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第37話 囚われサキュバスの誘惑には……負けない♡ ☆

レイアを捕らえ、無力化した日から数日。僕らはいまだ領主の屋敷に留まっていた。
事件の推移を確認したいと言うのが理由の一つ。もちろんレイアの様子も気になるしね。
魅了と隷属魔法。二重の枷が解ける事はないと思うが、少なくとも数日は監視をしたいと考え、僕らは順番に彼女が捉えられている牢屋に何度か足を運ぶ事にした。
これはそんなとある一日の話。

「ご苦労様です!」
「あ、はい。お邪魔します」
「ふふ、シン様ってば。そんなにかしこまらなくてもよろしいかと」

無骨な建物の扉を開き、待ち構えていたかのように立っていた受付の女性が僕とカグヤに深く頭を下げる。
軽く言葉を交わし、先導する彼女の後を歩いて階段を降り、その地下に作られた堅牢な重い扉の前に辿り着く。そこを開くと鉄格子の牢屋がいくつも並んでおり、ここの看守当番の別の女性がまたも立って待っていた。

「【白き雷光】のシン様、カグヤ様、お待ちしておりました」
「え、えっと、そのどうも……」
「くす、ふふ……」

おどおどと返事をする僕が可笑しいのかメイドが微笑ましいものでも見るように笑みを浮かべた。少し恥ずかしい。

「では、こちらにどうぞ」

案内人を変えて、再び歩き出す僕ら。静まり返った部屋、一歩進む毎に石の床が固い音を立てて響く。そして、それに釣られるように左右の牢屋の中から視線が向けられるのを感じる。
チラリと顔を向けると何人もの女性が同じ服でそれぞれの部屋に囚われており、俯きながら見つめる者、顔をあげて睨みつける者、蠱惑的な流し目を送る者など様々だった。
ここは【レクイルの町】の女性の罪人を集めた監獄で、看守や警備の者も全員女性。男性は基本的に立ち入れない暗く鬱屈とした女の園。
そして、この奥に僕達の目的がある。
囚人たちを横目に真っすぐ進んだ先にある扉。ここに入ってくる前のそれと比べて重く仰々しい鈍色のそれは、鍵だけでなく魔法での施錠もされており、その厳重さが見ただけでわかった。

「準備はよろしいですか?」

案内人の言葉に小さく頷くと、彼女は意識を集中するように瞳を閉じて、小さく……こちらに聞き取れない程微かな声音で呪文を呟く。すると扉が一瞬光り、すぐに元の色を取り戻す。

「どうぞ、お進みください」
「……ありがとうございます」

軽く引くと、人間が一人通れる程度の僅かな隙間を開き、案内人が中に入るように促した。監視をせずに中に入れてくれるのは僕らへの信頼なのか、ここに入れない理由があるのか。恐らく後者だろう。これから起こる事を、彼女は目にしないよう命令されているはずだ。

扉の中はここに来るまでの薄暗さから一転し、いくつもの蝋燭や松明が灯った、地下とは思えない明るい部屋。床も絨毯が敷かれ、しっかりと壁紙も張っており、牢屋と言われて思い浮かべる武骨さとは無縁そうな所だ。
しかし、たった一つ普通の部屋とは一線を画す部分がある。
希少、頑丈、そして魔法にも強いミスリルで作られた巨大な丸い檻が部屋の中央に、見世物小屋のように鎮座しているのだ。
そこに囚われているのは勿論、

「――んんんぅ♡ シンさまぁぁぁぁ♡」

人間たちに混乱をもたらした上級
エルダー
サキュバスのレイアである。
彼女は僕の姿を確認するなり、格子に身体を押し当てて引っ付き、愛しの恋人との再会を喜ぶような――いや、ご主人様の帰宅を尻尾を振って待っていた犬のような表情で名前を呼ぶ。口が開いて涎も垂れていた。
その姿は捕らえられる前と変化のない美しさのまま。流れるような銀髪は手入れをすることも出来ないはずなのに輝きをまったく損なっておらず、漆黒のドレスも綺麗で汚れ一つ見られない。まるで檻の中に飾られた観賞用の彫像のようだ。

