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冒険者編①

エギス国は開拓民の国である。ここで力を持った豪族が事実上の首長であり、薬草や魔物から得られる素材を他国に売って成り立っている。

小国に入る部類であるが、冒険者の数は多く、第二大陸にあるギルド本部に次ぐ規模の支部がここにはあった。

そのエギス国最大の冒険者ギルドではないが、南部にあるレビスの町のそこに、奇妙な三人組が現われた。

黒髪の男と二人の女。

男は下半身に半ズボンのみ。巻き毛のツインテールの女は煽情的に体のラインがそのまま出ているボディスーツだけ。小柄なエルフに至っては、全裸であった。

当然のように冒険者の男らは、二人の女性から目が離せなくなる。

冒険者ギルド、レビス支部のロビーは広く、自由にくつろげる丸テーブルが幾つか置かれていた。

二階に向かう階段の横に掲示板があって、そこにクエストが貼られている。

出入り口から正面奥に、受付があったが、彼女らもギョッと三人組を見た。

「ここが、冒険者ギルドか」

監獄島からエギス国に到着したが、ここから第三大陸に向かうまでに、金は稼ぎたい。

そこでルルベルが勧めてきたのが冒険者になる事だ。

「そっ、あそこで登録するんだけど、一応審査もあるよ」

全裸であるが、監獄島で慣れっこのルルベルはまるで気にしていない。

「ちょ、視線が……」

逆に殆んど独房で過ごしたグレイニアは無遠慮に向けられる男らの視線に、ミキナガの後ろに隠れた。

犯罪的な姿で、ルルベルが受付に走る。あれでも年齢は三百歳を超えているという。

「ねえ、お姉さん、冒険者になりたいんだけど」

ルルベルは元々冒険者だから、既に登録はある。それも金のクラスだ。

先に説明は聞いている。冒険者はランク分けがされ、それによって請けられるクエストに制限がかかる。

上からダイヤモンド、金、銀、銅、琥珀、鉄、石、土、だ。

ここでは偽名で登録する予定である。ルルベルも偽名で登録をし直す事にした。当然、追手対策である。

「えっと、三名で……」

戸惑う受付嬢の姿は如何にもファンタジーでみた町娘風のワンピースで、素朴感があった。

「おいおい、何処の田舎から来たエルフの嬢ちゃんだ」

荒くれというより、チンピラのような若い冒険者が笑う。どのクラスかは、首に掛けられたプレートで確認できるが、鉄のようだ。

――レベルで21か。知らんぞ、その態度。

ざっとここにいる全員のレベルを確認したが、一番強い者でレベル38。その彼で、銅クラスである。

もっと強い冒険者は、大きなクエストを請けられるから、ここでダラダラしている暇はないのだろう。

「何なんですの、あれは」

「無視していろ、グレイニア」

この町にずっといるつもりもない。

脱獄はしたが、目的もなく生き続けるのは難しい。

復讐がしたい、とグレイニアが言った。

その具体的な方法は決めていないが、とにかく第三大陸へ。リーベルン王国に向かおうと決めた。

先程、ルルベルを揶揄した若い冒険者が寄ってくる。

「なあ、アンタ、俺らのパーティに入らねえ」

下心見え見えに、グレイニアに近付いてきたのだ。

赤い髪もボサボサに、鋭い目付きだが、ミキナガは怖さも迫力も感じなかった。囚人らの方が、ずっと、なのである。

「下賤な者が、わたくしに声なんかかけないで」

「なんだと、この女――」

無視すればいいのに、どうしても貴族令嬢が抜けないグレイニアだ。

女でも構わずに、殴りかかってくる。

「やめろ」

打ち出された拳をミキナガは取った。

「はあん、んだ、てめえ。こんないい女には、てめえには勿体――」

拳を握った手に少しだけ力を込めて、殺気を放つ。

難攻不落の監獄島で死線を越えてきたのだ。多くの魔物と戦ってきた冒険者もそういったオーラを持つのかもしれないが、仲間もいない劣悪な環境を生き抜いてきた者にしかない、異質のそれは、鉄クラスの程度では慄くしかできない。

