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1話

ご存知だろうか? 世の中には二種類の人間が存在するということを。

大人になってから「あの頃は俺も若かったなぁ」なんて遠い目をして学生時代の甘酸っぱい思い出を懐かしむ勝者と、「どうして俺はあのときもっと積極的になれなかったんだ……」と己の臆病さを悔やむ敗北者だ。

名前は青峰春夫
あおみね はるお
。現在三十歳の平凡な会社員にして、悲しき青春敗北者である。

最近の悩みはこの歳になっても浮いた話がさっぱりないせいで、親から「お兄ちゃんは大学を卒業してすぐ結婚したのに、あんたは本当にモテないわねぇ……」と不憫な目で見られていることだろうか、まったく余計なお世話である。

確かに現在進行形で彼女はいないけど、これでもぼちぼちな企業に勤め、まあまあの稼ぎで、容姿もそこそこの底ぐらいだと自負してますし? 必死こけば彼女のひとりやふたり、できなくもないはずなのだ──たぶん。

しかしながら、俺はとある「病
やまい
」を患っており、それが治らないことには、この先も結婚どころか彼女すら作ることができないだろう。

ああ、誤解を招くといけないので断っておくが、病といってもガチな病気というわけではないし、医者に相談したところでお薬すら出してもらえない類いのものだ。

この病にあえて名前を付けるとしたら「青春シンドローム」とでも呼ぶべきだろうか、その症状は「女子高生にしかときめきを感じない」である。

これを聞いた人はきっと、「それってただの女子高生フェチなおっさんてだけじゃね?」と思うだろう。しかし、それは大きな間違いだ。

確かに俺のエロ動画コレクションは制服JK(偽)ものばかりだというのは紛れもない事実だが、それは青春シンドロームの合併症みたいなものであり、卵が先か鶏が先かで言うならば、まず女子高生に対するトキメキが先であり、その結果としてJKで抜いているだけである。

そう、言わばこれは──女子高生に対する純粋な恋だッ!

……自分で言っててヤバいという自覚はある。

さらに問題なのは、普通だったら卒業と共に自然と消化されるはずのこの想いが、なぜか俺の中では三十路になっても未だに燻り続けていることだろう。

男子なら一度は経験したはずの、学生時代に同じクラスの気になる子を遠くから見つめているときに感じた胸の高鳴りを思い出してみてほしい。廊下ですれ違っただけで嬉しくなり、何気ない会話をしようものなら幸福絶頂してしまいそうな、あのティーンエイジ特有の青臭い心臓のドキドキが忘れらない。

勇気がなくて好きな子に告白することもできないまま、なにもせずに迎えてしまった後悔の卒業式──俺の恋愛感情は今もあそこに取り残されたままだ。

おかげで大学に入って初めてできた彼女とも、いざ付き合ってみたら「なんか、思ってたのと違う……」と、社会に出て理想と現実のギャップに失望した新入社員みたいな感じで別れてしまったし、それ以降もどんな美人と出会ったところで俺の胸が高鳴ることはなかった。それからこの歳までずっとおひとり様だ。

我ながらこじらせていると思う。だって無理でしょ、いまさら学生みたいな恋をしたいだなんて。

そんなこと言われなくても分かっているのだ。はいはい別にいいですよ、おじさんはひとりニセJKエロ動画でシコってますから~。

──と、今では開き直っている自分は客観的に見て「終わってるな」と思う今日このごろであったが、そんな救いようのない男の元に、まさか過ぎ去ったはずの青春が春風と共に訪れるだなんて、いったい誰が想像できただろうか?

「春夫おじさん、久しぶり」

それは、うららかな四月の陽射しが眠気を誘う昼下がりだった。

部屋に響くチャイムの音に呼ばれて玄関ドアを開けると、風に運ばれた桜の花びらがヒラヒラと舞うマンションの廊下にひとりの女子高生が立っていた。

肩にかかる艷やかな黒髪、どこか猫を連想させる透き通った瞳、顔立ちも整った文句の付けようのない美少女である。

「あー、うん、久しぶり……だな?」

念のために断っておくが、いくら女子高生への想いをこじらせてるからといって、俺はパパ活JKに手を出してないし、ましてや特殊なプレイを得意とする風俗嬢も呼んでない。

この子の名前は青嶺美緒。続柄は「姪」。つまり俺は正真正銘、この子の「叔父さん」なのだが──しかし。

「どうしたの? もしかして姪の顔を忘れた?」

うっすらリップクリームが塗られたツヤのある唇が動く。抑揚のない、けれど鈴の音のように澄んだ声が耳に心地よく響き、俺は慌てて首を振った。

「いや、そうじゃなくて……ちょっと見ないうちにすっかり女の子らしくなってたから驚いちゃってさ、今高三だっけ?」

いやほんと、色々なところでデカくなりすぎてマジでびびってしまった。最後に会ったのは美緒が中学に上がったときだったが、そのころはまだ背も低く、お披露目してくれたセーラー服姿もぶかぶかで子供っぽい印象だったのに……。