「レイア……お、大人しくしてた?」

僕の問いかけにビクリと身体を跳ねさせ、檻を破るんじゃないかと思う程に格子に身体を預ける彼女。隷属魔法で力を制限しているのでそんな芸当は不可能のはずだが、それでもやはりヒヤリとする。あと、そんなに押し付けると豊満過ぎる胸がはみ出してきて、目のやり場に困る。残念な状態になってもレイアが絶世の美女であることに変わりないのだ。

「はひぃぃ♡ シン様のご命令あらばこそ、私は下等な人間どもの言うことを聞いていたのですぅぅ♡」
「そ、そっか……」
「あぁん、素っ気ないお返事のシン様も素敵ですぅぅぅ♡ しゅきぃぃ♡」

冷え切ったこちらの空気に構わず、レイアは顔を緩ませて嬉し涙や涎をダラダラと流して、一人盛り上がる。依存性のある危ない薬を求めているみたいなその姿を見て、引くなという方が難しい。現に僕は思わず一歩身を退いている。

「……早速ですが用件に入りましょう。レイア、貴方が私達――シン様を呼んだ理由をもう一度聞かせてもらえますか?」

興奮するサキュバスを蔑むような瞳で見据え、カグヤが二人の間を遮るように割り込み、口を開いて問う。

「あぁん……シンしゃまぁ♡ ――ふぅ。仕方ないわね。物わかりの悪い人間に教えてあげましょうか」

これは誰の言葉だ? いやレイアか。高低差が大きすぎて一瞬ついていけなくなりそうになった物言いの変化。カグヤの背中越しに頭を出して恐る恐る様子を窺うと、レイアは傲慢そうに胸を張って腕を組み、カグヤを見下すように視線を向けていた。

「シン様の命令通り私は人間達の命令に従っているわ。でも、だからこそ、唯一我慢ならないことがあるのよ。おわかり?」
「いいえ。分かりかねます。というかあなたの思考を分かりたくもありません」

高飛車な物言いにげんなりと返すカグヤ。それは憎しみとかそういう類ではなく、ただ単に面倒くさいといった言葉の投げ方に思えてしまう。

「まったく、所詮人間ね。いいかしら? 私はシン様に従い、愛し、この身体を捧げている。なのに……それなのに! シン様の精を一度も味合わずに他の食事なんて摂れるわけがないでしょう!」
「……はぁ」

声高らかに演説をするように言い放ったレイアの言葉に、日頃から言葉使いや礼節もしっかりしているカグヤが呆れたようなため息を溢す。後姿だけでもどことなく疲れているのが分かる。
男子禁制の監獄といこともあり、本来なら僕はここに来ないはずだった。しかし、ルフラス領主からのとある頼みで訪れたのだ。
それは――捕まえてからのレイアが精や男を用意しても摂らず、最初は僕の精液を欲しいと言って聞かない。餓死されても困るからどうか一度だけでいいから精を与えてやってくれないだろうか? という依頼。
この話を聞いた時の仲間達の姿が鮮明に頭に浮かぶ。
呆れ顔のファナさんとニーナ。子供のような事を言い出した仇の存在に情けなくなったのか、項垂れたアリスとカグヤ。伝言を頼まれただけの領主が震えあがるような瞳で睨みつけたレナ。
反対一票。どっちでもいい二票。賛成二票で僕は一度だけという約束を交わし、餌としてこの監獄に来た。ちなみにどっちでもいいを選んだのはアリスとニーナ。反対は……言うまでもないだろう。

「ではシン様……気乗りしないと思いますが、お願いします」
「う、うん」

カグヤが力なく僕に告げ、横に動く。たったそれだけで。

「まったく人間風情が偉そうな口を――っ! シン様ぁぁ♡ シン様ぁぁ♡ お待ちしておりましたぁぁ♡ お願いしますぅぅ♡ この浅ましいサキュバスに愛をお恵みくださいませぇぇ♡」

理性を無くしたレイアが檻を掴んで叫び出す。なんという変わり身の早さだ。

「――いっておきますが、おかしな気を起こしたら容赦無く殺します。後、シン様に《忍法・筒封じ》を再びかけ、二度とその精液を味わえなくさせます」
「……え?」
「いやぁぁぁ! 命はともかくシン様の精を頂けないのはやだぁぁ! 言う通りにするからそれだけはぁぁ……」
「……あの、僕の……え? え?」

釘を指すカグヤの言葉に取り乱すレイア。なぜか僕の身体が人質に取られているような気がするが、聞き間違いではないだろうか?