「ひ……」

青ざめた赤髪の男が、大人しく引きさがる。

「どうした?」

二階から中年の男が下りてくる。ぎこちない動きも一階に至って分かった。

短めの茶色い髪に隻眼。片足は棒状の義足である。

「ギルマス、実は……」

受付嬢が説明を始めた。

ルルベルが近くに戻ってくる。

「この支部のギルマス、ギルドマスターだね」

「成程……」

レベルは65。あの足で、この強さなのだから、健康体で若い時には、もっと強かったに違いない。

「おい、アンタら……」

受付嬢から聞き終えて、ギルドマスターが近寄ってきた。

「冒険者として登録したいってな」

男のミキナガを代表と思ったようで、鋭い視線が向けられてくる。

「ああ、この通り、碌に着る物もない。直ぐに登録して、早く仕事がしたい」

「妙だな。盗賊に襲われたって感じでもねえ」

「どうしてそう思う」

「盗賊なんかに負けねえだろ」

更にアナライズしても鑑定のようなスキルは持っていない。ならば、歴戦の勘か。

「それは冒険者になる事に問題があるのか?」

「いいや。決め事を守ってくれさえすりゃいい。ついて来い。テストする」

これも先にルルベルから教えられていた。

ギルドの地下に簡単なダンジョンがあり、どの階層まで行けるかを測る。

一階も踏破できないようなら冒険者に向いていないと判断される。

「おい、賭けねえか。あいつらが、どこまで行けるか」

そんな声も聞こえてきた。

ギルドマスターに連れられ、受付の横の扉から奥へ。

床にあった分厚い鉄板が外され、そこから地下に下りる。

そこには、冒険者ギルドが開発した幻影の魔道具で生み出された魔物が出現し、足止めをする罠が設置されていた。

最初の階では灯りがあったが、下に行くほど、暗くなる。それへの対応も冒険者に必要な能力だ。

武器の貸し出しもあったが、金はかかる。無一文には無理な相談だが、どうにかなるとは思っている。

実際、最速記録で、最下層まで到達した。

――――

ギルドマスターの事務室で、豪快な笑いが響いた。

「こんなレコードは初めてだ。他の支部でもない記録じゃないのか?」

テスト用の簡単なダンジョンで、五階層までしかなかった。

最下層で現われた幻影の魔物でもレベル50程度で、地竜と戦った経験からすれば、危なげなく勝利した。

本当は金クラスの冒険者も一人いて、脱獄に使ったスキルは探索にかなり有利に働いた。

これで突破できないはずもない。

「倒した魔物の数も最多。もっと何処までやれるか確かめたいところだが、悪いがここではあそこまでが限界だ」

「それで、俺達は冒険者として登録できるんだな」

「ああ、銅クラスで登録できるようにしてやる」

ルルベルが唇を吹く。

「喜ぶ事ですの?」

「いきなり銅クラスなんて、普通はないよ」

ギルドマスターが鋭くルルベルを見た。

「よく知ってるな」

「知り合いの冒険者から聞いたんだ」

呼吸するように嘘をつくエルフだ。

「本当は、もっと上でも良さそうだが、規定でな」

扉が叩かれ、受付嬢が書類を持ってきた。

「ここに、サインしてくれ。あと、三人で一つのパーティなら、その登録もする」

偽名は決めてきている。

ミキナガはディック。

グレイニアはティッツ。

ルルベルはアッス。

どう考えてもふざけているが、そのまま気にされず受け入れられた。

パーティ名だが「夜明け」と名付けた。少しは希望の持てるような名前にしたかった。

「直ぐに金になるクエストを受けたいんだったな」

「ああ。無一文じゃ、宿も食事も得られない」

「あと、服もな」

羞恥の欠片もないルルベルをギルドマスターが一瞥した。

「それで、何かあるのか?」

「特別に、俺からの直接の依頼を受けてもらおう。実はな、夜な夜な町にサキュバスが出現して、困っている。町長からのクエストだが、うちの高位のパーティは、今は出払っていてな、被害が増える前に、討伐、あるいは捕縛でもいい。悪さをしなくなるなら、な」