視線を美緒の顔から下へ向けると、白いブラウスの胸元はEカップぐらいありそうな膨らみを見せつけ、短いスカートから伸びる健康的な生足は程よくムチッと肉づいていて、なんというかすごく「女の子」になっていた。

というかエロい。なんだそのおっぱいは? たった数年でよくもまあ、これだけ成長したものだ。

発育の良さに驚かされてマジマジ見つめていると、美緒が首をかしげて口を開く。

「Fだけど」

「えふ?」

「胸、すごい見てるから気になるのかなって」

──これは不覚ッ! そして予想を越えたFカップ……だとっ!?

「そっ、そうか、うん……大きくなったな」

いきなり姪の胸をガン見してしまう叔父とか完全にセクハラおやじだし、美緒もなに平然とした顔でサラッとデリケートな情報を教えてくれちゃっているのか……。

気が動転するあまり、子供の背が伸びた感じでおっぱいの成長を褒めてしまったじゃあないか、まさかの初手セクハラである。

「中学三年生ぐらいから急に大きくなり始めたかな、ブラのサイズがすぐに合わなくなるから困った」

「ああ……それは……困るよな、ハハ……」

──どうしよう、会話がおっぱいの流れに乗ってしまった。

そういえば、この子は昔からマイペースというか、何を考えているのか表情じゃ分かりづらいところがあったっけ。今も澄ました顔や淡々とした口調からは喜怒哀楽が読み取れない。けれど、それが返って美緒の端正な顔立ちにマッチして神秘的な印象を受ける。

元の素材がよいというのもあるだろう、化粧っ気のない頬は咲いたばかりの花のようにみずみずしく、唇に引かれたリップクリームが清潔な色香を感じさせる。

過剰なメイクをしたJKギャルとは正反対の天然美少女。幼いときから可愛かったので将来は美人になるだろうと思っていたけど、まさかここまでとは……。

「そんなにじっと見つめちゃうぐらい、わたし、おじさん好みに育ってた?」

「あっ! いやっ、すまん……つい……」

──またしても不覚ッ!

懲りずにガン見してしまった俺の慌てように、美緒の口元が微かにゆるむのが見えた。あれ? もしかして俺、からかわれてる?

これはいけませんぞ。もしも俺が女子高生が弱点のキモキモおじさんだということが姪バレしてしまえば、叔父としての沽券に関わる問題だ。ここはビシッと言ってやろらねば。

と思ったのに、美緒と向き合った瞬間、透き通った瞳に見つめられて心臓がドクンと高鳴り、口から出かかった言葉が喉の奥に引っ込んでしまった。

──あれ? 心臓の高鳴り? なんで?

「どうかした?」

「いや、なんでも……それにしても、ほんと大きくなったな。最後に会ったときはまだ小さかったのに」

「おじさんは、あんまり変わってないね」

「そっ、そうか? 最近ちょっと老けたかなって思ってたんだが……ハハッ、女子高生にそう言われるなら、俺もまだまだ捨てたもんじゃないのかな」

「そうだね、おじさんはカッコいいと思うよ」

ドクンッと、さっきよりもさらに大きく心臓が跳ねた。

──あれあれあれ?

おかしいな、こんなのはただのお世辞だってちゃんと分かっているのに、どうして俺はこんな嬉しくなっちゃっているのだろうか。いくら好みドストライクの巨乳JKといっても相手は姪だというのに……。

「あ〜っと、立ち話も何だし、とりあえず家の中に入ろうか?」

「うん、これから一年お世話になります」

動揺していることを悟られないよう平静を装って言うと、美緒が姿勢を正してペコリと頭を下げたので俺もつられてかしこまる。

「あ、ああ……こちらこそよろしくな」

そう、本題はここからだ。

なぜ美緒が疎遠になっていた叔父の家を訪ねてきたのか、もちろん単に遊びに来たなんてことはない。この子は親元から離れて今日からウチで一緒に暮らすためにやってきたのだ。

そうなった経緯を簡単に説明すると、美緒の父親──つまり俺の兄貴だが、兄貴が会社の都合で急な海外赴任をすることになったのが事の発端だった。

兄貴とその嫁さんは未だに夫婦仲が良く、単身赴任で離れ離れに暮らしたくはなかった。けれど、今年は大学受験を控えてる美緒を海外へ連れて行くのは可哀想だ。しかし、年頃の女の子を一人暮らしさせるのは心配だ。困ったなぁ……そうだ! だったら独身で彼女もいなくて都合よく部屋も余らせてる叔父さんの家に住めばいいじゃない!