「あの、カグヤ……その……今のって……?」
「シン様――」

緊張と不安を抱え、両手を綺麗に揃えたメイドに問うと、彼女はとても晴れやかな笑顔で首をコテンと傾げる。

「――精を一度与えるだけです。それ以上はなりません。よろしいですね」
「……は、はい!」

人は笑顔だけでこんなにも他人を威圧出来るのか。そんな新たな発見をした気分だ。
若干の恐怖を残したまま、僕はレイアに再び向き直ったが、そこで気づく。
いくら美しいサキュバスとはいえ、あれだけの醜態を見せられ、しかもこんな緊張の中で上手に出来るのだろうか。

「はぅぅ♡ シン様が私を見てるぅぅ♡ いらしてぇ♡ 精をお恵み下さいぃぃ♡」

なんだろう。日頃皆を求めたり甘やかして貰ってばかりの僕にとって、狂気的ともいえる状態の彼女にこんなに乱れながら求められても、正直反応しない。

「あのさ、レイア……その集中できないっていうのかな? ちょっと普通にしてもらってもいい?」

無駄だろうな。そう思いつつも浮かんでしまった言葉を止められなかった。
だが、予想は外れた。

「あぁん♡ いけずですぅぅぅぅ♡ はぁはぁ……それじゃあ――くす、うふふっ♡ かしこまりました♡ さぁ、シン様? 貴方様はこのレイアの――上級サキュバスのどこを味わいたいですか?」
「その理性はどこに隠してたのさ……」

反射的にボヤきが溢れるほどの急変。
色気よりも鬱陶しさが勝るようだった態度が一変し、突然サキュバスらしい艶やかさを見せつけてくる彼女に面食らう。

「女はいくつもの顔を持つものですわ♡ それも愛おしい男性の前なら最も輝く自分を見てもらいたいもの♡ いかにご立派なシン様でも女心のお勉強が必要でしょうか──」
「──女の前に魔物。サキュバスでございますがね」
「──邪魔しないで下さる?」

何やら女を語るサキュバス。そしてそれに容赦なく横槍を入れるメイド。一体僕はここで何をしているのだろう。

「こほん──さぁ、シン様、お望みのままに欲望をお教えくださいませ♡ このレイア、体全てで答えさせていただきます♡ ご希望とあらばベッドの上で女の全てを教えて差し上げますわ♡ うふふ♡」
「一応言っておきますが、あなたがそこから出ることは出来ないし。シン様が入ることもなりません」
「――あなた、いい雰囲気という物を勉強してはいかが?」

とはいえ、やはりというべきか……流石はサキュバスと言わざるを得ない。
檻の中に閉じ込められ、魔法や力を封じられているのにも関わらず、その所作だけで官能的な色気を漂わせている。もしもこれまでの姿を見てなかったら僕は鼓動をもっと早めてしまっていたことだろう。

「くす♡ お好きなようにご覧ください♡」

軽く傾けた首の角度。僅かに細められた挑発的な妖しい視線。くねらせる腰。ドレスの隙間から垣間見える真っ白な肌。思わず触れたくなる銀髪が胸元に流れて目を引き、その先の爆乳を両腕でほんの少し持ち上げて小さく揺する。一挙手一投足が男を誘う魔法のような動き。
呆れなどは忘れ、それに魅入られてしまいそうだ。

「……シン様♡ ほら、見てください?」

強いワインのような香しくも甘い声がしっとりと耳に届き、目がフラフラと誘われるまま音の方に向く。そこで手招きしていたレイアは肩紐を摘まみ、羽を散らすようにドレスを床へと落とし瑞々しい裸身を晒す。そして先程とはまるで違いゆったりと妖艶な仕草で格子に近づいてくる。
いくつも並んだミスリルの棒。それを指先でなぞり、爪を立て、男のモノを愛するように握り舌なめずりをしながら笑う。まさしく淫魔に相応しい手技。見ているだけで自然と僕の股間も疼きそうだ。
挑発はそれだけでは終わらない。
長い真っ赤な舌を伸ばし、下から格子を舐めあげ、上目づかいでこちらを誘う。
自らの局部を棒に押し当て隠し、少し動いて見せつける。
こちらの好奇心と興奮を煽る淫らな演目は、ファナさんの踊り子スキルである《テンプテーションダンス》のように僕の意識を引き寄せ離さない。