「出現するのは夜なんだな」

「ああ、分った。直ぐに食事は用意してやる。成功報酬から後から引くが、それでも当面の宿代と安い装備を揃えられるくらいは出る」

充分な条件だ。ルルベルに聞いたら破格だと言っていた。

夜になるまでは、ギルド会館にいさせてもらう。

ロビーでは、もう噂になっていた。

登録していきなり銅クラス。テストダンジョンの最速攻略。

幾つかのパーティの出入りがあったが、近付いてくる者は少ない。全裸のエルフがいて、しかも見た目がアレなので、あらぬ疑惑が降りかかるのを経過している。

「ちょ、ちょっと、貴女、その格好!」

女性の冒険者パーティなら寄ってくるか。

で、ミキナガには犯罪者を見る目が向けられた。

まあ、本当に脱獄囚だし、ルルベルも犯している。

「あっ、ここに来るまでに、スライムに溶かされちゃってさ」

「まあ……」

布を恵んでもらった。

ルルベルの胸元と腰回りはやっと隠された。

――しかし、服を溶かすスライム、いるんだな。

確か「スレイ・オア・ファック」には出現していた。

約束通りに食事が用意され、腹を満たす。

余裕ができてきたら、もう少しマシな食生活にしたいものだ。確か「ホーリーファンタジア」では、現代日本風の料理も出ていたから、第三大陸ならいい物が食べられるのではないだろうか。

さて、ギルド支部への出入りも殆んどなくなった頃合い、冒険者としての最初の仕事に向かう。

深夜の町は静まり返り、ハーフムーンが微かに照らす。

サキュバスの被害は過去に五件。

男性に至上の快楽を与える代わりに、精気を吸うのだが、被害者は起き上がれない者もいる。

幸いに死者は出ていないが、働き盛りの男手が動けないと、決して裕福ではない家庭では死活問題だ。

三件目の後、琥珀クラスの冒険者パーティが討伐を試みたが、返り討ちにあっている。

パーティの男性全員が今も寝込んでいた。

「合計の被害者は八名。そんだけ食い荒らして、まだ、毎晩のように現われるか」

呟けば、ルルベルが返す。

「まっ、お陰で直に仕事が舞い込んだわけだし、感謝してもいいくらいだよ」

徹底して自分の都合が優先か。

「ミキナガ、サキュバスなんかに惑わせたりしたら、しょうちしませんわよ」

とはグレイニアだが、実のところサキュバスには興味があった。

体やセックスではなく、スキルに関して、である。

――魔物相手でも、寝取りの効果はあるのか、それも確かめたいからな。

蝙蝠型の翼を持ち、空を飛べるサキュバスは厄介な魔物と言える。

しかも魔法に対する耐性が高いと聞く。

パーティ夜明けは魔法使い二人、弓兵が一人と前衛がいない。しかも弓兵は弓を持たない。

バランスがかなり悪いのだ。

あえて前衛を選ぶなら、ミキナガになる。女体に向かって飛び込んでいく事には監獄島で慣れた。

パーフェクトサーチで町全体を探る。

どの建物に何人がいて、セックスしているかまで分かるのは、エロゲのキャラであるルルベルから入手したからか。

「いた……」

「何処だ、ルルベル」

「北西、ほら、赤い印が動いている」

確認した。

パーフェクトサーチが使えないグレイニアだけ会話に入れず、苛々しているようだ。

些細な事でも嫉妬してくる性格が、彼女を悪役令嬢にしたのだろう。

――さて、どうするか?