──と、まあこんな感じである。親戚とはいえ俺の扱いが軽すぎだろ……。

幸い、俺が住んでいるマンションから美緒が通っている学校は電車で通える距離だったし、こっちも強いて断る理由もなく、あれよあれよと日取りも決まって現在に至ったわけだ。

事前に心構えはしていたというのに、いざ生JKの姪に会ったらこの体たらくである。さっきからどうにか心を落ち着かせようとしているのに、純白のブラウスと膝丈スカートの黄金連携がどうしようもなく俺の感情を昂ぶらせやがる!

「あれ……? そういえば今日は学校は休みだろ、なんで制服着てるんだ?」

「せっかくだから春夫おじさんに見せてあげようと思って。だっておじさん、わたしが高校に上がったときも会いに来てくれなかったし」

ちょっぴり不満げな声。たしかに美緒が小学生のころはよく兄夫婦の家にお邪魔していたから、ときには親に代わって遊びに連れて行ったりしたものだ。仕事が忙しくなったのと、美緒がもう小さな子供じゃなくなったこともあり、自然と足が遠のいてしまったが……。

「どう? わたしの制服姿」

そう言って、美緒は俺の前でクルリと回ってみせる。スカートがフワリとなびいた拍子に逆三角形の薄い布地が見えてしまった。

ふぅん、なるほどね、水色ってわけね……そうやって、いともたやすくおじさんのハートを揺さぶるのはやめていただきたい!

しかし、円満な同居生活のためにも人畜無害な叔父を演じるべく俺は感情を押し殺し努めて大人らしい受け答えをせねばならない。

「よく似合ってるよ。もう立派な女の子だな」

「本当にそう思う?」

「ああ、もちろん」

「そう、ならいい」

何が「いい」のか分からないけど、美緒は納得したように頷いた。どうやら機嫌を損なったわけではないようだが、やはりこの子は何を考えているのかいまいちわからん。

「ほら、早く中に入ろう。美緒の荷物はもう部屋に運んであるから、後で荷解き手伝うよ」

「うん、おじゃまします」

そう言って、俺に続いて靴を脱いで玄関に上がる美緒。そんな彼女の一挙手一投足を無意識に目で追ってしまう。いくら目の前に現役の女子高生がいるといっても意識しすぎだ……こんなんで、これから一緒に暮らしていけるのだろうか?

「わたしの部屋はどこ?」

「ああ、すぐ手前の右側のドアだよ。前は寝室にしてた部屋なんだけど、美緒の好きなように使っていいから。必要なものがあれば後で買い足すし、遠慮せずに言ってくれ」

「わかった、ありがとう」

そうして、内心穏やかではない俺の横を美緒が通り過ぎたときだった──。

フワリと、爽やかな柑橘系の甘い香りが鼻腔を掠めた。

香水とは違う、おそらくヘアスプレーの類だろう。どこかで嗅いだことのある甘い匂いが引き金となって学生時代の記憶が脳裏をよぎる。

そうだ……俺が片思いしてた女の子……そういえば、あの子が近くにいると、いつもこんなふうに甘くていい匂いがしてたっけ……。

それは、懐かしくも未だ鮮やかなまま心に残り続ける青春の思い出。初恋の匂いだった。あろうことか、俺はそんな感情を女子高生の姪に抱いてしまった。

──いやダメだろ、血の繋がった姪だぞ?

一瞬、記憶に残っていた少女と美緒を重ねてしまった自分を叱咤するも、可憐な女子高生へと成長した美緒の後ろ姿を見つめながら、まるで過ぎ去ったはずの青春がもういちど自分の元にやってきたかのような錯覚に俺の心臓はどうしようもなく高鳴ってしまう。

こうして、ダウナー系巨乳JKの姪と青春こじらせおじさんの同居生活は幕を上げたのだった──。

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