「うふふ♡ けど、やはりシン様はこちらがお好みですか……?」

見透かしたような瞳で胸を持ち上げ揺するサキュバス。そしてそのまま、彼女は格子があるにも関わらず前進した。
人が横になっても通れず、腕や足だけなら何とか出せる程度の棒と棒の隙間。そこに真っすぐ突き進んだおっぱいが、むぎゅ♡
いくら柔らかいとはいえ、その巨大すぎる乳房が檻から脱獄する事はできない。しかし、格子にぴったりと密着し、押し付けていくと肉がはみ出るように少しだけ迫り、中心の乳首が強調されながら外に出る。
ただでさえ丸く膨らんだおっぱいが体とミスリル棒の両方の板挟みとなり潰れて、僕の目の前で円を作り出した。
ひしゃげたその官能的な柔らかさ。そして囚われの美しい罪人から誘惑されているような背徳感に頭が妙な熱を持ち火照る。
奇妙な……だが、美しい光景。格子越しに見える潤んだ瞳と潰れた膨らみを直視してしまうと股間の疼きが熱に変換され、むくむくと欲望がもたげてくる。

「ふふ♡ どう……ですか♡」
おっぱいの奥に見えるレイアの美しい顔は自信に満ちており、僕が刻んでしまった瞳の白いハートマークが煌煌と輝いている。

「格子を押しつぶすようなこの胸。とても気持ちいいのですよ♡」

立ち位置はそのまま、彼女がゆっくりと体を前に倒す。すると、ミスリル棒に阻まれた胸がむにゅりむにゅりと淫らに変形する。あれをもし自分が受けてしまえばどれだけ心地良いのだろう。

「あぁん……♡ シン様の御立派な棒……んんぅ♡ ……欲しいですわ♡」

甘えるような嬌声混じりの呟きが耳に届く。悶々とした妄想が頭に浮かんでは消え、おっぱいを見ては再び引きずり出されるようにまた現れ、興奮の高まりを抑えられなくなる。カグヤが監視しているという事実すらどんどん頭の隅の方に追いやられていった。

「ねぇ? シン様ぁ♡ お願いですぅ♡」

猫なで声が耳を溶かす。特殊な魔法やスキルなど何も使っていない彼女に心がどんどんと引きずり込まれる。
ふわりと彼女が体を引く。風にしなった枝が元の形に戻るように、おっぱいが本来の美しい造形を取り戻し、小さく口を開いた。

「今度はシン様の番ですよ♡ さぁ、この檻の中にその逞しいモノを差し入れてくださいませ♡」

ふるふると左右に揺れる乳房の誘い。動くたびに甘い匂いを漂わせ、ばちゅんといやらしい音を立ててぶつかる塊。
なぜだろうか。直前まで距離があったそれが、今は目線の下、一歩踏み出せば中にペニスを突き出せる位置にあり、しかもズボンも脱げており陰茎が露出していた。わけがわからない。

「私の誘いに応じて頂けるとは、このレイアのサキュバスとしての人生で最上の喜びでございます♡」

僕が歩いてきたのか? 無意識に? 檻に閉じ込められている女性の誘惑に惑わされて?
認めたくない気持と視線の先で僕を待ち焦がれるように揺れるおっぱい。その二つを秤にかけて思考が回るが、それもなんだかどうでも良くなってきた。
目の前。ペニスのすぐ前にこんな爆乳があって、僕を呼んでいる。他のことなんて関係ない。

「シン様♡ 中にいらしてぇ♡」

腰が跳ね、声に背中を押されたように僕は一歩踏み出す。そして格子の隙間へ餌を差し入れるようにペニスを伸ばす。腰は縋り付くようにミスリル棒にくっつき、動きが止まる。

「あぁん♡ シン様のおちんちん♡ 檻越しの情事というのもロマンチックで素敵ですわ♡ それでは……いただきます♡」

ぱふん♡

「あ、あぁぁ……♡」

檻の中のペニスが爆乳に捕まった。それだけで股間が快楽に沈み、体中に背徳混じりのピリピリとした悦楽が流れ出し、格子を掴んでいなければ立っていることも苦しくなる。

「ふふっ、シン様はそのままじっとしていてくださいませ♡ 私が──貴方様の従順な下僕であるこのレイアが天上の快楽でお包みいたします♡」

真っ直ぐ突き出したペニスは左右から迫ってきたおっぱいにすっぽり姿を隠す。その爆乳のなせる技か、先端は奥まで届く事はなかった。

ふにゅん♡ むぎゅ♡

左右の乳房をたがい違いに上下させたレイアは挟んでいる男根を揉みくちゃにするように擦る。皮を捲られるような刺激。そして、時折中心へと圧力をかけて締め付けられればペニスの先端からトロリと先走りが流れ出して乳内を汚す。