「こいつ、獲物を物色しているね」

ルルベルがそう言うものだから、誘き出す事しか考えられなくなった。

「いいだろう。ちょっと、行ってくる」

「はあ!? ミキナガ、サキュバスと一発やるつもりですわね」

「ルルベル、グレイニアを押さえておけ」

「了解」

悪いが、空を飛んで逃げる事のできる相手には、向こうから近付いてもらうしかない。

「ちょ、ミキナガ! ルルベル、離しなさい!」

後で数回イかせてやれば、グレイニアの機嫌も直ろう。

サーチを続けながら深夜の町を走った。

他の獲物を捕食し始める前に、遭遇したいものだ。

半ズボン一枚だけの姿を見て、サキュバスもミキナガを冒険者とは思わないだろう。

半月を横切る影があった。

もう視認できる。

「あれか……」

かなり近付いたはずだ。走るのを止めて、ゆっくりと歩きだす。

すると、サキュバスがこちらに気付いてくれた。

翼がはためく音がして、正面のやや上に彼女が現われる。

「こんな夜中に、そんな格好で、お兄さん、何処に行くの?」

金髪と言うより、黄色く染めたような髪で、前が長いボブ。ぷっくりと色香の濃い赤い唇に妖艶な瞳をしていた。

全体にスレンダーだが、掌には余る豊乳で形良く肉付くお尻。黒いブラジャーとショーツにガーターベルトとストッキングといった姿だ。

直にアナライザする。

レベル64。琥珀程度では敵わない訳だ。

全魔法耐性。雷帝破。加速。等、魅力的なスキルと魔法を持っている。

――雷帝破って、確か雷属性の上級魔法だったか。

全魔法耐性も欲しいが、それ以上に役立つスキルを見付けた。

「な、なんだ、お前は……」

怯えた態度を取りつつ、しっかり膨らませた股間も見せ付ける。

サキュバスが地上に下りてきた。

「ねえ、いい事をしましょ」

「い、いい事って……」

「ほら、私、こんなになってる」

ショーツのクロッチを脇にずらしたサキュバスが、股座から淫蜜を滴らせる。

ごくっと生唾を飲み込んだ。

「さあ、来て……」

妖しく瞳が光り、性欲が膨張させられたのが分かった。

――ぐ……、想定はしていたが、やばいな、本当に魅了されそうだ。

ふらふらとサキュバスに近付いた。

半ズボンを脱いでしまっている。

「きゃ……、エッロい、チンポ……。大きさは普通だけど、形がヤバ……」

ルルベル曰く、ペニスの大きさでは彼女が主に活躍した第一大陸の南方の男性が一番大きく――エロゲの舞台故か――第二大陸の男性や第三大陸の中部が一番小さいらしい。

興奮した様子のサキュバスが飛び込んでくる。

大通りに押し倒された形になり、彼女が肉棒を握ってきた。

「むふふ、いただきま~す」

腰を跨いできて、亀頭が蜜で熱く蕩けた肉裂に当てられる。

――精気を吸い付くされるよりも先にイかせないと。

女体のアナライザを開始すると同時に、強沈された。

ヌブブ――ッ! 生暖かいヌルヌルに包まれる。

「んお……」

「ぁふん、やっぱ、いいチンポしてんじゃん。君も人間の女なんかじゃ得られない、最高のマンコ、存分に味わって」

舌で自分の唇を舐めて、我儘に腰を上下させてきた。

独立した生物のように膣粘膜が蠢き、肉棒全体をしゃぶりこんでくる。

「あ……、あっ、あぁあん! 動くとゴリゴリって、えぐく擦ってくるぅ! はぁっ、ん
あっ、イっ、イイ――、君も楽しんでる?」

「……」

「あはは、私のオマンコ、良過ぎて、声も出ない? かっわい」

「いや、何か、期待外れ」

「え?」

悪くはない。が、圧倒的にグレイニアの方が気持ちいい。

もしも監獄島で最初に戦った女がサキュバスなら、グレイニアと同じように直ぐに発射していただろうが、あそこでは戦う以外は彼女とやりまくっていたから、流石に刺激に強くなった。

