「さぁ……私はだぁれ♡」

夢うつつな男にカグヤが甘く問いかけるとすぐに男の口が開いた。

「レ、レイアさまぁ……ぁぁ……お美しい……レイアさまぁ……♡」

カグヤにとっては仇。ファナにとっては追うべき敵。その名前をハッキリと告げる男。
彼は今、カグヤの忍法が生み出した幻により、目の前にいる女性をまるで違う人物として捉えている。
単純な催眠のようなもの。だからこそ魔法等の妨害を受け難いカグヤの忍法。後はこの男を混乱させたまま話を聞き出す算段だ。

「私はアナタになにをしたのだったかしら? 教えてくださる?」

記憶の中にあるレイアの話し方をなぞるようにそう告げると、男は何かを言おうとして口を閉じる。

「あら、教えて下さらないの? ――ファナ様あれを」
「えぇ……《チャームキッス♡》――んーちゅっ♡」

カグヤの合図でファナが唇に手を当ててプルンと揺らす。そしてそれを離すと唇の形をした魔力の波動が男に向かってふわふわと飛んでいき――弾けた。

「ひぅぅぅっ♡ あ、あ、あぁ、レイアさまぁ……レイア様にはとても気持ちよくしてもらいましたぁ♡ おっぱいで口でおまんこで……あ、あぁぁぁっ! イくぅぅ……!」

ファナのチャームキッスの効果もあるだろうが、レイアとの行為を思い出しただけで男は漏らすように精液を迸らせる。
一人の男がここまで狂う様。これこそがレイアが人ならざるものだという証拠だとファナは思った。

「そうでしたね♡ アナタを沢山可愛がって差し上げましたね♡ それで、私はアナタに何を命令したのかしら? 言いなさい♡」
「《チャームキッス♡》」

ビクビク震えている男に休む間を与えずに問い詰め、投げキスで頭をぐちゃぐちゃにしたままの尋問。
執事の瞳にはハートマークが浮かび、目の前の女性をレイアだと信じて疑わぬように、口を回し始めた。

「は、はひぃ……領主の監視と……領主を疑うものが現れたらレイア様にご報告するように仰せつかっておりますぅ♡ あ、ああぅぅんんっ♡」
「他には? 教えなさい――」

絶頂しながら幸せそうな顔で言葉を漏らす男。その尋問は続き、彼が倒れ込むまで終わらない。

――そして。

「この場で起こった事。話した事。全て忘れるのです。良いですね♡」
「《チャームキッス♡》」

最後にカグヤがそう囁き、ファナがキスを放ち、彼の意識が途切れ、淫靡な尋問は終了したのだった。

「ご苦労様。カグヤ」
「いえいえ、この程度造作もございません。しかし、大方予想通りで手口も同じでございますね」

執事をその場に捨て置き歩き出す二人。男はしばらくすれば目を覚まして何が起きたか分からないまま仕事に戻るだろう。

「ここまで話が分かれば……後はレイアにいつ仕掛けるかね」
「そうでございますね。シン様達が戻り次第、早急に話を詰めるのがよろしいかと」

二人の美女はそれこそ人外のもののような妖艶な笑みを浮かべながら部屋に戻る。
そして、ほどなくしてシン達も屋敷に帰り、作戦会議が始まった。
互いの集めて情報。曖昧だった部分を補完し合うように話し合い、動き方を決める。

そして、夕食時。ミオと交わす何度目かの食事の時にファナが告げる。

「ミオさん? 例の女が現れないということで、私達は今晩ちょっと夜の町で情報収集をしてこようかと思います」
「情報収集ですか……? この町は治安が良いので、それも良いかもしれませんね。頼りっぱなしで申し訳ないですが何卒よろしくお願いいたします」

夜に屋敷を離れるとの宣言。そして、

「女性だけのほうが、何かと都合がいいのでシンさんにはお留守番をしてもらいます。なにか緊急事態が起きたら彼を頼ってくださいね」

唯一の男性。彼だけをここに残すと言う。

「そ、それは心強いですわ! ありがとうございます。……そ、それとシン様……よろしくお願いしますね♪」

その提案に安心したような、喜ばしそうな表情を向けてシンを見つめるミオ。美しい令嬢の絵になる姿をレナはどこか不服そうに睨み、やけになったように肉を口に咥えこんでいた。ニーナはいつも通りパクパクと次から次へと口に料理を入れ、何回目か分からないお代わりを要求していた。

そして食後。一休みすることもなく、彼女らは装備を整えて屋敷の玄関に出る。

「みんな気をつけてね」
「えぇ、大丈夫ですよ。それでは行ってきます」

見送るシンの視線を背に彼女らは豪華な門を抜け、夜の町へと繰り出していった。
長い夜になりそうだな。シンはそんな風な予感を胸に、あてがわれた部屋に戻る。

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