「うふふ♡ シン様、蕩けた甘え顔でとても可愛らしいですわ♡ もっと見せてくださいませ♡」

機嫌良く囁くレイアの乳奉仕。何度も仲間達にされた経験があるはずなのに、この心地良さはまるで初めて性行為をしているような新鮮な快楽を僕に教えてくれる。
やはり男の性を貪ることに特化したサキュバスの技量は侮れない。油断をしてしまうとこの身を全て捧げたくなりそうだ。

「くす、たっぷりと先走りのお漏らしを頂けて幸せですわ♡ ならば、そろそろ──本気で参りましょう♡」

ぱちゅん♡ にゅぷぶ──ずちゅん♡

水音を鳴らすように両乳が勢いをつけてペニスを挟み込み、ゆっくり体を引いたかと思えば、突如檻に叩きつけるように襲いかかってくる。

「くっ、うぅぅぅっ!」

ガチャンと格子が振動する。それに連動するように僕の体も芯から震えた。
縦に飲み込まれたペニスを磨くような乳の筒。その抽送は一度では終わらない。

「あらあら、可愛らしいお声でございます♡ 乱暴で勇敢なシン様も良かったですが、思わずいじめたくなるようなその姿も堪りませんわ♡ まだまだ始まったばかりです……魔法もなにもない、ただ純粋な快楽であるサキュバスおっぱい♡ ──とくとご堪能あれ♡」

ぱちゅん♡ ずっちゅん♡

「あ、はぅぅぅ……こ、こんな、すごぃぃ……♡」

押し付け、離し、また押し付け。決して特別なことをしてるわけでない平凡な乳奉仕。
乳肌がペニスにしっとりと吸い付いて絡みつき、許容量を超えた恐ろしい程の快楽を注いでくるのに腰を引き剥がせない。いや、逃れようとすら考えられない。

「ほう……腐っても上級サキュバス。なかなかのご奉仕でございますね。これは……私達全員が死力を尽くしても対抗できるか怪しいですね」

感心したようなカグヤの声が耳に届く。性的な忍術を得意とし、仲間の中でもファナさんに次いで性技術に長けた彼女にここまで言わせるとは、レイア恐るべし。

「──人間の女の与える快楽など私に言わせれば児戯ね♡ 見せてあげるわ……本当の絶頂というものをね♡」
「あ、らめぇぇぇぇっ! これ良すぎて僕ぅぅぅっ♡」

カグヤの感想に調子を良くしたサキュバスが出し入れの速度をあげ、より強くペニスを締め上げる。
……カグヤに忍法をかけられた時と同じく、口で嫌と言っても隷属の魔法は発動しない。理由は明白。僕がこの快感に心から屈しかけているせいだ。

「さぁ、美しい喘ぎをお聞かせください♡ 耐えようなど考えることも出来ず、私の胸に芳醇な精液をお放ちくださいませ♡ 柔らかいおっぱいで──おイきくだい♡ むぎゅぅ♡」

ぱちゅんぱちゅん♡ ずっちゅん♡

ガクガクと足を震わせ、ミスリル格子を精一杯の力で握り、僕は腰を突き出し続けた。始まって大した時間も経っていない。だが、この甘美なおっぱいに抗うことなどもはや不可能。

「うぅぅぅっ! レ、レイアぁぁ! 射精るぅぅ♡」
「はい♡ たっぷりと新鮮な精をお恵みください♡ ぱふんぱふん♡ ずっちゅ♡ ──きてぇ♡」

興奮し、自らの乳をひしゃげるほどに鷲掴みにしてレイアが決着をつけるようにおっぱいを揺する。そして、ぴゅる。

「──っ、イくぅぅぅぅぅっ!」

どぴゅぴゅ! びゅるる! どぷんどぶん!
尿道を塊が流れ出し、中すらも愛撫されるように昇り、脳が弾けるような感覚を覚えながら僕は精を吐き出す。胸の中を叩くような勢いで放出されるそれは、レイアのおっぱい中に跳ね返るようにぶつかり汚していく。