「警戒する必要はなかったな」

起き上がり、押し倒し返した。

性器は繋がったままで、ここからは自分のペースで腰を振る。

ぬぷっ、ズンッ、ぬっぷ、ぬっぷ――っ! ただ勢いよく掻き回すだけでなく、アナライズで分かったサキュバスの弱い個所を重点的に攻めた。

「おっ、ほぉおおお――、ま、待って、なに、これっ……、気持ちいいが、一気に押し寄せてきちゃう!」

もう仰け反り、痙攣しだす。

ぶるんと大きく乳房を揺らし、激しいよがりを見せてきた。

「は……、このカスマンコが」

「んぐ……、こ、こんな屈辱……、お、おおっ、気持ちいい!」

条件を満たしたメッセージが頭の中で聞こえた。

――イったか……。

と、いう訳で、欲しかったスキルを習得する。

「お前、サキュバスの中で最弱マンコじゃないのか?」

「ひどっ、おっ、おおっ――、悔しいぃイイ――、イクぅ、イクイクッ!」

後は殺すか捕まえるかだが、セックスした相手にはどうも甘くなってしまう。

肉棒を引き抜けば、もう失神する寸前のサキュバスが倒れていた。

「いた!」

振り返ればグレイニアと引き留めるに失敗し、申し訳なさそうなルルベルがいる。

半泣きで怒っているグレイニアが近付いてきた。

「もう、やってますの。うう……、わたくしだけは満足できないの?」

腰を引き寄せ、横から首筋の香りを嗅ぎながら、乳房を揉む。

「やん……。も、もう……」

「サキュバスでは満足できん。やっぱり、お前じゃなきゃな」

「そ、そうなんですの?」

「他の女を抱くと、一層、お前の良さが分かる」

「まあ、そうでしょ! ええ、そうですとも」

「俺にはお前のマンコが必要だ」

「もう、仕方ありませんわね。こんな事もあろうかと、わたくし、もう充分に濡れてますわ」

呆れた目が向けられている。

「え、なに、このバカップル。グレイニア、ちょろ」

そのルルベルの視線が移動した。

逆方向に顔を向けるよりも先に、片手を伸ばし、得たばかりのスキルを発動させる。

「きゃあ! こ、これは……!?」

後から振り返ると、この隙に逃げだそうとしていたサキュバスが動けない状態になっていた。

サキュバスの斜め上方と下方、四つの魔法陣から青白い光のロープが伸びて、彼女の四肢を縛っている。大の字に近い恰好で拘束していた。

スキル「愛の束縛」こそ、サキュバスから得たスキルである。

魔力消費タイプのスキルで、効果は魔法のロープによる拘束であるが、

「ハァ、ハァ、ぐ……、イかされたばかりなのに、こいつを使われたら……、ハァ、んあ、ああ……。また、イきそ……」

発情と感度の急激な上昇を齎すのだ。

――これがあれば、スキル集めも楽になる。

今の俺は、とても悪い顔をしているに違いない。

「これ、ミキナガがやっていますの?」

「ああ、こいつから得た新しいスキルだ。こうやって捕まえるだけでなく、催淫や感度を上げる効果がある」

「まあ、羨ましい」

「されたいのか?」

ポッとグレイニアの顔が赤くなった。

「だ、だって……、貴方との始めてが、ああでしたし……」

ヤンデレ気味のドM。むしろ、これでバランスがとれているのか。

「んじゃ、こいつ、殺しちゃう?」

ルルベルがサキュバスに近付いた。

「やぁん、殺すなら、チンポで殺してぇ」

発情が強すぎて、倒される事への恐怖も忘れているようだ。

「いや、このまま捕縛で充分だろ。もう俺には逆らわないよな?」

「はいぃ。ハァ、ハァ、もう、もう一度、チンポ頂けるなら」

「捕まれば、飢えた男らが、お前に群がってくる。だから、大人しくしておけ」

冒険者として最初の仕事は、大きな戦闘もなく、ある意味、自分らしく完遂した。

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