「んんぅ♡ シン様の熱いのきたぁ♡ ああぁん♡」
それを受け入れるサキュバスは甘いお菓子を口にする女性のように瞳や口をトロンと緩ませ官能的な嬌声で応え、自身も感じているみたいに身体を小刻みに震わせる。

「ま、だ……イくぅぅ……とまんにゃいよぉぉ……♡」

動きを止めた乳内でペニスがビクンビクンと射精しながら暴れ、乳肌に甘えるように自らを擦り付け、その快感で更なる絶頂が訪れる。ここは飲み込んだ男を自ら破滅させる魔性の乳穴だった。
とぷとぷと白濁が漏れ、その度にレイアが頬を興奮で赤らめ、愛おしそうに僕を見つめる。
なんの枷もなく味わったサキュバスの乳技によってすぐにもたらされた脳がふやけるような心地よさで、頭が上手く回らず、ふわふわと浮かぶような感覚のまま続く射精。だが、それもやがて勢いが衰え、ちょろちょろと尿を垂らす程度に落ち着き、ゆるやかに止まった。

「こんなに沢山……ふふ、うふふふ♡ あぁん、なんて素敵な味なのかしら♡」

依然としてペニスを乳で挟んだまま、レイアがうっとりと呟く。
……終わってしまった。すごく気持よかった。この快感を味わい続けたら……僕はどうなってしまうのだろう。

「ねぇ……シン様?」
「は、はひ……」

朦朧とした頭に響くサキュバスの愛撫じみた囁き。

「……もっと、素敵なこと――したくありませんか?」
「もっと……しゅてきな……♡」

いいじゃないか。
彼女は僕に魅了されているし、隷属の魔法だって使ってる。
それに人間の命令をちゃんと聞いて協力してくれてる。
そんなレイアが望んでいるのだから、もうちょっと彼女の好きにさせてあげてもいいんじゃないか?
これは誘惑に負けたとかおっぱいをもっと味わいたいとかじゃなくて、ある種の人助け。魔物との友好の証みたいなものだ。ならば僕は。

「あぁ……う、うん、じゃあ――」

人間を墜落させる淫魔の誘惑。
それに頷きかけた瞬間――

「――はい、そこまででございます」

にゅぽん♡

「――あうぅっ!」

脇下から腕を回され、背後に引きずられるようにして乳内から飛び出されてしまった。
遠くなる温かな空間。白い糸を引を引きながら離れるペニスとおっぱい。恋人を連れ去られるような表情を浮かべる美しき銀髪のサキュバス。時間の進み方がゆっくりと変化したみたいにそれら全てを鮮明に捉えながら、脳内に名残惜しさが溢れる。

「ふぅ……シン様。しっかりしてくださいませ」

耳元を舐めるくらいに近づいたカグヤの諫める声。そして、抱きしめられるように引きずられたために背中に潰れて当たる大きな胸。ぼんやりと状況を理解しても、僕は未練がましくレイアのおっぱいを見てしまう。

「やれやれ、たった一度でこれとは今後の餌のやり方について進言が必要ですね。シン様……少々失礼します」

何事かを呟いたメイドが僕に声をかけると同時に、こちらの身体をクルリと回転させ、自らと向かい合わせにするように立たせてきた。
足に力が入らずだらんとした身体を彼女の腕に支えられているせいで目線がいつもより下がり、僕の正面にはメイド服に包まれたおっぱいが接近している。そして、

「――えい♡」

ぱちん♡

身体を捻らせ、それが元に戻る力を利用して勢いよく放たれたのは乳房による打撃――おっぱい平手打ち。
柔らかいせいで痛くはないが、頭が震えるような衝撃。何をされているのか理解が出来ない。
ボケっとした僕に構わず、カグヤが反対から戻るように再び、ぱちん♡

「ひゃうっ♡」

そして、ぱちん、ぱちんと何度も繰り返しおっぱいが当たるたび、脳が気持よさと同時に冷静さを取り戻していくような感覚だった。気付けのおっぱい平手打ちということなのだろうか。
ほんの少しであるがおっぱいを振り回したカグヤがやがて動きを止め、僕の状態を確認するように口づけでも交わしそうな程に顔を近づけ、ジッと瞳を見つめる。夜空のような漆黒の瞳に僕の顔が映り、どこか幻想的に見えた。

「正気に戻られましたね。手荒なマネをして申し訳ありませんでした」
「──ぁぁん♡ シン様ぁぁぁ♡」
「いや、こっちこそ、えっと――心配かけて、ごめん」
「ふふっ、いいのですよ。シン様がお強くお優しく、けれどほんの少しお胸に流されやすい事は百も承知でございます。そして、それを助け、止めるために私がついてきたのですから……お気になさらないでください」
「──んん、焦らさないでくださいませぇぇ♡」

一度ならず二度もレイアに流され、欲望を満たそうとしてしまった自分を恥じ入るように、縮こまりながら謝るが、カグヤはそんな僕に呆れた顔も見せず頭を撫でて逆に励ます始末。胸が熱くなりながらも後ろめたさも感じる、なんとも言えない気分だ。

「──シン様やだぁぁ! 行っちゃやだぁ!」

こちらの話がついたところで、ようやく檻の中から何度も叫んでいたレイアに意識が向く。

「あぁん♡ シン様ぁ♡ 無視なんて酷いですぅ♡」

媚びるように体をくねらせ僕に話しかける彼女。よく見るとその身を汚していた白濁液は綺麗に消えている。吸収でもしたのだろうか?

「……ちょっと貴方! まだ、始まったばかりなのに止めるなんてズルいじゃない!」
そして、レイアの矛先は良いところで邪魔をしたカグヤへと向けられた。その顔はまるで仇を見つけた時のように険しいものだった。

「最初に言った通りでございます。一度だけ精を分け与えると。それを調子に乗ってすぐ終わらせた貴方の短慮が悪いのです。こちらに非はございませんし、約束は果たしました」
「ぐ……この小娘……」

ぐうの音も出ない正論。カグヤの言葉に傲慢なレイアは悔しげに口を噤む。
しかし、何かを閃いたのかハートマークが浮かんだ瞳を輝かせ、彼女は目標を僕へと変えた。

「──うふふ♡ ねーぇ? シン様♡ さっきのなんてまだまだ序の口ですよ? もっとすごいことしたいでしょ? だからぁ、こっちに来てくださる? ん~ちゅっ♡」

猫撫で声と潤ませた瞳。男の同情を誘うような表情。そして、自らの身体を足からお尻、お尻から股間、股間からお腹、最後に豊満な乳房の順になぞり、性的な魅力を見せつけるようにたわわに実った果実を揉みしだくレイア。分かりやすいあざとい誘惑。けれどそうわかっていても思わずフラっと傾いてしまいそうな艶やかさ。

「う、うぅぅ……は、くぅ……」

決意が爪で甘く引っかかれて削られていくような感覚。
「――シン様」

しかし、それを食い止める邪魔――いや救い手がここにいる。

「これ以上なにかされるのあれば……そうですね、ファナ様にご報告致しましょう。あぁ、それから――レナ様にもしっかりと、事細かにお伝えすることになりますがよろしいですね?」

カグヤのそんな言葉に、思考がかつてない速度で加速する。
ファナさんに報告。少し呆れられるかもしれないがそれはまだいい。
それよりレナに伝わったらマズい。もしも僕がサキュバスの誘惑にまたも流されてしまったと知れば彼女がどんな行動に移るか予想が付かない。レイアを全力で仕留めにかかる程度ならマシ。下手をすれば暴走してこの監獄一帯をめちゃくちゃにしかねない。
頭を過る悲劇的な光景。瓦礫の山に立ちながら虚ろに笑っている魔法使いの姿を想像し、性への未練や目の前の美しい女体のことなどすぐさまどこかに消えた。
瞬きよりも短い時間で考えを巡らせた僕の答えは、とても単純なもの。

「――はい。帰ります」

――撤退だ。

「そんなぁ……やだやだぁぁ……」」

駄々を捏ねるように首を振るレイア。しかし、これ以上相手をしていては本当にマズい。カグヤは言うと言ったら言うし。レナは……やる。

「シン様……レイアにはこう言ってくださいませ――」
「――う、うん。わかった」

先日ファナさんに指示された時と同じく、今度はカグヤがレナへの台詞を教えてくれる。まるで操り人形みたいだが、こちらは命令になれていないのだからありがたい。

「……レイア! だ、黙れ!」

限界まで低い声を出し、そこらの荒くれものの脅しの手口みたいに、掌でミスリル格子を叩いて派手な音を鳴らす。

「――ひゃん♡ シ、シン様ぁ♡」

それを受けたレイアは怯える事もなく、むしろ興奮を助長させてしまったのか息を荒げだした。

「め、命令だ……次に僕がお前の前に現れるまで、ずっと大人しくして領主達の命令に従ってろ」
「凛々しいシン様ぁ♡ 素敵ぃ♡ わかり――」
「だ、黙ってろと言った!」
「――っ♡」

カグヤの選んだ言葉を言うも、ちょっと強引じゃないかと思ったが、それを受けるレイアは口を抑えて幸せそうにコクコクと頷いてくれる。効果覿面じゃないか。

「人間を襲わず。さっきみたいな魅了もせず。与えられた精は残さずに食べろ。い、いいな?」
「――っ♡」
「へ、返事をしろ!」
「はっひぃぃぃ♡ かしこまりましたぁぁ♡ いい子にしますぅぅ♡」
「う、うるさい、黙れ!」
「――っぅ♡」
一体僕は何を言わされているんだ?
そしてレイアは何故こんな酷い事を言われて感激したような笑みを浮かべているんだ? 魅了の効果か? それとも元々被虐されるのが好きなのか?
あとカグヤはなんで横で口を抑えて笑いを堪えるように震えてるんだ? 声、少し漏れてて隠せてないよ?

「――レイア。お前がちゃんと人間の役に立ち、善い行いをしたのなら僕は再び精を恵んでやる。僕から来るまで決して呼ぶなよ? これはご主人様からの――お、お預けだ!」
「は……ひぃ……♡」

言い切ると同時にレイアは身体を跳ねさせ、股間と口から液体をだらしなく垂らして、白目を向いて倒れた。ちょっと心配になって覗き込んだが、安らかな顔で僕の名を呼びながら痙攣してるだけだから多分大丈夫だろう。あと一応サキュバスだし。

「……シン様……ぷふっ……ご、ご苦労様でした。み、見事な……ふふっ……躾で私感服致しました……んふふっ……」
「これで良かったの……?」

所々笑いを堪えて喋るのは止めて欲しい。似合っていない事は分かっているから、どうせならしっかりと笑ってくれた方がまだ傷が浅く済む気がする。

こうして僕達は用件を問題なく……まったく問題なく解決し館へと帰る事となった。
帰宅して話をせがむみんなに対して、カグヤさんは不甲斐なかった僕の姿をかなり誤魔化して伝えてくれたため、

「シンさんが無事で良かったわ」

ファナさんに呆れられる事も、

「もう。今回だけだからね! あんまり優しくしすぎちゃダメなんだからね」

ちょっと機嫌を損ねつつ、レナが暴走する事もなく無事終了。

「へぇ……シンがサキュバス相手に惑わされず……ねぇ……?」
「随分と成長したものね。その立派な姿を見せて貰いたいわぁ……」

ニーナとアリスは揃ってニヤついた疑いの視線を向けていた気がするが……気のせいだろう。
カグヤさんはそんなみんなの後ろに控えて微笑ましそうに眺めていた。
そして、僕にだけ見える角度で人差し指を立て、自らの唇を塞ぐようにくっつける。
二人だけの秘密ですね。そんな心の声が聞こえそうなお茶目で可愛らしい仕草に、不覚ながら今日一番、ドキリと胸が跳ねたような気がする。

「うふふ……」

やはりカグヤ――この忍者メイドは一枚も二枚も上手だ。

後で聞いた話だが、この日を境にレイアは文句を言わずに用意された精をしっかりと摂るようになり、これまでよりも従順に会話や協力に応じるようになったという。
そして、日を空けて何回か僕以外のみんなが様子を見に行ったが特に問題は無さそうとのことだ。
となると、考えるべき事がいくつかある。僕は──僕達【白き雷光】はこれからどうするのかということ。
特に気掛かりなのはアリスの今後。
誰も直接尋ねてはいないようだが、彼女が戦うべき目的は、不完全とはいえ果たしたのだ。そうなった以上寂しい考えだが、アリスとカグヤがこのパーティーに留まる理由はない。
重苦しい考えで悶々としている中、契機となる人物が話があると僕らを呼び出した。
ルフラス・クレイル領主から何を言われるのか。それは僕達パーティーの今後に関わる事であることは想像に難くない。

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